ミニ四駆レースで勝利を目指すなら、適切なパーツ選びが重要です。その中でも「ローフリクションタイヤ」は現代のミニ四駆レースにおいて欠かせない存在となっています。ただタイヤを交換するだけで、コースを安定して走るマシンへと生まれ変わる可能性を秘めています。
しかし、「ローフリクションタイヤをどう使えばいいの?」「どんな効果があるの?」と疑問を持つ方も多いでしょう。この記事では、ミニ四駆ローフリクションタイヤの特徴や効果的な使い方、セッティングのコツから、サイズ選びまで徹底解説します。初心者からベテランレーサーまで、ぜひ参考にしてみてください。
記事のポイント!
- ローフリクションタイヤの基本的な特性と各種タイプの違い
- ローフリクションタイヤの効果的な使い方とシャーシとの相性
- 前輪・後輪どちらに装着すべきかとその効果の違い
- ローフリクションタイヤの購入方法と価格相場

ミニ四駆ローフリクションタイヤとは何か?その特徴と性能
- ローフリクションタイヤは硬質ゴムで作られた高性能パーツ
- ローフリクションタイヤの最大の特徴はコーナリング性能の向上
- ローフリクションタイヤは前輪装着が基本的な使い方
- ローフリクションタイヤはシャーシとの相性が重要
- ローフリクションタイヤの種類は小径と大径の2種類が基本
- ローフリクションタイヤの価格は通常400円台から購入可能
ローフリクションタイヤは硬質ゴムで作られた高性能パーツ
ローフリクションタイヤは、その名の通り「摩擦抵抗の少ない」特殊なタイヤです。独自調査の結果、このタイヤは通常のゴムタイヤよりも硬質な材質で作られており、触ってみると「めちゃくちゃ硬い」という特徴があります。一般的なタイヤと比較すると弾力性が少なく、表面がツルツルしていることが分かります。
この硬さとツルツル感が、ローフリクションタイヤの最大の特徴です。通常のタイヤはコースに対して強くグリップしますが、ローフリクションタイヤは適度に「滑る」性質を持っています。これにより、コーナリング時の抵抗を減らし、マシンがスムーズに曲がることができるようになります。
また、硬質ゴムで作られているため、重量も一般的なタイヤより軽いという利点もあります。実際に測定した結果では、通常タイヤから交換することで0.5g〜0.7g程度の軽量化が可能とのデータもあります。ミニ四駆においてはわずかな重量差も走行性能に影響するため、この軽量性も大きなメリットと言えるでしょう。
ローフリクションタイヤは「滑りやすいけれど、前進するトラクション(駆動力)は適度に確保できる」という絶妙なバランスを実現しています。このバランスこそが、多くのミニ四駆レーサーに支持される理由なのです。
硬いタイヤのため、ホイールへの装着は少し力が必要です。特に大径ホイールに装着する場合は、ペンチで無理やりタイヤを伸ばすなどの工夫が必要になる場合もあるようです。
ローフリクションタイヤの最大の特徴はコーナリング性能の向上
ローフリクションタイヤの最大の魅力は、コーナリング性能を向上させる効果です。特にミニ四駆のような操舵機構(ステアリング)がないマシンにとって、この効果は絶大です。
ミニ四駆はコーナーに差し掛かると、遠心力によって外側に膨らみます。一般的なゴムタイヤではコースとの摩擦が強すぎるため、この遠心力に対する抵抗が大きくなり、マシンが飛び出したり、コースから脱線したりすることがあります。
一方、ローフリクションタイヤは適度に「滑る」特性があるため、コーナーでの遠心力をうまく逃がすことができます。これにより、コーナーをスムーズに旋回し、コースアウトのリスクを減らすことができるのです。
実際にローフリクションタイヤを装着することで、コースタイムが向上したという報告も多く見られます。あるテスト結果では、従来の18.64秒というタイムから、ローフリクションタイヤを前輪に装着することで18.44秒というタイムを記録。0.2秒の短縮に成功しています。ミニ四駆のレースでは0.1秒の差が勝敗を分けることもあるため、この向上は非常に意義のあるものです。
また、ローフリクションタイヤはグリップ力が低いため「跳ねにくい」という特性もあります。これにより、コース上の細かな凹凸による不安定さを抑え、より滑らかな走りを実現することができるのです。
ただし、ローフリクションタイヤの効果はコース形状や走行環境によって変わる点に注意が必要です。滑りやすい特性は、砂や埃の多いコースでは更に滑りやすくなる可能性があります。コースの状態に合わせたセッティングの見直しが重要でしょう。
ローフリクションタイヤは前輪装着が基本的な使い方

ローフリクションタイヤの基本的な使い方は、「前輪のみに装着する」というものです。これはタミヤの公式な推奨方法でもあり、最も効果を発揮するセッティングとされています。
なぜ前輪のみの装着が推奨されるのでしょうか。これは、ミニ四駆の走行メカニズムに関係しています。コーナーを曲がるとき、マシンには遠心力が働きます。この力は、特に前輪部分で強く感じられます。そのため、前輪に滑りやすいローフリクションタイヤを装着することで、コーナリング時の抵抗を効果的に減らすことができるのです。
一方、後輪は駆動輪であるため、ある程度のグリップ力が必要とされます。ローフリクションタイヤを後輪にも装着すると、確かに旋回性は高まりますが、前進するための駆動力(トラクション)が不足してしまう可能性があります。実際のテスト結果でも、前後輪ともにローフリクションタイヤを装着した場合、タイムが若干落ちたとの報告があります。
また、ローフリクションタイヤは特殊な使い方として、「左右のどちらか片側だけに装着」するセッティングも可能です。これにより、「内輪差による走行抵抗を滑ることで打ち消す」効果が期待できます。特に、片バンクでの走行が多いコースでは効果的かもしれません。
さらに、後輪のみに装着するセッティングも考えられます。これは「ジャンプ時にスピードを落としてコースアウトを防止する」という目的で使用されることがあります。
実験結果によれば、「前輪:ローフリクション、後輪:通常タイヤ」のセッティングが最も安定した走行を実現し、良いタイムを記録できる可能性が高いようです。あなたのマシンやコース状況に合わせて、最適なセッティングを見つけてみましょう。
ローフリクションタイヤはシャーシとの相性が重要
ローフリクションタイヤの効果は、使用するシャーシの種類によって大きく変わることが分かっています。特に相性が良いとされているのは「MSフレキ」や「マッハダッシュフレキ」といった、シャーシが分割されているタイプのマシンです。
なぜフレキシャーシとの相性が良いのでしょうか。これは「タイヤの接地状態」に関係しています。独自調査によれば、ミニ四駆がコースを走行する際、通常の片軸シャーシでは、コーナーやジャンプなどで負荷がかかると、タイヤが浮いてしまう現象が起きます。つまり、4輪が均等に接地している時間が短いのです。
一方、MSフレキのようなシャーシは前後が独立して動くため、コース形状に合わせてシャーシが柔軟に動き、4輪がしっかりとコースに接地する時間が長くなります。ローフリクションタイヤは、この「4輪接地状態」で最も効果を発揮するのです。
片軸シャーシでローフリクションタイヤを使用する場合は、タイヤの厚みにも注意が必要です。同じ直径のタイヤでも、ホイールの形状によってタイヤの厚みが異なります。例えば、ローハイトホイールに装着したタイヤと大径ナローホイールに装着したタイヤでは、厚みに差が出ます。
この厚みの違いが、「タイヤが全輪接地する時間」に影響を与えるのです。片軸シャーシやリジッドマシンでは、「コーナリングに影響しない程度にタイヤは柔らかく厚みがあるほうが良い」という指摘もあります。
また、マシンの重量やモーターの出力によっても、ローフリクションタイヤの効果は変わります。重いマシンはグリップしやすく、軽いマシンは滑りやすい傾向があります。同様に、トルクの強いモーターを使用すると滑りやすく、トルクの弱いモーターではグリップしやすくなります。
これらの要素を総合的に判断して、あなたのマシンコンセプトに合ったタイヤ選びをすることが重要です。一概に「ローフリクションタイヤが最強」とは言い切れない部分があることを理解しておきましょう。
ローフリクションタイヤの種類は小径と大径の2種類が基本
ローフリクションタイヤには、主に「小径」と「大径」の2種類のサイズが存在します。さらに小径タイヤには「ナロー」と「ローハイト」の2種類があり、大径タイヤにも「ローハイト」と「バレル」などのバリエーションがあります。これらの違いを理解することで、マシンのセッティングの幅が広がるでしょう。
【小径ローフリクションタイヤの種類】
- 小径ナロータイヤ(24mm):最も細いタイプで、接地面積が小さく最も滑りやすい特性
- 小径ローハイトタイヤ(26mm):小径ながらも適度な厚みがあり、バランスの取れた性能
【大径ローフリクションタイヤの種類】
- 大径ローハイトタイヤ(31mm):大きめのサイズで安定性が高い
- 大径バレルタイヤ(31mm):特殊な形状で独特の走行特性を持つ
基本的に、小径タイヤは旋回性能に優れ、大径タイヤは安定性に優れるという特徴があります。小径タイヤはコーナーの多いテクニカルなコースで威力を発揮し、大径タイヤはハイスピードコースやジャンプの多いコースで力を発揮します。
また、カラーバリエーションとしては「ブラック」が基本ですが、一部の限定品では「マルーン」(赤褐色)カラーも販売されています。例えば「ローフリクション ローハイトタイヤ(2本 マルーン)」という商品は、特別企画商品やジャパンカップ限定、台湾限定などで販売されることがあります。
さらに、ホイールの材質やデザインにもバリエーションがあります。標準的なものは「カーボン強化ホイール」ですが、限定品には「シルバーメッキホイール」や「金メッキホイール」なども存在します。例えば「スーパーX・XXローフリクション小径ナロータイヤ(24mm)&シルバーメッキ3本スポークホイール」といった特別仕様もあります。
こうした様々なバリエーションの中から、自分のマシンコンセプトや走行スタイル、コース特性に合ったものを選ぶことが重要です。単にブームに乗って「ローフリクションだから」と選ぶのではなく、その特性を理解した上で適切に選択しましょう。
ローフリクションタイヤの価格は通常400円台から購入可能
ローフリクションタイヤの価格は、タイプや販売形態によって異なりますが、基本的には標準グレードアップパーツとして手頃な価格設定となっています。独自調査によると、公式価格は以下のように設定されています。
【標準的なローフリクションタイヤの価格(税込)】
- ローフリクション小径ローハイトタイヤ(26mm)&カーボン強化ホイール(フィン):約440円
- ローフリクション小径ナロータイヤ(24mm)&カーボン強化ホイール(3本スポーク):約440円
- ローフリクション大径ローハイトタイヤ(31mm)&カーボンホイール(ディッシュ):約440円
- ローフリクション大径バレルタイヤ(31mm)&カーボン強化ホイール(Vスポーク):約440円
これらは基本的に4輪分(タイヤ4個、ホイール4個)のセットになっています。一方、限定品や特別企画商品は少し値段が上がる傾向にあります。
【限定品・特別企画商品の価格例】
- ローフリクション ローハイトタイヤ(2本 マルーン):約660円
- スーパーX・XXローフリクション小径ナロータイヤ&シルバーメッキホイール:約2,480円
- フルカウルミニ四駆25周年記念 ローフリクション ローハイトタイヤ:約1,280円
また、中には「バラ売り」という形で単品販売されているケースもあります。例えば「ローフリクション小径ナロータイヤ(24mm) ブラック」が298円で販売されているケースもあるようです。前輪のみに装着したい場合は、このようなバラ売り品を探してみるのも一つの方法でしょう。
購入場所としては、タミヤ公式ショップやホビーショップ、大型家電量販店のホビーコーナー、オンラインショップなどで入手可能です。特に楽天市場やYahoo!ショッピングでは様々なショップが取り扱っています。
ただし、人気商品のため品薄になることもあるようです。特に限定品は入手困難な場合もあり、中古市場では定価以上の価格で取引されることもあります。もし欲しいタイプのローフリクションタイヤが見つかったら、早めに購入することをおすすめします。

ミニ四駆ローフリクションタイヤの選び方とセッティング
- ローフリクションタイヤは前輪のみに装着すると最も効果的
- ローフリクションタイヤの黒色バージョンは高いグリップ性能を持つ
- ローフリクションタイヤの効果は車重やモーターのトルクで変わる
- ローフリクションタイヤはフレキマシンと相性が良い
- ローフリクションタイヤの小径版は小回りが効くコースで効果的
- ローフリクションタイヤの大径版はジャンプを安定させる効果がある
- まとめ:ミニ四駆ローフリクションタイヤは適切な選択で性能を最大化できる
ローフリクションタイヤは前輪のみに装着すると最も効果的
ローフリクションタイヤの装着位置については、さまざまな実験結果から「前輪のみに装着する」のが最も効果的というのが定説になっています。これには明確な理由があります。
前輪にローフリクションタイヤを装着すると、コーナーでの「回頭性」(曲がる性能)が向上します。ミニ四駆はステアリング機構がないため、コーナーでは遠心力と摩擦の絶妙なバランスで旋回します。前輪が適度に滑ることで、この旋回がスムーズになるのです。
一方、後輪は駆動力を路面に伝える重要な役割を持っています。ここにローフリクションタイヤを装着すると、確かに旋回性は向上しますが、駆動力(トラクション)が減少してしまいます。つまり、「曲がりやすくなるけど、前に進む力が弱まる」というトレードオフが生じるのです。
実際の走行テストでも、この理論を裏付ける結果が出ています。あるブログの実験では:
- 標準タイヤのみ:18.64秒
- 前輪のみローフリクション:18.44秒(0.2秒向上)
- 前後輪ともローフリクション:18.78秒(標準より遅い)
という結果が報告されています。このデータからも、ローフリクションタイヤは前輪のみに装着するのが最も効果的であることがわかります。
ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、コースレイアウトやマシンのセッティングによっては例外もあります。例えば、非常に高速なコースや長いストレートが多いコースでは、トラクションを重視して前後とも通常タイヤの方が良い場合もあるでしょう。
また、ローフリクションタイヤを装着する際には、「タイヤの色の不揃い感」という見た目の問題も生じます。前輪だけ黒いローフリクションタイヤ、後輪は通常の色というセッティングになるためです。しかし、「見た目より速さを取る」というのが多くのレーサーの選択のようです。あるブログでは「タイヤが前後で色が違うので不揃い感は否めませんが、まあそのうち見慣れてくるでしょう」と述べられています。
ローフリクションタイヤの黒色バージョンは高いグリップ性能を持つ
ローフリクションタイヤには主に「ブラック」と「マルーン」(赤褐色)の2種類のカラーバリエーションが存在します。通常のグレードアップパーツとして販売されているのは「ブラック」が基本ですが、限定品やイベント記念品として「マルーン」カラーが販売されることもあります。
ブラックカラーのローフリクションタイヤは、基本的な性能として「滑りやすさ」を重視したモデルです。独自調査によると、このブラックバージョンは「スーパーハードタイヤよりもさらにグリップを落とした」特性を持ち、コーナリング性能の向上に特化しています。
タミヤの公式説明によれば、ブラックのローフリクションタイヤは以下のようなセッティングに活用できます:
- フロント側に装着してマシンの回頭性を高める
- 左右のどちらか片側だけに装着して、内輪差による走行抵抗を打ち消す
- リヤ側だけに装着してジャンプ時にスピードを落としコースアウトを防止する
一方、マルーンカラーのローフリクションタイヤは、通常は2本セットで販売されていることが多く、限定性の高い商品です。「ローフリクション ローハイトタイヤ(2本 マルーン)」「フルカウルミニ四駆25周年記念 ローフリクション ローハイトタイヤ(2本 マルーン)」などの商品名で販売されています。
マルーンタイヤの特性については詳細な情報が少ないですが、おそらくブラックタイヤと基本性能は同じと考えられます。主な違いは見た目と限定性にあるでしょう。コレクション価値を重視するユーザーには、このマルーンカラーが人気のようです。
また、「ローフリクションタイヤ」という名前からは「とにかく滑る」というイメージを持つかもしれませんが、実際には「横に滑るけど前後には多少グリップする」という特性を持っています。これがミニ四駆の特性に合致し、「前に進む力を保持したままコーナリングも速く」できる理由です。
購入を検討する際は、自分のマシンコンセプトやコースレイアウトに合わせて、適切なタイプを選ぶことが重要です。見た目のカッコよさも大切ですが、走行性能を優先して選択することをおすすめします。
ローフリクションタイヤの効果は車重やモーターのトルクで変わる

ローフリクションタイヤの効果は、マシンの車重やモーターのトルク特性によって大きく変わることが分かっています。独自調査によると、これらの要素によってタイヤの挙動が変化するため、最適なセッティングも変わってきます。
【車重との関係】
- 重いマシン:グリップしやすい傾向
- 軽いマシン:滑りやすい傾向
マシンが重いと、タイヤがコースに押し付けられる力が強くなるため、ローフリクションタイヤでもある程度のグリップ力が生まれます。逆に軽いマシンでは、ローフリクションタイヤの「滑る」特性が強く出るため、コントロールが難しくなる場合があります。
【モータートルクとの関係】
- トルクが強いモーター(例:パワーダッシュモーター):滑りやすい
- トルクが弱いモーター(例:スプリントダッシュモーター):グリップしやすい
強いトルクを発生するモーターは、加速時にタイヤを空転させやすくなります。ローフリクションタイヤと組み合わせると、この傾向がさらに強まるため、駆動力が路面に十分伝わらないケースも考えられます。一方、トルクが控えめなモーターでは、ローフリクションタイヤでも適度なグリップを維持できる可能性があります。
これらの特性を考慮すると、以下のようなマシン特性別のタイヤ選択の目安が考えられます:
【重量級・トルクフルなマシン】
- 前輪:ローフリクションタイヤ(滑りやすさを活かして旋回性向上)
- 後輪:ハードタイヤの25mm程度(適度なグリップ力で駆動力を確保)
【軽量・ハイパワーなマシン】
- 前輪:ローフリクションタイヤ(コーナリング性能向上)
- 後輪:グリップ力のあるタイヤ(駆動力確保が重要)
【軽量・低パワーなマシン】
- 前輪:ローフリクションタイヤ
- 後輪:アルミホイールとローフリクションの組み合わせ(軽量化と適度なグリップのバランス)
ある記事では「自分のコンセプトにあったタイヤじゃないと速くならない」と指摘されています。つまり、流行りだからというだけでローフリクションタイヤを選ぶのではなく、自分のマシン特性に合った選択をすることが重要なのです。
また、レース中にタイヤ交換を前提とするのか、装着したままで走り続けるのかによっても最適なタイヤは変わってきます。総合的に判断した上で、必要な前進グリップと左右のグリップ抜きを考え、自分のマシンコンセプトに合わせたタイヤを選びましょう。
ローフリクションタイヤはフレキマシンと相性が良い
ローフリクションタイヤの性能を最大限に引き出すには、適切なシャーシとの組み合わせが重要です。特に「MSフレキ」や「マッハATフレキ」といったフレキシブルシャーシとの相性が非常に良いことが分かっています。
フレキシャーシの最大の特徴は、シャーシが前後に分割されており、それぞれが独立して動く点にあります。これにより、コースの起伏に合わせてシャーシが柔軟に動き、「4輪がちゃんと接地している時間」が他のシャーシに比べて圧倒的に長くなります。
独自調査によれば、ローフリクションタイヤは「4輪が接地する状態」で最も効果を発揮します。つまり、フレキシャーシはローフリクションタイヤの性能を引き出すのに最適な環境を提供しているのです。
一方、片軸シャーシや一体型(リジッド)シャーシでは、コーナーやジャンプでシャーシが捻じれると、3点接地や片輪浮きの状態になりやすく、タイヤの接地状態が不安定になります。こうした状態では、ローフリクションタイヤの効果が十分に発揮されない可能性があります。
ある記事では、「フレキで使ってめっちゃよかったタイヤを片軸に使うと思った以上に伸びなかったりします。これは片軸だとちゃんとタイヤが接地していないからなんです」と述べられています。これは、シャーシの特性とタイヤの相性の重要性を示唆しています。
片軸シャーシでローフリクションタイヤを使用する場合は、タイヤの厚みにも注目する必要があります。厚みのあるタイヤの方が、接地状態を維持しやすい傾向にあります。例えば25mmタイヤでも、ローハイトホイールに装着したものと大径ナローホイールに装着したものでは、タイヤの厚みが全く異なります。
ジャンプ後の着地についても、バンパーのしなやかさで復帰力を高めることで、片軸マシンでもフレキに近い着地姿勢を目指すことができます。しかし、シャーシの捻じれではなく前後が独立稼働しているフレキの接地力には及ばないという指摘もあります。
現在のミニ四駆のトレンドマシンとされる「小径22mm マッハATフレキ」は、ローフリクションタイヤと絶妙にマッチするセッティングとなっています。もしこのようなセッティングを目指すなら、フレキシャーシとローフリクションタイヤの組み合わせを検討する価値は大いにあるでしょう。
ローフリクションタイヤの小径版は小回りが効くコースで効果的
ローフリクションタイヤには主に「小径」と「大径」のサイズがありますが、特に小径タイプは小回りが効くテクニカルなコースで効果を発揮します。小径ローフリクションタイヤには、「小径ナロータイヤ(24mm)」と「小径ローハイトタイヤ(26mm)」の2種類が存在します。
小径ナロータイヤ(24mm)は、最も細いタイプのローフリクションタイヤです。接地面積が小さいため、最も「滑りやすい」特性を持っています。これにより、急なコーナーや連続するS字カーブなど、素早い方向転換が求められるセクションで威力を発揮します。滑りやすい分、駆動力は若干犠牲になりますが、コーナリング性能を重視するマシンには最適の選択と言えるでしょう。
小径ローハイトタイヤ(26mm)は、小径ながらも適度な厚みを持っているタイプです。ナロータイヤと比較すると接地面積が広いため、より安定したグリップ力を発揮します。コーナリング性能と駆動力のバランスが取れているタイヤと言えるでしょう。
独自調査によると、小径タイヤは以下のような状況で特に効果的です:
【小径ローフリクションタイヤが効果的な状況】
- 急カーブや連続するS字が多いテクニカルなコース
- 軽量マシンでの走行
- 低速域での走行が多いレイアウト
- 細かなセクションが多いコース
また、小径タイヤはシャーシの最低地上高を下げる効果もあります。これにより、マシンの重心が下がり、コーナリング時の安定性が向上する可能性があります。ただし、地上高が下がりすぎると、コースの凹凸でマシンの底面が接触するリスクも高まるため、注意が必要です。
小径ローフリクションタイヤを装着する際の注意点としては、ホイールとの相性があります。硬いタイヤのため、装着には強く押し込む必要があり、特に大径ホイールに装着するのは難しい場合があります。あるブログでは「ペンチで無理やりタイヤを伸ばすことで大径ホイールに入りました」と記載されており、装着に苦労する場合もあるようです。
一般的に、小径タイヤはフルカウルミニ四駆や小さめのボディを持つマシンと相性が良いとされています。ただし、一部のボディでは加工が必要な場合もあるので、事前に確認することをおすすめします。
ローフリクションタイヤの大径版はジャンプを安定させる効果がある
ローフリクションタイヤのラインナップには、「大径ローハイトタイヤ(31mm)」と「大径バレルタイヤ(31mm)」という大きめのサイズも存在します。これらの大径タイプは、特にジャンプセクションを含むコースや高速走行が求められるレイアウトで効果を発揮します。
大径ローハイトタイヤ(31mm)は、その名の通り大きな直径を持ちながらも、ホイールとの高低差が小さい設計になっています。大きな直径により、一回転あたりの進む距離が長くなるため、高速走行に適しています。また、接地面積が大きいため、ジャンプ後の着地も安定しやすいという特徴があります。
大径バレルタイヤ(31mm)は、タイヤの断面が樽(バレル)形状になっているタイプです。この特殊な形状により、コーナリング時の接地特性が変化し、独特の走行フィーリングを生み出します。より繊細なコーナーワークが可能になる可能性がありますが、セッティングには経験や知識が必要かもしれません。
独自調査によると、大径ローフリクションタイヤは以下のような状況で特に効果的です:
【大径ローフリクションタイヤが効果的な状況】
- ジャンプセクションが多いコース
- 長いストレートがあるハイスピードコース
- 重量級マシンでの走行
- 安定性を重視するセッティング
- 路面の凹凸が多いコース
大径タイヤの大きな利点は、ジャンプ後の着地を安定させる効果です。ローフリクションタイヤの「滑る」特性は、着地時の衝撃を分散させ、マシンのバウンドを抑える効果があります。これにより、ジャンプ後の挙動が安定し、コースアウトのリスクを減らすことができます。
また、大径タイヤは地上高を高くする効果もあります。これにより、コースの凹凸による底面接触のリスクを減らすことができますが、同時に重心も高くなるため、コーナリング時の安定性には影響する可能性があります。
大径ローフリクションタイヤを選ぶ際の注意点としては、ボディとの干渉があります。特に小さめのボディを持つマシンでは、タイヤがボディに接触してしまう可能性があります。タミヤの説明にも「一部のボディは加工が必要です」と記載されているため、事前に確認することをおすすめします。
最近では、2025年5月に発売予定の「ローフリクション大径バレルタイヤ(31mm)&カーボン強化ホイール(Vスポーク)」など、新しいバリエーションも登場しているようです。ミニ四駆の世界は常に進化しており、新しい選択肢が増えています。
まとめ:ミニ四駆ローフリクションタイヤは適切な選択で性能を最大化できる
最後に記事のポイントをまとめます。
ミニ四駆ローフリクションタイヤは、適切に選択・装着することで、マシンの性能を大きく向上させることができるパーツです。しかし、単に「流行りだから」という理由だけで選ぶのではなく、自分のマシンコンセプトやコース特性に合わせた選択が重要です。
- ローフリクションタイヤは硬質ゴムで作られており、適度に「滑る」特性を持つ
- コーナリング性能を向上させる効果が最大の魅力
- 基本的には「前輪のみに装着」するのが効果的
- MSフレキなどのフレキシブルシャーシとの相性が特に良い
- 小径タイプはテクニカルコースに、大径タイプはジャンプセクションが多いコースに適している
- 車重やモーターのトルク特性によって効果が変わる
- 標準的なタイプは約440円で購入可能だが、限定品は高額になることもある
- 前輪のみの装着で0.2秒程度のタイム短縮効果が期待できる
- 「横に滑るけど前後には多少グリップする」というバランスが重要
- シャーシの違いでタイヤの接地状態が変わり、効果も変化する
- タイヤの厚みも重要な要素で、片軸シャーシでは厚みのあるタイヤが有利な場合もある
- 見た目よりも走行性能を優先した選択が強いマシン作りには重要

