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ミニ四駆のセッティングで勝てない原因は基礎知識だった!?🏆 初心者から上級者まで使えるマジ最強テクニック大公開‼

ミニ四駆のセッティングで勝てない原因は基礎知識だった!?🏆 初心者から上級者まで使えるマジ最強テクニック大公開‼
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ミニ四駆レースで勝つためには、マシンのセッティングが勝敗を左右する重要なポイントになります。しかし、初心者の方はもちろん、ある程度経験がある方でも「ちゃんとセッティングしたはずなのに安定して走らない」「他の人のマシンより明らかに遅い」という悩みを抱えていることが少なくありません。

実は、ミニ四駆のセッティングには「基本の基」があり、それを押さえた上で自分のマシンコンセプトに合わせた調整をしていくことが成功への近道です。今回は、ローラー配置の基本から重心バランス、タイヤ選び、ブレーキセッティング、ギア比の選択まで、マシンを速く、安定して走らせるための重要なポイントを徹底解説します。

記事のポイント!

  1. ミニ四駆のセッティングの基本となる「たからばこセッティング」の考え方
  2. 小径タイヤが主流になっている理由と効果的な使い方
  3. ローラー配置とブレーキセッティングで安定性を高める方法
  4. レースで勝つためのAT機構やスライドダンパーなどのギミックの活用法

ミニ四駆のセッティングの基本と重要なポイント

  1. ミニ四駆セッティングの基本は走行の安定性と速度のバランス調整
  2. 初心者におすすめのミニ四駆セッティングは「たからばこセッティング」
  3. ローラー配置のセッティングは二等辺三角形を基準に考えるとバランスが良い
  4. フロントローラーの高さとスラストはマシンの安定性を左右する重要ポイント
  5. リアローラーはアウトリフトとインリフトを押さえる役割がある
  6. タイヤ径のセッティングは小径が主流で重心を下げる効果がある

ミニ四駆セッティングの基本は走行の安定性と速度のバランス調整

ミニ四駆のセッティングで最も大切なのは、速さと安定性のバランスです。いくら速いマシンでも、コースアウトばかりしていては意味がありません。特に最近の立体コースでは、高速で走らせながらも安定してコースを周回できるセッティングが求められます。

セッティングの基本的な考え方は「必要最低限のパーツで最大の効果を得る」というものです。単にパーツを増やせばいいというわけではなく、各パーツの特性を理解し、効果的に配置することが重要です。例えば、ローラーの数を増やせば安定性は増しますが、その分摩擦抵抗も増えて速度が落ちることになります。

初心者の方がよく陥りがちな失敗は、他の人のマシンを見て良さそうなパーツを片っ端から取り入れてしまうことです。しかし、セッティングは自分のマシンコンセプトやコースレイアウトに合わせて調整する必要があります。「このコースではここが危険だからここを強化しよう」という具体的な目的を持ってセッティングすることが大切です。

独自調査の結果、ミニ四駆のセッティングは大きく分けて「ローラー配置」「タイヤ選び」「ブレーキセッティング」「モーター&ギア比選択」「重心バランス」「ギミック設定」の6つの要素から成り立っていることがわかりました。これらをバランスよく調整することで、マシンのポテンシャルを最大限に引き出すことができます。

マシン作りは、まず基本的なセッティングから始めて、実際に走らせながら少しずつ調整していくのがベストです。一度に多くの変更を加えると、何が効果的だったのかがわからなくなってしまいます。一つずつ変更を加えて効果を確認する「トライアンドエラー」の繰り返しが、最終的に自分だけの最強マシンを作り上げる近道となります。

初心者におすすめのミニ四駆セッティングは「たからばこセッティング」

初心者の方がまず覚えておきたいのが「たからばこセッティング」と呼ばれる基本的なローラー配置です。これはフロントに2個、リアに4個のローラーを配置するセッティングで、多くの上級レーサーも基本形として採用しています。

たからばこセッティングの名前の由来は明確ではありませんが、このセッティングが確立された当時、ミニ四駆のローラー数制限は「6個まで」でした。フロント2個、リア4個という配分は、ミニ四駆の速度域では最低限の摩擦抵抗でフェンスに食いつきつつ、コースアウトを防げるローラー個数のバランスを取ったものだと考えられています。

たからばこセッティングの利点は、摩擦抵抗を最小限に抑えながらも安定性を確保できる点にあります。4個のローラーだとカーブやウェーブでのアウトリフト・インリフトの制御が難しく、8個だと摩擦抵抗が増えて減速しやすくなります。6個という数はその中間のバランスが取れた数と言えるでしょう。

なお、2018年からはローラー数の制限が撤廃されたため、現在はフロント・リアともに4個ずつ、合計8個のローラーを使用するレーサーも増えています。しかし、基本的な考え方は変わらず、必要最小限のローラーで安定して走らせることを意識するとよいでしょう。

たからばこセッティングを基本として、実際に走らせながら自分のマシンや走らせるコースに合わせて微調整していくことをおすすめします。例えば、コーナーで外側に飛び出しやすい場合はフロントローラーの位置を調整したり、ジャンプ後に安定しない場合はリアローラーのタイプを変えたりするなど、走行状況に応じた調整が効果的です。

ローラー配置のセッティングは二等辺三角形を基準に考えるとバランスが良い

ローラー配置を考える際の一つの指針として「二等辺三角形」というコンセプトがあります。これはローラーの位置関係を二等辺三角形になるように配置することで、バランスの良いセッティングを実現するというものです。

二等辺三角形のセッティングでは、フロントローラーを頂点として、リアローラーを底辺の両端に配置します。この形状により、コーナリング時の力がバランスよく分散され、安定した走行が期待できます。また、この基本形をベースに、コースの特性や自分のマシンコンセプトに合わせて微調整していくと良いでしょう。

ローラー配置で重要なのは、ローラー幅の調整です。現在の公式大会のレギュレーションでは、ローラー幅は最大105mmまでと定められています。多くのトップレーサーは、この上限ギリギリまでローラー幅を広げています。フロントは100mm〜102mm程度、リアは104mm前後に設定するのが一般的で、これによりマシンが真っすぐ飛びやすくなります。

また、ローラーの種類も走行特性に大きく影響します。現在は抵抗が大きいというデメリットから、ゴムリング付きローラーはあまり使われず、接触面がプラスチックやアルミのものが主流となっています。特に19mmオールアルミベアリングローラーは、直径が大きくコースの継ぎ目で引っかかりにくいため、公式大会の優勝マシンでもよく使用されています。

ローラーの大きさについては、大きいほど重く小さいほど軽いというトレードオフがありますが、ミニ四駆のコースには継ぎ目があるため、ある程度の大きさがあった方がスムーズに通過できます。迷ったら最もオーソドックスな13mmサイズがおすすめです。特にプラローラーの場合、これより大きいと強度的な不安も出てくるでしょう。

フロントローラーの高さとスラストはマシンの安定性を左右する重要ポイント

フロントローラーのセッティングは、マシンの走行安定性を大きく左右する重要な要素です。特に高さとスラスト(傾き)の調整が走行特性に直接影響します。

高さについては、改造を前提に考えると、車軸からやや上の位置が理想的とされています。高すぎるとアウトリフト(マシンが外側に持ち上がる現象)が起きやすくなり、低すぎるとインリフト(内側に持ち上がる現象)が起きやすくなります。高すぎる場合、車体が持ち上がるまでには至らなくても、タイヤが浮いてしまうことがあり、結果として減速要因となってしまいます。また、立体レーンチェンジ(LC)ではローラーが引っかかる場合もあります。

スラストについては、少しでも内側に傾けることが重要です。完全にゼロスラスト(垂直)や逆にアッパースラスト(外側に傾ける)にしてしまうと、コーナリング性能が落ちるだけでなく、他のセクション(ウェーブやチューリップなど)でも速度が出ないという問題が発生します。

スラストによるダウンフォースでマシンがコースに押さえつけられることで、コーナーをうまく曲がることができます。中には「エアーターン」(コーナーでフロントやリアが浮き、空中で向きを変える現象)を狙ってゼロスラストを採用するレーサーもいますが、基本的には他のセクションでの安定性を犠牲にする可能性があるため、初心者には推奨されません。

また、フロントのローラー位置も走行特性に影響します。一般的にタイヤ側に寄せると速度が出やすくなると言われています。ただし、速度が上がるとコーナリング時の遠心力も増すため、コースアウトのリスクも高まります。自分のマシンの特性やコースレイアウトに合わせて、速度と安定性のバランスを取りながら調整することが大切です。

フロントローラーのセッティングは、実際に走らせながら少しずつ調整していくのが効果的です。バンクやコーナーでの挙動を観察しながら、最適な高さとスラストを見つけていきましょう。

リアローラーはアウトリフトとインリフトを押さえる役割がある

リアローラーは、コーナリング時のマシンの姿勢安定に重要な役割を果たします。特に上下のローラーでアウトリフト(外側への持ち上がり)とインリフト(内側への持ち上がり)を押さえる役割があります。

基本的にリアローラーはスラストを付けない(垂直に配置する)のが前提となっています。レーンチェンジ(LC)対策などでアッパースラスト(外側に傾ける)にすることもありますが、その分他のセクションでリアが浮きやすくなるため注意が必要です。一般的には、アッパースラストよりも逆ハの字(内側に傾ける)のほうが安定性が増すと言われています。

リアローラーの高さについては、タイヤ径などを考慮して調整するのがベストです。下段の位置はほぼ決まっていますが、上段については自分で現物を確認しながら調整するとよいでしょう。適切な高さに設定することで、コーナーでの姿勢が安定し、特にジャンプ後の着地でのコントロール性が向上します。

また、リアバンパーの位置もコーナーでの挙動に影響します。バンパーにローラーが近ければ近いほど、スラスト方向やキャンバー方向(タイヤの傾き)の保持力が高まります。これによりコーナーでの「キレ」(素早く曲がる能力)が向上するため、リアバンパーとローラーの位置関係にも注意を払うことが重要です。

リアローラーの種類も走行特性に影響します。食いつきの良いタイプのローラーを下段に使用すると、コーナー後の直線への抜け出しがスムーズになります。また、上段に大径ローラーを使うと、コース継ぎ目での安定性が増しますが、その分重量も増えるというトレードオフが生じます。自分のマシンコンセプトやコースの特性に合わせて、最適なバランスを見つけることが大切です。

タイヤ径のセッティングは小径が主流で重心を下げる効果がある

近年のミニ四駆レースでは、小径タイヤの使用率が非常に高くなっています。公式レースの表彰台に上がるマシンの大半が小径タイヤを採用しており、その理由にはいくつかの重要な要素があります。

小径タイヤの最大のメリットは重心を下げる効果です。例えば26mmのタイヤと比較して22.1mmの小径タイヤを使用すると、車高が2mm下がります。これにより電池やモーターといった重量物も2mm下がることになります。マシン全重量の約半分を占めるこれらの部品が下がることで、走行時の安定性が大幅に向上します。

重心が下がると、メトロノームの原理のように全方向の傾きが小さくなります。走行時の支点はタイヤとローラーですが、重心が下がることでタイヤにとってはよりフラットに近い位置に重量物が配置され、ローラーにとってはリフトする力が減少します。結果として、特にジャンプ時の姿勢が安定し、「きれいに飛ぶ」ことができるようになります。

現在の立体コースでは、モーターやギアの性能だけで十分な速度を出すことができるため、大径タイヤでなくても速度不足に悩むことはほとんどありません。実際、時速35km/hまではタイムが向上するものの、36〜40km/h辺りでタイムの頭打ちが発生する傾向があります。それ以上の速度域では、わずかなタイム短縮のためにコースアウト率が大幅に上昇してしまいます。

小径タイヤの中でも、小径ローハイトタイヤは着地時に跳ねにくいという特長があり、近年の立体コースでは基本的なタイヤとして広く採用されています。デザインは好みで選んでも構いませんが、トレッドが前後で同じものと異なるものがあるため、用途に応じて選ぶとよいでしょう。

ただし、小径タイヤを使いこなすには、ブレーキプレートの適切な配置など、他のセッティング要素との調和が必要です。初心者の方は、まずは基本的なセッティングを学んだ上で、少しずつ小径タイヤの特性を理解していくことをおすすめします。

レース勝利のためのミニ四駆セッティング応用テクニック

  1. ミニ四駆セッティングボードを使うとより精密な調整が可能になる
  2. マスダンパーの配置でジャンプ後の着地安定性が向上する
  3. ブレーキセッティングはフロントとリアで効果が異なる使い分けが重要
  4. ギア比のセッティングはコースレイアウトとモーターの特性で選択する
  5. スライドダンパーのセッティングは減速コントロールとコーナリングに効果的
  6. ATやアンカー機構の導入でジャンプ後のコース復帰率が向上する
  7. まとめ:ミニ四駆セッティングは自分のマシンコンセプトを明確にすることが最重要

ミニ四駆セッティングボードを使うとより精密な調整が可能になる

ミニ四駆のセッティングをより精密に行うためには、セッティングボードを活用することが効果的です。このツールを使うことで、ローラー幅やブレーキの位置などを正確に測定・調整できるようになります。

セッティングボードには様々な種類があり、基本的なプラスチック製のものからHGアルミセッティングボードまで、価格も700円〜4,300円程度と幅広く展開されています。色はブルー、パープル、ブラック、ゴールド、レッドなどが販売されており、機能は同じでも好みの色を選ぶことができます。

セッティングボードの主な機能は、ローラー幅の測定とセッティングです。レギュレーションの上限である105mmギリギリの調整も、セッティングボードを使えば正確に行うことができます。また、フロントとリアのローラー幅のバランスも確認できるため、安定した走行を実現するための基本調整に役立ちます。

さらに、ブレーキのセッティングチェックも重要な機能の一つです。バンクチェッカーやスロープチェッカーと呼ばれるアタッチメントを使用することで、実際のコースに行かなくても家で効果的なブレーキセッティングを試すことができます。これにより、コースでの調整時間を大幅に短縮できるだけでなく、より緻密なセッティングが可能となります。

セッティングボードに加えて「ミニ四駆チェックボックス」も便利なツールです。これはタイヤ径やローラー幅、重量などを測定できる多機能ツールで、複数の計測を一度に行えるため効率的です。特にネオングリーンのチェックボックスは人気が高く、価格も1,400円程度と比較的手頃です。

セッティングボードは単なる計測ツールではなく、自分のマシンを客観的に見直すきっかけにもなります。「このパーツはどのような意図で付けているのか」「このセッティングで本当に効果があるのか」などを再考することで、無駄のないセッティングへと改良していくことができるでしょう。

マスダンパーの配置でジャンプ後の着地安定性が向上する

ジャンプした後の着地で跳ねてコースアウトしてしまう場合、マスダンパーの配置を見直すことが有効です。マスダンパーとは重りの役割を果たすパーツで、適切に配置することでマシンの制振性(振動を抑える能力)を高めることができます。

一般的に、フロントとリアのマスダンパーは電池から離れるほど制振性に必要な重さが軽くて済み、サイドはフロントタイヤに近い方が制振性が良いと言われています。ただし、制振性はマシンの重心に左右されるため、最適な配置はマシンによって異なります。自分なりに色々と試してみることが大切です。

オープンマシン(ボディを取り付けないマシン)の場合は、「提灯」と呼ばれる構造物を作成することがおすすめです。提灯は上部に設置された重りで、制振性と飛行姿勢の制御に有効です。リアが浮き上がりやすいマシンにとっては特に効果的な改造と言えるでしょう。

マスダンパーの配置で重要なのは、マシン全体のバランスを考慮することです。単に重さを増やすだけでは、走行速度が落ちてしまいます。必要最小限の重さで最大の効果を得られるよう、少しずつ調整していくことが重要です。また、マスダンパーの素材によっても効果は異なるため、金属製のものから樹脂製のものまで、様々な種類を試してみると良いでしょう。

「キャッチャーダンパー」も効果的なパーツの一つです。これはミニ四駆キャッチャーを加工したもので、制振性とジャンプ姿勢の制御に役立ちます。キャッチャーダンパーは比較的手軽に取り付けられるため、初めてマスダンパーを導入する方にもおすすめです。

マスダンパー調整の際は、一度に多くの変更を加えるのではなく、一つずつ変更して効果を確認するようにしましょう。そうすることで、どの変更がどのような効果をもたらしたのかを明確に把握できます。

ブレーキセッティングはフロントとリアで効果が異なる使い分けが重要

ブレーキセッティングは、コースアウト率を下げるために非常に重要な要素です。特に注目すべきなのは、フロントブレーキとリアブレーキの効果の違いとその使い分けです。

フロントブレーキは、主に減速効果に優れています。実験によると、フロントブレーキのみを装着した場合、レーンチェンジでの飛び出しを効果的に抑えることができました。一方で、ジャンプの安定性には大きな影響を与えないため、着地後のコーナリングでコースアウトするリスクは残ります。

リアブレーキは、ブレーキ効果はフロントほど大きくありませんが、ジャンプ時や着地時の姿勢制御に効果を発揮します。ドラゴンバックのような大きなジャンプセクションでは、リアブレーキがあることで着地の安定性が高まります。実際、リアブレーキのみを装着したマシンは、ジャンプ後の安定性が向上していることが確認されています。

理想的なブレーキセッティングは、バンクを擦らせないでアイガー(急斜面)の入り口だけにしっかりブレーキが効くようにすることです。しかし、これは設営状況によって大きく変わってきます。ちょっとした傾斜や逆走防止段差の付け具合で、普段ブレーキがかからない部分でもブレーキがかかってしまうことがあります。

そのため、多くのレーサーは自作の「バンクチェッカー」を使って、事前にブレーキ効果を確認しています。バンクチェッカーは45度バンクやアイガーの形状を模したツールで、家でもブレーキセッティングの調整ができるため非常に便利です。

ブレーキの素材も走行特性に影響します。最近のピンクブレーキは、黒ブレーキより減速効果が高く、灰色ブレーキよりは低いか同等の減速効果を持ちながら、より柔らかい素材となっています。コースや走行状況に応じて、適切なブレーキ素材を選ぶことも重要です。

ブレーキセッティングは、「あて始め」「ブレーキが当たっている時間」「リアブレーキが当たるまでのフロントのあて具合」など、細かな調整によって効果が大きく変わります。地道な調整の積み重ねが、安定した走行を実現するカギとなります。

ギア比のセッティングはコースレイアウトとモーターの特性で選択する

ギア比は、モーターの回転とタイヤの回転の比率を表すもので、マシンの加速性能と最高速度に直接影響する重要な要素です。適切なギア比を選ぶことで、コースに合った走行特性を引き出すことができます。

ギア比が「3.5:1」の場合、モーターが3.5回転するとタイヤが1回転します。一方、「4:1」ではモーターが4回転してタイヤが1回転するため、同じモーター回転数なら3.5:1の方がタイヤの回転数が多く、速度が出ます。しかし、トルク(回転力)は4:1の方が高いため、加速性能では優れています。

コースレイアウトに応じたギア比選びが重要です。ストレートが多い高速コースでは3.5:1(超速ギア)が有利ですが、コーナーや上り坂が多いコースでは3.7:1(ハイスピードEXギア:通称「ちょい速」)や4:1(ハイスピードギア)の方が安定した走行ができます。

モーターの特性との相性も考慮する必要があります。トルクの高いモーター(トルクチューン2など)なら超速ギアとの組み合わせも有効ですが、高回転型のモーター(レブチューン2など)ではトルク不足になる可能性があります。モーターの特性を把握し、適切なギア比を選ぶことが重要です。

近年の主流は、3.7:1のハイスピードEXギア(ちょい速)です。これは3.5:1と4:1の中間的な特性を持ち、様々なコースレイアウトに対応できるバランスの良さが評価されています。特に、コーナーが多いものの、それほど速度を落とさずに走らせたいコースに適しています。

ギア比の変更は、スパーギアやピニオンギア、クラウンギアなどの交換で行いますが、シャーシによって使用できるギアの種類が異なる点に注意が必要です。また、ギアの交換だけでなく、ギアの面取りや軸受けの調整などによっても駆動効率を向上させることができます。効率の良い駆動系を構築することで、同じギア比でもより良い走行性能を引き出すことが可能です。

スライドダンパーのセッティングは減速コントロールとコーナリングに効果的

スライドダンパーは、コーナーのつなぎ目のギャップをバンパーがスライドすることによりいなす(衝撃を吸収する)ことを目的としたパーツですが、最近のミニ四駆事情では利用目的が少し変わってきています。

一般的にスライドダンパーを搭載すると「コーナリングが遅くなる」と言われています。これはコーナーに侵入した際に力をバンパーでいなす際に生じる減速です。しかし、現代のミニ四駆レースでは、この減速量をコントロールすることによって、特定のセクション前での速度調整に活用するという戦略が取られるようになっています。

例えば、高難度セクションの前のコーナーで意図的に減速させることで、そのセクションをクリアしやすくするという使い方です。これは、マシンの最高速が出すぎて制御が難しいという現代のミニ四駆の特性を逆手に取った戦術と言えるでしょう。

また、フロントスライドダンパーには別の効果もあります。コーナーを曲がる際にはスライドダンパーが縮む方向に動き、これにより疑似的にフロントローラー幅が狭くなります。フロントローラー幅が狭いセッティングはコーナー直後のジャンプで真っすぐ飛びやすいという特性があるため、スライドダンパーを使うことでその効果を得ることができます。

しかし、注意点としてバネの戻りが強すぎると、コーナーを抜けた際に逆側への力が強くかかり、かえってコースに収まりにくくなる場合があります。スライドダンパーのバネ強度やストローク量(動く距離)の調整が重要になります。

スライドダンパーのセッティングでは、左右のストローク量を3mm程度にして黒バネを使用するというのが一般的な方法です。ただし、コースレイアウトや自分のマシンコンセプトによって最適な設定は変わってくるため、実際に走らせながら調整していくことが大切です。

スライドダンパーは初心者にとっては扱いが難しいパーツかもしれませんが、使いこなせるようになれば走行の安定性が大きく向上します。まずは基本的なセッティングから始めて、少しずつ自分に合ったセッティングを見つけていくことをお勧めします。

ATやアンカー機構の導入でジャンプ後のコース復帰率が向上する

ジャンプした後にマシンがコースに収まりきらずコースアウトしてしまう場合、AT機構やアンカー機構の導入が効果的です。これらのギミックはマシンの飛行姿勢や着地後の挙動を制御し、コース復帰率を向上させます。

AT機構(アクティブトルクコントロールシステム)は、ジャンプ時にバンパーが上に上がることでコースの縁をいなし、コース内に収まりやすくする仕組みです。フロントやリアに取り付けることができ、特にフロントに装着した場合は「フロントAT」と呼ばれ、ジャンプ後のコーナー進入時の安定性向上に効果を発揮します。

アンカーは、AT機構と同様の効果を目指したギミックですが、構造が異なります。特にリアに取り付けた「リアアンカー」は、着地時にリアバンパーが後方にスライドすることで衝撃を吸収し、バウンド(跳ね返り)を抑制する効果があります。また、リアが浮き上がりにくくなるため、コーナリング後の直線への抜け出しがスムーズになります。

これらのギミックのセッティングでは、バネ強度とストローク量の調整が重要です。バネが強すぎると反発が強くなり、かえって不安定になることがあります。また、ストローク量が大きすぎると、収まりきらずに別の問題を引き起こす可能性もあります。適切なバランスを見つけることが成功のカギです。

実際のレース現場では、AT機構とアンカー機構を組み合わせた「ATスライドダンパー」というセッティングも多く見られます。これはスライドダンパーの特性とAT機構の特性を兼ね備えたもので、コーナー進入時の減速効果と、ジャンプ後の安定性向上を同時に得ることができます。

これらのギミックを効果的に活用するためには、自分のマシンの走行特性を把握し、どのセクションでどのような問題が起きているのかを正確に分析することが重要です。例えば、「このコーナーの出口でリアが浮いてしまう」「このジャンプ後に安定しない」という具体的な問題に対して、適切なギミックを選択することで効果的な改善が期待できます。

初心者の方は、まずはシンプルなATバンパーから始めて、徐々に複雑なギミックに挑戦していくことをお勧めします。実際に走らせながら調整を重ねることで、自分だけの最適なセッティングを見つけることができるでしょう。

まとめ:ミニ四駆セッティングは自分のマシンコンセプトを明確にすることが最重要

最後に記事のポイントをまとめます。

  1. ミニ四駆セッティングの基本は「たからばこセッティング」で、フロント2個、リア4個のローラー配置が基本形である
  2. 小径タイヤは重心を下げる効果があり、ジャンプ姿勢が安定するため現在のレースでは主流となっている
  3. ローラー配置は二等辺三角形を基準に考えるとバランスが良く、幅は規定の105mmギリギリが一般的である
  4. フロントローラーは車軸からやや上に設置し、少しスラストを付けるのが効果的である
  5. リアローラーは基本的に垂直に配置し、上下のローラーでマシンのリフトを制御する役割がある
  6. ブレーキセッティングはフロントが減速効果、リアが姿勢制御効果と役割が異なるため使い分けが重要である
  7. ギア比は3.7:1(ハイスピードEXギア)がバランス型として近年主流となっている
  8. マスダンパーの配置はマシンの重心バランスに合わせて調整し、制振性を高めることでジャンプ後の安定性が向上する
  9. スライドダンパーは現代では減速コントロールとコーナー後の飛行姿勢制御に活用される
  10. AT機構やアンカー機構はジャンプ後のコース復帰率を向上させる効果的なギミックである
  11. セッティングボードなどのツールを活用することで、より精密な調整が可能となる
  12. マシンコンセプトを明確にし、コースの特性に合わせた調整を行うことが勝利への近道である
  13. 一度に多くの変更を加えるのではなく、一つずつ変更して効果を確認する「トライアンドエラー」が重要である