ミニ四駆のホイール貫通は、タイヤの脱落防止やトレッド幅の調整など、マシンの性能向上に欠かせない基本的な改造です。しかし、ドリルでフリーハンド加工すると穴が曲がってしまい、かえってタイヤがブレる原因になることも。そこで重要になるのが、正確な貫通穴を開けるための「治具」選びです。
現在、市場にはP!MODEL LABOの「シャフトブレード」やTAGATORONの「ホイール貫通ジグシリンダー」など、さまざまなメーカーから専用治具が販売されています。それぞれ特徴や価格帯が異なるため、自分のレベルや目的に合った製品を選ぶことが成功への近道となるでしょう。本記事では、インターネット上の情報を収集・分析し、おすすめの治具やその選び方について詳しく解説していきます。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ ホイール貫通治具の種類と特徴を比較検証 |
| ✓ 初心者向けから上級者向けまで幅広く紹介 |
| ✓ 治具なしでの代替方法も詳しく解説 |
| ✓ 実際の使用者レビューをもとに分析 |
ミニ四駆ホイール貫通治具のおすすめと選び方
- ホイール貫通治具で最もおすすめなのはシャフトブレードとホイールピアッサー
- 治具なしでも身近なパーツで貫通加工は可能
- ドリルサイズは1.7mmと1.8mmで使い分けることが重要
ホイール貫通治具で最もおすすめなのはシャフトブレードとホイールピアッサー
ミニ四駆のホイール貫通治具として、多くのレーサーから支持を集めているのが**P!MODEL LABOの「シャフトブレード」とPotential Racingの「ホイールピアッサー」**です。
📊 主要治具の比較表
| 製品名 | 価格帯 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| シャフトブレード | 3,000～4,000円 | 六角穴を形成 | 中級者～上級者 |
| ホイールピアッサー | 3,000～3,500円 | ドリルガイド方式 | 初心者～中級者 |
| タガトロン ジグシリンダー | 約3,500円 | 1.8mmドリル付属 | 初心者 |
シャフトブレードの最大の特徴は、通常の丸穴ではなく六角穴を形成する点にあります。
シャフトブレードを使ってホイール貫通することで、ドリルでの貫通よりもブレの少ないホイールにできる可能性が出てきます。
出典：ムーチョのミニ四駆ブログ
この六角穴により、シャフトとホイールの接触面積が増え、より安定した回転軸が得られるとされています。ただし、使用にはハンマーでの打ち込み作業が必要で、垂直に打ち込む技術が求められるため、やや中級者向けと言えるでしょう。
一方、ホイールピアッサーは1.7mmまたは1.8mmのドリルをガイドする構造で、比較的シンプルな操作で貫通加工が可能です。初めて治具を使う方には、こちらの方が扱いやすいかもしれません。
治具なしでも身近なパーツで貫通加工は可能
「治具を買う予算がない」「まずは手軽に試してみたい」という方には、タミヤの純正パーツを使った治具なしの方法も存在します。
✅ 治具なし貫通に必要なもの
- M2キャップスクリュー（30mm推奨）
- 六角レンチ
- 長めのビス（30mm以上）
- 六角マウント（10mm）
- 無加工のホイール（作業用）
M2キャップスクリューを手で回せるところまで回し、手で回せなくなったら六角レンチで回していくとキャップスクリューがホイールにねじ込まれていくので貫通するまで回す。
出典：のむ｜note
この方法のメリットは、特別な治具を購入せずに手持ちのパーツだけで貫通できること。デメリットは、作業に時間がかかることと、慣れないと穴が斜めになるリスクがある点です。
個人的には、最初の数個は治具なしで試してみて、本格的にタイヤ作成に取り組むなら治具を導入するという段階的なアプローチが良いのではないかと考えます。
ドリルサイズは1.7mmと1.8mmで使い分けることが重要
ホイール貫通において、多くの人が悩むのがドリルサイズの選択です。一般的には1.8mmが主流とされていますが、実はホイールの種類によって最適なサイズが異なることが分かっています。
📏 ドリルサイズ別の特徴
| サイズ | メリット | デメリット | 推奨用途 |
|---|---|---|---|
| 1.7mm | ホイールの六角穴を削らない<br>ヘタリにくい | シャフトの抜き差しが硬い | PPホイール |
| 1.8mm | シャフトの抜き差しが楽 | 六角穴を削る<br>ヘタリやすい | 強化ホイール |
1.8mmだと対辺をすこし削ってしまいます。一方1.7だとPPに至ってはほぼちょうどで、対辺をほぼ削ることなくすっぽり入ります。
なぜ1.8mmが主流になったのかについては、おそらく過去に強化ホイールがセッティングの主流だった時代の名残ではないかと推測されます。現在ではPPホイールも多用されるため、1.7mmと1.8mmの両方を持ち、用途に応じて使い分けるのが理想的でしょう。
また、一部の上級者は「1.7mmで貫通した後、1.8mmで仕上げる」という二段階加工を行っているようです。これにより、精度と作業性のバランスを取っているのかもしれません。
ポチップ
ミニ四駆ホイール貫通治具を使う際の注意点とコツ
- 貫通ホイールでも100%ブレないわけではない理由
- ホイール貫通のメリットはシャフト抜け防止とトレッド調整
- 貫通後のシャフト取り付けには専用治具が必要
- まとめ：ミニ四駆ホイール貫通治具のおすすめと活用法
貫通ホイールでも100%ブレないわけではない理由
治具を使ってホイール貫通をしたからといって、必ずしもブレないホイールになるとは限りません。これは多くの初心者が誤解しがちなポイントです。
🔍 ブレが発生する主な原因
- 元のホイール自体の精度：成形時のバラツキ
- シャフトの曲がり：微細な歪みも影響
- 貫通時の角度ズレ：治具を垂直に保てていない
- 治具自体の摩耗：使用回数が増えると精度低下
もともとブレているホイールは貫通してもブレてる。でも貫通した穴によっては回転の性質が変わって改善されるものもあれば悪くなってしまうものも中にはある。
つまり、治具はあくまで加工精度を上げるためのツールであり、元のホイールの品質を超えることはできないということです。
現実的な対策としては、以下のようなアプローチが考えられます：
- 貫通前にホイールの選別を行う
- シャフトの精度も確認する
- 貫通後に回転チェックを実施
- 使えないホイールは潔く諦める
一般的には、貫通前にブレが少ないホイールを選んでおけば、治具を使った貫通でさらに精度を高められる可能性が高いと言えるでしょう。
ホイール貫通のメリットはシャフト抜け防止とトレッド調整
そもそも、なぜホイール貫通が必要なのでしょうか？主なメリットを整理してみましょう。
💡 ホイール貫通の3大メリット
| メリット | 詳細 | 効果 |
|---|---|---|
| シャフト抜け防止 | 圧入面積が増える | 走行中の脱輪トラブル激減 |
| トレッド幅調整 | シャフト長の範囲で自由に変更 | コースに応じた最適セッティング |
| タイヤのブレ軽減 | シャフト全体で固定 | 走行安定性の向上 |
特にシャフト抜け防止は、ミニ四駆をやる上で非常に重要です。
走行中にホイールが脱落して、コースに部品をばらまいてしまいます。最悪、軸受けもとれて探しても見つからないなんてこともあるので、とてもめんどくさいですよね。
出典：のむ｜note
公式大会のB-MAX GPでは、基本的に改造が禁止されている中でもホイール貫通だけは認められているという事実も、この改造の重要性を物語っています。
また、トレッド幅の調整については、現在のコース傾向では狭めのトレッドが有利とされることが多く、ホイールの逆履きと組み合わせることで、さらに細かいセッティングが可能になります。
ただし、貫通ホイールは通常のホイールに比べてメンテナンスに手間がかかるというデメリットもあることは覚えておくべきでしょう。
貫通後のシャフト取り付けには専用治具が必要
ホイール貫通が完了しても、そこで終わりではありません。実はシャーシへの正確な取り付けも同じくらい重要です。
📌 取り付け時の主な課題
- ホイールからのシャフト突き出し量の調整
- 左右のトレッド幅の均等化
- 貫通ホイールからのシャフト抜き取り
これらの問題を解決するために、いくつかの自作治具や市販ツールが活用されています。
🔧 シャフト取り付け用治具の例
- シャフトストッパー治具：ステー・プレートとビスで自作
- ホイールプーラー：硬いホイールからシャフトを抜く専用工具
- タイヤホイールストッカー：フローティング用の位置決め治具
シャフトストッパー治具にホイール・シャフトをセットした状態となり、これがシャフトストッパー治具の使い方となります。1枚目のステーのビス穴にシャフトを通して、2枚目のステーでシャフトを止めホイールからシャフトが1.5mm突き出した状態となっています。
出典：ミニ四ファン
個人的には、最初は余ったプレートで自作の取り付け治具を作ってみて、作業頻度が高くなったら市販の専用ツールを検討するのが良いのではないかと考えます。
また、貫通ホイールからシャフトを抜く際には、ペンチを使う方法が一般的ですが、フィンホイールやディッシュホイールなど硬いホイールの場合は、専用のホイールプーラーがないと作業が困難になるかもしれません。
まとめ：ミニ四駆ホイール貫通治具のおすすめと活用法
最後に記事のポイントをまとめます。
- ホイール貫通治具の代表格はシャフトブレードとホイールピアッサーである
- シャフトブレードは六角穴形成によりブレを軽減する可能性がある
- 初心者にはドリルガイド方式の治具が扱いやすい
- M2キャップスクリューを使えば治具なしでも貫通加工は可能である
- ドリルサイズは1.7mmがPPホイール、1.8mmが強化ホイールに適している
- 治具を使っても元のホイール精度を超えることはできない
- ホイール貫通の主なメリットはシャフト抜け防止とトレッド幅調整である
- 貫通後のシャフト取り付けにも専用治具があると便利である
- 硬いホイールからシャフトを抜く際にはホイールプーラーが必要になる
- 段階的に治具を導入していく方法がコスト面でも現実的である
ポチップ
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- 【ミニ四駆】ホイール貫通がカンタンにできる改造方法｜のむ
- ミニ四駆 ホイール貫通で大切にしてる事②’ 研究その2 | .kuroのミニ四駆成長日記
- 【P!知識】ホイール貫通のドリルのサイズについて｜P lab co.ltd.,ウチダケイ/ポラ
- ホイール貫通・選別に疲れた僕が出会った神治具「P!MODEL LABO・シャフトブレード」 | サバ缶のミニ四駆ブログ
- TAGATORON（タガトロン）ホイール貫通ジグシリンダー 治具 1.8mmドリル付属 (2. レッド) 通販 – Amazon
- ホイール貫通 やり方 （治具なし簡単加工） 【ミニ四駆 改造】 | ミニ四ファン
- 【治具を使ってホイール貫通】ホイールシャフトブレード｜1番の違いは六角穴で作る回転軸 | ムーチョのミニ四駆ブログ
- 中径ローハイト ホイール貫通＆タイヤ挿入 SST《NO.64,65》 | すべての商品 | Craft & Customizing
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