FM-Aシャーシを使っているミニ四駆レーサーなら一度は経験するであろう「トルク抜け」問題。スタート時や着地後の立ち上がりが遅い、思ったようにスピードが出ない…そんな悩みを抱えていませんか。実はFM-Aシャーシには構造上の特性があり、適切な対策を施さないと本来の性能を発揮できないケースが多いんです。
この記事では、インターネット上に散らばるFM-Aシャーシのトルク抜け対策情報を収集・分析し、具体的な解決方法から予防策まで、わかりやすくまとめました。プロペラシャフトの固定方法、モーターカバーの浮き対策、ギアの位置出しなど、実践的なテクニックを詳しく解説していきます。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ FM-Aシャーシ特有のトルク抜けメカニズムが理解できる |
| ✓ プロペラシャフト固定の具体的な方法がわかる |
| ✓ モーターカバーの浮き対策が学べる |
| ✓ 適切なモーター選びとギア位置出しのコツがつかめる |
FM-Aシャーシのトルク抜け問題を徹底解説
- FM-Aシャーシがトルク抜けしやすい構造的理由
- トルク抜けを簡単に確認する検証方法
- プロペラシャフト固定が最優先の理由
FM-Aシャーシがトルク抜けしやすい構造的理由
FM-Aシャーシは設計段階から「疑似抵抗抜き仕様」になっているという特徴があります。これは一見メリットに思えますが、実は諸刃の剣なんです。
📊 FM-Aシャーシの構造的特徴
| 項目 | 特徴 | 影響 |
|---|---|---|
| カウンターギア設置部 | ARシャーシより幅が狭い | ギアがズレにくい反面、メンテナンス性低下 |
| モーターカバー | プロペラシャフトを上から押さえる構造 | 逆回転の力で浮きやすい |
| ギアクリアランス | ほぼゼロ設定 | トルクが抜けやすい |
FM-Aは最初からトルク抜け仕様になっている。前輪を固定して後輪を逆回転に回してみるとわかる。モーターカバーが簡単に浮いてくる。
出典：ミニ四駆再び_6｜そうる
この構造により、タイヤに逆回転（抵抗）の力が加わると、プロペラシャフトとクラウンギアの間で力のぶつかり合いが発生します。両者のギアが離れる方向に力が働き、最終的にモーターカバーが浮き上がってしまうのです。
トルク抜けを簡単に確認する検証方法
自分のマシンがトルク抜けしているか、簡単にチェックできる方法があります。
✅ トルク抜け検証手順
- 前輪を手で固定する
- 後輪を逆回転方向に回す
- モーターカバーの浮きを確認する
モーターカバーが簡単に浮き上がる場合、トルク抜けが発生している証拠です。対策後は0.1mmも浮かなくなることが理想的な状態といえます。
⚠️ トルク抜けによる影響
- スタート時の立ち上がりが遅くなる
- 着地後の加速が鈍化する
- レース中のタイム差につながる可能性がある
スタートや着地後の立ち上がりがなんか遅いと感じていたのが、このトルク抜けなのだ。
出典：ミニ四駆再び_6｜そうる
プロペラシャフト固定が最優先の理由
FM-Aシャーシを速くするための改造は数多くありますが、最初に取り組むべきは間違いなくプロペラシャフトの固定です。
🔧 プロペラシャフトが重要な理由
| 理由 | 詳細 |
|---|---|
| 駆動効率への直接影響 | ピニオンが抜けるとシャーシに当たり抵抗が増大 |
| レース結果への影響 | 微妙な減速が勝敗を分ける |
| 他の改造の土台 | 固定できていないと他の改造効果が半減 |
正直、これが出来てFM-Aは、いや、片軸マシンはスタートラインに立てたと言っても過言ではない。
プロペラシャフトの固定方法としては、ネジロック材（ロックタイトなど）を使用する方法が最も効果的とされています。接着剤などと比較して緩みにくく、長期間使用できるためです。
専用治具を使えばシャフトが曲がるリスクを最小限に抑えながら作業できますが、治具なしでも慎重に行えば固定は可能です。ただし、シャフトが曲がらないよう十分注意しましょう。
ポチップ
FM-Aシャーシのトルク抜け対策と性能向上テクニック
- モーターカバーの浮き防止「リベット打ち」手法
- FM-Aシャーシに最適なモーター選びのポイント
- ギア位置出しで駆動効率を最大化する方法
- まとめ：FM-Aシャーシのトルク抜け対策で押さえるべきポイント
モーターカバーの浮き防止「リベット打ち」手法
プロペラシャフト固定の次に重要なのが、モーターカバーの浮きを防止する改造です。ここで効果的なのが「リベット打ち」と呼ばれる手法です。
🔩 リベット打ちの具体的手順
- モーターカバー内部の斜め壁部分を確認（剛性アップ用の補強部分）
- 2mm穴を開ける（プロペラシャフトを押さえる位置）
- シャーシ側も同じ位置に穴を開ける
- シャフトを差し込んで固定（かんぬきの役割）
- 瞬間接着剤で固める（振動での抜け防止）
するとどうだろう。前述の検証方法を試してみよう。0.1mmも浮かない。走行テストも早くなった気がする。
出典：ミニ四駆再び_6｜そうる
⚠️ 注意点とメンテナンス
- 使用中の振動でリベットが抜ける可能性がある
- シャーシのABS樹脂は使い続けると穴が広がる
- ワッシャーを切って穴の縁に当てることで広がりを防止
- 最低でも瞬間接着剤で固めることを推奨
モーターカバーをカーボン製に変更するという方法もありますが、加工技術が必要なため、まずはこのリベット打ち手法から試してみるのが現実的でしょう。
FM-Aシャーシに最適なモーター選びのポイント
FM-Aシャーシはどのモーターでも使える万能シャーシではありません。構造的特性から、相性の良いモーターと悪いモーターが明確に分かれます。
📌 FM-Aシャーシとモーターの相性表
| モータータイプ | 相性 | 理由 |
|---|---|---|
| アトミックチューン2 | ◎ 推奨 | トルクが低く駆動系への負担が少ない |
| レブチューン2 | ○ 安全 | モーター寿命とのバランスが良い |
| ライトダッシュ | △ ギリギリ | 相性は悪くないが注意が必要 |
| ハイパーダッシュ3 | × 非推奨 | ピニオンギアが押されカウンターギアも破損しやすい |
| パワーダッシュ | × 非推奨 | 高出力でギアの歯が割れる可能性大 |
FM-Aシャーシはチューンモーターと相性が良いのでは（しかも、トルクが低いモーターと相性が良い）と思う。
🚫 パワー系モーターの落とし穴
パワーダッシュやハイパーダッシュなどの高トルクモーターは、一見速そうに思えますが、駆動ロスが大きいマシンでは本来の性能を発揮できません。
なぜトルクがなければ遅いモーターと判断していたのでしょうか？つまりは駆動ロスがすごい。
駆動がしっかり整備されているマシンであれば、スプリントダッシュでも十分な速度が出せます。逆に駆動ロスが大きい状態では、パワー系モーターに頼らざるを得ないという悪循環に陥る可能性があります。
ギア位置出しで駆動効率を最大化する方法
トルク抜け対策の総仕上げとして、ギアの位置出しは非常に重要です。ただし、これは諸刃の剣でもあります。
💡 位置出しの基本概念
基本的に位置出しは抵抗を増やします。少し抵抗を増やしてでも、ギアの位置を出すことによって、増えた分の抵抗より、抵抗を抜くことができればOKなのです。
🎯 位置出しで達成すべき3つの目標
| 目標 | 内容 |
|---|---|
| シャーシ接触の防止 | ギアがシャーシの壁に当たらないようにする |
| カウンターギア壁の回避 | カウンターギアの中央壁に他ギアが当たらないようにする |
| トルク抜け防止 | クラウンギアとプロペラシャフトの噛み合わせを最適化 |
🔧 FM-Aシャーシの位置出し例
フロント側（モーターがある側）
- スパーギア外側：ベアリングとの間にワッシャー1枚
- スパーギア内側：ワッシャー1枚
- クラウンギア外側：ベアリングワッシャー＋1.5mmプラスペーサー
- カウンターギア外側：ベアリングワッシャー＋POM
リア側
- クラウンギア外側：ベアリングとの間にワッシャー1枚（プロペラシャフトとの距離を近くしてトルク抜け防止）
⚠️ 位置出しの注意点
- 詰めすぎるとマシンがねじれた時に抵抗が増える
- ある程度の遊びは必要
- シャーシやギア、ワッシャーの厚さで調整が必要
- 電池を入れて回して異音がしなければOK
小ワッシャー（約0.29mm）と絶縁ワッシャー（約0.33mm）では厚さが異なるため、微調整時には注意が必要です。ただし、モーター分解パーツの流用はB-MAXレギュ違反となるため、公式レースに出場する場合は気をつけましょう。
まとめ：FM-Aシャーシのトルク抜け対策で押さえるべきポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- FM-Aシャーシは構造上トルク抜けしやすい設計になっている
- 前輪固定＋後輪逆回転でモーターカバーの浮きを確認できる
- プロペラシャフトの固定が最優先の改造である
- ネジロック材を使用した固定が最も効果的である
- モーターカバーの浮き防止にはリベット打ち手法が有効である
- アトミックチューン2やレブチューン2が推奨モーターである
- パワーダッシュやハイパーダッシュは駆動系に負担が大きい
- ギアの位置出しは適度な遊びを残すことが重要である
- 位置出しは抵抗を増やす改造だが総合的には抵抗を減らせる
- マシン個体差があるため微調整と検証が必要である
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- ミニ四駆再び_6｜そうる
- ミニ四駆作ってみた〜その458「FM-Aのギア位置出し」
- 【初心者】FM-Aを速くする方法は、先ずプロペラシャフト問題を解決すべし！
- ミニ四駆の簡単まとめ19 | mixiユーザー
- 2.「スラスト抜け防止」FMAのガチマシンを作る。
- 片軸で勝つ 第三回「どうやってギヤの駆動ロスを最小限に抑えるか その２～カウンターギヤ～」
- ミニ四駆！息子のMAシャーシ・・・異音が・・・何処から？？
- FM-Aに本気で挑戦します その2 プロペラシャフト
- 【ミニ四駆】パワー系モーターの落とし穴。
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