ミニ四駆のモーターって種類が多すぎてどれを選べばいいか迷っちゃいますよね。「速ければいいでしょ!」と思って最速モーターを付けたら、コントロールできずにコースアウトの嵐…なんて経験ありませんか?実はモーターは単に速いだけではなく、コースの特性や自分のスキルレベルに合わせて選ぶことが大切なんです。
今回は初心者の方から上級者まで、ミニ四駆モーターの種類と特徴を徹底解説します!片軸モーターと両軸モーターの違いから、公式大会で使えるモデル、スピード型・パワー型・バランス型の特性、さらには最新のモーターランキングまで、独自調査の結果をもとに詳しくご紹介していきます。これを読めば、あなたのマシンに最適なモーターが必ず見つかりますよ!
記事のポイント!
- ミニ四駆モーターの基本的な種類(片軸・両軸)と各タイプの特徴
- 公式大会で使用可能なモーターと使用禁止モーターの見分け方
- 初心者・中級者・上級者それぞれにおすすめのモーター選び
- モーターの性能を最大限に引き出すメンテナンス方法と慣らし方
ミニ四駆のモーターの種類と特徴を徹底解説
- ミニ四駆のモーターは片軸と両軸の2種類に大別できる
- 公式大会で使用可能なモーターと使用禁止モーターがある
- スピード型モーターは直線が多いコースに最適である
- パワー型モーターは坂道やコーナーの多いコースで真価を発揮する
- バランス型モーターは初心者におすすめの万能タイプである
- モーターの性能はスピードとパワーのバランスで決まる
ミニ四駆のモーターは片軸と両軸の2種類に大別できる
ミニ四駆のモーターは、大きく分けて「片軸モーター」と「両軸モーター」の2種類があります。この違いは使用するシャーシによって選ぶ必要があるので、まずはここをしっかり理解しておきましょう。
片軸モーターは、その名の通りモーターシャフト(モーターから伸びている棒)が一方向にだけ出ているタイプです。通常のミニ四駆(MS・MAシャーシ以外のシャーシ)に使用します。プロペラシャフトで4輪へパワーを伝える四輪駆動方式で、一般的なミニ四駆には片軸モーターを選びましょう。
両軸モーター(ダブルシャフトモーター)は、モーターシャフトが前後の両方向に出ているタイプで、ミニ四駆PRO(MS・MAシャーシ)専用です。前輪と後輪にダイレクトで回転を伝えられる特徴があり、駆動効率が良く、ダイナミックな走行感を得られます。
「どちらが優れているの?」と言われると、一概には言えません。しかし、同じモデル名のモーターでも、片軸版と両軸版(PRO)では性能特性が異なる場合があります。例えば、片軸ではアトミックチューンモーターが優秀でも、両軸ではトルクチューンPROの方が評価が高いといった違いがあります。
モーターを選ぶ際には、まず自分のマシンのシャーシタイプを確認し、それに合った軸タイプのモーターを選ぶことが第一のポイントです。間違ったタイプを選んでしまうと、そもそも取り付けることができないので注意しましょう。
公式大会で使用可能なモーターと使用禁止モーターがある
タミヤ主催の公式大会に参加予定の方は、「公認レギュレーション」に対応したモーターを選ぶ必要があります。全てのモーターが公式大会で使用できるわけではないのです。
公式大会で使用可能な片軸モーターは以下の通りです:
- FA-130タイプノーマルモーター
- トルクチューン2モーター
- レブチューン2モーター
- アトミックチューン2モーター
- ライトダッシュモーター
- ハイパーダッシュ3モーター
- パワーダッシュモーター
- スプリントダッシュモーター
一方、以下のモーターは公式大会では使用禁止となっています:
- ウルトラダッシュモーター
- プラズマダッシュモーター
- 低回転型130モーター
- 電動ハンディドリル、電動ハンディリューター付属品
両軸モーター(PROシリーズ)については、基本的に全てのモデルが公式大会で使用可能です。ただし、両軸モーターの中にはプラズマダッシュに相当するような超高性能モデルは現時点では発売されていません。
「なぜ一部のモーターが使用禁止なの?」と思われるかもしれませんが、これは公平性を保つためです。ウルトラダッシュやプラズマダッシュは性能が高すぎるため、公式レースでは禁止されています。これらのモーターはスピード記録大会など、制限のないレースで使うことになります。
公式大会に出場予定の方は、購入前に必ず「公認モーター」かどうかを確認しましょう。公式ホームページや商品パッケージに記載があるので、チェックしてみてください。
スピード型モーターは直線が多いコースに最適である
コースの特性によってモーターの選び方も変わってきます。特に直線の多いコースでは「スピード型モーター」が有利です。スピード型モーターとは、高回転を特徴とするモーターで、トップスピードを重視した設計になっています。
スピード型モーターの代表例としては、以下が挙げられます:
- レブチューン2モーター(片軸)
- レブチューン2モーターPRO(両軸)
- スプリントダッシュモーター(片軸)
- マッハダッシュモーターPRO(両軸)
スピード型モーターを選ぶ際に注目すべき指標は「回転数(RPM)」です。回転数は「r/min」で表示され、この数値が大きければ大きいほど最高速度が上がります。例えば、スプリントダッシュモーターの回転数は20,700~27,200r/minと非常に高く、公式大会で使用可能なモーターの中では最速クラスです。
ただし、スピード型モーターには注意点もあります。回転数が高い反面、トルク(駆動力)が低めになるため、坂道やカーブでは速度が落ちやすい傾向があります。また、距離が短いコースでは加速が終わる前にコーナーに入ってしまい、せっかくの高回転を活かしきれないこともあります。
例えば、レブチューン2モーターは回転数は高いものの、トルクが低いため、直線が短いコースではその性能を発揮しきれません。「よっしゃあああああ!レブの最高速を見せてやらぁぁああああ!」と加速して最高速に辿り着く前にコーナーで減速…なんてことも。
スピード型モーターが真価を発揮するのは、長いストレートがあるような高速コースです。コースレイアウトをよく確認して選びましょう。
パワー型モーターは坂道やコーナーの多いコースで真価を発揮する
坂道やコーナーが多いテクニカルなコースでは、「パワー型モーター」の出番です。パワー型モーターはトルク(回転軸を回す力)が高く、加速性能に優れています。坂道でも力強く登り、コーナーからの立ち上がりも素早いのが特徴です。
パワー型モーターの代表例には以下があります:
- トルクチューン2モーター(片軸)
- トルクチューン2モーターPRO(両軸)
- パワーダッシュモーター(片軸)
パワー型モーターを選ぶ際に注目すべき指標は「推奨負荷トルク」です。この数値が大きいほど、より強い力でタイヤを回すことができます。例えば、トルクチューン2モーターの推奨負荷トルクは1.6~2.0mN・mと高めの数値になっています。
パワー型モーターの利点は、アップダウンが激しいコースでも性能低下が少ないことです。上り坂で他のマシンが失速する中、パワー型モーターを搭載したマシンはグイグイと登っていくことができます。また、コーナーでの加速も優れているため、テクニカルなコースで力を発揮します。
特に注目したいのがパワーダッシュモーターで、トルクが高いながらも回転数も19,900~23,600r/minと高めで、バランスの良いモーターとなっています。坂道の多いコースでありながら直線も長い場合は、このようなバランスの取れたパワー型モーターが適しています。
ただし、パワー型モーターは電池の消費も激しい傾向があります。特にパワーダッシュモーターは消費電流が2.5~3.3Aと高めで、アルカリ電池では本来の性能を発揮しきれません。ニッケル水素電池などの充電池を使うことをおすすめします。
バランス型モーターは初心者におすすめの万能タイプである
「どんなコースでも安定した走りをしたい」「まだモーター選びに自信がない」という方には、「バランス型モーター」がおすすめです。バランス型モーターは、スピードとパワーをバランスよく備えたモーターで、様々なコースで安定した性能を発揮します。
バランス型モーターの代表例は以下の通りです:
- アトミックチューン2モーター(片軸)
- アトミックチューン2モーターPRO(両軸)
- ライトダッシュモーター(片軸)
- ライトダッシュモーターPRO(両軸)
特に初心者の方におすすめなのはアトミックチューン2モーターです。回転数とトルクのバランスが良く、どんなコースでも一定以上の性能を発揮してくれます。ノーマルモーターより明らかに速いのに、扱いやすさも兼ね備えているため、モーター交換デビューにぴったりです。
ミニ四駆の上達には「試行錯誤」が大切です。いきなり高性能なモーターを使うより、扱いやすいバランス型モーターでコースアウトせずに走らせるコツをつかみ、徐々にセッティングの調整方法を学んでいくのが上達への近道です。
中級者の方にはライトダッシュモーターがおすすめです。アトミックチューン2より一段階性能が上がったモーターで、2017年のミニ四駆ジャパンカップでは実際にライトダッシュモーターで優勝した選手もいたほどの実力派モーターです。
ただし、バランス型とはいえ、ノーマルモーターと比べるとスピードもパワーも上がっているので、そのままでは暴れてしまうことも。ローラーなど市販のパーツでコースアウト対策をしながら、自分のマシンに最適なセッティングを見つけていきましょう。
モーターの性能はスピードとパワーのバランスで決まる
ミニ四駆のモーターは、「スピード」と「パワー」のバランスによって性能が決まります。この2つの要素はトレードオフの関係にあり、一方を高めると他方が下がる傾向があるのです。
「スピード」を表す指標は「回転数(RPM)」です。回転数が高いほど最高速度が上がり、直線での速さが増します。一方、「パワー」を表す指標は「推奨負荷トルク」で、この数値が大きいほど加速力が高く、坂道やコーナーからの立ち上がりに強くなります。
両者の関係について、DCモーターの原理から考えると、以下のような関係があります:
- トルクが大きくなると回転数が低下し、電流が上がる
- 逆に、回転数が高くなるとトルクと電流値が低下する
このため、純粋なスピード型モーターはトルクが低く、純粋なパワー型モーターは回転数が低くなりがちです。例えば、レブチューン2モーターは回転数が高いものの、トルクが低いため坂道では苦戦します。逆にトルクチューン2モーターはパワーがあるものの、最高速度は他のモーターに劣ります。
ただし、モーターの性能は「ギア比」によっても調整できます。ギア比とは、タイヤが1回転する間にモーターが何回転するかを表す数値です。例えば「3.5:1」ならモーターが3.5回転でタイヤが1回転することを意味します。
パワーを重視したい場合は、トルクの大きいモーターに「5:1」や「8.75:1」といった大きめのギア比を組み合わせるのが効果的です。逆に、トップスピードを重視したい場合は、回転数の多いモーターに「3.5:1」といった小さめのギア比を組み合わせると良いでしょう。
このように、モーターの選択だけでなく、ギア比も含めたセッティング全体でスピードとパワーのバランスを調整していくことが、理想的な走りを実現するポイントになります。
ミニ四駆のモーターの種類ごとの選び方とおすすめ
- 片軸モーター一覧表でスペックを比較できる
- 両軸モーター一覧表でスペックを比較できる
- 初心者におすすめのモーターはアトミックチューン2モーターである
- 中級者におすすめのモーターはライトダッシュモーターである
- 上級者におすすめのモーターはハイパーダッシュ3モーターである
- モーターの慣らし方でパフォーマンスが大幅に向上する
- まとめ:ミニ四駆のモーターの種類を知って最適な選択をしよう
片軸モーター一覧表でスペックを比較できる
片軸モーターの種類は数多くありますが、各モーターのスペックを比較することで、自分に合ったモーターを選びやすくなります。以下に、主要な片軸モーターのスペック一覧表を作成しました。
モーター名 | 回転数(r/min) | 推奨負荷トルク(mN・m) | 消費電流(A) | タイプ | 公式戦使用 |
---|---|---|---|---|---|
FA-130ノーマル | 9,900~13,800 | 1.0 (10g-cm) | 1.1 | バランス型 | ○ |
トルクチューン2 | 12,300~14,700 | 1.6~2.0 | 1.7~2.0 | パワー型 | ○ |
アトミックチューン2 | 12,700~14,900 | 1.5~1.8 | 1.8~2.2 | バランス型 | ○ |
レブチューン2 | 13,400~15,200 | 1.2~1.5 | 1.6~2.0 | スピード型 | ○ |
ライトダッシュ | 14,600~17,800 | 1.3~1.9 | 1.5~2.2 | バランス型 | ○ |
ハイパーダッシュ3 | 17,200~21,200 | 1.4~1.9 | 1.6~3.0 | スピード型 | ○ |
パワーダッシュ | 19,900~23,600 | 1.5~2.0 | 2.5~3.3 | パワー型 | ○ |
スプリントダッシュ | 20,700~27,200 | 1.3~1.8 | 2.8~3.8 | スピード型 | ○ |
ウルトラダッシュ | 24,000~27,500 | 1.4~1.9 | 4.0~5.0 | スピード型 | × |
プラズマダッシュ | 25,000~28,000 | 1.4~1.9 | 4.1~5.2 | スピード型 | × |
この表から、いくつかの傾向がわかります。
まず、モーターの回転数は、FA-130ノーマルが最も低く、プラズマダッシュが最も高いということ。公式大会で使える中では、スプリントダッシュが最高回転数を誇ります。
トルクに関しては、レブチューン2が最も低く、トルクチューン2が最も高い値となっています。トルクチューン2は名前通り、トルク(パワー)に特化したモーターであることがわかります。
消費電流を見ると、高回転のモーターほど電流値が高い傾向があります。特にスプリントダッシュは2.8~3.8Aと高めで、アルカリ電池では十分な性能を発揮できない可能性があります。
全体として、公式大会で使用可能なモーターの中では、バランス型のアトミックチューン2やライトダッシュ、スピード型ながらもある程度のトルクも持つハイパーダッシュ3が人気の高いモーターとなっています。
モーター選びの際は、この表を参考にしつつ、自分のコース環境やスキルレベルに合ったものを選んでみてください。
両軸モーター一覧表でスペックを比較できる
続いて、ミニ四駆PRO用の両軸モーター(PROモーター)のスペック一覧表を見ていきましょう。両軸モーターは前輪と後輪の両方にダイレクトで回転を伝えられる構造のため、片軸モーターとは特性が異なります。
モーター名 | 回転数(r/min) | 推奨負荷トルク(mN・m) | 消費電流(A) | タイプ | 公式戦使用 |
---|---|---|---|---|---|
トルクチューン2PRO | 12,200~14,400 | 1.7~2.1 | 1.7~2.0 | パワー型 | ○ |
アトミックチューン2PRO | 12,300~14,500 | 1.6~1.8 | 1.5~1.7 | バランス型 | ○ |
レブチューン2PRO | 13,200~14,900 | 1.2~1.5 | 1.5~1.8 | スピード型 | ○ |
ライトダッシュPRO | 14,600~17,800 | 1.3~1.9 | 1.5~2.2 | バランス型 | ○ |
ハイパーダッシュPRO | 17,200~21,200 | 1.4~1.9 | 1.6~3.0 | バランス型 | ○ |
マッハダッシュPRO | 20,000~24,500 | 1.3~1.8 | 2.6~3.5 | スピード型 | ○ |
両軸モーターの特徴として、片軸モーターより駆動効率が良いため、同じスペックでも実際の走行ではより良い性能を発揮する傾向があります。特に両軸特有の駆動効率の良さと相まって、トルクチューン2PROやライトダッシュPROは極めると非常に速くなるポテンシャルを秘めています。
興味深いのは、両軸モーターはほぼカーボンブラシ(後述します)を採用しているのに対し、トルクチューン2PROとライトダッシュPROの2つだけは銅ブラシを使用している点です。銅ブラシは慣らし効果が高いため、これらのモーターは慣らしによってより性能が向上する可能性があります。
また、両軸モーターの最高峰であるマッハダッシュPROは、回転数が20,000~24,500r/minと高く、小径タイヤと組み合わせると驚異的な速さを発揮します。実際、2018年のミニ四駆ジャパンカップでは、多くの優勝者がマッハダッシュPROを使用しています。
消費電流を見ると、マッハダッシュPROは2.6~3.5Aと高めで、ハイパーダッシュPROも1.6~3.0Aとなっています。これらの高性能モーターは充電式電池(ニッケル水素など)との相性が良く、アルカリ電池では十分なパフォーマンスを引き出せない可能性があります。
PRO用シャーシ(MS、MA)をお持ちの方は、この表を参考に、コースの特性や自分のスキルレベルに合ったモーターを選んでみてください。
初心者におすすめのモーターはアトミックチューン2モーターである
ミニ四駆を始めたばかりの初心者の方には、「アトミックチューン2モーター」(両軸の場合は「アトミックチューン2モーターPRO」)がイチオシです。理由は、スピードとパワーのバランスが良く、どんなコースにも対応できる汎用性の高さにあります。
アトミックチューン2モーターの特徴:
- 回転数:12,700~14,900r/min(適度な速さ)
- 推奨負荷トルク:1.5~1.8mN・m(安定したパワー)
- 消費電流:1.8~2.2A(比較的省電力)
- 黒いエンドベルが特徴的
このモーターは、ノーマルモーターよりも明らかに速いのに、扱いやすさも兼ね備えています。初心者が陥りがちな「速いモーターを付けたらコントロールできない」という事態を避けつつ、十分な走行性能を得ることができます。
また、アトミックチューン2モーターは銅ブラシを採用しているため、「モーター慣らし」効果も高いです。慣らすことでさらに性能が向上するため、モーター整備の基本を学ぶのにも最適です。
ただし、ノーマルモーターと比べるとスピードもパワーも上がっているので、そのままでは暴れてしまうこともあります。ローラーなど市販のパーツでコースアウト対策をしながら、少しずつセッティングを調整していくと良いでしょう。
「とりあえずノーマルモーターから交換したい」「よくわからないからバランスの良いのがいい」という方は、迷わずアトミックチューン2モーターを選んでみてください。これをきっかけにミニ四駆の奥深さに目覚めるかもしれませんよ!
なお、両軸モーター(PRO)の場合は、アトミックチューン2モーターPROもおすすめですが、トルクチューン2モーターPROも初心者にとって扱いやすいモーターです。両軸特有の駆動効率の良さと相まって、驚くほど速く走るかもしれません。
中級者におすすめのモーターはライトダッシュモーターである
アトミックチューン2モーターでは物足りなくなってきた中級者の方には、「ライトダッシュモーター」(両軸の場合は「ライトダッシュモーターPRO」)がおすすめです。アトミックチューン2よりもスピードとパワーが一段階上がった性能を持ちながら、扱いやすさも備えているバランス型モーターです。
ライトダッシュモーターの特徴:
- 回転数:14,600~17,800r/min(アトミックより上の速さ)
- 推奨負荷トルク:1.3~1.9mN・m(安定したパワー)
- 消費電流:1.5~2.2A(比較的省電力)
- 黄色のエンドベルが特徴的
ライトダッシュモーターは、アトミックチューン2とハイパーダッシュ3の中間に位置するモーターで、中級者にとって絶妙な性能バランスを持っています。癖がなく扱いやすいため、セッティングの幅を広げていきたい中級者のステップアップ用としても最適です。
注目すべきは、2017年のミニ四駆ジャパンカップではライトダッシュモーターで優勝した選手もいるほど、このモーターのポテンシャルは高いという点です。適切なセッティングを組めば、高性能モーターに匹敵する走りを見せることができます。
また、ライトダッシュモーターは銅ブラシを採用しているため、「モーター慣らし」効果も高いです。慣らしでさらに性能を向上させることができるため、モーターメンテナンスの技術を磨きたい中級者にもおすすめです。
ライトダッシュPROについては、同じく銅ブラシを採用しているため、慣らしによる効果が高く、極めると驚くほど速くなる可能性を秘めています。「最大の中途半端モーター」と評されることもありますが、それは裏を返せば「使いこなせれば非常に強力」ということでもあります。
ライトダッシュモーターをマスターできれば、上級者の仲間入りへの道が開けるでしょう。コースの特性に合わせたセッティングを追求しながら、このモーターの持つポテンシャルを引き出してみてください。
上級者におすすめのモーターはハイパーダッシュ3モーターである
セッティングに自信がついてきた上級者の方には、「ハイパーダッシュ3モーター」(両軸の場合は「ハイパーダッシュモーターPRO」または「マッハダッシュモーターPRO」)がおすすめです。これらのモーターは高いパフォーマンスを発揮する一方で、扱いこなすにはセッティングの工夫が必要となります。
ハイパーダッシュ3モーターの特徴:
- 回転数:17,200~21,200r/min(高速走行可能)
- 推奨負荷トルク:1.4~1.9mN・m(安定したパワー)
- 消費電流:1.6~3.0A(やや高め)
- 赤いエンドベルが特徴的
ハイパーダッシュ3モーターは、ライトダッシュモーターからさらにスピードとパワーを一段階上げた高性能モーターです。スピードとパワーのバランスが良く、多くのコースで活躍できる汎用性を持ちながらも、その性能を引き出すには適切なセッティングが不可欠です。
このモーターの大きな特徴は、カーボンブラシを採用している点です。カーボンブラシは銅ブラシと比べて耐久性に優れ、大電流に対応できるメリットがあります。ただし、慣らし効果は銅ブラシほど高くないため、初期性能が安定している反面、劇的な変化は期待できないかもしれません。
ミニ四駆ジャパンカップの優勝者も多数使用している実践向きのモーターで、勝負にこだわる上級者向きです。このハイパーダッシュ3モーター(またはPRO)の速度でコースアウトしないセッティングができれば、ジャパンカップ優勝も視野に入ってくるでしょう。
両軸モーター(PRO)の場合、ハイパーダッシュモーターPROに加え、さらに上を目指すならマッハダッシュモーターPROも選択肢に入ります。2018年のミニ四駆ジャパンカップでは、多くの優勝者がマッハダッシュモーターPROを使用しており、その性能の高さがうかがえます。
ただし、これらの高性能モーターは消費電流も高いため、アルカリ電池では性能を十分に発揮できません。ニッケル水素電池などの充電池との組み合わせがおすすめです。また、高速すぎて扱いづらいと感じる場合は、ギア比を調整したり、タイヤの直径を変えたりして、自分にとって最適な走行バランスを見つけてみてください。
モーターの慣らし方でパフォーマンスが大幅に向上する
ミニ四駆のモーターは、購入したままの状態よりも、「慣らし」を行うことで性能が大幅に向上します。モーター慣らしは、新品モーターの内部パーツを馴染ませ、最大限の性能を引き出すために欠かせない作業です。
そもそも「モーター慣らし」が必要な理由は、新品モーターのブラシ(電気を供給する部品)とコミュテーター(電気を受け取る部品)の接触面積が小さく、電気の流れが不十分だからです。慣らしによってブラシがコミュテーターに馴染み、接触面積が大きくなることで電流がスムーズに流れ、モーターのパワーが上がります。
モーターのブラシには、大きく分けて2種類あります:
- 銅ブラシ:ノーマル、トルクチューン2、レブチューン2、アトミックチューン2、ライトダッシュなどに採用
- カーボンブラシ:ハイパーダッシュ3、ハイパーダッシュPRO、パワーダッシュ、スプリントダッシュなどに採用
銅ブラシは電気伝導性に優れていますが、カーボンブラシは耐久性や耐熱性に優れています。一般的に、銅ブラシの方が慣らし効果が高く、カーボンブラシはもともと安定した性能を持っているため、劇的な変化は期待できないかもしれません。
モーター慣らしの基本的な方法は以下の通りです:
- 低電圧(0.5~1.0V)で定電圧慣らしを行う
- 正転20分、休憩5分、反転20分を数セット繰り返す
- 休憩時にモーターオイルを注油すると効果的
- 徐々に電圧を上げていく(1.6V~3.5V程度まで)
- 段階的に電圧を上げることで、様々な回転数に対応できるようになる
- スパークが多い場合は一度電圧を下げるなどして調整する
- モーターの回転が鈍くなった場合は、パーツクリーナーで内部を洗浄する
- 埃や削れたブラシの粉などが溜まると性能が低下する
モーター慣らしには専用の機器(モータートレーナーなど)を使用すると便利ですが、ない場合は「ワークマシン」(モーター慣らし専用のシャーシ)を用意するのがおすすめです。通常のマシンでモーター慣らしをすると、長時間の連続回転でシャーシにダメージを与える可能性があります。
慣らしの効果はモーターによって異なりますが、例えばマッハダッシュモーターPROなら34,500~39,200rpm、パワーダッシュモーターなら34,500rpm前後といった高回転を叩き出すことも可能です。適切な慣らしを行うことで、モーター本来の性能を最大限に引き出し、ライバルに差をつけましょう!
まとめ:ミニ四駆のモーターの種類を知って最適な選択をしよう
最後に記事のポイントをまとめます。
- ミニ四駆のモーターは「片軸モーター」と「両軸モーター」の2種類に大別される
- 片軸モーターは一般的なシャーシ用、両軸モーターはミニ四駆PRO(MS・MAシャーシ)専用である
- モーターにはスピード型、パワー型、バランス型があり、コースの特性に合わせて選ぶのが重要
- 公式大会では一部のモーター(ウルトラダッシュ、プラズマダッシュなど)が使用禁止となっている
- 初心者にはアトミックチューン2モーターなどのバランス型が扱いやすく適している
- 中級者はライトダッシュモーターでセッティングの幅を広げていける
- 上級者はハイパーダッシュ3モーターやマッハダッシュモーターPROなどの高性能モーターに挑戦できる
- 高回転のモーターほど消費電流も高く、ニッケル水素電池などの充電池との相性が良い
- モーター慣らしを行うことで性能が大幅に向上する
- 銅ブラシのモーター(トルクチューン2など)は慣らし効果が高く、カーボンブラシ(ハイパーダッシュ3など)は耐久性に優れる
- モーターの性能は「ギア比」によっても調整できる
- モーターを選ぶ際は、自分のスキルレベルとコース環境を考慮することが大切