ミニ四駆ファンなら誰もが気になる「歴代の人気マシン」ランキング。第二次ミニ四駆ブームを牽引した「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」の登場から、2012年の30周年を機に再燃した第三次ブームまで、数多くのマシンが熱い走りを見せてきました。
今回は、独自調査から判明した「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」の人気マシンTOP30や、ミニ四駆の売上台数ランキング、さらにはシャーシ別の特徴や選び方まで徹底解説します。マグナムやソニックなどの人気シリーズの変遷や、アバンテJr.がなぜ歴代トップの売上を記録したのかも掘り下げていきましょう。
記事のポイント!
- 「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」マシンの人気投票結果TOP10とその特徴
- 歴代ミニ四駆の売上台数ランキングと1億7000万台を超える驚異の販売数
- マグナムシリーズやソニックシリーズなど人気マシンの変遷と特徴
- シャーシ別の特性とそれを採用した人気マシンの関係性
ミニ四駆の歴代ランキングとその人気度
- 「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」の人気マシンTOP10はサイクロンマグナムが首位
- ミニ四駆の売上台数ランキングではアバンテJr.が1位を獲得
- 2021年投票結果に見る歴代人気マシンの特徴とは優れた走行性能
- レッツ&ゴーに登場したマシンが上位を独占する理由はアニメ人気
- マグナムシリーズの歴代モデルは常に高い人気を維持
- ソニックシリーズも歴代ランキングで上位に食い込む実力
「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」の人気マシンTOP10はサイクロンマグナムが首位
2021年に実施された「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」の人気マシン投票では、主人公・星馬豪の3代目マシン「サイクロンマグナム」が堂々の1位に輝きました。総投票数2,147票のうち、サイクロンマグナムは398票(得票率18.5%)を獲得しています。
このマシンは、作中では「スーパーダウンフォースマシン」と呼ばれ、強力なダウンフォースを生み出す特性を持っていました。シャーシには新規設計されたスーパーTZシャーシが採用されており、高い安定性と速度を両立したモデルとして人気を博しています。
投票者からは「アニメで初めて見た時から好き!」「やっぱり定番のサイクロンマグナム」といったコメントが寄せられており、見た目のカッコよさと性能の高さが支持される理由のようです。
2位には星馬烈の3代目マシン「ハリケーンソニック」が入り、268票(得票率12.5%)を獲得。3位は鷹羽リョウの2代目マシン「ネオトライダガーZMC」で206票(得票率9.6%)でした。
上位10台のほとんどが主要キャラクターのマシンで占められており、アニメでの活躍シーンや特徴的な必殺技が人気の要因になっていると考えられます。
ミニ四駆の売上台数ランキングではアバンテJr.が1位を獲得
ミニ四駆の歴代売上台数ランキングでは、タイプ2シャーシを採用した「アバンテJr.」が1位を獲得しています。レッツ&ゴーシリーズのマシンが多くランクインする中で、これらを押しのけての首位獲得は特筆すべき点です。
2012年時点でミニ四駆は420車種、累計1億7000万台という驚異的な販売数を記録しています。その中でトップに立つアバンテJr.は、推測ですが1000万台程度は売れている可能性があるとされています。日本の人口が約1億2000万人であることを考えると、12人に1人がアバンテJr.を持っていた計算になります。
アバンテJr.の人気は根強く、第三次ミニ四駆ブームのきっかけとなった「エアロアバンテ」の登場に象徴されるように、アバンテシリーズは世代を超えて愛されています。2019年には「アバンテJr.30周年スペシャルキット」も発売され、ブルーのオリジナルとブルーメッキの2タイプボディが用意されるなど、特別な扱いを受けています。
売上ランキングの2位には「ビクトリーマグナム」、3位には「ネオトライダガーZMC」がランクイン。いずれもスーパー1シャーシを採用した、レッツ&ゴーシリーズの人気マシンです。特に「ビクトリーマグナム」は、主人公・星馬豪の2代目マシンとして、シャープなボディデザインがファンの心を掴みました。
なお、2015年以降もミニ四駆ブームは再燃しており、現在では累計1億8000万台から1億9000万台程度まで売上が伸びている可能性があります。
2021年投票結果に見る歴代人気マシンの特徴とは優れた走行性能
2021年の投票結果を詳しく分析すると、上位にランクインしたマシンには共通の特徴があることが分かります。それは「優れた走行性能」に加え、「特徴的な必殺技」や「カッコいいデザイン」を兼ね備えていることです。
例えば4位の「バスターソニック」は、主人公・星馬烈の4代目マシンで、大径タイヤが標準装備され、フロントダンパーに可変機構が搭載されているのが特徴です。コーナーではフロントノーズを沈み込ませて強力なダウンフォースを発生させ、ストレートでは逆にダウンフォースを減らすことでスピードを稼げる高性能マシンとして描かれていました。
5位の「ビートマグナム」は、星馬豪の4代目マシンで「ドラゴンサスペンション」と呼ばれる特殊サスペンションが特徴。セッティングが難しいとされるこのマシンは、熟練者向けの高度な性能を持つモデルとして人気を集めています。
さらに6位の「ブロッケンギガント」は、近藤ゲンの愛車で通称「ブロッケンG」。重量級マシンながらモーターがフロントに装着された独特の設計で、レースマシンとしての能力も申し分ない性能を持っています。
7位には「ビークスパイダー」、8位には「レイスティンガー」と、いわゆる「バトルマシン」と呼ばれる、他のマシンを攻撃する能力を持ったマシンもランクイン。これらは通常のレース以外の魅力を持つマシンとして支持されています。
上位マシンに共通するのは、単に速いだけでなく、個性的な走行特性や必殺技を持ち、そのキャラクター性がファンの心を掴んでいる点です。現実のミニ四駆も、これらの特徴を反映したモデル設計がなされていることが人気の秘密と言えるでしょう。
レッツ&ゴーに登場したマシンが上位を独占する理由はアニメ人気
「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」に登場したマシンが人気ランキングの上位を独占している最大の理由は、第二次ミニ四駆ブームを牽引したアニメの圧倒的な人気にあります。1994年から月刊コロコロコミックで連載が始まったこの作品は、アニメ化されたことで多くの子どもたちの心を掴みました。
特に主人公の星馬兄弟(豪と烈)のマシンであるマグナムシリーズとソニックシリーズは、それぞれに進化を遂げながら物語を盛り上げる存在として描かれました。彼らのマシンは単なる走る道具ではなく、「ダウンフォース」や「ハリケーンパワードリフト」といった必殺技を持つ、いわば「相棒」として描かれていたのです。
また、ライバルキャラクターたちのマシンも個性的で印象的なものばかりでした。鷹羽リョウの「トライダガー」シリーズ、沖田カイの「ビークスパイダー」、土方レイの「レイスティンガー」など、それぞれ特徴的なデザインと能力を持っていました。
これらのマシンが作中で見せる熱いバトルシーンは、実際にミニ四駆を購入して遊びたいという欲求を子どもたちに抱かせました。実際、第二次ミニ四駆ブームが最も盛り上がったのは1996年夏頃で、これはアニメで沖田カイらが活躍していた時期と重なります。
タミヤは漫画やアニメに登場したマシンを実際の商品として発売し、子どもたちは自分のヒーローと同じマシンを手に入れることができました。これがレッツ&ゴーに登場したマシンが人気を博した大きな要因と言えるでしょう。
現在でも、これらのマシンはノスタルジーを感じさせる存在として、当時の子どもだった世代(現在の20代後半から30代)に強く支持されています。
マグナムシリーズの歴代モデルは常に高い人気を維持
主人公・星馬豪が使用する「マグナム」シリーズは、レッツ&ゴーの中で最も多くのバリエーションが登場し、常に高い人気を維持してきました。その進化の過程を見てみましょう。
まず2代目マシンとして登場した「ビクトリーマグナム」は、ボディがシャープに設計され、トップスピードを重視した小型リアウイングが特徴でした。スーパー1シャーシを採用し、低重心で安定したレース運びを可能にするマシンとして売上ランキングでも2位を獲得しています。
そして3代目の「サイクロンマグナム」は、前述の通り2021年の人気投票で1位を獲得した人気マシンです。スーパーTZシャーシを採用し、「スーパーダウンフォースマシン」と呼ばれるほどの空力性能を持つマシンとして描かれました。2019年には「サイクロンマグナム メモリアル」がフルカウルミニ四駆25周年を記念して発売され、熱狂的なファンを喜ばせました。
4代目の「ビートマグナム」も人気投票で5位にランクインするなど、高い支持を得ています。「ドラゴンサスペンション」と呼ばれる特殊サスペンションを装備し、セッティングが非常に難しいマシンとされていました。
その他にも「グレートマグナムR(リボルバー)」など、様々なバリエーションが発売されています。これは中学生時代の星馬豪が使用したマシンで、大型リアウイングを搭載した角ばったワイルドなボディデザインが印象的です。
マグナムシリーズは青と白を基調としたカラーリングが特徴で、そのクールでスタイリッシュなデザインが世代を超えて支持されています。また実際の商品としても、走行性能の高さから競技用としても評価が高く、コレクションとしてだけでなく実用面でも優れた性能を発揮するモデルとして知られています。
ソニックシリーズも歴代ランキングで上位に食い込む実力
星馬烈が使用する「ソニック」シリーズも、マグナムシリーズと並ぶ人気を誇っています。ソニックシリーズの特徴は、マグナムシリーズがストレートでの速さを追求するのに対し、コーナリング性能に優れた設計になっていることです。
3代目の「ハリケーンソニック」は2021年人気投票で2位を獲得しました。小型のフロントウィングと3段のフラップを備えた大型リヤウィングが特徴で、必殺走法は「ハリケーンパワードリフト」。このマシンは特にコーナリング性能に優れており、テクニカルなコースでの走りが魅力です。
4代目となる「バスターソニック」も4位にランクインしています。大径タイヤが標準装備されており、フロントダンパーに可変機構が搭載されているのが最大の特徴でした。コーナーとストレートで異なる特性を発揮できる画期的なマシンとして描かれていました。
5代目の「ブリッツァーソニック」も人気が高く、2024年には「ブリッツァーソニック ブラックスペシャル」が発売されるなど、現在でも新しいバリエーションが登場しています。軽量でコンパクトなMSシャーシを採用し、特にカーブの多いコースで力を発揮するモデルとして評価されています。
ソニックシリーズは赤を基調としたカラーリングが特徴で、攻撃的かつダイナミックなデザインがファンを魅了しています。実際の商品としても、コーナリング性能を重視したセッティングが可能な設計になっており、テクニカルコースを得意とするレーサーから支持を受けています。
マグナムとソニックという兄弟の対照的なマシンが作中でライバル関係にあったことも、両シリーズが高い人気を維持している理由の一つと言えるでしょう。どちらも個性的な特徴を持ちながら、それぞれに異なる魅力を放つマシンとして、多くのファンの心を掴んでいます。
ミニ四駆の歴代ランキングから見るシャーシ選びのポイント
- スーパー1シャーシを採用した人気マシンは安定した走行が特徴
- スーパーTZシャーシ搭載マシンが人気の理由は高速安定性の高さ
- MSシャーシ採用モデルは拡張性の高さがランキング上位の鍵
- ARシャーシとMAシャーシの違いはメンテナンス性と走行特性
- VZシャーシ搭載モデルが現代のレースで支持される理由は軽量性
- シャーシ選びで最も重要なのは自分の走らせる環境に合わせること
- まとめ:ミニ四駆の歴代ランキングから見る人気の変遷と現在のトレンド
スーパー1シャーシを採用した人気マシンは安定した走行が特徴
歴代人気ランキングの上位に名を連ねるマシンの多くが、スーパー1シャーシを採用しています。このシャーシが支持される理由は、その安定した走行特性にあります。
スーパー1シャーシは、地上高が5mmと非常に低く設計されているため、車体が浮きにくくコースアウトしにくいという大きな特徴があります。「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」の作中で扱われたミニ四駆の多くがこのシャーシを利用していたことも、第2次ミニ四駆ブームを牽引する原動力となりました。
具体的には、ビクトリーマグナム(売上ランキング2位)、ネオトライダガーZMC(同3位)、ビークスパイダー(同7位)などの人気マシンがこのシャーシを採用しています。特にビクトリーマグナムは、主人公・星馬豪の2代目マシンとして、青と白のカラーリングが印象的なモデルでした。そのシャープなフォルムと相まって、多くのファンの心を掴みました。
また、スーパー1シャーシは昔からあるモデルながらも、現在でも主力として使用するユーザーが多いほど人気の高いシャーシです。その理由は、基本性能の高さに加えて、改造の自由度が高く、自分好みにカスタマイズしやすい点にもあります。
実際の走行においては、直進安定性に優れており、初心者でも扱いやすいという特徴があります。これが多くの人気マシンに採用された理由の一つと考えられます。
ただし、現在のレースシーンではより進化したシャーシも多く登場しているため、純粋な性能面では最新モデルに及ばない部分もあります。しかし、そのクラシカルな魅力と安定感は、多くのファンに今なお愛され続けているのです。
スーパーTZシャーシ搭載マシンが人気の理由は高速安定性の高さ
サイクロンマグナムをはじめとする人気マシンに採用されているスーパーTZシャーシは、スーパー1をベースにしながらも、より高速走行での安定性を追求したモデルとして知られています。
このシャーシの最大の特徴は、ホイールベース(前輪の中心から後輪の中心までの長さ)が伸ばされていることで、高速走行時の安定性が大幅に向上している点です。また、タイヤの左右幅(トレッド)が他のシャーシに比べて広いワイドトレッド仕様になっており、電池を低い位置に配置した低重心設計によって、さらに安定感が増しています。
衝撃や振動を和らげるバンパーの剛性も優れており、高速コーナリング時の安定性にも貢献しています。これらの特徴により、サイクロンマグナムは「スーパーダウンフォースマシン」と呼ばれるほどの安定した走りを実現しました。
サンダーブーメラン W10などのモデルもこのシャーシを採用しており、ワイドトレッドスペーサーとロングホイールの搭載や低重心設計により、安定した高速走行を可能にしています。付属のボールベアリングの装備によって、さらに滑らかなコーナリングをサポートする機能も備えています。
スーパーTZシャーシを進化させたスーパーTZ-Xシャーシでは、トレッドが68mmとさらにワイド仕様になり、高速走行時の安定性がより向上しました。また、フロントバンパーのビス穴追加や、車体の強度を上げる2点止め式リアステーの採用など、改造のしやすさも向上しています。
このように、スーパーTZシャーシおよびその発展型は、高い走行性能と拡張性を両立させた設計になっており、それが多くの人気マシンに採用された理由と言えるでしょう。
MSシャーシ採用モデルは拡張性の高さがランキング上位の鍵
MSシャーシを採用したモデルが人気ランキングで上位に食い込む大きな理由は、その優れた拡張性にあります。MSシャーシの最大の特徴は、ノーズ・センター・テールの3分割式になっていることで、パーツの交換や改造が非常に容易になっています。
例えば、ブリッツァーソニック ブラックスペシャルやホットショットJr.などがこのシャーシを採用しており、軽量でコンパクトな設計ながら高い剛性を備えています。特にブリッツァーソニック ブラックスペシャルは、カーブの多いコースでその性能を発揮するマシンとして評価されています。
MSシャーシの技術的な特徴としては、モーター両端のシャフトを伸ばしたダブルシャフトモーターやバッテリーといった重いパーツをシャーシ中央に配置したミドシップレイアウトを採用している点が挙げられます。これにより重量バランスが最適化され、ミニ四駆伝統の4WD機構と相まって、高速走行時でも優れた安定性を発揮します。
さらに、ワンタッチで脱着できる構造により、スピーディで幅広いセッティング変更が楽しめるのも大きな魅力です。これはレース参加者にとって非常に重要な要素で、コース条件に応じた素早いマシン調整が可能になります。
実際のユーザーの声を見ると、「フロントとバンパー基部が低め」「破損時のリカバリーがしんどい」「ギヤカバーが折れやすい」といった欠点も指摘されていますが、それを上回る利点があるため多くのファンに支持されています。
特に「とにかく跳ねない」「吸い付くように着地する」「コースに弾かれない」「エアターンがきれいに決まる」といった走行特性は、テクニカルなコースでの走りにおいて大きなアドバンテージとなっています。
このように、MSシャーシは高い拡張性と走行性能を両立させた設計であり、それが多くの人気マシンに採用された理由の一つと言えるでしょう。
ARシャーシとMAシャーシの違いはメンテナンス性と走行特性
ミニ四駆の進化とともに登場した新しいシャーシのうち、特に注目すべきはARシャーシとMAシャーシです。これらは第三次ミニ四駆ブーム以降に登場したシャーシで、それぞれに特徴的な性能を持っています。
ARシャーシの最大の特徴は、リアモーターシャーシの中では最高レベルの強度を持つ一体成型構造です。エアロアバンテなどの人気モデルに採用されており、空力を追求したシャープなデザインが魅力です。メンテナンス性にも優れており、ディフューザーは後部のボタンを押しながら引き上げるだけで取り外せ、モーターやギヤの点検が容易に行えます。
また、ARシャーシの大きな利点として、マシンの裏から電池とモーターの両方を交換できる点が挙げられます。これはレース中の素早いメンテナンスに大きく貢献し、レーサー向きの設計と言えます。「速度が出すぎず、それでいて駆動の耐久性もそこそこある」という特性は、コース攻略に向いているとされています。
一方、MAシャーシは「Midship AERO」の略で、全長156mm、全幅97mmとタテにもヨコにも広い作りが特徴です。2本のメインフレームがフロントバンパーからリアバンパーまで貫かれた構造により、高い強度を実現しています。ブラストアローなどのモデルに採用されており、スピードのロスが少なく終始安定した走行が可能です。
現在のレースでは欠かせないリアローラーステー下のスキッドバーを標準装備しており、スロープセクションなどの坂道を通過する際に低摩擦樹脂製のスキッドバーがブレーキ効果を発揮し、マシンの姿勢を整えて安定した走行をサポートします。
両シャーシの違いとしては、ARシャーシがよりメンテナンス性に優れている一方、MAシャーシは高い剛性と安定性を重視した設計になっている点が挙げられます。実際のユーザーからは「MAはギヤカバーの取り外しが楽」「MSと比べると両軸モーターを使うならMAが絶対おすすめ」という声がある一方、「モーターホルダーが固くて取り出しにくい」という指摘もあります。
どちらのシャーシを選ぶかは、自分のレーススタイルや重視するポイントによって変わってくるでしょう。レース中のメンテナンス性を重視するならARシャーシ、安定した走行性能を求めるならMAシャーシが適していると言えます。
VZシャーシ搭載モデルが現代のレースで支持される理由は軽量性
最新のシャーシとして注目を集めるVZシャーシは、かつて最強と言われたVSシャーシの正統後継として登場しました。レイスピアーなどの人気モデルに採用されており、現代のミニ四駆レースシーンで高い支持を得ています。
VZシャーシの最大の特徴は、その圧倒的な軽量性です。実際のユーザー評価では「鬼のように軽い」と表現されるほどで、90g台のマシンが容易に作れるとされています。軽量化はミニ四駆においてスピードと加速性能に直結する重要な要素で、これが現代レースでVZシャーシが支持される大きな理由の一つです。
また、フロントバンパーが高めに付けられる設計になっているため、小径タイヤを使用する際でも3mmブレーキを無加工で貼ることができます。これにより、セッティングの幅が広がり、より自分の好みに合わせたマシン調整が可能になります。
走行特性においても「素でめちゃめちゃ速い」と評価されており、フレキほどではないもののエアターン(空中でのコーナリング)も弾かれずに回れる特性を持っています。また、LCと呼ばれるコース特有のセクションも「楽勝」と表現されるほど安定して走行できるようです。
一方で欠点としては、「ギヤカバーが取れやすい」「フロントと比べるとリヤステー穴が低い」などが指摘されています。特にギヤカバーについては、先祖のVSよりもさらに取れやすいとされ、補強が必須とする意見もあります(ただし、プラボディを正規取り付けする場合は不要とのこと)。
また、「適当でも速くなりすぎる」という特性から、初心者がコースアウト(CO)に悩む場合、適切な調整が難しい場合もあるようです。これは諸刃の剣で、手軽に高い性能が得られる反面、マシンコントロールの技術向上には少々不向きな面もあると言えるでしょう。
最新シャーシということで「ミーハー感が出る」という声もありますが、これは逆に言えば、最新のトレンドや技術を取り入れたいユーザーにとっては魅力的な要素とも言えます。
シャーシ選びで最も重要なのは自分の走らせる環境に合わせること
ミニ四駆の歴代ランキングや人気マシンを見てきましたが、シャーシ選びにおいて最も重要なのは、自分がマシンを走らせる環境やスタイルに合わせて選ぶことです。どんなに人気の高いシャーシでも、自分の走行スタイルや目的に合わなければ、その性能を十分に発揮することはできません。
まず考慮すべきは、初心者向けか上級者向けかという点です。初心者であれば、「ミニ四駆PRO」シリーズがおすすめです。これは車体の中央部分に「ダブルシャフトモーター」が配置された設計で、重心が低く高い安定性を備えています。パワーロスも少なく、スピードとパワーのバランスに優れているため、扱いやすいのが特徴です。
一方、過去にミニ四駆を楽しんでいた経験者なら、「ミニ四駆REV」シリーズが馴染みやすいかもしれません。このシリーズは2012年のミニ四駆30周年を記念して誕生したもので、かつて人気だった「エアロボディ」を採用しています。走行性能や剛性、メンテナンス性も向上しており、ノスタルジーを感じながら現代の性能を楽しめます。
大会に出場するなど競技志向の強い方なら、「スーパーミニ四駆」や「エアロミニ四駆」がおすすめです。これらは「ダウンスラスト」機能を持つバンパーや「大径軽量ホイール」を標準装備しており、安定した高速走行を可能にします。特にエアロミニ四駆は空気抵抗を軽減するエアロダイナミクスを考慮した設計で、スピード性能の向上に貢献しています。
また、走行するコースの特性によっても適したシャーシは異なります。ストレートが多いコースならFM-Aシャーシなどのフロントモーター型が有利で、テクニカルなコースでは安定性の高いMAシャーシが適しているでしょう。さらに、走行スタイルによっても選択は変わります。風のようにスピーディに走らせたいならVZシャーシ、安定感を重視するならARシャーシというように、自分の好みに合わせて選ぶことが大切です。
価格や入手のしやすさも考慮すべき要素です。人気の高いマシンは入手困難な場合もありますし、予算によっては選択肢が限られることもあります。初心者の場合は、まずは入門モデルから始めて、徐々に自分のスタイルに合ったマシンを探していくのも良いでしょう。
最終的には、他人の評価や人気ランキングはあくまで参考程度に考え、実際に手に取って走らせてみることが最も確実な選び方です。そうすることで、自分にとって本当に「最強」のマシンを見つけることができるでしょう。
まとめ:ミニ四駆の歴代ランキングから見る人気の変遷と現在のトレンド
最後に記事のポイントをまとめます。
- サイクロンマグナムが2021年人気投票で1位、得票率18.5%を獲得
- 売上台数ランキングではアバンテJr.が1位で推定1000万台の売上
- ミニ四駆の累計販売台数は2012年時点で1億7000万台を突破
- レッツ&ゴーに登場したマシンが人気ランキング上位を独占
- マグナムシリーズとソニックシリーズが特に高い人気を維持
- スーパー1シャーシ採用マシンは安定した走行特性が魅力
- スーパーTZシャーシは高速安定性に優れ人気マシンに多く採用
- MSシャーシは拡張性の高さでレース参加者に支持される
- ARシャーシはメンテナンス性、MAシャーシは剛性の高さが特徴
- VZシャーシは軽量性と高速性能で現代レースでの支持を獲得
- シャーシ選びは目的や走行環境に合わせて行うことが重要
- ミニ四駆は第三次ブーム以降も進化を続け、新たな世代のファンを獲得