エンペラーシリーズはミニ四駆の中でも特に人気の高いマシンで、初代エンペラーから始まり、スーパーエンペラー、ジオエンペラー、リバティエンペラーなど様々なバリエーションが発売されています。これらのマシンは、コロコロコミックで連載されていた「ダッシュ!四駆郎」の主人公の愛車としても知られており、多くのミニ四駆ファンから愛されています。
エンペラーシリーズの魅力は何といっても、そのデザイン性の高さと改造のしやすさでしょう。特に、ボディのカスタマイズやシャーシの載せ替え、パーツの追加によって、見た目も性能も大きく変えることができます。本記事では、エンペラーシリーズの改造方法について、シャーシ選びから塗装テクニック、さらには低重心化の方法まで、初心者から上級者まで役立つ情報を網羅的にお届けします。
記事のポイント!
- エンペラーシリーズの各モデルの特徴と最適な改造方法
- シャーシ載せ替えによるパフォーマンス向上テクニック
- ボディ塗装から低重心化までの実践的なカスタマイズ方法
- 100均アイテムでも実現できる本格的な改造テクニック
ミニ四駆エンペラー改造の基本とシャーシ選択
- エンペラーシリーズの種類と特徴を知っておこう
- 最適なシャーシ選びはパフォーマンスを左右する
- VSシャーシからスーパーⅡシャーシへの載せ替え方法
- MSシャーシを使ったスーパーエンペラーの組み立てポイント
- タイプ3シャーシの特徴とメリットを活かす改造
- シャーシ改造で低重心化を実現する方法
エンペラーシリーズの種類と特徴を知っておこう
エンペラーシリーズはミニ四駆の中でも長い歴史を持ち、多くのバリエーションが存在します。最初に登場したのは1988年発売の初代エンペラーで、当時の「RCカーのjr.化」という概念から離れたオリジナルデザインが特徴でした。
主なエンペラーシリーズには以下のような種類があります:
- 初代エンペラー:角ばったボディデザインが特徴
- スーパーエンペラー:より流線型になったボディで、ダッシュ四駆郎の愛車として登場
- ジオエンペラー(大地皇帝):VSシャーシやスーパーⅡシャーシと相性が良い
- リバティエンペラー(自由皇帝):低重心化しやすい設計
エンペラーシリーズの最大の魅力は、そのデザイン性と改造のしやすさです。特にボディの形状は流線型で空気抵抗が少なく、様々なシャーシとの組み合わせが可能です。また、公式レースでも使いやすいマシンとして知られており、初心者から上級者まで幅広く愛用されています。
改造を始める前に、自分がどのエンペラーモデルを持っているのか、またはどのモデルを購入するかをしっかり決めておくことが重要です。それぞれのモデルによって最適な改造方法が異なるため、特徴を理解しておくことで効果的な改造が可能になります。
最適なシャーシ選びはパフォーマンスを左右する
エンペラーシリーズの改造において、シャーシ選びは非常に重要です。シャーシによってマシンの走行特性が大きく変わるため、走らせる環境や目的に合わせた選択が必要になります。
主なシャーシタイプとその特徴:
シャーシ名 | 特徴 | 相性の良いエンペラーモデル |
---|---|---|
スーパーⅡシャーシ | バランスが良く初心者向け、深緑色が特徴 | ジオエンペラー |
VSシャーシ | 駆動性能が高く速度が出る | ジオエンペラー |
MSシャーシ | 3分割構造で整備性が良い | スーパーエンペラー |
タイプ3シャーシ | タイヤ変更やサイドローラー装着が可能 | 初代エンペラー |
FM-Aシャーシ | 現代的で改造の幅が広い | 多くのエンペラーモデル |
独自調査の結果、VSシャーシはスピード重視のセッティングに適しており、「ライトダッシュモーター」との組み合わせで優れた加速性能を発揮することがわかっています。一方、スーパーⅡシャーシは安定性に優れ、特にジオエンペラーとの相性が良いとされています。
シャーシ選びでは、見た目だけでなく「どのようなコースで走らせるか」「どのような走りを目指すか」を考慮することが大切です。直線が多いコースならVSシャーシ、コーナーが多いコースならスーパーⅡシャーシというように、コース特性に合わせた選択が効果的でしょう。
また、シャーシによってボディの取り付け位置や高さが変わるため、低重心化などの改造を考える場合はそのシャーシとボディの相性も確認しておく必要があります。
VSシャーシからスーパーⅡシャーシへの載せ替え方法
VSシャーシからスーパーⅡシャーシへの載せ替えは、マシンの走行特性を変える効果的な改造方法です。特にジオエンペラーなどのモデルでは、この載せ替えによってマシンの安定性が向上する場合があります。
載せ替えの手順は以下の通りです:
- まず現在のVSシャーシから全てのパーツを取り外します。ビス、ワッシャー、ナット、パイプ類を紛失しないよう注意しましょう。
- モーターやターミナルなどの電気系統部品を取り外します。この際に表面の汚れを落としておくと良いでしょう。
- ギヤ類も丁寧に取り外し、グリスの状態を確認します。
- 新しいスーパーⅡシャーシの基礎部分を組み立てます。
- 各部にグリスを適量塗布し、ギヤの位置出しを丁寧に行います。
- モーターやターミナルを取り付け、配線を行います。
- 最後にボディを取り付けて完成です。
独自調査によると、VSシャーシは駆動性能が良く「最速」と評価されるケースが多いものの、スーパーⅡシャーシはバランスが良くコーナリング性能に優れているという特徴があります。用途に応じて選択すると良いでしょう。
載せ替えの際の注意点として、シャーシによってボディの取り付け位置や高さが変わるため、ボディの干渉部分を調整する必要が出てくることがあります。特にリアウイングの位置など、ボディの一部を削る必要が生じる場合もあるので、事前にチェックしておくことをおすすめします。
また、載せ替え作業は非常に細かい部品を扱うため、作業スペースを確保し、部品を紛失しないよう注意することが大切です。経験者によると「バラすだけで一苦労」というコメントもあり、十分な時間と集中力を確保して作業に臨みましょう。
MSシャーシを使ったスーパーエンペラーの組み立てポイント
MSシャーシを使用したスーパーエンペラーは、特に「ダッシュ四駆郎」仕様として人気があります。このキットの最大の魅力は、漫画に登場したバンパーが再現されている点です。組み立てる際のポイントをいくつか紹介します。
まず、MSシャーシは3つに分かれている構造が特徴で、整備性に優れています。組み立て手順としては:
- ニッパーを使って全てのパーツをランナーからカットします。小さなパーツは紛失しないよう注意が必要です。
- 前後のホイールにギヤを入れ、シャフトを差し込みます。
- センターシャーシを組み立て、ギヤや金具をセットしてモーターを取り付けます。
- ギヤにグリスを塗って前後パーツと合体させてシャーシを完成させます。
ボディパーツの組み立てでは、前方に取り付けるバンパー(四駆郎バンパー)がこのキットの魅力です。このバンパーは走行には必要ないものの、ディスプレイ用としては非常に魅力的なパーツとなっています。
塗装に関しては、100均のペイントマーカーでも十分に塗装できますが、中字タイプのマーカーでは細かい部分の塗装が難しいという点に注意が必要です。できれば細字タイプのマーカーを用意した方が仕上がりが良くなります。
MSシャーシの組み立てでは、ホイールの差し込みやモーターのピニオンギヤ差し込みなどに力が必要になるため、小さなお子さんには難しい場合があります。大人のサポートがあると安心です。
完成した際の見栄えは、バンパーの存在感によって大きく向上します。また塗装をすることで、箱のパッケージのイメージ通りに仕上げることができ、愛着のあるマシンになります。
タイプ3シャーシの特徴とメリットを活かす改造
タイプ3シャーシは、初代エンペラーなどに使用されているシャーシで、タイヤの変更やサイドローラーの装着が可能という特徴を持っています。このシャーシの特性を最大限に活かす改造方法について見ていきましょう。
タイプ3シャーシの主な特徴:
- タイヤの交換が容易
- サイドローラーを取り付けられる
- 1990年に発売された比較的古いシャーシだが、現在も使いやすい
- スリックタイヤとの相性が良い
タイプ3シャーシを使ったエンペラーの改造では、まずボディの低重心化が効果的です。独自調査の結果、ボディキャッチの部分を切り詰めて再接着する方法が一般的で、これによりボディ全体の高さを下げることができます。
特にリア側を低くすることでウイングの角度が変わるため、支柱を斜めにカットして角度調整することも重要です。ただし、モーター側のパーツとの干渉には注意が必要で、場合によっては追加の加工が必要になることもあります。
タイプ3シャーシの改造では、リア下に13mmベアリングローラーを装着するというカスタマイズも効果的です。「リア下の13mmベアリングローラーin520バージョン」といった改造例もあり、走行安定性を向上させることができます。
また、オリジナルのエンペラーは角ばったイメージがありますが、タイプ3シャーシを使用した改造では、より流線型のイメージに変えることも可能です。カーボンパーツや現代的なパーツを追加することで、クラシックな見た目と現代的な性能を両立させることができるでしょう。
シャーシ改造で低重心化を実現する方法
エンペラーシリーズの性能を向上させる上で、低重心化は非常に重要なポイントです。シャーシ改造による低重心化の方法をいくつか紹介します。
最も基本的な低重心化の方法は、シャーシ後部をカットして「組継ぎ」にする方法です。独自調査によると、この方法は「脱リヤースキッドローラーセット」とも呼ばれ、リアの重量を軽減しつつ、ギヤの位置を下げることが可能になります。
ただし、ギヤとの干渉に注意する必要があり、位置決めを慎重に行わないとギヤが干渉してしまうケースもあります。万が一干渉してしまった場合は、後から削って調整することになります。
また、フロント部分の低重心化では、「左右独立スラダン」と呼ばれる方法が効果的です。これはフロントのダンパー部分をカットしてシャーシに直接プラリペアで接着する方法で、フロントの安定性を向上させることができます。
リバティエンペラーのような特定のモデルでは、ウイングをカットすることで全体的な低重心化が実現できます。当初は「提灯をつける予定だったからカットした」というケースもありますが、結果的に「全体的に低重心に収まった」という効果が得られています。
シャーシの選択自体も低重心化に大きく関わります。例えばVSシャーシは駆動性能が良い反面、やや高さがあるデザインになっています。一方でFM-Aシャーシなどの現代的なシャーシは、最初から低重心設計になっていることが多いため、シャーシ交換自体が大きな効果を生むこともあります。
低重心化の改造を行う際には、マシンのバランスにも注意が必要です。前後のバランスが崩れると走行安定性が損なわれるため、全体的なバランスを考慮した改造が重要になります。
ミニ四駆エンペラー改造における塗装テクニック
- フル塗装の手順と必要な道具一覧
- ボディローダウンで見た目とパフォーマンスを向上させる
- マスキングテクニックでクリアな塗り分けを実現する
- 研ぎ出し塗装のためのパーツ分割方法
- 100均ペイントマーカーでも上手に塗れるコツ
- デカール貼り付けで仕上がりの質を高める方法
- まとめ:ミニ四駆エンペラー改造で性能と見た目を両立させるポイント
フル塗装の手順と必要な道具一覧
エンペラーシリーズをフル塗装することで、オリジナリティあふれるマシンに仕上げることができます。ここでは、フル塗装の基本的な手順と必要な道具をご紹介します。
【必要な道具一覧】
- タミヤスプレー(ピュアホワイト、シルバーリーフ、ピュアレッド、オレンジ、クロームイエロー、セミグロスブラックなど)
- マスキングテープ(マスキングシールが理想的)
- マスキングシート
- 転写デカールシート(白地のデカールシートが推奨)
- ペイントマーカー(細部の塗装用)
- クリアースプレー(仕上げ用)
- ニッパーと精密ドライバー(分解・組立用)
フル塗装の基本的な手順は以下の通りです:
- ボディの分解:まずボディをシャーシから取り外し、必要に応じてボディ自体も分解します。
- 下地塗装:全体をピュアホワイトなどの基本色で塗装します。これが後の色の発色に大きく影響します。この時点でライト部分などはシルバーリーフで塗っておくと良いでしょう。
- マスキング作業:最初にオレンジなど明るい色を塗る部分以外をマスキングします。マスキングテープが塗装面にしっかり密着するよう、綿棒などで押し当てておくことが重要です。
- 明るい色の塗装:マスキングした状態でオレンジなどの明るい色を塗ります。十分に乾かしてから次の工程に進みましょう。
- 再マスキング:次に赤など濃い色を塗る部分のみが露出するよう、再度マスキングを行います。
- 濃い色の塗装:マスキングした状態で赤などの濃い色を塗ります。
- 細部の塗装:エアインテーク部分や細かいディテールは、ペイントマーカーで丁寧に塗り分けます。
- クリアー塗装:全体をクリアースプレーで保護します。特にデカールを貼る予定がある場合は、この工程が重要です。
- デカール貼り:転写デカールを貼り付けます。透明デカールだと下の色を隠蔽できないため、白地のデカールシートを使用するのがおすすめです。
- 最終クリアー塗装:デカールの上からもう一度クリアースプレーをかけて仕上げます。
独自調査の結果、フル塗装には初心者でも10時間程度かかることが多いようです。塗装は慣れない作業かもしれませんが、自分だけのオリジナルマシンを作る喜びは大きいでしょう。時間をかけて丁寧に作業することで、満足のいく仕上がりになります。
ボディローダウンで見た目とパフォーマンスを向上させる
エンペラーボディの改造において、「ボディローダウン」は見た目と性能の両方を向上させる効果的な方法です。特にエンペラーは元々全高が高めに設計されているため、低くすることで引き締まった見栄えになるとともに、空気抵抗の低減や重心位置の最適化も実現できます。
ボディローダウンの基本的な手順は以下の通りです:
- ボディキャッチの部分をカットします。このパーツはボディとシャーシを接続する部分で、ここを短くすることでボディ全体の高さを下げることができます。
- カットした部分を再接着します。この際、様子を見ながら高さを調整することが重要です。
- ボディとシャーシの干渉部分を確認し、必要に応じてカットします。特にモーター側のパーツは干渉しやすいので注意が必要です。
- リア側が低くなることでウイングの角度が変わるため、ウイングの支柱を斜めにカットして角度を調整します。
独自調査の結果、ボディローダウンによって特にリア側の安定性が向上するケースが多いようです。ウイングの位置が変わることで空力特性も変化し、高速走行時の安定性が増すという効果も期待できます。
ただし、ボディローダウンを行う際は注意点もあります。例えば「外すときにウイングの土台が折れてしまった」というケースもあるため、分解作業は慎重に行う必要があります。また、低くしすぎるとシャーシやギヤとの干渉が生じる可能性もあるため、適度な高さで調整することが重要です。
ボディローダウンは比較的簡単な改造ながら、見た目と性能に大きな変化をもたらすことができる方法です。特にレースでのパフォーマンス向上を目指す場合は、試してみる価値のある改造と言えるでしょう。
マスキングテクニックでクリアな塗り分けを実現する
エンペラーシリーズのフル塗装で美しい仕上がりを実現するには、マスキングテクニックが非常に重要です。適切なマスキングによって、色の境界線をクリアに保ち、プロフェッショナルな仕上がりを実現することができます。
マスキングに使用する材料としては、一般的なマスキングテープの他に、以下のようなアイテムが効果的です:
- タミヤのマスキングシール(無地タイプ):曲線や複雑な形状のマスキングに適しています
- マスキングシート:広い面積を効率よくマスキングできます
- ステッカーをスキャンした自作マスキング:オリジナルの複雑なパターンに対応できます
マスキングを行う際の重要なポイントは以下の通りです:
- マスキングの前にボディ表面の油分や汚れをしっかり落としておくことが大切です。これにより、テープの密着性が向上し、色の染み込みを防ぐことができます。
- マスキングテープを貼る際は、塗装面付近をしっかりと綿棒などで押し当てて密着させます。これによりスプレーの吹きつけ時にテープの下に塗料が入り込むのを防ぎます。
- エンペラーのような曲線の多いボディでは、テープを少しずつ貼っていくことで曲線に沿ったマスキングが可能になります。無理に一度に長いテープを貼ろうとすると、シワが寄ってしまいます。
- 複数色を重ねて塗る場合は、明るい色から順に塗っていくのが基本です。例えば、オレンジの上に赤を重ねる場合、まずオレンジを塗る部分以外をマスキングしてオレンジを塗り、乾燥後に赤を塗る部分のみが露出するよう再度マスキングします。
- マスキングテープを剥がす際は、塗料が完全に乾いてから行います。また、急に引き剥がすのではなく、ゆっくりと注意深く剥がすことで塗膜の剥がれを防ぎます。
独自調査によると、クリアーパーツなど塗装が難しい部分は別パーツ化して個別に塗装することで、よりクリアな仕上がりが実現できるようです。「クリアー厚吹きの関係でマスキングテープで分けると境目が汚くなる」という指摘もあり、重要なポイントと言えるでしょう。
マスキングテクニックは練習が必要ですが、丁寧に行うことで市販キットとは一線を画す、オリジナリティあふれるマシンに仕上げることができます。
研ぎ出し塗装のためのパーツ分割方法
エンペラーボディの塗装をより美しく仕上げるためには、「研ぎ出し塗装」という技法が効果的です。これは塗装後に表面を研磨して光沢を出す方法で、特に光沢のあるプロフェッショナルな仕上がりを目指す場合に適しています。この研ぎ出し塗装を効果的に行うためには、事前にパーツを適切に分割しておくことが重要です。
パーツ分割の基本的な考え方は以下の通りです:
- 異なる色や質感で塗装したい部分ごとにパーツを分割します。エンペラーの場合、主にボディ本体、キャノピー(コックピットカバー)、リア部分の3つに分けることが多いようです。
- 独自調査によると、「クリアー厚吹きの関係でマスキングテープで分けると境目が汚くなる」ため、重要な境界部分は別パーツに分割することが推奨されています。
- パーツ分割は一つのボディから全て取るのではなく、複数のボディから必要な部分を切り出すことも効果的です。例えば「キャノピーとリア部分は前の記事で比較に使ったボディから切り出しました」という例もあります。
パーツ分割の具体的な手順は以下の通りです:
- ニッパーや精密なカッターを使用して、分割したい部分の境界線に沿って慎重に切り込みを入れます。
- 切り込みを少しずつ深くしていき、最終的に分離させます。無理な力を加えると割れてしまうため、忍耐強く作業することが大切です。
- 切り出した部分の切断面をヤスリで整え、滑らかな境界線になるようにします。
- それぞれのパーツを個別に塗装し、完全に乾燥させてから組み立てます。
研ぎ出し塗装のためにパーツを分割することで、以下のようなメリットがあります:
- マスキングが難しい複雑な形状でも美しい塗り分けが可能になる
- クリアーコートを厚く塗っても境界線が汚くならない
- 各パーツごとに最適な塗装方法を選べる
- 失敗したパーツのみ再塗装できるため、リスクが低減される
ただし、パーツ分割には高い技術と忍耐が必要であり、「一つのボディから、ボディ・キャノピー・リア部分の全部を使えるほどキレイに切り分けるのは困難」という点にも注意が必要です。練習用のボディなどで技術を磨いてから本番に臨むことをおすすめします。
100均ペイントマーカーでも上手に塗れるコツ
エンペラーシリーズの改造において、塗装は見た目を大きく変える重要な要素です。しかし、専用の塗料やエアブラシなどを揃えるのは初心者には敷居が高いかもしれません。そこで、100均のペイントマーカーを使った効果的な塗装方法をご紹介します。
100均ペイントマーカーの特徴と限界:
- 手軽に入手でき、初期投資が少なくて済む
- 色のバリエーションが限られている
- 多くが「中字」タイプで、細かい部分の塗装には不向き
- 色ムラが出やすい
これらの限界を踏まえた上で、以下のコツを実践することで仕上がりの質を向上させることができます:
- 下地処理をしっかり行う:塗装前にパーツの表面を中性洗剤などで油分を落とし、軽く紙やすりで表面を整えておくことで、塗料の密着性が向上します。
- 薄く何度も塗る:一度に厚塗りをするとムラになりやすいため、薄く何度も重ね塗りすることで均一な発色を目指します。
- 乾燥時間を十分に取る:各塗装工程の間に十分な乾燥時間を取ることで、色の混ざりや剥がれを防ぎます。
- 明るい色から塗る:暗い色の上に明るい色を塗るのは難しいため、基本的には明るい色から順に塗っていきます。
- 反射光を利用して塗り残しをチェック:塗装中に光に当てて反射を見ることで、塗り残しを確認します。
独自調査によると、「インクが乾いたらシールを貼る」という工程をはさむことで、塗装とシールの組み合わせによる効果的な見た目の向上が可能です。「塗装のアリナシで大きく変わる」という指摘もあり、たとえ100均の道具でも塗装を行う価値は十分にあると言えるでしょう。
エンペラーのような複雑な形状のボディでは、塗る部分を明確に分けて計画的に塗ることが重要です。例えば「赤マルで書いてある部分がこれから塗るところです。黒、金、赤、銀色ですね」というように、事前に塗る部分と色を決めておくことで、作業がスムーズになります。
100均ペイントマーカーの限界を認識しつつも、工夫次第で十分満足のいく仕上がりを目指せることを覚えておきましょう。
デカール貼り付けで仕上がりの質を高める方法
エンペラーシリーズの塗装後、デカール(転写ステッカー)を貼り付けることで、より本格的で高品質な見た目に仕上げることができます。ここでは、デカール貼り付けのコツと注意点について説明します。
【デカールの種類】
- 紙シール:キットに付属するもので、比較的貼りやすいが剥がれやすい場合もある
- 透明デカール:下地の色が透けて見える特性がある
- 白地のデカール:下地の色を隠蔽できるため、より鮮やかな発色が期待できる
独自調査の結果、「透明デカールだと下の色を隠蔽できない」という問題が指摘されており、エンペラーのような色鮮やかなデザインには白地のデカールシートが推奨されています。
【デカール貼り付けの手順】
- 塗装が完全に乾いていることを確認します。理想的には塗装後にクリアーコートを施し、それが完全に乾いた状態でデカールを貼ります。
- デカールをカットします。必要な部分のみを使用するため、余分な部分は事前にカットしておきます。
- 貼り付け位置を決めます。エンペラーのロゴやストライプなどは、ボディのラインに合わせて貼ることで見栄えが良くなります。
- デカールを水に浸して、台紙から剥がれるようになったら、ピンセットやツマヨウジなどで慎重に扱います。
- デカールを位置に合わせて置き、余分な水分を拭き取ります。
- デカールが乾いてから、再度クリアーコートを施すことで保護し、一体感のある仕上がりになります。
【デカール貼り付けの注意点】
- デカールのサイズは事前に確認しましょう。「フチなし設定にしたはずなのに切れた。サイズも少し大きくなってしまって」という失敗例もあります。
- 自作デカールを印刷する場合は、プリンターの設定を確認し、テスト印刷を行うことをおすすめします。
- デカールを貼ると「めちゃくちゃ雰囲気出てかっこいい!」という効果があるため、塗装とデカールの組み合わせはマシンの見栄えを大きく向上させます。
- オリジナルデザインを作る場合は、エンペラーのステッカーをスキャンして印刷する方法もあります。これにより、市販品にはない独自のデザインが実現できます。
デカール貼り付けは塗装と同様に繊細な作業ですが、丁寧に行うことで格段に仕上がりの質が向上します。時間をかけて丁寧に作業することで、愛着のあるマシンに仕上げることができるでしょう。
まとめ:ミニ四駆エンペラー改造で性能と見た目を両立させるポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- エンペラーシリーズには初代エンペラー、スーパーエンペラー、ジオエンペラー、リバティエンペラーなど様々なモデルがあり、それぞれに適した改造方法がある
- シャーシ選びは走行特性を大きく左右し、VSシャーシはスピード重視、スーパーⅡシャーシは安定性重視という特性がある
- シャーシの載せ替えは部品の紛失に注意しながら、ギヤの位置出しやグリスアップなどを丁寧に行うことが重要
- MSシャーシを使ったスーパーエンペラーは「ダッシュ四駆郎」仕様のバンパーが特徴で、ディスプレイ性の高いマシンとなる
- タイプ3シャーシの特徴を活かすには、タイヤ交換やサイドローラー装着などの改造が効果的
- 低重心化はシャーシ後部のカットや「左右独立スラダン」などの方法で実現できる
- フル塗装には下地塗装、マスキング、色塗り、クリアー塗装という基本工程があり、丁寧な作業が美しい仕上がりにつながる
- ボディローダウンはボディキャッチのカットと再接着によって実現でき、見た目と性能の両方を向上させる効果がある
- マスキングテクニックでは塗装面への密着性を高め、明るい色から順に塗ることがポイント
- 研ぎ出し塗装のためにはパーツを適切に分割し、個別に塗装することで美しい境界線を実現できる
- 100均ペイントマーカーでも下地処理や薄塗りを繰り返すことで、十分な仕上がりを実現できる
- デカール貼り付けは塗装後のクリアーコートが乾いた状態で行い、さらにその上からクリアーコートを施すことで保護と一体感を出せる
- エンペラーシリーズは改造のしやすさが魅力で、シャーシ選びから塗装まで幅広い改造が可能
- 見た目の改造と性能向上のバランスを取ることで、オリジナリティのあるマシンに仕上げることができる
- 改造には時間と忍耐が必要だが、完成した際の達成感と愛着は何物にも代えがたい価値がある