ミニ四駆の速さを追求する上で、駆動系のガタを減らすことは非常に重要な課題です。特にギアとシャフトの間にある「遊び」は、駆動ロスの原因となり、長期的にはギアのナメや空転といったトラブルを招くことも。そこで注目されているのが、ギアの六角穴部分を圧縮して遊びをなくす「ギアプレッシャー加工」です。専用ツールを使えば、誰でも精度の高い圧縮ギアを自作できるようになりました。
この記事では、ギアプレッシャーツールの仕組みから実際の効果、使用上の注意点まで、ネット上の情報を収集して詳しく解説していきます。市販品と自作品の比較、レギュレーションとの関係、そして本当に速くなるのかという疑問にも切り込んでいきます。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ ギアプレッシャーツールの基本的な仕組みと使い方が理解できる |
| ✓ 圧縮ギア加工による効果とリスクが分かる |
| ✓ 市販品と自作品それぞれのメリット・デメリットが明確になる |
| ✓ 駆動調整における適切なガタの考え方が身につく |
ミニ四駆のギアプレッシャー加工とは何か
- ギアプレッシャー加工は六角穴を圧縮してガタをなくす技術
- 専用ツールを使えば均等な圧縮が可能になる
- 片軸・両軸どちらのギアにも対応できる
- 駆動効率の向上とギア破損の軽減が期待できる
ギアプレッシャー加工は六角穴を圧縮してガタをなくす技術
ミニ四駆のスパーギアやクラウンギアには、シャフトを通すための六角穴(スプライン)が開いています。この穴とシャフトの間には製造上どうしても「遊び」が存在し、ノーマル状態ではギアの歯1枚分近くのガタがあると言われています。
ギアプレッシャー加工とは、この六角穴部分に圧力をかけて圧縮し、シャフトとの遊びを減らす、あるいは完全になくす加工技術のことです。
🔧 ガタがもたらす問題点
| 問題 | 影響 |
|---|---|
| 駆動ロス | 遊びの分だけ動力伝達が遅れる |
| ギアのナメ | 負荷がかかり続けることで穴が削れる |
| シャフトの空転 | 最終的には動力が伝わらなくなる |
| 異音の発生 | ガタガタという不快な音が出る |
圧縮加工を施すことで、これらの問題を軽減できる可能性があります。一般的には、遊び(ガタ)からくる駆動ロスを軽減させ、駆動効率を上げることができると考えられています。
専用ツールを使えば均等な圧縮が可能になる
ギアの圧縮自体は、理論上はバイスなどで挟み込むだけで可能です。しかし、均等に圧力をかけないとギアが歪んで使い物にならなくなるという大きな問題があります。
そこで登場したのが、専用のギアプレッシャーツールです。代表的なものとして「ちぇりすくらふと(CherisCraft)」製のツールがあり、多くのミニ四駆ユーザーに利用されています。
製作したギア圧縮ツールはこちら。スクエアマスダン2個をこのような形で止め、真ん中は六角シャフトを通して真鍮スペーサーの細い方で圧縮をかけます。
🛠️ 専用ツールの主な特徴
- シャフトを通した状態で施工可能:締めながら保持力を確認できる
- 均等な圧力分散:2本のボルトを交互に締めることで歪みを防止
- 調整可能な保持力:締め加減で任意の固定度に調整できる
- 歪みチェック機能:施工後にシャフトを回して確認できる
市販のちぇりすくらふと製ツールは、アルミ、ステンレス、鉄などの素材で精密に作られており、価格は3,410円(税込)程度となっています。
片軸・両軸どちらのギアにも対応できる
ギアプレッシャーツールの優れた点は、片軸モーター用と両軸モーター用の両方に対応していることです。
📋 対応ギア一覧
片軸モーター用
- スパーギア各種(緑、茶色、黄色など)
- クラウンギア各種(ピンク、オレンジなど)
両軸モーター用
- スパーギア各種(ピンク、オレンジなど)
| シャーシタイプ | 対応ギア | 特記事項 |
|---|---|---|
| MS、MA、AR等 | 片軸スパー、クラウン | 駆動調整との兼ね合いが重要 |
| VZ、SXX等 | 両軸スパー | ブレを抑える効果が顕著 |
| フレキシブル系 | 片軸各種 | 可動によるクリアランス変化に注意 |
ちぇりすくらふと製のツールには、ホールドパーツA・BのPCD(穴ピッチ)が異なる2種類が用意されており、様々なギアに適合できるガイドホールが設けられています。さらに、軽量ギアを作るための穴あけ用ホール(Φ1.8~2.0mm対応)も追加されているため、昔懐かしの軽量ギアも均等なピッチで作成可能です。
駆動効率の向上とギア破損の軽減が期待できる
ギアプレッシャー加工を施すことで得られる効果は、主に以下の2点です。
⚡ 期待できる効果
1. 駆動効率の向上
シャフトに対してギアの保持力が増すため、遊び(ガタ)がなくなり、動力伝達のタイムラグが減少します。これにより駆動ロスが軽減され、理論上は駆動効率が上がることになります。
2. ギア破損の軽減
ギアの歯当たり調整不良によるクラウンギアの破損などを軽減することも可能。
歯当たりが最適化されることで、特定の歯に負荷が集中することが減り、クラウンギアなどの破損リスクが下がる可能性があります。
ただし、ブレないからと言って単純に速くなるわけではないという点は重要です。実際に圧縮ギアを使用した経験のあるユーザーからは、「音の変化はあまりないけどトルク感が凄かった」という声もあります。
| 加工前 | 加工後 |
|---|---|
| ギアが動きまくる | ギアの動きが抑えられる |
| ガタガタという音 | 静かになることも |
| 遊びによる駆動ロス | ロスの軽減 |
ミニ四駆のギアプレッシャー加工における実践と注意点
- 自作ツールと市販品の選択肢がある
- 施工時は均等な圧縮と締めすぎに注意が必要
- 適度な遊びも必要という駆動調整の考え方
- レギュレーションとの関係を理解しておく
- まとめ:ミニ四駆のギアプレッシャー加工は駆動改善の選択肢
自作ツールと市販品の選択肢がある
ギアプレッシャーツールには、市販品を購入する方法と自作する方法の2つの選択肢があります。
🏪 市販品の特徴
主な製品:ちぇりすくらふと(CherisCraft)製
- 価格:3,410円(税込)
- セット内容:本体A/B、ヘックスボルト2本、ワッシャー2枚、セレートナット2個、L型ヘックスレンチ1本
- 材質:アルミ、ステンレス、鉄
- 発売:2020年4月12日
2016年にミニ四駆を始めた当時はこの様な治具がなかったので興味本位で購入しました。使ってみてビックリ!、ギアのガタが無く素組みのS2シャーシのブタさんがノーマルでも良い走りをしてくれました。
🔨 自作ツールの特徴
一方で、工作スキルのある方は自作も可能です。基本的な構造は以下の通りです。
| 部品 | 説明 |
|---|---|
| スクエアマスダン×2 | ギアを挟み込む本体部分 |
| 六角シャフト | 真ん中を通す軸 |
| 真鍮スペーサー | 細い方で圧縮をかける |
| 固定用ネジ類 | 本体を固定するためのボルト・ナット |
自作のメリットは低コストで作れることですが、精度の高い加工が求められるため、CNCフライスなどの工作機械がない場合は難しいかもしれません。
施工時は均等な圧縮と締めすぎに注意が必要
ギアプレッシャーツールを使う際の最大のポイントは、均等に圧縮することと締めすぎないことです。
⚠️ 施工時の注意点
均等な圧縮のコツ
コツとしては、毎回ねじを締める度にノギスで左右を測りながら均等に圧縮していくことです。適当にやるとギアがひん曲がって使い物にならなくなりますよw
施工手順のポイント
- ギアをシャフトに通した状態でツールにセット
- 2本のボルトを交互に締める(片側だけ締めると歪む)
- ノギスで左右を測りながら少しずつ締める
- シャフトを押したり引いたりして保持力を確認
- 施工後は本体を使ってシャフトを回し歪みをチェック
🚫 締めすぎのリスク
| リスク | 結果 |
|---|---|
| ギアの破損 | 圧力が強すぎて割れる |
| 過度な固定 | バックラッシュでカウンターやピニオンが破損 |
| 歪みの発生 | 真っ直ぐ回らなくなる |
| ツールの破損 | 無理な力でツール自体が壊れる |
実際の施工例では、「ギッチギチではなくやや止まる程度に抑える」ことが推奨されています。ガッチリ固定するほどの圧縮はシビアな調整になってしまうため、おすすめできないとの意見もあります。
適度な遊びも必要という駆動調整の考え方
ギアプレッシャー加工を考える上で非常に重要なのが、「すべてを固定すればいいわけではない」という考え方です。
🤔 「速さ」と「固定」の関係
ただブレないからと言って単純に速くなるわけではないのであしからず。ある程度の遊びがあってこそ速いということがあるのですべてを固定してガチガチに固めたからと言ってよい訳ではないというのがミニ四駆の難しさですね・・・。
この指摘は非常に重要です。特にMSフレキなどの可動シャーシでは、以下のような問題が発生する可能性があります。
📊 フレキシブルシャーシ特有の問題
| 問題点 | 詳細 |
|---|---|
| クリアランス変化 | 可動することでギア位置が変わる |
| ローラー接触時 | フロントユニットが曲がりスパーとカウンターが近づく |
| 着地時の衝撃 | 瞬間的にクリアランスが狭くなる |
| モーター・電池固定 | 弱い固定だとフレキの可動と重なりロスが増大 |
フレキは速くはない、と上級者が言っているのはこういうことだったりします。
💡 圧縮ギアの正しい理解
位置固定ではなくガタの削減が本質
圧縮ツール自体はパーツがあれば簡単に作れるツールなので、みなさんもチャレンジしてみてください!
圧縮ギアに関しては、「ギア位置の固定でロスが減る」というよりも、「シャフトとのガタが減って駆動が向上する」と考えた方が適切です。クラウンとシャフトのガタをなくすことに重きを置いた方がいい改造だと考えられています。
レギュレーションとの関係を理解しておく
ギアプレッシャー加工を検討する際、気になるのが公式レギュレーションとの関係です。
おそらく、ギアの圧縮加工自体は改造の範囲内と考えられますが、各店舗での禁止事項や公式レギュレーションは変更される可能性があるため、必ず最新情報を確認する必要があります。
📜 レギュレーション確認のポイント
- 公式大会への参加前には必ず確認
- 店舗大会では独自ルールがある場合も
- グレーゾーンの改造は事前に問い合わせる
当サイトではミニ四駆の様々な改造方法やアイテム紹介をしておりますが各店舗での禁止事項や公式レギュレーションをよく確認して自己責任で改造を行ってください。
一般的には、ギア自体の形状変更ではなく穴の圧縮であれば問題ないと考えられますが、確実なことは言えません。「圧縮ギア レギュレーション」というキーワードで検索している方も多いようですが、明確な公式見解は見つかりにくいのが現状です。
まとめ:ミニ四駆のギアプレッシャー加工は駆動改善の選択肢
最後に記事のポイントをまとめます。
- ギアプレッシャー加工は六角穴を圧縮してシャフトとの遊びをなくす技術である
- 専用ツールを使うことで均等な圧縮が可能になり、ギアの歪みを防げる
- 片軸・両軸の両方に対応でき、スパーギアとクラウンギアに施工できる
- 駆動ロスの軽減とギア破損の予防効果が期待できる
- 市販品は3,410円程度で購入可能、自作も可能だが精度が求められる
- 施工時は2本のボルトを交互に締め、ノギスで測りながら均等に圧縮することが重要
- 締めすぎるとギアやツールの破損、過度な固定による他パーツへの負担が発生する
- ブレがなくなっても単純に速くなるわけではなく、適度な遊びも必要である
- フレキシブルシャーシでは可動によるクリアランス変化に注意が必要
- レギュレーションは各店舗・大会で確認し、自己責任で改造を行う必要がある
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- 【ミニ四駆】ギアプレッシャーツールを自作。 : サブカル”ダディ”ガッテム日記
- 【ミニ四駆】ギア・プレッシャーツール (ちぇりすくらふと/チェリスクラフト) | CherisCraft | ちぇりすくらふと
- ミニ四駆 ちぇりすくらふと ギア・プレッシャーツール CT-M403-1 ミニ四駆 工具 チェリスクラフト : おもちゃのキムラミニ四駆ホビー館 – 通販 – Yahoo!ショッピング
- ミニ四駆作ってみた〜その416 「圧縮ギア」 – ミニ四駆作ってみた
- 【ミニ四駆】CherisCraft製 ギア・プレッシャーツール 取り扱い説明 | CherisCraft
- ■【4月12日発売】CherisCraft製 ギア・プレッシャーツール | CherisCraft
- 【ミニ四駆】忖度なし!ギアプレッシャーツールで加工したギアを使ったら速度上がるか試してみた#1018【mini4wd】 – YouTube
- ミニ四駆治具ギアプレッシャーかじり防止グリス付アダプター追加 ビットおまけ付き | Shop at Mercari from Japan! | Buyee
各サイト運営者様へ
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