「貫通ホイール」という単語を聞いたことがあるミニ四駆レーサーは多いと思いますが、実際に挑戦してみると意外と奥が深い改造なんですよね。ホイールに穴を開けてシャフトを貫通させる──文字にすると簡単そうに見えますが、ただ貫通させるだけではダメ。軸受けとホイールの間に適切な隙間を作らないと、せっかくの改造が逆効果になることもあるんです。そこで重要になってくるのが「スペーサー」の存在。ベアリングローラー用スペーサーや絶縁ワッシャー、さらには使い古しのピニオンギアから自作したワッシャーまで、様々な選択肢があります。
この記事では、貫通ホイールとスペーサーの関係性を徹底解説。なぜスペーサーが必要なのか、どんな種類があるのか、そして実際の取り付け方法まで、ネット上の情報を集めて独自の視点でまとめました。初心者から中級者まで、貫通ホイールで悩んでいる全てのレーサーに役立つ内容になっています。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ 貫通ホイールにスペーサーが必要な理由と抵抗抜きの仕組み |
| ✓ ベアリングローラー用スペーサーと絶縁ワッシャーの使い分け |
| ✓ 貫通ホイールの正しい作り方と注意点 |
| ✓ トレッド幅の調整方法とホイール逆履きのメリット |
ミニ四駆で貫通ホイールにスペーサーを使う理由
- スペーサーの役割は軸受けとの接触抵抗を減らすこと
- 貫通ホイールのメリットとデメリット
- 使えるスペーサーの種類と特徴比較
スペーサーの役割は軸受けとの接触抵抗を減らすこと
貫通ホイールにスペーサーが必要な最大の理由は、軸受け(ベアリング)とホイールの摩擦抵抗を減らすためです。
マシンを水平に置いてタイヤを空転させると10秒以上回り続けるのに、横向きにすると3秒程度しか回らない──こんな経験はありませんか?これは横方向の力がかかった時に、ホイールが軸受けに押し付けられて摩擦抵抗が発生しているからなんです。
ミニ四駆を傾けるとホイールが回りにくくなります。これはホイールがシャーシに押し付けられると接触抵抗が発生するためです。
📊 軸受けとホイールの接触による影響
| 状態 | タイヤの回転時間 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 水平時 | 10秒以上 | 接触抵抗が少ない |
| 横向き時 | 3秒程度 | ホイールが軸受けに押し付けられる |
| コーナリング中 | さらに短い | 横方向の力で圧力増加 |
コーナリング中は特に、ローラーによって車体が旋回しようとする一方でタイヤは直進方向を向いているため、ホイールの付け根部分に横方向の力がかかります。この時、ホイールの軸穴部分が丸穴ボールベアリングに押し付けられ、摩擦力が増大してしまうわけです。
貫通ホイールのメリットとデメリット
貫通ホイールには明確なメリットがある一方で、加工やメンテナンスの手間というデメリットも存在します。
✨ 貫通ホイールの主なメリット
- タイヤのブレが減少:ホイール全体がシャフトに固定されるため、シャフトのブレの影響を受けにくい
- シャフトが抜けにくい:ホイール穴全体でシャフトを保持するため、走行中の脱輪リスクが大幅減
- トレッド幅の自由な調整:72mmシャフトを使えば好みの幅に設定可能
- ホイール逆履きが可能:トレッド幅をさらに狭められる
⚠️ 貫通ホイールのデメリット
| デメリット | 具体的な内容 |
|---|---|
| 加工の手間 | ドリルで正確に穴を開ける技術が必要 |
| メンテナンスの複雑さ | シャフトの抜き差しに力が必要 |
| 取り付けの難しさ | 適切な位置にセットしないと逆効果 |
タミヤ公式ストックレギュレーションでは基本的にパーツを切削するような加工は出来ないが、ホイール貫通は認められています。
興味深いのは、B-MAXクラスのような無加工改造が基本禁止のレースでもホイール貫通だけは公式に認められている点です。これは高回転モーターを使用した際のホイール脱輪がレース運営に支障をきたすため、安全対策として許可されているのではないかと推測されます。
使えるスペーサーの種類と特徴比較
貫通ホイールの抵抗抜きに使えるスペーサーは主に3種類あります。それぞれに特徴があるので、自分のスタイルに合ったものを選びましょう。
🔧 スペーサー比較表
| 種類 | 重量(4個) | 入手難易度 | 抵抗抜き効果 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| ベアリングローラー用スペーサー | 0.07g | ★☆☆(容易) | ★★★ | 凹凸形状で接触面積最小 |
| 絶縁ワッシャー | 不明 | ★★★(困難) | ★★☆ | 薄く摩擦が少ないが準備に手間 |
| ピニオン製ワッシャー(紫) | 0.07g | ★★☆(やや困難) | ★★☆ | 使い古しモーターから自作 |
| ピニオン製ワッシャー(黒) | 0.08g | ★★☆(やや困難) | ★★☆ | 紫より若干重い |
ベアリングローラー用スペーサーが最も一般的で使いやすい選択肢です。内側が凹凸になっており、軸受けとの接触面積が最小限に抑えられています。取り付ける際は凹凸部分を軸受け側に、半円状の部分をホイール側にする向きに注意が必要です。
ベアリングローラー用スペーサーは、ホイールの抵抗抜きとしても使いやすいです。軸受けとホイールの間に1枚挟むことで、軸受けとホイールが密着することがなくなります。
一方、絶縁ワッシャーは摩擦抵抗が非常に少ない材質が魅力ですが、モーター1個につき1枚しか取れないため、マシン1台分(4枚)を準備するには4個のモーターを分解する必要があります。また小さくて紛失しやすいのもデメリットでしょう。
興味深いのは使い古しのピニオンギアから自作するワッシャーです。ダメになったモーターからピニオンギアを外し、カッターで歯車部分と付け根の間に切り込みを入れれば、真ん中の部分をワッシャーとして使えます。ほぼお宝ワッシャーに近い大きさで、シャフトにぴったりはまるため異音も出にくいとのこと。
ミニ四駆の貫通ホイール作成と適切なスペーサー取り付け方法
- 貫通ホイールの正しい作り方は治具なしでも可能
- ドリルサイズは1.7mmと1.8mmどちらを選ぶべきか
- スペーサーを使った抵抗抜きの具体的手順
- まとめ:ミニ四駆の貫通ホイールとスペーサーの活用法
貫通ホイールの正しい作り方は治具なしでも可能
貫通ホイールを作る方法は意外とシンプルで、特別な治具がなくても手元にあるパーツで十分作成できます。
📝 基本的な貫通ホイールの作り方(フェーズ1)
- 六角マウント(10mm推奨)に長めのビス(30mm以上)を取り付け、先端を1mm程度出す
- 貫通させたいホイールを平らな台に置き、ビス先端をシャフト穴にセット
- 六角マウントを両指でつまんで押さえながら、まっすぐになるよう保持
- プラスドライバーでビスを正回転方向に回し、ホイールを貫通させる
- 貫通したらビスを逆回転で取り外す
まずは長めのビスに六角マウントを取り付けておく。ビスは先が3ミリ程出るようにする。
ポイントは六角マウントを垂直に保つことです。最初は指で押さえる必要がありますが、ビスが少し進むと六角マウントが固定されるので、その後は安定して作業できます。ホイールにタイヤを装着しておくと滑りにくくなり、作業がしやすくなるという情報もあります。
⚙️ フェーズ2:穴の拡張とシャフト挿入
貫通した穴はそのままではシャフトが通りにくいため、穴を少し拡張する必要があります。
- 貫通したホイールと無加工のホイールを72mmシャフトの両端にセット
- 無加工ホイール側を押してシャフトを貫通ホイールに通す
- シャフトが貫通したら無加工ホイールを外す
この方法ならハンマーを使わずに静かに作業できるのが利点です。ハンマーで叩く方法も一般的ですが、かなりの力が必要で音もうるさいため、自宅での作業には向かないかもしれません。
ドリルサイズは1.7mmと1.8mmどちらを選ぶべきか
ホイール貫通で最も議論になるのがドリルのサイズ選びです。一般的には1.8mmが主流ですが、実は1.7mmにもメリットがあります。
あなたのホイール貫通のドリルサイズは?というアンケートで、非常に多くの方が1.8mmで貫通をしていることがわかりました。
🔍 ホイールの六角穴サイズ比較
| ホイール種類 | 対辺距離(推定) | 推奨ドリルサイズ |
|---|---|---|
| PPホイール | 約1.7mm | 1.7mm(ぴったり) |
| 強化ホイール | 約1.75mm | 1.8mm |
1.7mmドリルを使うと、特にPPホイールの場合はほぼ六角穴にぴったり合い、対辺をほとんど削らずに貫通できます。このためガイドなしでもまっすぐ貫通しやすいというメリットがあります。また、軸穴が広がりにくいため、ホイールのヘタリも少なくなります。
一方、1.8mmドリルだと六角穴の対辺を少し削ってしまうため、フリーハンドでは失敗しやすくなります。ただし、強化ホイールには1.8mmの方が適しており、シャフトの抜き差しもしやすくなります。
おそらく、1.8mm貫通が主流になった背景には、第3次ブーム当時は強化ホイールがセッティングの主流だったことが影響しているのではないかと推測されます。現在では用途に応じて使い分けるのが賢い選択でしょう。
💡 ドリルサイズ選択のポイント
- ✓ PPホイールには1.7mm(ホイールが長持ち、抜き差しはやや大変)
- ✓ 強化ホイールには1.8mm(作業性が良い、精度には注意)
- ✓ 両方のサイズを持っておくと便利
- ✓ 1.7mmで貫通後、1.8mmで拡張する方法もあり
スペーサーを使った抵抗抜きの具体的手順
貫通ホイールを作ったら、次は適切な位置にスペーサーを配置して取り付ける作業です。これを間違えると抵抗抜きの効果が得られません。
🛠️ スペーサー取り付けの基本ステップ
ステップ1:片側ホイールの準備
- 72mmシャフトの両端に貫通ホイールと無加工ホイールをセット
- 無加工ホイールを押してシャフトを貫通させる
- 無加工ホイールを取り外す
ステップ2:シャーシへの取り付け
- 片側ホイールを取り付けたシャフトをシャーシに通す
- もう片方のホイールを仮に取り付け、どちらかのシャフトを突き出させる
ステップ3:スペーサーの配置
- ベアリングローラー用スペーサーを軸受けとホイールの間に挟む
- 凹凸部分が軸受け側、滑らかな面がホイール側になるよう向きに注意
- 両側のホイールに適切な位置で配置
重要なのは、スペーサーによって軸受けとホイールが密着しないよう適度な隙間を作ることです。隙間が狭すぎると抵抗が残り、広すぎるとホイールがブレてしまいます。
📌 取り付け時の注意点
| チェック項目 | 理由 |
|---|---|
| スペーサーの向き | 凹凸が軸受け側でないと効果なし |
| 左右のバランス | 片側だけだと走行が不安定に |
| シャフトの突き出し長さ | 1.5~3.0mm程度が一般的 |
| ゴムパイプの装着 | レギュレーション遵守と安全のため必須 |
飛び出たシャフトはそのままでは手が触れて危ないですし、ミニ四駆公認レースではレギュレーション違反となりますのでゴムパイプで保護するなどの対応が必要です。
一部のレーサーは治具を自作して正確な位置に取り付けられるようにしています。2枚のステー・プレートとビスを使って、シャフトの突き出し量を調整できる「シャフトストッパー治具」を作成する方法もあるようです。これにより毎回同じ位置に取り付けられ、メンテナンス性が向上します。
まとめ:ミニ四駆の貫通ホイールとスペーサーの活用法
最後に記事のポイントをまとめます。
- 貫通ホイールにスペーサーが必要な理由は、軸受けとの摩擦抵抗を減らすためである
- コーナリング時にホイールが軸受けに押し付けられると、タイヤの回転が大幅に低下する
- 貫通ホイールのメリットは、タイヤのブレ減少、シャフト脱輪防止、トレッド幅調整の自由度向上
- B-MAXクラスでも貫通ホイールだけは公式に認められている改造である
- スペーサーはベアリングローラー用が最も使いやすく、効果も高い
- 絶縁ワッシャーは効果的だが、入手に手間がかかるのが難点
- 使い古しピニオンギアからワッシャーを自作する方法もある
- ドリルサイズはPPホイールなら1.7mm、強化ホイールなら1.8mmが推奨
- 貫通作業は治具なしでも可能だが、六角マウントとビスを使うと精度が上がる
- スペーサーは凹凸部分を軸受け側にして、必ずゴムパイプで保護することが重要
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- ミニ四駆加工 〜貫通ホイール〜
- 男なら貫通ホイールに挑戦だ!ホイール逆履きもあるよ。
- 新たに始めるミニ四駆 第3話 ホイール貫通をしてタイヤを交換しよう
- 【ホイールの抵抗抜き】軸受けと密着はNG|スペーサーや絶縁ワッシャーを活用
- ホイール貫通 やり方 (治具なし簡単加工)
- ミニ四駆のホイール抵抗抜きって、簡単に加工する方法ってないのかな?
- 【P!知識】ホイール貫通のドリルのサイズについて
- ミニ四駆、改造小ネタ、使い古しのピニオンギアを使って、ワッシャーを作りました。
- ミニ四駆 簡単まとめ57
- TAGATORON ホイール貫通ジグシリンダー 治具
各サイト運営者様へ
有益な情報をご公開いただき、誠にありがとうございます。
感謝の意を込め、このリンクはSEO効果がある形で設置させていただいております。
※リンクには nofollow 属性を付与しておりませんので、一定のSEO効果が見込まれるなど、サイト運営者様にとってもメリットとなれば幸いです。
当サイトは、インターネット上に散在する有益な情報を収集し、要約・編集してわかりやすくお届けすることを目的としたメディアです。
私たちは、情報の収集や整理を通じて「情報をまとめてわかりやすく伝える」という形で新たな価値を提供できるのではないかと考え、運営しております。
なお、引用や参照の方法には不備、あるいはご不快に感じられる点がございましたら、迅速に対応いたしますので、お手数ですがお問い合わせフォームよりご連絡いただければ幸いです。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
当ブログをご覧いただきありがとうございます。
このたび、当ブログの記事内容について無断転載とのご指摘を受けました。
事実確認が十分でない部分もありますが、著作権に関わるご迷惑をおかけする可能性を重く受け止め、記事をすべて非公開とし、今後の再確認を進めてまいります。
ご心配・ご不快の念をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
今後は再発防止に努め、安心してご覧いただけるブログ運営を行ってまいります。
