ミニ四駆のタイヤ精度を上げたいと思っている方にとって、シャフトブレードは非常に重要なツールです。ホイール貫通時の精度がタイヤの性能を左右するため、適切なシャフトブレードの選択と使い方を知ることは、レース結果に直結します。P!MODEL LABOから販売されているシャフトブレードシリーズは、ホイールに六角穴を正確に形成することで、従来のドリル貫通では難しかった高精度なタイヤ作成を可能にしています。
この記事では、シャフトブレードの基本的な役割から、バージョンごとの違い、ホイールの種類に応じた選び方、さらには実際の使用方法まで、ミニ四駆愛好家が知っておくべき情報を網羅的に解説します。これらの知識を身につけることで、今まで選別で弾いていたホイールも使えるレベルまで引き上げられるかもしれません。
| この記事のポイント |
|---|
| ✅ シャフトブレードがタイヤ精度向上に不可欠な理由 |
| ✅ PPホイールと強化ホイールで使い分けるべきモデル |
| ✅ ver.2、ver.3など各バージョンの特徴と用途 |
| ✅ リューターとタイヤ加工治具での使用方法の違い |
ミニ四駆のシャフトブレードで実現できる精度とは
- シャフトブレードがタイヤ精度を劇的に改善する理由
- ホイール貫通における従来の課題とシャフトブレードの解決策
- 六角穴形成がもたらすタイヤ性能への影響
シャフトブレードがタイヤ精度を劇的に改善する理由
ミニ四駆のタイヤ精度は、速度に直結する重要な要素です。シャフトブレードは、ホイールに六角穴を正確に形成することで、従来のドリル貫通では実現できなかった高精度なタイヤ作成を可能にします。
通常、ランナーから切り出したホイールは、中心まで六角穴が形成されていますが、その先は閉じられています。この部分をドリルで貫通する際、穴がずれたり、圧力をかけすぎてホイールが歪んだりするトラブルが頻発します。
🔧 シャフトブレードの主な特徴
| 特徴 | 効果 |
|---|---|
| 六角形状のエッジ | ホイールに正確な六角穴を削り出す |
| SUS303ステンレス製 | 耐久性が高く、エッジが立ちやすい |
| NC旋盤加工 | 精密な形状で再現性が高い |
| チャック軸Φ3mm | 一般的なリューターに対応 |
P!MODEL LABOの開発者は「六角穴で貫通していれば、きれいに振れていないホイールが作れる」という考えのもと、最初からホイールに六角穴のガイドがあり、それを元に六角で垂直に貫通できれば振れないホイールができるという発想でシャフトブレードを開発しました。
出典:【新商品】ホイールシャフトブレード|P lab co.ltd.,ウチダケイ/ポラ
ホイール貫通における従来の課題とシャフトブレードの解決策
ホイール貫通作業は、タイヤ製作において最も重要な工程の一つですが、同時に多くの課題を抱えていました。
📌 従来のホイール貫通で発生していた問題点
- ✗ ドリルの圧力でホイールが歪む
- ✗ 貫通穴が中心からずれる
- ✗ ボール盤で垂直に開けてもホイールの中心を打てない
- ✗ シャフトの選別や研磨に手間がかかる
シャフトブレードは、これらの課題に対して明確な解決策を提供します。使い方は非常にシンプルで、ホイールに垂直にブレードビットをセットし、ハンマーなどで叩き込むだけです。
先端にエッジを立てることにより、穴を削って六角穴をホイールに形成できます。垂直にさえ打ち込めば、回転軸は垂直になるため、ビットをセットしたまま、リューターにチャックしてタイヤを削るだけで精度の高いタイヤを作り出すことが可能になります。
六角穴形成がもたらすタイヤ性能への影響
六角穴の精度がタイヤ性能に与える影響は想像以上に大きいものです。正確な六角穴が形成されていると、ホイールの振れが最小限に抑えられ、結果としてタイヤの回転がスムーズになります。
🎯 六角穴精度による効果の比較
| 精度レベル | タイヤの振れ | 速度への影響 | ホイール選別 |
|---|---|---|---|
| ドリル貫通のみ | 大きい | マイナス影響大 | 厳しい選別が必要 |
| シャフトブレード使用 | 最小限 | プラス影響 | 選別基準が緩和 |
副次的な効果として、ホイールの抜き差しが簡単にできるというメリットも生まれます。これにより、タイヤ交換やメンテナンスの作業効率が大幅に向上します。
また、リューターにチャックしたままタイヤ加工が可能なため、加工中のブレを防ぐことができます。一般的には、精度の高いタイヤほど速度が向上すると言われており、シャフトブレードの使用はその第一歩となるでしょう。
※注意点として、一度下穴をあけることが強く推奨されています。直接打ち込むとシャフトブレードが曲がったり、ホイール自体が破損する可能性があります。
シャフトブレードの選び方と各モデルの特徴
- PPホイール向けと強化ホイール向けの違いを理解すること
- P23、P49、P31など主要モデルの使い分け方
- リューター加工とタイヤ作成治具での使用方法の違い
- まとめ:ミニ四駆のシャフトブレード選びで失敗しないために
PPホイール向けと強化ホイール向けの違いを理解すること
シャフトブレード選びで最も重要なのは、使用するホイールの材質に合わせたモデルを選択することです。ホイールは大きく分けて、PPホイール(ノーマルホイール)と強化ホイール(カーボン、グラスファイバー)の2種類があります。
🏷️ ホイール種類別の推奨シャフトブレード
| ホイールタイプ | 推奨モデル | 価格(税込) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| PPホイール | P23 thin | ¥3,666 | 対辺を0.01mm単位で調整、抜けにくい六角穴 |
| 強化ホイール | P11 | ¥3,666 | カーボン・グラスファイバー対応 |
| PP・強化両用 | P49 ver.3 | ¥3,666(2本入) | 両方に対応できる万能型 |
P23 thinは、従来品ではPPホイールに使うと少しゆるくなりすぎるという声を受けて開発されました。六角の対辺寸法を0.01mm単位で調整することで、PPホイールでも少しだけ抜けにくい六角穴が貫通できるようになっています。
また、従来品との区別のため、軸の部分に溝が掘られているのも特徴です。
P!MODEL LABOの選び方ガイドによれば「立体では強化ホイールの選択肢がほぼ今のところないのでP23だけ持っていれば、どうにでもなると思います」とのこと。
出典:シャフトブレードの選び方|P lab co.ltd.,ウチダケイ/ポラ
P23、P49、P31など主要モデルの使い分け方
P!MODEL LABOから販売されているシャフトブレードは複数のバージョンがあり、それぞれ用途が異なります。六角穴を形成する推奨シャフトブレードは基本的に3種類のみです。
📦 主要3モデルの比較表
| モデル | 全長 | 六角部 | 対応ホイール | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| P23 thin | 55mm | 25mm | PP | リューター加工・貫通ツール |
| P11 | 55mm | 25mm | 強化 | リューター加工・貫通ツール |
| P49 ver.3 | 短め | – | PP・強化両用 | 貫通ツール専用 |
P31やP32-2といった長いシリーズは、ペラニスルンダー等のタイヤ作成治具を使うとき専用です。理由は、シャフト部分が長いため、貫通もする前提で叩き込むと曲がりやすいためです。
おそらく、P!MODEL LABOとしての推奨使用方法は以下の2ステップになります:
✅ 推奨作業手順
- 短い方のシャフトブレード(P23/P11/P49)で六角穴を形成する
- 使用するツールに合わせてシャフトブレードを変える
P49 ver.3は、従来のP23よりも若干対辺が細いバージョンで、差し込みを考えて先端に円柱をあしらっています。テーパー形状にすると六角の形成ができないため、円柱形状になっており、これによってホイール本体の六角穴にはセンターに合うようになっています。
ただし、P49は若干従来品より短くなっているため、Craft&Customizingのホイール貫通ツールとは互換性がありません。そのかわり、接着ツールの方では使用ができます。
リューター加工とタイヤ作成治具での使用方法の違い
シャフトブレードの使い方は、使用するツールによって大きく2つに分かれます。それぞれの特性を理解し、適切なモデルを選ぶことが重要です。
🔨 使用ツール別のシャフトブレード選択
■ リューターで加工する場合
- P11(強化ホイール向け)
- P23 thin(PPホイール向け)
- P49 ver.3(PP・強化ホイール対応)
これらのモデルは、六角穴を形成した後、そのままリューターにチャックしてタイヤを削ることを前提としています。シャンク径はΦ3mmで、一般的なコレットチャックに対応しています。
■ ペラニスルンダー等タイヤ加工治具を使う場合
- P31 シャフトブレード ver.2(強化ホイール、タイヤ作成ツール向け)
- P32-2 シャフトブレード thin ver.2.1(PPホイール、タイヤ作成ツール向け)
P30(ver.2)は、TOMOZONE様のタイヤ作成治具「ペラニスルンダー」にも対応できるよう、ブレード部分を従来品よりも15mm延長したモデルです。同じような構造のタイヤ作成治具であれば、ほぼ網羅できるかもしれません。
また、P44 ショートシャフトビットという製品もあり、差し直してリューターで使うという選択肢もあります。
まとめ:ミニ四駆のシャフトブレード選びで失敗しないために
最後に記事のポイントをまとめます。
- シャフトブレードは六角穴を正確に形成し、タイヤ精度を劇的に向上させる
- ホイール材質(PP/強化)に応じて適切なモデルを選ぶことが重要
- P23 thinはPPホイール向け、P11は強化ホイール向け
- P49 ver.3は両方に対応できる万能型で2本セット
- リューター加工には短いモデル、タイヤ作成治具にはP31/P32-2を使用
- 貫通前に必ずΦ1.7~1.8mmのドリルで下穴をあける
- SUS303ステンレス製のため力を入れすぎると曲がる可能性がある
- エッジは繰り返し使用で摩耗するため、買い替えや研磨が必要
- Craft&Customizing製品のホイール貫通ツールにはP23/P11/P49が推奨される
- 六角穴形成により、従来選別で弾いていたホイールも使える可能性が高まる
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- P49 ホイールシャフトブレードver.3(2本入、PP、強化ホイール対応) | P!MODEL LABO STORE
- 【新商品】ホイールシャフトブレード|P lab co.ltd.,ウチダケイ/ポラ
- P23 ホイールシャフトブレード thin(PPホイール向け) | P!MODEL LABO STORE
- シャフトブレードの選び方|P lab co.ltd.,ウチダケイ/ポラ
- Amazon | ミニ四駆 シャフトブレードver.2【P!MODEL LABO】 通販
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