ミニ四駆のMSシャーシでマシンを組み立てたものの、走らせると「ギーギー」「ジャリジャリ」といった異音が気になったことはありませんか?この原因の多くは、ギアの位置出しが適切にできていないことにあります。
MSシャーシは両軸モーター構造により駆動効率が高いとされていますが、実は成形上のバッファやシャーシの個体差により、そのままではギア同士の噛み合わせに遊びが生じやすい構造です。適切な位置出しを行うことで、モーターのパワーを効率的にタイヤへ伝えることができ、マシンの速度向上と静音化を実現できます。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ MSシャーシ特有の駆動問題とその原因を理解できる |
| ✓ カウンターギアの固定方法と具体的な加工手順がわかる |
| ✓ ギア位置出しに必要な道具と調整のコツを習得できる |
| ✓ 異音の原因を特定し適切に対処する方法を学べる |
MSシャーシのギア位置出しで重要なポイント
- カウンターギアのブレを無くすことが最優先
- モーターホルダーの安定性確保が駆動効率の鍵
- 520ベアリングの飛び出し防止も忘れずに
MSシャーシのギア位置出しとは駆動効率を最大化する調整作業のこと
ギア位置出しとは、モーターからタイヤまでの動力伝達経路にあるギア同士の位置関係を最適化する作業を指します。
MSシャーシでは以下の3種類のギアが前後に配置されています。
📊 MSシャーシのギア構成
| ギアの種類 | 役割 | 位置 |
|---|---|---|
| ピニオンギア(紫) | モーターの回転を受ける | モーター軸に装着 |
| カウンターギア(緑) | 回転を中継する | シャーシ中央部 |
| スパーギア(ピンク) | タイヤに回転を伝える | ホイール軸に接続 |
これらのギア同士が適切な距離で噛み合うことで、摩擦抵抗を最小限に抑えながら効率的にパワーを伝達できます。
ギアの位置出しをすることで、モーターからのパワーを効率的にタイヤに伝えていく。これによって、マシンの速さとしても違いが出てきます。
出典:ムーチョのミニ四駆ブログ
ただし、位置出しに絶対的な正解はありません。シャーシの個体差やギアの精度によって、最適な調整は変わってくるため、自分のマシンに合わせた微調整が必要になります。
カウンターギアのブレが異音と速度低下の主な原因
MSシャーシで最も問題となるのがカウンターギアの不安定さです。
🔧 カウンターギアに問題が多い理由
- ✅ 左右に若干揺れる構造になっている
- ✅ カウンターシャフトがシャーシの溝より短く、シャフト自体が揺れる
- ✅ ギアの穴(約2mm)に対してシャフト(約1.8mm)が細くブレが生じる
カウンターギアを外し、ピニオンギアがついた状態で回転音を聞いてみると、プゥーーーンという雑音を含まない一定リズムの音を確認することができます。つまり雑音はピニオンとカウンター、もしくはカウンターとスパーとの噛み合わせに問題があるということになります。
この問題を解決するには、以下の対策が有効です。
📋 カウンターギア対策の優先順位
| 優先度 | 対策内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 高 | カウンターシャフトの固定 | シャフトの浮き上がり防止 |
| 高 | ギアの左右位置調整 | スパーギアとの噛み合わせ改善 |
| 中 | ベアリングの固定 | ギア内部からの飛び出し防止 |
特にMSフレキとして使用する場合、前後ユニットが可動することでギア抜けが起きやすくなるため、カウンターギアの固定は必須と言えます。
絶縁ワッシャーを使った位置調整が効果的な理由
ギアの位置出しで最もよく使われるのが絶縁ワッシャーです。
絶縁ワッシャーとはモーター内部に組み込まれている樹脂製の薄いワッシャーで、モーターを分解することで取り出せます。厚みがほとんどないため、ギアとシャーシの微妙な隙間を埋めるのに最適なパーツです。
🎯 絶縁ワッシャーの活用例
- フロント:ベアリング側に絶縁ワッシャー1枚+小ワッシャー1枚
- リア:ベアリング側に絶縁ワッシャー1枚
ただし、ワッシャーを挟みすぎるとカウンターギアがきつくなり、ギューーーという音が発生して逆に摩擦抵抗が増えてしまいます。一般的には、MAシャーシの場合フロントには小ワッシャー2枚、リアには1枚程度が目安とされていますが、実際には各シャーシの個体差に合わせた調整が必要です。
位置出しは時間のかかる作業でもあるので暇なときは作業量と時間をいっぱい喰うのでおすすめですw
ミニ四駆MSシャーシのギア位置出しで実践すべき具体的手順
- カウンターシャフトの固定方法を選択する
- モーターホルダーの隙間を埋めて安定させる
- カウンターギア内のベアリング対策を行う
- 最終的な駆動音確認と微調整を実施する
カウンターシャフト固定には瞬間接着剤法とプラベアリング法がある
カウンターシャフトを固定する方法は主に2つあります。
💧 瞬間接着剤による型取り方法
最も一般的な方法で、以下の手順で行います。
手順:
- カウンターシャフトの溝に速乾性の瞬着を垂らす
- シャフトにグリスを塗る
- グリスを塗ったシャフトをはめる
- 瞬着が固まったらシャフトを外す
- はみ出した瞬着を削る
グリスを塗ることで、接着剤でしっかり固定されずに取り外すことができるようになります。ただし、シャフトをまっすぐ取り付けることが重要で、最初に不安定に取り付けてしまうとカウンターギアの位置も合わなくなってしまいます。
🔧 プラベアリング加工法
低摩擦プラベアリングを加工して使う方法もあります。
手順:
- プラベアリングをニッパーで切り込みを入れる
- シャーシを加工してはめ込む
- 取り付けて飛び出す部分を加工
- 瞬間接着剤で固定
加工もむずかしくないので、かんたんにギヤシャフトを固定することができます。
出典:ムーチョのミニ四駆ブログ
細かな加工になるため、よく切れるニッパーでの加工がおすすめです。取り付けた後、まだカウンターギアに隙間があった場合は絶縁ワッシャーなどを使って調整します。
モーターホルダー固定にはブレーキスポンジが最適解
モーターホルダーの不安定さもMSシャーシの弱点の一つです。
モーター自体が動いてしまうと、ギア同士の噛み合わせが変わり、「ギヤ抜け」や「トルク抜け」といった現象が発生してマシンの速さに影響が出ます。
📌 モーターホルダー安定化の方法
MSシャーシのモーター部分を下から見ると、動きやすそうな隙間が目立ちます。この隙間を埋めることで、モーターホルダーが動いてしまう隙間を無くすことができます。
使用できる材料:
- ✓ ブレーキスポンジ
- ✓ ポリカボディの端材
- ✓ マルチテープ
実際にブレーキスポンジをシャーシの大きさに合わせて加工し、モーターホルダーの下に貼り付けるだけでも、安定性が増します。ただし、この隙間の埋め方もシャーシによって適切なものは変わってくるため、使用しているシャーシに合わせた詰め物に調整していくのがおすすめです。
520ベアリング固定にはピニオンギア加工が効果的
カウンターギア内のベアリングが走行中に飛び出すと、駆動にとっては抵抗になります。
紫のピニオンギアを加工して使う方法が一般的に推奨されています。
🔨 ベアリング固定の手順
| ステップ | 作業内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | ピニオンギアを加工 | ギヤではない軸部分をカット |
| 2 | 加工したピニオンギアを通す | カウンターシャフトに取り付け |
| 3 | カウンターギアの位置を調整 | 新品か使い古しかで収まり具合が変わる |
ピニオンギアの加工自体は、ニッパーで切り落とすだけなので比較的簡単です。軸の部分をカットし、ギヤシャフトに取り付けることで、カウンターギア内のベアリングの抑えになります。
新品のピニオンギヤか使い古したものかで収まり具合も変わってくるため、好みに合わせての調整も可能です。ベアリングの飛び出しに悩んでいる場合はおすすめの方法と言えるでしょう。
ギア噛み合わせ異音の原因は6つのチェック項目で特定できる
駆動の異音が消えない場合、以下のチェック項目を順番に確認していきます。
📋 異音チェックリスト
| チェック項目 | 確認内容 | 対処方法 |
|---|---|---|
| ① | ギアがシャーシや他のギアに触れていないか | クリアランスの調整 |
| ② | プロペラシャフトが暴れていないか | シャフトの固定見直し |
| ③ | クリアランスが緩いまたはキツくなっていないか | ワッシャーで微調整 |
| ④ | スパーの六角穴が舐めて噛んでいないか | スパーギアの交換 |
| ⑤ | モーターがズレたりピニオン位置がおかしくないか | モーター固定の見直し |
| ⑥ | 単純な破損や摩耗 | パーツの交換 |
項目に入っているもののほとんどは位置出しによって回避出来ます。
特にピニオンギアの位置については、キツすぎるとカウンターギアが回転する際の妨げにもなるため、適度な噛み合わせを意識することが大切です。
スパーギアの面取りとシャフト磨きで摩擦抵抗を大幅削減
ギア自体の加工も駆動効率向上に効果があります。
⚙️ カウンターギアの面取り
カウンターギアの出っ張り部分の面取りは、専用ビットを使うと一瞬で終わります。
面取り専用ビット♪ あまり売ってるところがないのですが、こちらで買えそうです。6mmのものでちょうどいいかと思います。これ持ってるとほんと便利で、ホイールの軸部分の抵抗抜きにも使えます。ほんと一瞬で終わるんでw
出典:ミニ四駆作ってみた
面取り専用ビットは6mmのものが適しており、ホイールの軸部分の抵抗抜きにも使えるため、1つ持っておくと便利です。
🔬 カウンターシャフトの磨き
シャフトを磨いて抵抗を減らす作業も効果的です。
使用できるアイテム:
- ピカール
- 液体コンパウンド
- 金属磨き布(100均でも入手可能)
金属磨き布は一見ただの布の切れ端のようですが、プラどころか金属が削れる優れものです。シャフトをリューターにつけて回しながらこれを当てるだけで、かなり摩擦抵抗が減るとされています。
さらに、トドメにフッ素コーティング剤(ケリーなど)を塗布することで、金属部分の摩擦をさらに減らすことができます。ギアにも使えるため、グリスのように使うのも良いでしょう。
まとめ:ミニ四駆MSシャーシのギア位置出しで駆動性能を引き出す
最後に記事のポイントをまとめます。
- MSシャーシのギア位置出しとは、モーターからタイヤまでのギア同士の位置関係を最適化する作業である
- カウンターギアのブレが異音と速度低下の主な原因となっている
- カウンターシャフト固定には瞬間接着剤法とプラベアリング法の2つがある
- モーターホルダーの隙間をブレーキスポンジなどで埋めることで安定性が向上する
- 520ベアリングは紫のピニオンギアを加工して固定するのが効果的である
- 異音の原因は6つのチェック項目で特定できる
- 絶縁ワッシャーを使った微調整が位置出しの基本となる
- シャーシの個体差があるため絶対的な正解はなく、自分のマシンに合わせた調整が必要である
- カウンターギアの面取りとシャフト磨きで摩擦抵抗を削減できる
- 位置出しは時間のかかる作業だが、マシンの速度向上と静音化に大きく貢献する
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- ミニ四駆作ってみた〜その414 「MSの駆動」
- 【正解は無い?】MSシャーシの駆動調整|ギヤの位置出し方法を紹介
- MS駆動効率を上げよう
- 86 ギア駆動を見直してみたよ 【前編】
- 【ミニ四駆】速度を出そうと思ったら⑤ギアチェック・駆動位置出し
- 【MSフレキ】スペアマシン製作日誌 その9 駆動系
- ミニ四駆やってみよう #4 【駆動位置出し】
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