ミニ四駆のB-MAXレギュレーションでマシンを組む際、スライドダンパー(スラダン)の搭載は多くのレーサーが悩むポイントです。無加工が基本のB-MAXでは、タミヤ純正パーツをそのまま使う必要があるため、通常のレース用マシンとは異なる工夫が求められます。
この記事では、B-MAXマシンにスライドダンパーを取り付ける際の具体的な方法や注意点、各シャーシごとの取り付けテクニックまで、インターネット上に散らばる情報を収集・整理してお届けします。初心者から中級者まで、実戦で使える知識が満載です。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ B-MAXでスライドダンパーを使う際の基本ルールと注意点 |
| ✓ 上蓋だけを使った取り付け方法でバンパー位置を下げる技術 |
| ✓ シャーシ別(MA・FM-A・VZ・S2など)の具体的な搭載方法 |
| ✓ ジュラルミンバンパーの曲がり対策と予備パーツの重要性 |
B-MAXでスライドダンパーを活用するための基礎知識
- B-MAXレギュレーションでスラダンを使う際の制約
- 純正スライドダンパーの構造と使いづらさの正体
- アンダーパーツなしで取り付けるメリット
B-MAXレギュレーションでスラダンを使う際の制約
B-MAXレギュレーションは「基本的にパーツ無加工ポン付け」が原則ですが、スライドダンパーについては例外的なルールが設けられています。
📋 B-MAXにおけるスラダンの主なルール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| アンダーパーツ | 付けなくてもOK |
| 出っ張り部分 | ボディ干渉部分はカット可能 |
| ローラー位置 | 9mm・13mm穴どちらも使用可 |
| バンパー素材 | ジュラルミン純正のまま使用可 |
特に重要なのは、スライドダンパー付属のアンダーパーツ(下側のカバー)を省略できるという点です。これにより、説明書通りの取り付けよりもローラー位置を下げることが可能になります。
B-MAXのレギュレーションでは付けなくてもOKになっています。
<cite>出典:【必見!】純正スライドダンパーを使う時の注意点!</cite>
また、ボディとの干渉が避けられない場合、スライドダンパーの出っ張り部分をカットすることも認められています。これはB-MAXレギュレーションVer.3.0以降で明確化されたルールです。
純正スライドダンパーの構造と使いづらさの正体
タミヤ純正のスライドダンパーは精度が高く実用的ですが、B-MAXで使う際にはいくつかの課題があります。
🔧 純正スラダンの構造的な問題点
- 上下のカバーで挟む構造:バンパー位置が高くなりがち
- フロント部分の幅:ボディキャッチとの干渉リスク
- ローラー取り付け位置:17mm・19mmローラーの選択が限られる
- ジュラルミンバンパー:曲がりやすく元に戻りにくい
特にバンパー位置が高くなる問題は深刻です。フロントローラーの位置も連動して高くなるため、マシンが傾いた際の接触位置が上がり、コースアウトのリスクが増加します。
| バンパー高さの影響 | 詳細 |
|---|---|
| ローラー位置 | 全体的に上方へシフト |
| マシン安定性 | 傾斜時の接地点が不利に |
| コースアウト | リスクが増加する傾向 |
一般的には、フロントローラーは低めに設定した方がマシンの安定性が向上すると言われています。
アンダーパーツなしで取り付けるメリット
B-MAXでスライドダンパーを使う最大のコツは、下側のカバー(アンダーパーツ)を使わず、上蓋だけで取り付ける方法です。
✅ 上蓋のみ取り付けのメリット
- バンパー位置が低くなる:下側カバー分の高さを削減
- シャーシとの隙間調整が容易:大ワッシャーで微調整可能
- バネの固定も問題なし:上蓋で十分カバーできる
- 走行中のバネ落下を防止:必要に応じてマルチテープで補強
具体的な取り付け方法としては、シャーシとステーの間に大ワッシャーを挟んで上蓋で固定します。これだけでスライドダンパーとしての機能は十分に発揮されます。
上蓋だけでもしっかり機能し、バンパー位置も高くならないのでおすすめです。
<cite>出典:【スライドダンパーの取り付け方】B-MAXやMAにおすすめ</cite>
もし上蓋だけでは不安という場合は、下側にマルチテープを貼ることでバネが落ちる心配もなくなります。
B-MAXマシン別スライドダンパー搭載テクニック
- MAシャーシでの取り付け方法と相性の良いボディ
- FM-Aシャーシにおけるスラダンとブレーキの両立
- VZ・S2シャーシでの工夫とポイント
- ジュラルミンバンパーが曲がる問題への対策
- まとめ:ミニ四駆のB-MAXでスライドダンパーを使いこなす
MAシャーシでの取り付け方法と相性の良いボディ
MAシャーシは両軸モーターで素組みでも速くなりやすいため、B-MAXでも人気のシャーシです。スライドダンパーとの相性も良好です。
🎯 MAシャーシ×スラダンの基本構成
【フロント】
├─ スラダン用カーボンステー(フロント用)
├─ 13-12mm 2段アルミローラー
├─ ハイマウントチューブスタビ(上段)
└─ 上蓋のみで固定(ボディ干渉部はカット)
【ブレーキプレート】
└─ FRP製プレートを皿ビス加工で斜めブレーキ化
MAシャーシで特に重要なのがボディ選びです。実車系ボディはフロントカウルが大きくスライドダンパーと干渉しやすいため、おすすめは「デクロス01」です。
| ボディ名 | 特徴 | スラダン適合性 |
|---|---|---|
| デクロス01 | フロント部分がコンパクト | ◎ 干渉なし |
| デクロス02 | リヤデザイン重視 | ○ 組み合わせ可 |
| 実車系ボディ | カウルが大きめ | △ 干渉リスク高 |
デクロスは通常品なので入手しやすく、01と02を組み合わせることで見た目のカスタマイズも楽しめます。
デクロスであれば、「01」と「02」を組み合わせて使用することも可能。
<cite>出典:【スライドダンパーの取り付け方】B-MAXやMAにおすすめ</cite>
FM-Aシャーシにおけるスラダンとブレーキの両立
FM-Aシャーシはフロントモーター配置が特徴で、片軸モーターの中では比較的速度が出やすいシャーシです。
⚙️ FM-A用スラダン搭載のポイント
- 直プレート2本でブレーキ確保:段差ブレーキ構造を作る
- スラスト角調整:SXシャーシリアローラーステー下にワッシャー追加
- 9mmローラーをアンダー配置:車軸位置に合わせる
- ポールリンクマスダンパー併用:低く飛ばす効果を狙う
FM-Aでは、スライドダンパーの下にスーパーXのリアFRPバンパーを装着することで滑りを改善できます。
スラダンの下にスーパーXのリアFRPバンパーを装着しています。
<cite>出典:【全部載せ‼】FM-A B-MAXマシンのセッティング紹介!</cite>
この構成により、スラスト角の調整も可能になり、一石二鳥の効果が得られます。
📊 FM-A用推奨ローラーセッティング
| 位置 | ローラー径 | 目的 |
|---|---|---|
| フロント上段 | 13mm | スライド機能確保 |
| フロント下段 | 9mm | 車軸高さに合わせる |
| リヤ | 19mm | 安定性重視 |
ただし、この構成だとレーンチェンジ(LC)への対応が課題になる可能性があります。リアローラーの高さが高めになるため、踏ん張りが効きにくくなるかもしれません。
VZ・S2シャーシでの工夫とポイント
VZシャーシは最新の片軸モーターシャーシで、軽量かつカスタム性が高いのが魅力です。S2シャーシも同様に人気があります。
🔨 VZ/S2シャーシ用スラダン搭載法
【フロント構成】
- カーボンマルチ補強プレート2枚使用
- 1枚目:6mm皿ビスでシャーシ固定
- 2枚目:下に1.5mmスペーサー挟んで段差作成
- 15mm皿ビスでスラダンと共締め
【リヤ構成】
- カーボンリヤステー(3mm厚)
- 上段:19mmオールベアリングローラー
- 下段:19mmテーパータイプローラー
VZシャーシの特徴として、サイドウィングが折れやすいという弱点があります。そのため、前後をビス留めして力を分散させる工夫が必要です。
VZシャーシのサイドウィングは折れやすいので、前と後ろの部分をビス留めして力が分散するようにします。
<cite>出典:【ミニ四駆】VZシャーシのB-MAXマシンをご紹介</cite>
| シャーシ | 車重(電池なし) | 特性 |
|---|---|---|
| VZ | 軽量(120g台) | 加速良好・しなりやすい |
| S2 | 標準的 | バランス型 |
| MA | やや重め(127g程度) | 安定性高い |
ジュラルミンバンパーが曲がる問題への対策
純正スライドダンパーに付属するジュラルミンバンパーは、FRPよりも曲がりやすく、一度曲がると元に戻りにくいという特性があります。
⚠️ ジュラルミンバンパーの注意点
- コースアウト時に曲がるリスク:衝撃で変形しやすい
- スラスト角が狂う:曲がったままだと走行に影響
- 力ずくでの修正は限界:完全には戻らない
- 9mmローラー位置は特に注意:支点から遠く曲がりやすい可能性
個人的な見解なのですが、9ミリローラーの取り付け位置はジュラルミンが曲がる可能性が高いと思っています。
<cite>出典:【必見!】純正スライドダンパーを使う時の注意点!</cite>
ただし、最近の実験結果では意外と曲がらないという報告もあり、使用環境によって差があるようです。
🛡️ 曲がり対策の実践的アプローチ
| 対策 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 予備バンパー常備 | 2〜3個用意しておく | ◎ 即座に交換可能 |
| 交換練習 | 事前に手順を確認 | ○ 大会時の時短 |
| 13mmローラー選択 | 9mmより支点に近い | ○ 曲がるリスク軽減 |
| カーボン化 | 社外品使用(要注意) | △ B-MAXルール要確認 |
レース当日は特に、予備のジュラルミンバンパーを持参することが推奨されます。コースアウト後すぐに交換できるよう準備しておくと安心です。
まとめ:ミニ四駆のB-MAXでスライドダンパーを使いこなす
最後に記事のポイントをまとめます。
- B-MAXではスライドダンパーのアンダーパーツ省略が可能で、バンパー位置を低くできる
- 上蓋のみの取り付けでも十分な機能を発揮し、大ワッシャーで調整可能
- ボディとの干渉部分はカットが認められており、加工の自由度がある
- MAシャーシではデクロス01がスラダンとの相性が良好
- FM-Aシャーシではスラダン下にFRPバンパー追加でスラスト調整も可能
- VZ・S2シャーシは軽量でカスタム性が高いが、サイドウィング補強が必要
- ジュラルミンバンパーは曲がりやすいため予備を2〜3個用意すべき
- 9mmローラー位置は曲がるリスクがあるが、使用環境により個体差がある
- フロントローラーは13mmの2段アルミローラーが多くのシャーシで安定する
- ブレーキは段差構造を作ることでスロープに効果的に作用する
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- 最強B-MAXマシンの作り方⑤フロントバンパーの工夫
- 【必見!】純正スライドダンパーを使う時の注意点!
- わしの本気B-MAXできたで!
- 【全部載せ‼】FM-A B-MAXマシンのセッティング紹介!
- 【スライドダンパーの取り付け方】B-MAXやMAにおすすめ
- 【ミニ四駆】VZシャーシのB-MAXマシンをご紹介
- ミニ四駆作ってみた〜その475「B-MAX:SuperXその2」
- 【ミニ四駆】MAシャーシのB-MAXマシンをご紹介
- 【ミニ四駆】作家だってBasic-MAX GP用のマシンを作りたい!!
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