MAシャーシでミニ四駆をもっと速く、安定して走らせたいと思ったことはありませんか？ジャンプでの跳ねを抑えたり、着地時の衝撃を吸収したりする「フロント提灯」は、中級者以上のレーサーの間では定番の改造です。しかし、初めて挑戦する方にとっては「どんなパーツが必要なのか」「どこから手をつければいいのか」がわかりにくいですよね。
この記事では、MAシャーシ用フロント提灯の作り方を、必要なパーツ選びから具体的な加工手順まで丁寧に解説します。加工の難易度別に複数のパターンをご紹介するので、自分のスキルや目的に合わせて選択できます。リューターなどの工具を使った本格的な改造から、できるだけ無加工に近い簡単な方法まで幅広くカバーしていますので、ぜひ参考にしてみてください。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ MAシャーシ用フロント提灯に必要なパーツと工具が分かる |
| ✓ シャーシやプレートの具体的な加工手順が理解できる |
| ✓ リフター（ゴムリング）の取り付け方法が学べる |
| ✓ ボディの装着方法や可動域の調整テクニックが身につく |
MAシャーシでフロント提灯を作るための基本知識と準備
- フロント提灯の役割と仕組み
- 必要なパーツと工具一覧
- 設計前に決めておくべきポイント
フロント提灯の役割と仕組み
フロント提灯は、マシンがジャンプした際の着地衝撃を吸収し、跳ね返りを抑える制振ギミックです。フロント部分に可動式のプレートを設置し、マスダンパーを取り付けることで、着地時の衝撃エネルギーを分散させます。
通常の固定バンパーと比較すると、着地時にフロント提灯が下方向に可動することで、マシン本体への衝撃が緩和されます。結果として、コースアウトのリスクが減り、タイムの安定性が向上します。
📊 フロント提灯のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 着地時の跳ね返りを大幅に抑制 | 重量が増加する |
| マシンの安定性が向上 | 組み立てに時間と技術が必要 |
| ジャンプセクションでの優位性 | メンテナンス箇所が増える |
| スラスト角の調整が可能 | ボディの取り付けが複雑 |
多くの大会入賞マシンがフロント提灯を搭載していることからも、その効果の高さがうかがえます。
必要なパーツと工具一覧
MAシャーシ用フロント提灯を作るには、複数のグレードアップパーツと工具が必要です。作り方によって必要なパーツが変わりますが、基本的な構成は共通しています。
🔧 基本パーツリスト
| パーツ名 | 用途 | 数量 |
|---|---|---|
| HGカーボンマルチ補強プレート | 前部骨格として使用 | 1枚 |
| FRPリヤーローラーステー | 後部骨格として使用 | 1枚 |
| マスダンパー各種 | 制振用の重り | 適量 |
| 17・19mmローラー用ゴムリング | リフター機能用 | 1～2個 |
| トラスビス(5mm) | プレート結合用 | 適量 |
| 皿ビス(20mm) | シャーシ取付用 | 2本 |
| ロックナット | 各所固定用 | 適量 |
🛠 必要な工具
- リューター（ダイヤモンドカッター、ドリル状ビット、円筒形ビット）
- 2mmドリル刃（穴の拡張用）
- ニッパー（パーツのカット）
- ボックスドライバー、簡易スパナ（ナット締め）
- マルチテープ（加工ガイド用）
FRPリヤーローラーステーは入手しやすく価格も手頃なため、初めての提灯作りにおすすめです。
設計前に決めておくべきポイント
フロント提灯を作る前に、いくつかの設計方針を決めておくと作業がスムーズです。
✅ 事前確認チェックリスト
- タイヤ径：小径タイヤか大径タイヤか（プレート結合穴の位置に影響）
- フロントバンパーの形状：ATバンパーを使うか、標準バンパーか
- スラスト角：何度程度のスラスト角を設定するか
- 重量配分：マスダンパーをどこにどれくらい配置するか
- 可動域の範囲：どの程度の角度まで可動させるか
特に重要なのがフロント提灯の支柱位置です。一般的には、FRPマルチワイドリヤステーの特定の穴位置に合わせた設計が主流で、多くのステー・プレートと互換性があります。
おそらく、最初は標準的な設計で作り、走行テストを重ねながら自分のマシンに最適な調整を見つけていくのが良いでしょう。
ポチップ
MAシャーシでのフロント提灯作成手順と調整テクニック
- シャーシとプレートの加工方法
- パーツの結合とマスダンパーの取り付け
- リフター（ゴムリング）の設置と調整
- まとめ：MAシャーシでのフロント提灯作り方の要点
シャーシとプレートの加工方法
フロント提灯の骨格となるプレート加工は、最も重要な工程です。ここではHGカーボンマルチ補強プレートとFRPリヤーローラーステーの加工手順を解説します。
📐 カーボンプレートの加工ステップ
ステップ1：使用する穴の決定
カーボンプレートには複数のビス穴がありますが、シャーシ取付用とプレート結合用の穴を決めます。タイヤ径に応じて結合用の穴位置をずらすことで、大径タイヤにも対応可能です。
ステップ2：不要部分のカット
マルチテープを境界線に貼り、リューターのダイヤモンドカッターでカットします。重要な注意点として、シャーシ取付用の穴付近は余長を持たせることが挙げられます。後工程で穴を拡張するため、ギリギリまでカットすると強度が不足します。
ステップ3：シャーシ取付穴の拡張
リューターのドリル状ビットを貫通させて穴を拡張します。さらに、実際の可動域を想定して斜めにした状態でドリル状ビットを当て、可動範囲を確保します。
🔩 FRPリヤーローラーステーの加工
後部パーツであるFRPリヤーローラーステーには、カーボンプレートと結合するための新規穴をあけます。
| 加工手順 | 詳細 |
|---|---|
| 1. ガイド設定 | カーボンプレートを重ねてビスとナットで仮固定 |
| 2. 穴あけ | カーボンプレートの既存穴をガイドに新規穴を開ける |
| 3. 平行確認 | プレートが真っすぐ平行になっているか確認 |
| 4. 追加加工 | お好みで不要箇所を削って軽量化（任意） |
一般的には、リヤステーの加工はこれで完了ですが、マスダンパーの取付位置やボディ取付の都合で追加カットすることもあります。
プレートを結合してまずはシャーシにしっかりセットできるかを確認すると良いです。
パーツの結合とマスダンパーの取り付け
加工したプレートを結合し、マスダンパーを取り付けて提灯の骨格を完成させます。
🔗 プレート結合の手順
カーボンプレートとリヤステーをトラスビス(5mm)とロックナットで結合します。上下の配置については、カーボンプレートを下にした方が可動範囲が大きくなるとされています。
表面・裏面の向きやビス・ナットの配置によって微妙に可動域が変わるため、自分のセッティングに合わせて調整しましょう。
⚖️ マスダンパーの取り付け
制振効果を得るためのマスダンパーは、プレートの適切な位置に取り付けます。
取り付け手順：
- 25mmビスにマスダンパーとナットを取り付け
- プレートの穴に下から通す
- 上からロックナットを付ける
- ビス先端が地上高1mm以上になるよう調整
ナットを締める際は、ロックナットをボックスドライバーで固定し、簡易スパナでナットを締めるとしっかり固定できます。
📊 推奨マスダンパー配置例
| マスダンパー種類 | 取付位置 | 効果 |
|---|---|---|
| ボウルマスダンパー | 前部プレート中央 | 着地時の初期衝撃吸収 |
| アジャストマスダンパー | 左右対称配置 | バランス重視の制振 |
| 複数組み合わせ | 分散配置 | 広範囲の振動抑制 |
リフター（ゴムリング）の設置と調整
フロント提灯にはリフター機能が必須です。これがないと、着地後にプレートが下がったまま戻らず、次のジャンプで正常に機能しません。
🔄 ゴムリングリフターの取り付け
17・19mmローラー用ゴムリングを2重にして使用します。
取り付け手順：
- ゴムリングをフロント提灯プレートに取り付ける
- プレートをシャーシ側のビスに浅く留める
- ゴムリングの遠い方の輪をビスに引っ掛ける
- プレートを下げてゴムリングの上下スペースを調整
- ロックナットで適切な空スペースを確保
⚠️ 重要な調整ポイント：
- スペースが狭すぎる→可動域が制限される
- スペースが広すぎる→プレートが左右に傾く
- ゴムリングがビス穴から遠い→浮力が強すぎる
推測の域を出ませんが、ゴムリングを目一杯ビスに近づけた状態での浮力が、多くの場合適切とされています。ただし、マスダンパーやボディの重量によっては浮力を上げる必要もあるため、実走行でテストしながら調整しましょう。
📐 スラスト角の調整
ゴムリフターを使用すると、後ろ側に引っ張る力が働き、ATバンパーのスラスト角が浅くなる現象が起こります。
対策方法：
- あらかじめATバンパーのスラスト角を高めに設定
- 1.5mmスペーサーと小ワッシャーで調整
- 5mmトラスビスを使用
スプリングの硬さや圧力によってスラスト角の変化も異なるため、自分の使用するスプリングに合わせたセッティングが必要です。
まとめ：MAシャーシでのフロント提灯作り方の要点
最後に記事のポイントをまとめます。
- フロント提灯は着地衝撃を吸収する制振ギミックで、多くの入賞マシンが採用している
- HGカーボンマルチ補強プレートとFRPリヤーローラーステーが基本パーツ
- カーボンプレートの穴付近は余長を持たせてカットすることが重要
- プレート結合時はカーボンを下にすると可動範囲が広がる
- マスダンパーは地上高1mm以上を確保して取り付ける
- ゴムリングを2重にしてリフター機能を持たせる
- ゴムリングの位置でリフターの浮力が変わる
- ゴムリフター使用時はスラスト角が浅くなるため事前調整が必要
- 完成後は可動確認とシャーシとの干渉チェックを忘れずに
- ボディ装着が必須なため、クリヤーボディの取り付け方法も習得が必要
ポチップ
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- 【ミニ四駆】超お手軽にMAシャーシ用ボディ提灯を作ってみました！
- フロント提灯Mark2(MAシャーシ)作り方紹介 -作成編-
- 【ゆっくり実況】【補足】MA用フロント提灯
- フロント提灯(VZ・MA・MSシャーシ)作り方 – 作成編 –
- 【ミニ四駆】30分あれば出来る簡単提灯の作り方(MSフレキ)
- MAシャーシ/MSシャーシ用のフロント提灯の作り方
- 【ミニ四駆】イチから作る！戦況で選べる提灯の作り方！
- フロント提灯の作り方（基部／on ATバンパー）
- 【ミニ四駆】MAフロント提灯-かんたん改造とその先への巻
- オープンクラスで戦ってみよう その１ 提灯を設計しよう
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