ミニ四駆を楽しむ上で欠かせないのがシャーシ選び!どんなシャーシが自分に合うのか、迷っている人も多いのではないでしょうか?実は、シャーシによって走りの特性や改造のしやすさが大きく変わるんです🏁。最新のVZシャーシから定番のARシャーシまで、それぞれに特徴があり、用途や経験によって選ぶべきシャーシは異なります。
この記事では独自調査の結果をもとに、初心者から上級者までそれぞれのレベルや目的に合わせたおすすめシャーシを紹介します。速さを求める人、安定性を重視する人、カスタマイズを楽しみたい人など、あらゆるニーズに対応したシャーシの特徴や選び方を詳しく解説します。実際のレースでの使用率や人気ランキングも参考にしながら、あなたにぴったりのシャーシが見つかるはずです!
記事のポイント!
- 初心者におすすめのシャーシと選ぶときのポイント
- 目的別(速さ/安定性/カスタマイズ性)に見る最適なシャーシの選び方
- 最新シャーシから定番シャーシまで詳細な特徴比較と性能評価
- シャーシ選びの際の注意点と長く使い続けるためのメンテナンス方法
初心者からベテランまで!ミニ四駆おすすめシャーシとその特徴
- 初心者に最適なミニ四駆シャーシはMAとARシャーシ
- 速さを求めるならVZシャーシが第一候補
- 安定性重視の走行には両軸モーター搭載のMAシャーシが優れている
- カスタマイズの自由度が高いのはFM-Aシャーシ
- 改造初心者はVZシャーシで失敗なく始められる
- シャーシの重さと剛性はトレードオフの関係
初心者に最適なミニ四駆シャーシはMAとARシャーシ
初心者がミニ四駆を始める際、どのシャーシを選ぶべきか迷うのは当然です。独自調査の結果、初心者に最もおすすめできるのがMAシャーシとARシャーシです。これらのシャーシは改造をしなくても安定して速く走ることができるため、初めてミニ四駆に触れる方に最適です。
MAシャーシは両軸モーターを装備し、プロペラシャフトを使わないダイレクトドライブ方式を採用しています。「ダイレクトドライブのMS」と「頑丈、高拡張性、エアロデザインのAR」を融合させたコンセプトで、一体成型による駆動効率の向上とシャーシ下面のスムーズな形状を実現。全シャーシ中トップの駆動効率、ARより幅広なサイドガード、多数のビス穴など、初心者から上級者まで誰が使っても困らない高い性能を誇ります。
一方、ARシャーシは片軸モーター装備シャーシの中では唯一のリヤステーを含む一体成形シャーシです。強度の高さではMAシャーシと双璧を成し、強度と拡張性を現在のレースシーンに合わせて強化。駆動系の精度も高いのが特徴です。特にモーター・電池がシャーシ下部から交換可能な整備性は、メンテナンス初心者にも扱いやすい設計となっています。
両シャーシとも高い基本性能を持っていますが、初心者が最初に選ぶならスターターパックがあるARシャーシがより入門に適しているかもしれません。スターターパックには基本パーツが付属しているため、0からミニ四駆を始めるのにうってつけだからです。ただし、大径タイヤを使用する場合はバッテリーボックスとの干渉に注意が必要です。
初心者におすすめのシャーシは、使いやすさと性能のバランスを重視して選びましょう。MAシャーシとARシャーシは、初心者でも扱いやすく、かつ上達してからも長く使える汎用性の高さが魅力です。
速さを求めるならVZシャーシが第一候補
スピードを最重視する方には、VZシャーシがおすすめです。VZシャーシは後継の「VSシャーシ」を進化させた最新シャーシで、駆動系の強度向上を中心とした改良やビス穴の増加による拡張性の向上が図られています。
VZシャーシの最大の魅力は、そのコンパクトさと軽さです。鬼のように軽く、90g台のマシンが楽勝で作れるため、加速性能に優れています。また、素の状態でもめちゃめちゃ速いという特徴があり、初期投資を抑えながらも高いパフォーマンスを発揮できます。特に3レーンコースを使ったフラットレースでは、VSシャーシに続いて愛用者が多いです。
VSシャーシと比較した場合の大きな違いは、フロントバンパーが最初から分割式になっている点です。これにより、最初は普通にバンパーを使用し、慣れてきたら手軽にバンパーレスセッティングで自由度を高めることができます。VSの進化系だけあって、強度よりも軽さや柔軟性を重視しており、MAやARの重さや硬さを敬遠するユーザーにとって最も使いやすい性能と言えるでしょう。
ただし、VZシャーシにも弱点があります。ギアカバーが取れやすいため、プラボディを正規に取り付けない場合は補強が必須です。また、フロントと比べるとリヤステー穴が低いため、小径タイヤを使用する場合はリヤにプレート2枚でブレーキの底上げが必要になることがあります。
さらに、「適当でも速くなっちゃうので挙動がピーキー」という特徴もあり、初心者がコースアウトで悩んだら多分元に戻れないという難点もあります。スピードは出るものの、コントロール性には少し慣れが必要かもしれません。
総合的に見て、スピードを最優先する場合や、軽量化を重視したい方にはVZシャーシが最適です。特に経験者で軽さを活かしたセッティングができる方には、その真価を発揮してくれるでしょう。
安定性重視の走行には両軸モーター搭載のMAシャーシが優れている
安定した走行を重視するなら、両軸モーターを搭載したMAシャーシがおすすめです。MAシャーシは、MSシャーシとARシャーシの良い部分を融合して作られたシャーシで、その安定性と走行性能のバランスは非常に優れています。
MAシャーシの最大の特徴は、両軸モーターによる強力な駆動力です。回転する軸が2本あるダブルシャフトモーターを搭載しており、前輪・後輪をそれぞれの軸で回すため、安定しつつも力強い走りを実現します。また、幅広のサイドガードが装備されているため、操作がしやすく、初心者でも安定した走行が可能です。
剛性が高いモノコック・エアロ型のデザインを採用しているMAシャーシは、トラブルレスで安定性が高く、初心者でも使いやすい設計になっています。特に立体コースでの走行や、ジャンプ後の着地などの衝撃を受けやすいセクションでも安定性を維持できるため、現代のレースシーンに適しています。
一方で、MAシャーシは全シャーシ中最も重いという特徴があります。これにより柔軟性が失われている部分があるため、それを前提としてチューニングを考える必要があります。特に、軽くて柔らかいシャーシに慣れ親しんでいた復帰組にとっては扱いづらく感じるかもしれません。
また、剛性が高すぎるため、エアターンなどのテクニックでは弾かれることがあり、ピボットが必須になる場合もあります。個人的な体感では、平面での速度は他のシャーシを極めた方が出る可能性もあるようです。
MAシャーシはモーターホルダーが固く、取り出しにくいという欠点もあります。また、フロント底部の謎のテーパー処理により、バンパーレスのベースプレートがアッパーになるため、削り込む必要がある場合もあります。
安定性を重視するなら、こうした弱点を考慮しつつも、MAシャーシの高い安定性と剛性を活かしたセッティングを検討するとよいでしょう。特に立体的なコースや、安定した走行を求める初心者には最適なシャーシといえます。
カスタマイズの自由度が高いのはFM-Aシャーシ
自分のこだわりをマシンに反映させたい方には、FM-Aシャーシがおすすめです。FM-AシャーシはスーパーFMシャーシ以来実に21年ぶりとなるフロントモーターシャーシで、スーパーXシャーシとARシャーシを足して逆転させたような構造を持っています。
FM-Aシャーシの最大の特徴は、フロントに配置されたモーターによるフロントミッドシップレイアウトです。重心が前寄りになるため、コーナーやジャンプが多いテクニカルコースに適しており、空力性能を追求した翼のような形状も特徴的です。リヤステーが別パーツに戻っているため、MA、ARシャーシに比べればノーマルでの強度はやや劣るものの、その分自由度は高くなっています。
カスタマイズ面では特に優れており、実はいらない部分を切り飛ばすとめちゃくちゃ軽くなるという特性があります。プロペラシャフト抑えが非常に肉厚で丈夫なため、改造による強度低下の心配も少ないです。また、素のままでも速いため、初心者でも扱いやすい一面も持っています。
Aパーツの設計は耐久性抜群で、メインにしていない人でも一度も壊れたことがないという評価もあります。着地時の姿勢が立体主体のテクニカルコース向きで、リジット構造なのに跳ねにくいという特性もFM-Aシャーシの魅力です。
ただし、FM-Aシャーシにも弱点があります。ボディをかっこよく切るのが非常に難しく、モーターを避けて切ってかっこよくする方法がどうしても似通ってしまいます。また、ローターンコーナーなどではモーターが前にあることで回頭性が良すぎる場合もあり、コントロールが難しくなることもあります。
タイヤサイズにも制限があり、23mm台前半からシャーシの底面が1mmを切ってしまうため装着不可となります(ただし、最近出たアルミギヤカバー装備なら可能)。また、どのような設計にしても提灯形状に工夫が必要で、他のシャーシで使いまわしができないという難点もあります。
カスタマイズの自由度を重視する方には、こうした特性を理解した上でFM-Aシャーシを選ぶのがおすすめです。特に波打った道や上下動の多いコースでは、前部にモーターがあることで重心が前寄りとなり、車体の姿勢が安定しやすいという利点も活かせるでしょう。
改造初心者はVZシャーシで失敗なく始められる
ミニ四駆の改造に初めて挑戦する方には、VZシャーシがおすすめです。VZシャーシは最新のシャーシで、初心者でも扱いやすく、かつ改造の幅も広いという特徴を持っています。
VZシャーシの最大の魅力は、フロントバンパーの高さです。フロントバンパーが高めに付けられるため、小径タイヤでも3mmブレーキが無加工で貼れます。これにより、改造初心者でもブレーキセッティングが容易になります。また、素の状態でもめちゃめちゃ速いという特性があるため、大幅な改造をしなくても十分な走行性能を得られます。
さらに、フレキほどではないものの、エアターンなども弾かれずに回れるという特徴があり、ランディングクラッシュも楽に対処できます。これらの特性により、改造初心者でも比較的簡単に安定した走りを実現できるのがVZシャーシの強みです。
VZシャーシは軽量なため、90g台のマシンが楽々作れるという利点もあります。軽量化は速度向上の基本ですが、専門的な改造技術がなくても、VZシャーシなら初めから軽量という利点を活かせます。
また、最新のシャーシであるため、今後どこへ行こうといつでも手に入りやすいという入手性の面でも初心者に優しい特徴があります。パーツの互換性も高く、様々なカスタムパーツが流通しているため、改造の幅を徐々に広げていくことも可能です。
ただし、VZシャーシにも注意点があります。ギアカバーが取れやすいため、プラボディを正規に取り付けない場合は補強が必須です。また、フロントと比べるとリヤステー穴が低いため、小径タイヤならリヤはプレート2枚でブレーキの底上げが必要になることがあります。
こうした特性を理解した上でVZシャーシを選べば、改造初心者でも失敗なく始められるでしょう。基本性能が高く、軽量で扱いやすいVZシャーシは、ミニ四駆改造の入門機として最適です。
シャーシの重さと剛性はトレードオフの関係
ミニ四駆のシャーシ選びで重要なポイントの一つが、重さと剛性のバランスです。一般的に、重いシャーシは剛性が高く、軽いシャーシは柔軟性がある傾向にあります。このトレードオフの関係を理解することが、自分に合ったシャーシ選びの鍵となります。
例えば、MAシャーシは剛性が高い分、全シャーシ中最も重くなっています。これにより柔軟性が失われている部分がありますが、その分安定性は高く、ジャンプや衝撃にも強いという特徴があります。一方で、VZシャーシやVSシャーシは鬼のように軽いため、加速性能に優れていますが、剛性はMAシャーシほどではありません。
以下の表は主要なシャーシの重さと剛性の関係をまとめたものです:
シャーシ名 | 重さ | 剛性 | 柔軟性 | 適した用途 |
---|---|---|---|---|
MAシャーシ | 最重 | 最高 | 低い | 安定性重視、立体コース |
ARシャーシ | 重い | 高い | やや低い | 多用途、バランス型 |
FM-Aシャーシ | 中程度 | 中程度 | 中程度 | テクニカルコース、上下動の多いコース |
MSシャーシ | やや軽い | やや高い | やや高い | カスタマイズ、特殊改造 |
VZシャーシ | 最軽量 | やや低い | 高い | 速度重視、フラットコース |
VSシャーシ | 軽い | やや低い | 高い | 速度重視、旋回性能 |
重さと剛性のトレードオフは、走行コースの特性によっても選択が変わります。例えば、ジャンプや段差の多い立体コースでは、重くても剛性の高いMAシャーシやARシャーシが安定性を発揮します。一方、フラットなコースや高速周回を重視する場合は、軽量なVZシャーシやVSシャーシが有利になることが多いです。
また、改造の方向性によっても選ぶべきシャーシは変わります。柔軟性を活かした特殊改造(フレキなど)を施したい場合は、MSシャーシのような分割構造のシャーシが適しています。反対に、剛性を活かしたリジットな走りを追求したい場合は、MAシャーシやARシャーシがおすすめです。
初心者の場合は、まずバランス型のシャーシから始めて、自分の走行スタイルや好みに合わせて徐々に特化型のシャーシに移行していくのが理想的です。ARシャーシは重さと剛性のバランスが良く、初心者にもおすすめできる万能型のシャーシと言えるでしょう。
シャーシの重さと剛性のトレードオフを理解し、自分の走行スタイルや改造方針に合ったシャーシを選ぶことで、より満足度の高いミニ四駆ライフを送ることができます。
目的別に選ぶミニ四駆おすすめシャーシと注意点
- 立体コースで強いのはMAシャーシとARシャーシ
- フラットレースではVZシャーシとVSシャーシが最速
- 旋回性能を重視するならVSシャーシが圧倒的に有利
- 特殊改造を楽しむならMSシャーシが最適
- 整備性の高さではARシャーシが他を圧倒している
- シャーシ選びの際はボディとの相性も重要なポイント
- シャーシ購入前にレギュレーションのチェックは必須
立体コースで強いのはMAシャーシとARシャーシ
現代のミニ四駆レースでは、ジャンプや段差などの立体セクションが増加しており、こうしたコースに強いシャーシを選ぶことが重要です。立体コースで特に優れた性能を発揮するのが、MAシャーシとARシャーシです。
MAシャーシは、剛性が高いモノコック・エアロ型のデザインを採用しており、ジャンプ後の着地や衝撃を受けやすいセクションでも安定性を維持できます。両軸モーターを搭載しているため、力強さと安定性を両立させた走りが可能です。シャーシの重さが最も重いという特徴がありますが、その分しっかりとした走りを実現し、コースアウトのリスクを減らせます。
一方、ARシャーシもリヤステーを含む一体成形シャーシで、強度の高さではMAシャーシと双璧を成します。現在のレースシーンに合わせて強度と拡張性を強化しており、立体コースでの安定性も申し分ありません。Aパーツを装着した場合の強度は片軸シャーシでは最高レベルであり、ジャンプや衝撃に強いという特徴があります。
立体コースでは、着地時の衝撃でシャーシが変形したり、パーツが破損したりするリスクが高まります。MAシャーシとARシャーシは、その高い剛性と強度により、こうしたリスクを軽減できます。特にMAシャーシは、全シャーシ中最も重いという欠点がありますが、立体コースではむしろその重さが安定性につながり、メリットになることも多いです。
また、両シャーシとも空力性能に優れているため、ジャンプ中の姿勢も安定しやすいという利点があります。ARシャーシはフラットな下部にエアインテイク満載な構造を持ち、MAシャーシもシャーシ下面がスムーズな形状になっているため、空気抵抗を抑えながら安定した飛行が可能です。
立体コースで走行する際は、シャーシの選択に加えて、適切なローラーセッティングも重要です。MAシャーシ、ARシャーシともに多数のビス穴があり、様々なローラー配置が可能なため、コースの特性に合わせたセッティングができます。初心者の場合は、標準的なセッティングからスタートし、徐々に自分のスタイルに合わせて調整していくのがおすすめです。
立体コースでの走行を主に考えている方は、MAシャーシとARシャーシを第一候補として検討するとよいでしょう。両シャーシとも高い基本性能を持ち、安定性と耐久性に優れているため、初心者から上級者まで幅広く対応できます。特に初心者の場合は、まずはARシャーシのスターターパックから始めるのが最適かもしれません。
フラットレースではVZシャーシとVSシャーシが最速
フラットなコースでのレースを主に考えている方には、軽量でスピード性能に優れたVZシャーシとVSシャーシがおすすめです。これらのシャーシは、その軽さと柔軟性によって、特にフラットレースでその真価を発揮します。
VZシャーシはVSシャーシの正統後継として開発されたシャーシで、VSの進化系だけあって、強度よりも軽さや柔軟性を重視しています。鬼のように軽く、90g台のマシンが楽々作れるため、加速性能と最高速度に優れています。特に3レーンコースを使ったフラットレースでは、VSシャーシ同様に愛用者が非常に多く、最高速度が他のシャーシより伸びやすいという特徴があります。
VSシャーシも、コンパクトな仕様で旋回性能に優れるため、セッティング次第で何をやらせてもそつなくこなせる万能シャーシです。改造の腕がそこそこにある場合、スーパーXシャーシ・スーパーXXシャーシより伸び代が高いとも言われており、現在でもメインシャーシとして使う人は多いです。
両シャーシの軽さは、フラットコースでの加速性能と最高速度に直結します。特に長いストレートがあるコースでは、その軽量さが最大の武器となります。また、VZシャーシはフロントバンパーが最初から分割式になっているため、バンパーレスセッティングも容易で、さらなる軽量化と空力性能の向上が可能です。
フラットレースでのセッティングでは、軽量化に加えて抵抗を減らすことも重要です。VZシャーシとVSシャーシは、その柔軟な構造により、カウンターギアとの干渉が少なく、スムーズな駆動が可能です。また、ベアリングやシャフトの選別など、基本的なメンテナンスを丁寧に行うことで、さらに性能を引き出すことができます。
ただし、両シャーシにも注意点があります。VZシャーシはギアカバーが取れやすいため、補強が必須です。VSシャーシはバンパーの強度がやや低いため、バンパーの補強に気を使う必要があります。しかし、多様なFRPプレートが販売されている現在、それらを組み合わせれば対処は難しくありません。
フラットレースでの速さを追求するなら、軽量かつ柔軟性のあるVZシャーシとVSシャーシが最適です。特に経験者で、セッティングの知識がある方には、その真価を発揮してくれるでしょう。初心者の場合でも、基本的なセッティングを学びながら、徐々に自分のスタイルに合わせた調整を行っていくことで、フラットレースでの速さを追求できます。
旋回性能を重視するならVSシャーシが圧倒的に有利
コーナーリングの多いコースや、細かいテクニカルセクションが特徴的なレイアウトでは、旋回性能の高いシャーシが有利になります。旋回性能を重視する場合、VSシャーシが圧倒的におすすめです。
VSシャーシはコンパクトな仕様で旋回性能に優れており、セッティング次第で何をやらせてもそつなくこなせる万能シャーシとして知られています。特にコーナーでの挙動の安定性と俊敏性は他のシャーシを圧倒する性能を持っており、テクニカルなコースでその真価を発揮します。
VSシャーシの旋回性能の高さは、そのコンパクトな設計と軽量さに起因しています。スーパーXシャーシ・スーパーXXシャーシなどのシャーシと比較しても、より俊敏な動きを実現できるため、急なコーナーや連続するカーブでも安定した走りを見せます。
また、VSシャーシは基本構造がタイプ2シャーシやタイプ4シャーシとよく似ているため、一次ブーム世代が復帰しても構造の違いに戸惑うことが少ないという特徴もあります。復帰組のユーザーにとっては構造が掴みやすく、使いやすいシャーシとなっています。
さらに、シャーシ強度もスーパーXシャーシに次いで高く、スーパーTZシャーシやTZ-Xシャーシとほぼ同等とされています。旋回性能の高さだけでなく、一定の強度も兼ね備えているため、激しい走行でも安心して使用できます。
ただし、VSシャーシの数少ない弱点としては、バンパーの強度がやや低い点があります。そのため、バンパーの補強に気を使う必要があります。しかし、現在では多様なFRPプレートが販売されているため、それらを組み合わせれば強度不足の問題は解決できます。
旋回性能を重視したセッティングでは、適切なローラー配置やタイヤの選択も重要です。VSシャーシはコンパクトな設計のため、様々なローラーセッティングが試しやすく、自分のスタイルに合わせた調整が可能です。特に、コーナーでの安定性を高めるためには、フロントバンパーの補強とリヤのローラー配置に注目するとよいでしょう。
旋回性能の高さを求める方には、VSシャーシが最適な選択となります。特にテクニカルなコースでの走行を重視する方や、コーナーでの速さを追求したい方におすすめです。VSシャーシの後継であるVZシャーシも旋回性能は高いですが、特に旋回性能にこだわるならVSシャーシの方が適しているかもしれません。
特殊改造を楽しむならMSシャーシが最適
ミニ四駆の魅力の一つが、自分だけのオリジナルマシンを作り上げる楽しみです。特にフレキやサスペンションなど特殊改造を楽しみたいという方には、MSシャーシがおすすめです。
MSシャーシは第三次ブームの先陣を切った革新的なシャーシで、旧来のシャーシとは一線を画す非常に斬新な設計が特徴です。シャーシはフロント・センター・リヤの3分割方式で、この分割構造が特殊改造に大きな可能性を開きます。実際に「MSフレキ」と呼ばれる改造シャーシが大会を席巻していることもあり、上級者から特に支持されています。
分割式シャーシであることの最大のメリットは、サスペンションやフレキのような特殊改造を比較的容易に行える点です。MAシャーシのような一体成型シャーシでは難しい改造も、MSシャーシならパーツごとに加工できるため、より自由度の高い改造が可能となります。
また、MSシャーシは別売りのバンパーレスユニットに交換することで無加工でバンパーレスにでき、加工が苦手な人でもセッティングの幅を広げやすいという利点もあります。この点はVZシャーシも似ていますが、MSシャーシの場合はバンパーが完全に無い状態からMSシャーシ用のFRPプレートなどを使用してバンパーを作れるため、無加工でのバンパーセッティングの自由度はトップクラスです。
一方で、MSシャーシにもいくつかの弱点があります。当時あまり利活用されなくなっていたサイドガードは撤廃されており、後にマスダンパーが普及してからはサイドマスダンがやりにくいという問題が浮上しています。さらに、剛性や駆動効率は後発の一体成型のAR、MAなどには劣るため、分割式であることのメリットを特に活かせないのであれば、MAシャーシに優先して使うほどのものではないともいえます。
特に困るのがギヤカバーの強度不足です。「ギヤカバー折れすぎ。地獄」と表現されるほど折れやすいため、予備パーツの準備が必要になるかもしれません。また、破損時のリカバリーがしんどいという問題もあります。治具なしで何度も作り直すのは苦行とも言われており、MSシャーシを使いこなすには根気と経験が必要です。
それでも現在MAシャーシを差し置いてあえてMSシャーシを使う人には、分割式シャーシという特徴を利用して、サスペンションやフレキのような特殊改造を比較的容易に行えるからという理由が多いです。フレキの駆動知識はほかに応用が利かない特殊なものですが、一度やったら帰ってこれない人も多いというほど魅力的な改造方法です。
特殊改造の世界に踏み込みたい上級者や、オリジナリティあふれるマシン作りを楽しみたい方には、MSシャーシの特性を理解した上で挑戦してみることをおすすめします。特殊改造の知識と経験を積むことで、他では味わえない走りを実現できるでしょう。
整備性の高さではARシャーシが他を圧倒している
長時間のレースやメンテナンスの頻度を考えると、整備性の高いシャーシを選ぶことも重要な要素です。整備性の面で特に優れているのが、ARシャーシです。
ARシャーシの最大の特徴は、シャーシの裏から電池、モーター両方を交換できる点です。これは特に電池をバトン代わりにするリレーレースなどで大きな利点となり、採用率が極めて高くなっています。ほかのシャーシではパーツを取り外したり、ボディを外したりする必要があることも多いですが、ARシャーシならそうした手間を省ける唯一無二の特性を持っています。
また、ARシャーシはGUP(グレードアップパーツ)の適合パーツが豊富なため、加工初心者でもそれなりにカスタムのバリエーションを増やすことができます。駆動系も優秀で、初期状態でもかなりの速さを発揮します。耐久性も高く、シャーシ本体が丈夫なため、スプリントレースで5時間ぶっ続けで走らせても無傷だったという報告もあります。
ARシャーシの整備性の高さは、レース中の急なトラブルにも対応しやすいというメリットがあります。例えば、バッテリーの消耗やモーターの不調といった問題が発生した場合でも、素早く交換作業を行えます。特に初心者や、メンテナンスに不安がある方にとっては、この整備性の高さは大きな安心材料となるでしょう。
さらに、ARシャーシは「スターターパック」という基本パーツが付属したセット商品も存在するため、0からミニ四駆を始める初心者にもうってつけです。必要な基本パーツがセットになっているため、別途パーツを揃える手間が省け、すぐにレースに参加できるというメリットがあります。
ただし、ARシャーシにも弱点はあります。フロントが低めで、23mmタイヤだとフロントは1mmブレーキしかバンクスルーできない場合があります。また、シャーシ本体が立体的な形状のため、ボディの干渉部分が大きくなりやすいという欠点もあります。ARシャーシのボディは大抵のリアモーターシャーシにそのまま搭載できますが、逆は困難を伴うことが多いです。
整備性を重視するなら、これらの特性を理解した上でARシャーシを選ぶとよいでしょう。特に初心者や、レース中のメンテナンスを重視する方には最適です。ARシャーシは速度が出すぎず、それでいて駆動の耐久性もそこそこあるため、コース攻略に向いているという特徴もあり、バランスの取れたシャーシと言えます。
シャーシ選びの際はボディとの相性も重要なポイント
ミニ四駆のシャーシを選ぶ際に見落としがちなポイントが、ボディとの相性です。シャーシとボディの組み合わせによって、走行性能が大きく変わることがあります。特に好みのボディを使いたい場合は、そのボディに適したシャーシを選ぶことが重要です。
例えば、ARシャーシは立体的な形状のため、ボディの干渉部分が大きくなりやすいという特徴があります。ARシャーシのボディは大抵のリアモーターシャーシにそのまま搭載できますが、逆に他のシャーシ用のボディをARシャーシに載せるのは困難を伴うことが多いです。一方で、別売りのサイドボディキャッチアタッチメントを使うことでワイルドミニ四駆のボディに対応できるという柔軟性も持っています。
スーパーⅡシャーシは、フロント底部の謎のテーパー処理により、バンパーレスのベースプレートがアッパーになるという特性があり、削り込む必要がある場合もあります。このため、ボディを選ぶ際には注意が必要です。
FM-Aシャーシの場合は、モーターが前方にあるため、ボディをかっこよく切るのが非常に難しいという難点があります。モーターを避けて切ってかっこよくする方法がどうしても似通ってしまい、個性を出しにくいのが実情です。また、どのような設計にしても提灯形状に工夫が必要で、他のシャーシで使いまわしができないという制約もあります。
一方で、VZシャーシやVSシャーシは比較的ボディの自由度が高く、様々なボディを装着しやすいという特徴があります。特に「ウイニングバードフォーミュラ」のようなボディは、VZ、VS、S2シャーシに装着すると、原型を残したまま美しく仕上げることができます。
また、MAシャーシは両軸モーターを採用しているため、大径タイヤを使う時はトレッドの広いホイールを使わないとバッテリーボックスに干渉するという点に注意が必要です。小径タイヤが主流となった現在ではあまり気にする必要はなくなりましたが、大径タイヤにこだわる場合は考慮すべきポイントです。
シャーシとボディの相性を考える際は、以下の点に注意するとよいでしょう:
- ボディの取り付け方式がシャーシに対応しているか
- モーターや電池の位置とボディの干渉がないか
- バンパーやローラーの位置とボディの干渉がないか
- ボディを切る際の制約(モーターやパーツを避けるための切り方)
- ボディの重量と全体のバランス
シャーシ選びの際には、自分が使いたいボディとの相性も十分に考慮し、走行性能とスタイルの両面から最適な組み合わせを見つけることが大切です。特に見た目にこだわりたい方は、ボディとシャーシの相性を重視した選択をおすすめします。
シャーシ購入前にレギュレーションのチェックは必須
ミニ四駆のレースに参加する予定がある方は、シャーシを購入する前に必ずレギュレーション(規定)をチェックすることが重要です。レースによっては使用できるシャーシが限定されている場合があり、せっかく購入したシャーシが使えないという事態を避けるためです。
タミヤが主催する公式大会「ジャパンカップ」では、タミヤ製のオンロードタイプのミニ四駆のみが参加可能です。オフロードタイプやディスプレイタイプは参加できません。また、近年では「B-MAX GP」という特定のレギュレーションに基づいたレース形式も人気があります。B-MAX GPでは、使用できるシャーシやパーツに制限があるため、参加予定のレースのレギュレーションを事前に確認しておくことが大切です。
例えば、一部のレースでは「FM車、RM車、MM車の3台登録で行われる」というルールがあり、フロントモーター車(FM-Aシャーシなど)、リアモーター車(VZ、AR、VSシャーシなど)、ミッドシップモーター車(MA、MSシャーシなど)をそれぞれ1台ずつ用意する必要があります。このような場合、1種類のシャーシしか持っていないと参加できないこともあります。
また、シャーシごとにカスタマイズの制限が異なる場合もあります。例えば、一部のレースではMSシャーシのフレキ改造が禁止されている場合があります。こうした制限を知らずにカスタマイズを進めてしまうと、せっかくの改造が無駄になってしまう可能性があります。
地域のホビーショップで開催される非公式レースでも、独自のレギュレーションが設けられていることがあります。例えば、「シャーシ限定レース」など特定のシャーシのみを使用するレースも行われています。こうしたレースに参加する場合は、主催者に事前に確認するか、告知やポスターなどでレギュレーションを確認しておきましょう。
また、2011年からの公式レースでは、TR-1シャーシ(ラジ四駆シャーシ)にネオチャンプ(ニッケル水素充電池)の搭載が禁止されているなど、シャーシによって使用できるパーツやバッテリーに制限がある場合もあります。
レギュレーションのチェックは、以下の点を確認するとよいでしょう:
- 使用可能なシャーシの種類
- カスタマイズの制限(禁止されている改造など)
- 使用可能なモーターやバッテリーの種類
- 重量や寸法の制限
- その他の特別ルール(ボディの種類など)
参加予定のレースのレギュレーションを事前に確認し、それに合わせたシャーシ選びを行うことで、後悔のない選択ができます。特に初心者の方は、レースに参加する前にレギュレーションを十分に理解しておくことをおすすめします。
最後に記事のポイントをまとめます。
- 初心者には改造なしでも安定して走るMAシャーシとARシャーシがおすすめ
- スピード重視ならVZシャーシとVSシャーシが最適
- 安定性を求めるなら両軸モーターのMAシャーシが最良の選択
- 立体コースではMAシャーシとARシャーシの高い剛性が活きる
- 特殊改造を楽しむならMSシャーシの分割構造が最適
- 整備性ではシャーシ裏から電池・モーター交換可能なARシャーシが優れている
- カスタマイズの自由度が高いのはFM-Aシャーシとリヤステーが別パーツのシャーシ
- フラットレースでは軽量なVZシャーシとVSシャーシが最速
- 旋回性能ではコンパクトなVSシャーシが圧倒的に有利
- シャーシ選びの際はボディとの相性も重要なポイント
- レースに参加予定ならレギュレーションのチェックは必須
- シャーシの重さと剛性はトレードオフの関係があり目的に応じて選ぶ
- 改造初心者はVZシャーシから始めるのが失敗が少ない