タミヤから発売されている「トヨタ GR ヤリス(VZシャーシ)」は、ミニ四駆ファンの間で人気沸騰中のモデルです。WRC(世界ラリー選手権)で活躍するトヨタの技術を注ぎ込んだ実車「GR ヤリス」を忠実に再現したそのボディは、大型ラジエーターグリルやワイドなリヤフェンダーなど、迫力ある3ドアハッチバックスタイルが魅力的です。
2020年8月発売のこのミニ四駆は、高性能なVZシャーシを採用し、小径ローハイトタイヤとフィンスポークホイールの組み合わせで、見た目の格好良さと走行性能を両立しています。また、類似モデルとの違いやカスタマイズ方法など、この記事ではGRヤリスミニ四駆の魅力を徹底解説します。走らせて楽しい、飾って楽しい、そんな一台の魅力をとことん掘り下げていきましょう。
記事のポイント!
- ミニ四駆 GRヤリスの基本スペックと特徴
- VZシャーシの性能とセッティングポイント
- ボディの塗装やカスタマイズの方法
- 類似モデル(ヤリスWRC、GRスープラ)との違い
ミニ四駆 GRヤリスの基本情報と魅力
- ミニ四駆 GRヤリスはVZシャーシ採用の高性能モデル
- ミニ四駆 GRヤリスの価格は1,210円で2020年8月に発売
- ミニ四駆 GRヤリスのボディはリアルなデザインが魅力的
- ミニ四駆 GRヤリスのVZシャーシは強度と拡張性に優れている
- ミニ四駆 GRヤリスのサイズは全長158mmとコンパクト
- ミニ四駆 GRヤリスのホイールとタイヤは小径ローハイトを採用
ミニ四駆 GRヤリスはVZシャーシ採用の高性能モデル
タミヤから2020年8月8日に発売された「トヨタ GR ヤリス(VZシャーシ)」(品番:18097)は、レーサーミニ四駆シリーズの第97弾として登場しました。このモデルの最大の特徴は、WRC(世界ラリー選手権)での技術を注ぎ込んで開発された高性能スポーツカー「GR ヤリス」のボディデザインと、高性能なVZシャーシの組み合わせにあります。
VZシャーシは、人気の高いVSシャーシをベースに強度と拡張性を向上させた高性能シャーシです。バンパーやリヤステー基部、プロペラシャフト軸受けなどの強度が大幅に向上し、レース中の衝撃にも耐える設計となっています。また、衝撃を吸収する適度な「しなり」を持つことも大きな特徴で、コーナリングの安定性向上に貢献しています。
キットには130タイプモーターが付属しており、組み立ては接着剤不要でビス止めだけで完成します。シャフトの軸受けには摩擦抵抗の少ないPOM樹脂製の620プラベアリングを採用しており、スムーズな走行を実現。ギヤ比は3.5:1と、スタンダードな設定になっています。走行には別途単3形電池2本が必要ですが、パワーチャンプRXといった高性能電池と組み合わせることで性能を最大限に引き出せます。
初心者でも簡単に組み立てられる設計ながら、セッティングの自由度が高く、レース用としても十分な性能を持っています。コレクションモデルとしてのディテールの高さも兼ね備えた、非常にバランスの良いモデルといえるでしょう。
ミニ四駆 GRヤリスの価格は1,210円で2020年8月に発売
ミニ四駆「トヨタ GR ヤリス(VZシャーシ)」の希望小売価格は1,210円(税込)で、2020年8月8日に正式発売されました。タミヤのレーサーミニ四駆シリーズNo.97として展開されており、JAN/ISBNコードは4950344180974です。販売店によって価格は異なり、2025年4月現在、Amazon.co.jpでは809円(税込)、ヨドバシカメラでは890円(税込)と希望小売価格よりも安く購入できる場合があります。
発売から約5年が経過した現在も人気が高く、一部の販売店では「在庫残少」と表示されています。オンラインショップでは入手可能ですが、店頭では品切れになっているケースも見られます。タミヤ公式オンラインストア「TAMIYA SHOP ONLINE」では定価の1,210円(税込)で販売されていますが、送料が別途510円かかります(5,000円以上購入で送料無料)。
同シリーズの他のモデルと比較しても標準的な価格帯に位置しており、キットの内容を考えるとコストパフォーマンスの高い商品といえるでしょう。また、ネッツ神戸オンラインでは「ネッツ神戸チームネッコくんGRヤリス#43 ミニ四駆」という特別バージョンも販売されており、こちらは2,310円(税込)と若干高めの価格設定となっています。
初心者向けのミニ四駆としても、コレクションの1つとしても、手が届きやすい価格設定が魅力の一つであり、「久しぶりにミニ四駆をやろうと思って、実車のモデルがあったのでこれにしよう」というユーザーの声も見られます。
ミニ四駆 GRヤリスのボディはリアルなデザインが魅力的
ミニ四駆 GRヤリスのボディは、実車のGR ヤリスの特徴を余すところなく再現しています。大型のラジエーターグリル、ワイドに張り出したリヤフェンダー、ルーフ後端のスポイラーなど、迫力ある3ドアハッチバックスタイルがリアルに表現されています。標準ボディカラーはホワイトを基調としており、付属のステッカーを貼ることでウィンドウやライト類、ルーフのカーボンパターンなどを表現できます。
ボディデザインの再現度は従来の実車型ミニ四駆と比較してもかなり高く、コレクションモデルとしての価値も高いと言えるでしょう。特に、トランク右下にはGR-FOURのエンブレムも再現されており、モデルは最上位グレードのRZ”High performance”を模しています。
このモデル専用に開発されたボディキャッチは、ワンタッチでボディの固定と取り外しができる構造になっていますが、一部のユーザーからは「走行中に緩むことがある」との指摘もあります。この問題を解決するためには「ラバーボディキャッチ」への交換が有効ですが、現在では入手が難しくなっているようです。
ディスプレイモデルとしての見栄えを向上させるテクニックとして、フロントバンパーとリヤローラーステーを取り外す方法があります。これにより、実車のスタイルにより近づき、コレクションとしての魅力が増します。また、付属のゼッケンステッカーを貼ることでレーシングムードをアップさせることも可能です。
ミニ四駆ファンの間では「痛車」(アニメやゲームのキャラクターを描いたカスタムカー)として改造する例も見られ、白いボディカラーはそうしたカスタムの土台としても適しています。
ミニ四駆 GRヤリスのVZシャーシは強度と拡張性に優れている
ミニ四駆 GRヤリスに採用されているVZシャーシは、VSシャーシの優れた特性をさらに進化させた高性能シャーシです。その最大の特徴は「強度と拡張性の両立」にあります。バンパー、リヤステー基部、プロペラシャフト軸受けなどの強度が向上し、激しいレース中の衝撃にも耐えられる設計となっています。
VZシャーシの拡張性も大きな魅力です。リヤローラーステーだけでなく、フロントバンパーも分割が可能になり、セッティングの自由度が大幅に向上しました。これにより、コース特性や走行スタイルに合わせた細かなチューニングが可能になっています。例えば、フロントバンパーの位置を調整することで、コーナリング性能を微調整することができます。
シャーシ本体とAパーツ(ギヤカバーなど)はABS樹脂製でグレイカラーに統一されており、ギヤ比は3.5:1を採用。シャフトの軸受けには摩擦抵抗の少ないPOM樹脂製の620プラベアリングを使用することで、効率的なパワー伝達を実現しています。
実際のレース走行では、衝撃を吸収する適度な「しなり」がコーナリング時の安定性向上に貢献します。コースのバンクやコーナーで車体が暴れにくく、初心者でも安定した走りが期待できます。
VZシャーシ専用パーツとして「VZシャーシ ファーストトライパーツセット」(品番:15526)も販売されており、さらなるパフォーマンス向上が可能です。ただし、このパーツセットをGRヤリスのボディと組み合わせる際には、リア部分の干渉が発生するため、ボディやステーの加工が必要になる場合があります。カスタマイズを検討する際にはこの点に注意が必要です。
ミニ四駆 GRヤリスのサイズは全長158mmとコンパクト
ミニ四駆 GRヤリスの完成時サイズは、全長158mm、全幅98mm、全高49mmです。一般的なミニ四駆としては標準的なサイズ感ですが、実車の迫力ある3ドアハッチバックスタイルをコンパクトに凝縮しているのが特徴です。実際のGR ヤリスと比較すると約1/24スケールに相当し、ミニ四駆としては精密なモデル化が施されています。
このコンパクトなサイズ感は、ディスプレイモデルとしても優れた特性を持っています。「ちょっとした場所に置いておける」というユーザーレビューもあるように、デスクの上や棚の一角など、限られたスペースでも展示しやすいのが魅力です。特に、ミニ四駆ファンの間では走行用だけでなく、コレクションモデルとしても人気が高く、そのサイズ感は大きなメリットとなっています。
VZシャーシのショートホイールベース設計とボディサイズのバランスは非常に良く、見た目のプロポーションが優れています。ただし、実車型ボディの特性上、フロントタイヤがタイヤハウスからややはみ出している点も見られます。より自然な見た目にするためには、ローハイトワイヤースポークホイールなどに交換することも一つの方法です。
レースでの走行においても、このコンパクトなサイズ感はコーナリング性能に寄与しています。小回りが効きやすく、特に技術的なコース設計のレース場では、そのサイズ感と軽量性が活きてくるでしょう。全長が短い分、重心移動が素早く行われ、コーナーでのレスポンスが良いという特性もあります。
ミニ四駆 GRヤリスのホイールとタイヤは小径ローハイトを採用
ミニ四駆 GRヤリスには、ブラックのフィンタイプホイールに小径ローハイトタイヤが標準装備されています。この組み合わせは、実車のGR ヤリスのスポーティな印象を忠実に再現しつつ、ミニ四駆としての走行性能も考慮した選択といえます。
小径ローハイトタイヤは通常のミニ四駆タイヤよりも直径が小さく、扁平率も低いデザインです。これにより見た目の実車感が高まるだけでなく、走行時の重心が低くなりコーナリング性能の向上にも貢献します。特に、VZシャーシのショートホイールベース設計と組み合わせると、小回りが利く俊敏な走行特性が実現します。
ホイールは5本スポークのフィンタイプデザインで、スポーティな印象を与えつつも強度も確保しています。全体がブラックで統一されているため、ホワイトのボディカラーとのコントラストも鮮やかです。この色の組み合わせが、GR ヤリスの力強く洗練されたイメージを強調しています。
カスタマイズの観点では、フロントタイヤがタイヤハウスからやや飛び出していることもあり、ローハイトワイヤースポークホイールに変更するとより自然な見た目になるとの指摘もあります。また、走行性能を重視する場合は、フロントにローフリクションタイヤ(滑りやすいタイヤ)、リアに標準のローハイトタイヤを組み合わせることで、フロントの回頭性とリアのトラクションを両立させる方法も有効です。
レース志向のユーザーの中には、コースの特性に合わせてタイヤを使い分ける方も多く、このモデルに限らず様々なタイヤを試してみることで、自分好みの走行フィールを見つけることができるでしょう。
ミニ四駆 GRヤリスのカスタマイズと関連モデル
- ミニ四駆 GRヤリスの改造ポイントはマスダンパーのセッティング
- ミニ四駆 GRヤリスの塗装はカラーバリエーションが豊富
- ミニ四駆 GRヤリスWRCとの違いはボディ形状とシャーシにある
- ミニ四駆 ヤリスWRCはMAシャーシを採用した別モデル
- ミニ四駆 GRスープラと比較するとボディスタイルが全く異なる
- ミニ四駆 GRヤリスの組み立て方法は説明書で詳しく解説
- まとめ:ミニ四駆 GRヤリスはコレクションと走行性能を両立した一台
ミニ四駆 GRヤリスの改造ポイントはマスダンパーのセッティング
ミニ四駆 GRヤリスを改造する際の重要なポイントとなるのが、マスダンパーのセッティングです。GRヤリスのボディ形状の特性上、サイドマスダンパーを取り付ける際には一定の制限が生じます。具体的には、AR用サイドマスダンパーのステーを使用する場合、ボディを大きくカットしない限り、基本的にスリム系のマスダンパーしか使用できません。
また、MA用のステーを使うと、ボディと干渉してしまい、そもそもマスダンパーをセッティングできなくなる可能性があります。この問題を解決する方法として、ボディ内にショートのスクエアタイプのマスダンパーを配置する方法も有効です。いずれにせよ、VZシャーシで実車系ボディを使用する際には、マスダンパーのセッティングに十分な注意が必要といえるでしょう。
もう一つの改造ポイントは、ボディキャッチの問題です。GRヤリスから採用された新形状のボディキャッチは、一部のユーザーから「緩みやすい」との評価があります。独自調査の結果、この問題に対する解決策としては、「ラバーボディキャッチ」への交換が効果的です。これによりボディの固定が確実になり、走行中にボディが外れるリスクを軽減できます。
走行性能面での改造としては、フロントの回頭性と後輪のトラクションを両立させるセッティングが重要です。例えば、「フロントはローフリクションタイヤ、リヤはノーマルのローハイトタイヤを履かせ、フロントの回頭性、コーナリング性能を上げるため、弓ステーに8-9ミリ2段ローラー」というセッティングが効果的との報告もあります。リヤローラーもできるだけローラーベースを詰めることで、コーナリング性能が向上する傾向があります。
レースでの走行では、コースレイアウトによってはブレーキが必要になることもあります。特にジャンプのある難しいコースでは、前後にブレーキを効かせることで安定した走行が可能になります。レース環境に合わせた適切なセッティングを見つけることが、GRヤリスの性能を最大限に引き出すカギといえるでしょう。
ミニ四駆 GRヤリスの塗装はカラーバリエーションが豊富
ミニ四駆 GRヤリスの標準ボディカラーはホワイトですが、実車の豊富なカラーバリエーションを参考にした塗装も人気です。実車のGR ヤリスには多くのカラーオプションがあり、これらを再現することで、オリジナリティあふれるミニ四駆に仕上げることができます。
実車の主な純正カラーとしては、スーパーホワイトⅡ(040)、プラチナホワイトパールマイカ、エモーショナルレッドⅡ、プレシャスブラックパールなどがあります。これらのほか、通常のヤリスに設定されているカラーも参考になります。例えば、シルバーメタリック(1F7)、ボルドーマイカメタリック(3R9)、センシュアルレッドマイカ(3T3)などが挙げられます。
塗装に挑戦する際の便利なツールとして、ソフト99のタッチアップペンやスプレーがあります。例えば、スーパーホワイトⅡ(040)はソフト99のタッチアップペンT-26やスプレーT-098で再現可能です。同様に、シルバーメタリック(1F7)はタッチアップペンT-7547、スプレーT-095、ブラック(202)はタッチアップペンT-13、スプレーT-112といった具合に、メーカー純正カラーを手軽に再現できるアイテムが市販されています。
塗装時の注意点としては、一部のステッカー(特にカーボン柄パーツなど)にはデフォルトの色の余白があるため、標準カラー以外に塗装する際は注意が必要です。このような場合、該当部分を別途塗り分けることで、より見栄えの良い仕上がりになります。
特別なバージョンとして、2020年1月~6月に先行予約された「First Edition」モデルがあります。これを再現する場合は、ルーフのカーボン柄をマーブルタイプに変更し、フロントウインドウ右下にモリゾウ(豊田章男氏)のサインを追加するディテールが必要となります。
また、ユーザーの中には「痛車」として個性的なデザインを施す例も見られます。特にアニメキャラクターなどをデザインしたカスタムペイントは、オリジナリティを表現する方法として人気があり、ホワイトのベースカラーはそうしたカスタムの下地としても最適です。
ミニ四駆 GRヤリスWRCとの違いはボディ形状とシャーシにある
ミニ四駆シリーズには「トヨタ GR ヤリス(VZシャーシ)」と「トヨタ ガズーレーシング WRT/ヤリス WRC(MAシャーシ)」の2種類のヤリス関連モデルが存在します。これらの主な違いはボディ形状とシャーシ構造にあります。
ボディ形状について比較すると、GRヤリスが市販車を模したデザインであるのに対し、ヤリスWRCはラリー競技用に開発されたレーシングカー仕様となっています。ヤリスWRCは大型のリアウイングやワイドなオーバーフェンダーなど、よりアグレッシブなレーシングスタイルが特徴的です。対照的に、GRヤリスは市販車としてのバランスの取れたデザインとなっており、街中でも違和感なく走れる実車感が強調されています。
シャーシ構造の違いも大きなポイントです。GRヤリスはVZシャーシを採用しているのに対し、ヤリスWRCはMAシャーシを使用しています。MAシャーシはミッドシップレイアウトのダイレクトドライブシャーシであり、モーターを中央に配置することで重量バランスに優れています。一方、VZシャーシはシャフトドライブ方式で、VS系統の改良型として強度と拡張性を高めたモデルとなっています。
走行特性にも明確な違いがあります。MAシャーシを搭載したヤリスWRCはパワフルで直進安定性に優れる傾向があります。これは高速コースで力を発揮するセッティングに向いています。対照的に、VZシャーシのGRヤリスは小回りが利き、コーナリング性能に優れる特性を持っています。そのため、テクニカルなコースや複雑なレイアウトでは、GRヤリスが優位に立つ場合もあるでしょう。
価格面では両モデルに大きな差はなく、ヤリスWRC(MAシャーシ)が882円(税込)、GRヤリス(VZシャーシ)が809円(税込)と、ほぼ同等の価格帯となっています。どちらを選ぶかは、好みのスタイルや走らせるコースの特性、カスタマイズの方向性によって変わってくるでしょう。
ミニ四駆 ヤリスWRCはMAシャーシを採用した別モデル
「トヨタ ガズーレーシング WRT/ヤリス WRC」(品番:18654)は、MAシャーシを採用したミニ四駆PROシリーズのモデルです。このモデルは世界ラリー選手権(WRC)に参戦するラリーカーをモチーフにしており、大型のリアウイングや専用のラリーデカールなど、レーシングカーならではの特徴が詰まっています。
MAシャーシは「ミッドシップ・アランジ」の略称で、モーターを中央に配置したミッドシップレイアウトのダイレクトドライブ方式を採用しています。この配置により、重量バランスが良く、直進安定性に優れた走行特性を持っています。また、シャーシ形状が最適化されているため、パワーロスの少ない効率的な走りが可能です。VZシャーシと比較すると、より高速域での安定性に優れる傾向があります。
ヤリスWRCのボディは実際のラリーカーを模した専用設計となっており、大型のリアウイングやワイドなオーバーフェンダー、フロントバンパーのエアインテークなど、レーシングカーならではのディテールが細部まで再現されています。ラリーカー特有のスポンサーデカールも充実しており、よりリアルなレーシングカーの雰囲気を楽しむことができます。
価格は882円(税込)と、GRヤリス(VZシャーシ)とほぼ同等の価格帯で提供されています。用途としては、MAシャーシの特性を活かした高速コースでの走行に適しており、ストレートの多いレイアウトでその性能を発揮します。
2022年からWRCに導入された新規定によるGRヤリス Rally1 Hybridは、市販車とは異なるパイプフレームベースの専用車となっていますが、このミニ四駆モデルはそれ以前のWRC参戦車をベースにしています。より本格的なラリーカーの雰囲気を楽しみたい方や、高速コースでの走行を重視する方にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。
ミニ四駆 GRスープラと比較するとボディスタイルが全く異なる
ミニ四駆の「トヨタ GRスープラ(MAシャーシ)」(品番:18655)と「トヨタ GRヤリス(VZシャーシ)」を比較すると、両者はともにトヨタのGRシリーズをモチーフにしていますが、ボディスタイルや採用シャーシが大きく異なります。
ボディスタイルの違いは一目瞭然で、GRスープラが2ドアスポーツクーペであるのに対し、GRヤリスは3ドアハッチバックとなっています。GRスープラは流麗なルーフラインと長いボンネットを持つスポーティなデザインが特徴的で、エアロダイナミクスを重視したスタイリッシュなフォルムが魅力です。対照的に、GRヤリスはコンパクトながらもワイドなフェンダーと迫力あるフロントグリルを持ち、よりラリーカーに近い力強いデザインとなっています。
シャーシに関しても両者は異なるアプローチを採用しています。GRスープラがMAシャーシを採用しているのに対し、GRヤリスはVZシャーシを使用しています。この違いにより走行特性も異なり、MAシャーシのGRスープラはモーターを中央に配置したミッドシップレイアウトで重量バランスに優れ、高速走行での安定性が高いのが特徴です。一方、VZシャーシのGRヤリスは小回りが利き、コーナリング性能に優れた特性を持っています。
カスタマイズの観点からも違いがあります。GRスープラはMAシャーシ用のパーツと互換性があるため、MAシャーシの豊富なカスタムパーツを活用できます。一方、GRヤリスはVZ/VS系のパーツと互換性があり、それらのシリーズ向けのアップグレードパーツを使用することが可能です。
価格面では大きな差はなく、GRスープラが862円(税込)、GRヤリスが809円(税込)とほぼ同等の価格帯となっています。どちらを選ぶかは、好みのスタイルや走らせるコースの特性によって変わってくるでしょう。スピード重視ならGRスープラ、コーナリング性能重視ならGRヤリスといった選択基準も考えられます。
また、コレクションとしての観点では、両者を並べて飾ることで、トヨタのGRシリーズの多様性を楽しむこともできます。実車ファンにとっては、どちらも魅力的なモデルといえるでしょう。
ミニ四駆 GRヤリスの組み立て方法は説明書で詳しく解説
ミニ四駆 GRヤリスの組み立ては、キットに付属の説明書に沿って進めることで、初心者でも比較的簡単に完成させることができます。タミヤの説明書は見やすく、ステップバイステップで組み立て工程が解説されています。特に近年のモデルでは説明書が改良され、より分かりやすくなっているとの評価もあります。
GRヤリスの組み立ての大きな特徴は、接着剤を使わずにビス止めだけで完成する点です。これにより、組み立て後のメンテナンスや分解・再組み立ても容易になっています。必要な工具は主にプラスドライバーと、パーツを切り離すためのニッパーですが、より正確な組み立てには精密ドライバーセットがあると便利です。
組み立て手順としては、まずシャーシ本体とギヤボックスの組み立てから始まります。VZシャーシはコンパクトな設計ながら、内部のギヤや軸受けなどの配置が最適化されているため、説明書の指示通りに組み立てることが重要です。特に、620プラベアリングの取り付け向きや、ギヤの噛み合わせには注意が必要です。
ボディについては、前後の別パーツとシャークフィンアンテナを黒で塗装し、その後ステッカーを貼っていきます。ステッカーは特にウィンドウや細かいデカールが多いため、ピンセットなどを使用すると位置決めが容易になります。12番と21~24番のステッカーは使用せず、該当箇所を塗り分けた方が見栄えが良いとの指摘もあります。
組み立て時の特有の注意点としては、VZシャーシ用のファーストトライパーツセットを追加する場合、そのままではボディとの干渉が発生することがあります。特にリア部分では、ボディやステーを削るなどの加工が必要になることもあるため、追加パーツの装着時には注意が必要です。
また、屋根のカーボンデカールのシャークフィンアンテナ部分の貼り付けは少々難しいと感じる方もいますが、慎重に位置を合わせることでクオリティの高い仕上がりになります。組み立て完了後は、単三電池2本を用意することで、すぐに走行を楽しむことができます。
まとめ:ミニ四駆 GRヤリスはコレクションと走行性能を両立した一台
最後に記事のポイントをまとめます。
- ミニ四駆 GRヤリスはタミヤから2020年8月に発売された実車再現モデルである
- 希望小売価格は1,210円(税込)だが、販売店によっては800円台で購入可能
- VZシャーシを採用しており、強度と拡張性に優れた走行性能を持つ
- 実車のGR ヤリスの特徴的なデザインを忠実に再現したボディが魅力
- 全長158mm、全幅98mm、全高49mmのコンパクトなサイズで展示にも適している
- 小径ローハイトタイヤとフィンタイプホイールの組み合わせにより実車感を表現
- マスダンパーのセッティング時には、ボディ形状による制限に注意が必要
- 実車のカラーバリエーションを参考にした塗装カスタマイズが可能
- 同じくタミヤから発売されているヤリスWRCはMAシャーシを採用した別モデル
- GRスープラと比較すると、ボディスタイルとシャーシ特性が大きく異なる
- 組み立ては接着剤不要でビス止めのみで完成するため初心者にも取り組みやすい
- コレクションモデルとしての見栄えと実走行での性能を高いレベルで両立している