ミニ四駆のリヤバンパー改造で注目を集めている「セイchan式アンカー」をご存知でしょうか。この改造法は、セイCHANさん(現Craft&Customaizing代表)が考案したリヤアンカーで、19mmローラーを後ろ寄りに取り付けられる画期的な設計として、2022年頃から東海・関東のレーサーを中心に広まりました。入手しやすいパーツで構成され、比較的簡単に作れることから、現在では多くのミニ四駆愛好家に支持されています。
この記事では、セイchan式アンカーの特徴から具体的な作り方、各ローラー径への対応方法、そして実際の取り付け方法まで、インターネット上に散らばる情報を収集・整理して徹底解説します。治具の活用法や引っかかり防止の工夫など、実践的なテクニックも網羅的にご紹介していきます。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ セイchan式アンカーの基本構造と5つのメリットを理解できる |
| ✓ 19mm・13mm・17mmローラーそれぞれの作り方がわかる |
| ✓ 治具を使った精度の高い加工方法を学べる |
| ✓ シャーシへの取り付け方と引っかかり防止の対策方法がわかる |
ミニ四駆セイchan式アンカーの基本構造と魅力
- セイchan式アンカーとは19mmローラーを後ろ伸ばしできる革新的な設計
- 入手しやすいパーツ構成が最大の特徴
- 軽量かつ高強度を両立する設計思想
- 治具を使えばさらに精度の高い加工が可能
- ローラー幅を最大105mmまで調整できる柔軟性
セイchan式アンカーとは19mmローラーを後ろ伸ばしできる革新的な設計
セイchan式アンカーは、13mm用の穴を活用することでリヤローラーを後方に伸ばせる独創的な構造を持っています。
通常、リヤアンカーで19mmローラーを使用する場合、他のローラー径に比べて取り付け位置が前寄りになってしまうという課題がありました。しかしセイchan式では、直プレートを後方に伸ばす配置により、フルカウル用フロントステーと同等、あるいはそれ以上に後ろへローラー位置を設定できます。
セイCHAN式アンカーは、支点を中心に円を描くことで、フルカウル用フロントステー同等、それよりもっと後ろにローラーを伸ばすことができます。
出典:【P!知識】セイCHAN式アンカーの考察|P lab co.ltd.,ウチダケイ/ポラ
この設計により、ローラーベースの最適化が可能となり、コーナリング性能の向上が期待できます。ただし、全体的なローラーベースが伸びやすくなる傾向があるため、フロントバンパー位置とのバランスを考慮する必要があります。
入手しやすいパーツ構成が最大の特徴
従来の後ろ伸ばしアンカーでは、フルカウルミニ四駆用のカーボンフロントステーやボールリンクマスダンパー用のカーボンプレートなど、入手困難なパーツが必要でした。
📦 セイchan式アンカーの必要パーツ
| パーツ名 | 型番 | 入手難易度 |
|---|---|---|
| HGカーボンリヤブレーキステー | 95155/95156 | ★☆☆(比較的容易) |
| HG 13・19mmローラー用カーボンマルチ補強プレート | 95065/15497 | ★☆☆(比較的容易) |
一方、従来の方法で必要だったパーツは以下の通りです。
| パーツ名 | 型番 | 入手難易度 |
|---|---|---|
| カーボンフロントステー(フルカウル用) | 95072 | ★★★(困難) |
| ボールリンクマスダンパー用カーボンプレート | 95387 | ★★★(困難) |
セイchan式では再販される可能性の高い汎用パーツのみで構成されているため、いつでも材料を揃えて製作できる点が大きなメリットです。
軽量かつ高強度を両立する設計思想
セイchan式アンカーは、軽量化と強度の両立という相反する要素を巧みに実現しています。
バンパー部分が空洞構造になっており、左右を橋渡しする部分も最小限に抑えられているため、一般的には約3~5g程度の軽量化が期待できると推測されます。それでいて、必要なバンパーの強度と剛性は確保されています。
⚖️ 軽量化のポイント
- ✓ バンパー中央部を空洞化
- ✓ 左右橋渡し部分の最小化
- ✓ 既存穴の活用による削り出し量の削減
- ✓ パーツ点数の最適化
バンパー部分が空洞になっていたり、左右橋渡しをする部分がなかったりと比較的軽く作れます。それでいて、必要なバンパーの強度と剛性は保たれています。
出典:【P!知識】セイCHAN式アンカーの考察|P lab co.ltd.,ウチダケイ/ポラ
この設計思想により、マシン全体の重量バランスを損なうことなく、リヤアンカーの機能を最大限に発揮できます。
治具を使えばさらに精度の高い加工が可能
セイchan式アンカーは既存穴をほぼ活用する設計のため、作業工程が少なく比較的簡単に製作できます。しかし、さらに精度を高めたい場合には専用治具の使用が推奨されます。
P!MODEL LABOから販売されている「CCアンカープレート」は、セイCHAN本人の監修により作成された治具で、以下の機能を提供します。
🔧 治具の主な機能
| 機能 | 効果 |
|---|---|
| 罫書きガイド | 正確な角度でプレートを配置可能 |
| ローラー幅出し | レギュレーション内での最適な幅調整 |
| 位置決め | 左右対称な加工を実現 |
治具の価格は880円(税込)で、19mm用と13mm用の2種類が用意されています。参考にしながらの加工が苦手な方や、精度の高い仕上がりを求める方には特におすすめです。
出典:P43 CCアンカープレート各種 | P!MODEL LABO STORE
ローラー幅を最大105mmまで調整できる柔軟性
セイchan式アンカーのもう一つの特徴は、ローラー幅の調整幅が広いことです。
考案者のセイCHAN本人は約104.8mmを狙って製作しているとされています。ミニ四駆のレギュレーションでは全幅105mm以内という規定があるため、ほぼギリギリまで幅を広げることが可能です。
📏 ローラー幅の調整範囲
- 最大幅:約104.8mm(レギュレーションギリギリ)
- 最小幅:任意に絞ることも可能
- 調整方法:プレートの取り付け角度で微調整
ただし、実際に製作する際には注意が必要です。タミヤの純正プレートをガイドにして19mm用穴位置に合わせると、幅が103mmになってしまうケースも報告されています。
ビスで固定して、19mmローラーを装着して初めて気づきました。103mm幅しかありません(-.-;)ミスッタ みなさんは治具を買ってください(^^;)
出典:セイCHAN式アンカーを作る | サバ缶のミニ四駆ブログ
リヤローラーの幅出しはフロントほど影響を考慮する必要がないとされていますが、コースレイアウトやマシンセッティングに応じて最適な幅を見極めることが重要です。
ミニ四駆セイchan式アンカーの作り方と取り付けテクニック
- 19mmローラー用の基本的な作り方手順
- 13mmローラーに対応させる加工のポイント
- 17mmローラーでの製作は工程増加に注意
- 土台プレートの加工で強度を確保する方法
- VZシャーシへの取り付け時の注意点
- 引っかかり防止ステーの重要性と製作法
- まとめ:ミニ四駆セイchan式アンカーで走りを進化させよう
19mmローラー用の基本的な作り方手順
セイchan式アンカーの基本となる19mmローラー用の製作手順を、具体的に解説します。
🛠️ 製作ステップ一覧
| ステップ | 作業内容 | 所要時間(目安) |
|---|---|---|
| 1 | 直プレートを2等分にカット | 5分 |
| 2 | カット面をヤスリで整える | 10分 |
| 3 | ブレーキステーのアンカー基部を5mmに拡張 | 5分 |
| 4 | 19mmローラーがレギュ内に収まるよう角度調整 | 15分 |
| 5 | 位置決めして1.6mm穴あけ | 10分 |
| 6 | 不要部分をカット | 10分 |
| 7 | もう1枚のプレートで補強 | 15分 |
ステップ1-3:下準備
まず「HG 13・19mmローラー用カーボンマルチ補強プレート(通称:直プレート)」を真ん中の50mm位置でカットします。カット後は4枚重ねてヤスリで削り、長さを揃えます。
直プレートを半分にカットします。カット後は重ねてヤスリで削り、長さを揃えます。ダイソーのとじ針を使うとズレません。
出典:【ミニ四駆】セイCHAN式アンカーを作ろう。その1。 – 5DESUです。
次に、ブレーキステーのアンカー基部となる穴を、4.8mm程度のダイヤモンドバーなどで5mmに拡張します。
ステップ4-6:メイン加工
19mmローラーを取り付けた際に全幅が105mm以内に収まるよう、直プレートをブレーキステーに角度をつけて配置します。この角度調整が最も重要で、治具を使わない場合は何度も確認しながら慎重に行う必要があります。
位置が決まったら1.6mmのドリルで穴あけを行います。2mmではなく1.6mmを使用する理由は、セイCHAN本人によれば以下の効果があるためです。
✓ めねじとして機能 ✓ ローラーベースのズレ防止 ✓ バンパーのガタ防止 ✓ ナットのゆるみ防止
ステップ7:強度確保
残りの直プレートを使って裏側から補強します。ビス取り付け位置は皿ビス加工を施し、プレートの端をカットして中央のバンパー間に挟み込むことで、しっかりと固定されます。
13mmローラーに対応させる加工のポイント
セイchan式アンカーは13mmローラーにも対応可能ですが、19mm用とは異なるアプローチが必要です。
13mmローラーを使用する場合、後ろ伸ばしの必要性が19mmほど高くないため、穴位置をそのまま活用すると、ほぼ直プレートを使用するのと変わらない配置になります。
🎯 13mm用の特徴
- 穴位置:より前寄りの配置が可能
- 後ろ伸ばし量:19mmより控えめ
- 加工難易度:やや低い
- 適用シーン:コンパクトなローラーベースが必要な場合
17mmだともう少し前寄り、13mmに至ってはそのまま直プレートを使うことに。穴位置をずらしたりすれば作れないことはありませんが、その分作業工程や新規穴あけが増える=作成コスパが悪い
出典:【P!知識】セイCHAN式アンカーの考察|P lab co.ltd.,ウチダケイ/ポラ
13mm用の専用治具も販売されており、より精密な位置決めが可能です。ただし、おそらく多くのレーサーにとっては、13mmローラーを使用する場合は従来の直プレート方式の方がコストパフォーマンスが良い可能性があります。
17mmローラーでの製作は工程増加に注意
17mmローラーでセイchan式アンカーを製作する場合、19mmと13mmの中間的な位置になるため、一定の工夫が必要です。
17mmローラーの場合、既存の穴位置では最適な配置にならないため、新規に穴あけを行うか、穴位置をずらす加工が必要になる可能性が高いです。
⚠️ 17mm用製作時の課題
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 穴位置調整 | 新規穴あけが必要になる可能性 |
| 作業工程 | 19mm用より増加 |
| 精度要求 | より高い位置決め精度が必要 |
| コスパ | 作業量に対する効果が限定的 |
一般的には、17mmローラーを使用する場合、セイchan式にこだわるよりも、他のアンカー方式を検討した方が効率的かもしれません。ただし、どうしてもセイchan式の構造を活かしたい場合は、治具をカスタマイズするなどの対応が考えられます。
土台プレートの加工で強度を確保する方法
セイchan式アンカーの土台となるブレーキステーの加工は、全体の強度を左右する重要なポイントです。
基本的な土台の構造は、ブレーキステーをベースにV字型に直プレートを配置する形状ですが、さらに強度を高めるための工夫がいくつか報告されています。
🏗️ 土台強度向上のテクニック
- 二重構造化:土台の上側にもう一枚プレートを追加
- 引っかかり防止の兼用:下側のステーを引っかかり防止プレートとして活用
- 接着剤の活用:瞬間接着剤で複数パーツを一体化
- 皿ビス加工の徹底:すべてのビス穴を皿ビス加工
修正案として土台の上側にもう一枚足して、下側についていたステーは引っ掛かり防止にしました。
出典:【ミニ四駆】新・リアバンパーを作る!➀19mmリア : サブカル”ダディ”ガッテム日記
また、土台部分のローラー高さにも注意が必要です。セイchan式を模倣して作ると、ローラー位置が低すぎてスロープで当たってしまうケースが報告されています。登りスロープでの接触は、マシンが予期しない方向に飛んでいく原因となるため、必ず高さ確認を行いましょう。
VZシャーシへの取り付け時の注意点
セイchan式アンカーは基本的に汎用性の高い設計ですが、VZシャーシに取り付ける際には特有の注意点があります。
VZシャーシは他のシャーシと比べてリヤ部分の形状が独特で、アンカーの稼働部分とシャーシが干渉する可能性があります。
📋 VZシャーシ取り付けチェックリスト
- ☑ シャーシとアンカー稼働部の干渉確認
- ☑ 必要に応じてシャーシ側の加工
- ☑ アンカーの可動域テスト
- ☑ ビスの長さ調整
- ☑ ロックナットの締め付けトルク確認
今回はシャーシと干渉してくる部分もあったため、シャーシ側をアンカーに合わせて加工。アンカーを動かして支障がないことを確認していきます。
出典:【セイchan式アンカー】メリットと作り方|19mmローラーを後ろに伸ばす工夫 | ムーチョのミニ四駆ブログ
シャーシ側を加工する場合は、強度が落ちないよう最小限の削りに留めることが重要です。また、VZシャーシ特有のFRP補強プレートとの兼ね合いも考慮に入れる必要があります。
引っかかり防止ステーの重要性と製作法
セイchan式アンカーを実戦投入する上で、引っかかり防止ステーは必須のパーツと言えます。
アンカーが後方に抜けすぎることを防ぎ、コースでの不意な引っかかりを軽減する役割を果たします。製作方法もいくつかのアプローチがあります。
🔨 引っかかり防止ステーの製作方法
| 方法 | 材料 | メリット | 難易度 |
|---|---|---|---|
| 端材活用法 | アンカー加工時の端材 | 形状がピッタリ | ★☆☆ |
| 新規製作法 | 余りカーボン | 自由な形状設計 | ★★☆ |
| FRP併用法 | FRPプレート | 強度が高い | ★★★ |
端材活用法の手順
- ブレーキステーをカットした後ろ部分を使用
- シャーシ取り付けプレートに瞬間接着剤で固定
- ヤスリで角を丸く整形
- アンカーとの接触面を調整
この方法は、カット時に出た端材を有効活用できるため、材料コストがかからず、形状もアンカー部分にピッタリ合うというメリットがあります。
今回はシャーシに取り付けているプレートに、アンカーを作った時の端材を貼り付けて使用。カットしただけなので、形としてはアンカー部分にピッタリのはず。
出典:【セイchan式アンカー】メリットと作り方|19mmローラーを後ろに伸ばす工夫 | ムーチョのミニ四駆ブログ
また、19mmローラーに合わせたローラーの引っかかり防止プレートも併せて製作することで、より完成度の高いリヤセクションが実現できます。
まとめ:ミニ四駆セイchan式アンカーで走りを進化させよう
最後に記事のポイントをまとめます。
- セイchan式アンカーは19mmローラーを後方に配置できる革新的な設計である
- 入手しやすいHGカーボンリヤブレーキステーと直プレートのみで製作可能
- 軽量かつ高強度を両立し、パーツ点数も最小限に抑えられている
- 治具を使用することで精度の高い加工が初心者でも可能になる
- 19mm用が最も作りやすく、13mmや17mmは工程が増える傾向にある
- ローラー幅は最大104.8mm程度まで調整でき、レギュレーションギリギリを狙える
- 土台の強度確保には二重構造化や適切な皿ビス加工が有効である
- VZシャーシへの取り付けでは干渉に注意し、必要に応じてシャーシ側を加工する
- 引っかかり防止ステーは加工時の端材を活用すると形状がピッタリ合う
- 全体のローラーベースが伸びやすいため、フロントとのバランス調整が重要である
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- 【P!知識】セイCHAN式アンカーの考察|P lab co.ltd.,ウチダケイ/ポラ
- 【ミニ四駆】セイCHAN式アンカーを作ろう。その1。 – 5DESUです。
- セイCHAN式アンカーを作る | サバ缶のミニ四駆ブログ
- 【セイchan式アンカー】メリットと作り方|19mmローラーを後ろに伸ばす工夫 | ムーチョのミニ四駆ブログ
- P43 CCアンカープレート各種 | P!MODEL LABO STORE
- 【ミニ四駆】新・リアバンパーを作る!➀19mmリア : サブカル”ダディ”ガッテム日記
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