ミニ四駆のMAシャーシは、その高い剛性と駆動の安定性から初心者から上級者まで幅広く支持されているシャーシです。しかし「最速を目指すにはどんな改造が必要なのか」「初心者でも取り組める効果的な改造はあるのか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。MAシャーシは確かに優秀ですが、適切な改造を施すことでさらなるポテンシャルを引き出すことができます。
本記事では、インターネット上で公開されている多数のMAシャーシ改造情報を収集・分析し、実際に効果が高いとされる改造テクニックを体系的にまとめました。基本的なパーツ選びから段階的な改造方法、さらには上級者向けのセッティングまで、MAシャーシの性能を最大限に引き出すための情報を網羅的にお届けします。
| この記事のポイント |
|---|
| ✅ MAシャーシの基本的な強化パーツと取り付け方法 |
| ✅ 初心者でも取り組める軽量化・駆動調整テクニック |
| ✅ フロント・リア別の効果的な改造アプローチ |
| ✅ B-MAXレギュレーションでの無加工改造ノウハウ |
MAシャーシ最速改造の基本アプローチ
- MAシャーシ改造の基本方針は剛性を活かしつつ軽量化すること
- 初心者向けMAシャーシ改造はパーツのポン付けから始める
- 駆動セッティングはMAシャーシの最大の強みを引き出すポイント
- フロントバンパーレス加工は改造の幅を大きく広げる手法
MAシャーシ改造の基本方針は剛性を活かしつつ軽量化すること
MAシャーシの最大の特徴は高い剛性にあります。この剛性の高さが駆動効率の良さにつながっていますが、同時にシャーシの重さというデメリットも生んでいます。
📊 MAシャーシの特性比較
| 項目 | MAシャーシ | MSシャーシ | FM-A/VZシャーシ |
|---|---|---|---|
| 重量(タイヤ・電池込み) | 約125g | 約124g | 約110g |
| 剛性 | 非常に高い | 高い | 中程度 |
| 駆動効率 | 優秀 | 優秀 | 要調整 |
| 改造難易度 | 易しい | やや難しい | 易しい |
複数の情報源で指摘されているように、MAシャーシは「ある程度のスピードまでは簡単に到達できるが、壁があってそこを越えるのが難しい」という特性があります。
MAシャーシを専門的に走らせているMAフレンズたちから聞いたんですがやはり「あと一歩!」のところでアイディアが無く伸び悩んでいるそうです。
この壁を突破するための基本方針は以下の通りです:
✨ 最速化のための3つの柱
- 剛性の維持:シャーシの強みである駆動安定性を損なわない
- 戦略的軽量化:強度に影響しない部分を中心に肉抜きを実施
- 制振性の向上:硬さゆえの跳ねやすさを改善する
特に注目すべきは、多くの改造者が「MAシャーシはヘタにいじらない方が良い」という結論に達している点です。駆動周りは基本的な処理だけで十分な性能が出るため、むしろバンパーやブレーキなどのセッティングに注力する方が効果的と言えます。
初心者向けMAシャーシ改造はパーツのポン付けから始める
MAシャーシ改造を始める際、最初から複雑な加工に挑戦する必要はありません。むしろグレードアップパーツ(GUP)のポン付けから始めることで、着実にマシン性能を向上させることができます。
🔧 最低限揃えたい基本パーツ
| パーツ名 | 効果 | 優先度 |
|---|---|---|
| MSシャーシ用ギヤベアリングセット | 駆動抵抗の低減 | ★★★★★ |
| カーボン強化8Tピニオンギヤ | 耐久性向上・軽量化 | ★★★★★ |
| HG丸穴ボールベアリング | 回転抵抗の削減 | ★★★★★ |
| MSシャーシゴールドターミナル | 電力供給の安定化 | ★★★★☆ |
| ブラック強化シャフト | シャフトの剛性向上 | ★★★★☆ |
これらのパーツは、MAシャーシの基本性能を底上げするために必須と考えられています。
これらのパーツはMAシャーシの基本性能を向上させるために使います。マシンの基本的な速度アップや耐久性を向上させることができる
出典:ミニ四駆改造アカデミー
📦 初心者におすすめのセット商品
- MAシャーシ ファーストトライパーツセット
- FRPプレート、ローラー、マスダンパーがセットに
- コストパフォーマンスが非常に高い
- 説明書通りの組み立てで基本改造が完了
- MAシャーシ サイドマスダンパーセット
- 制振性を手軽に向上できる
- 取り付け位置が工夫されており効果が高い
- MAシャーシ スターターパック
- マシンキット+改造パーツのセット
- B-MAXGPやGTアドバンスにも対応可能
特にスターターパックは、初心者が最初に購入するキットとして最適です。一般的には追加のGUPを少し足すだけで、それなりに完成度の高いマシンが作れると評価されています。
駆動セッティングはMAシャーシの最大の強みを引き出すポイント
MAシャーシの駆動系は、他のシャーシと比較してデフォルトで既に最適化されているという大きな特徴があります。両軸モーターを使用することでプロペラシャフトが不要となり、ギヤ同士の噛み合わせも安定しています。
⚙️ 基本的な駆動調整の手順
| 調整箇所 | 方法 | 効果 |
|---|---|---|
| ピニオンギヤ | カーボン強化タイプに交換 | 軽量化・耐久性向上 |
| スパーギヤ | 1.5mm穴あけ6箇所 | 軽量化(約0.5g) |
| カウンターギヤ | フッソコートギヤシャフト使用 | 摩擦抵抗の低減 |
| ギヤ位置出し | ハトメやワッシャーで調整 | ブレ軽減・駆動ロス削減 |
ただし、位置出しについては賛否両論があります。
MAシャーシには不要な個体シャーシもあると思います。場合によっては、ギア抵抗抜きやギヤの位置出しをする必要がないと思います。それだけMAシャーシは優秀
出典:子育て&ミニ四駆のブログ
実際、多くのMAユーザーが「駆動はほぼノーマルでOK」という結論に達しており、過度な調整は不要という見解が主流です。むしろ重要なのは以下の点です:
🔍 駆動周りで本当に重要な3つのポイント
- 適切なグリスアップ:ギヤ部分にはオイルペン、軸受けにはFグリスなど使い分ける
- ベアリング化:フルベアリング(車軸用620×4、カウンター用520×2)で回転抵抗を最小化
- 絶縁処理:ベアリングとホイール間に絶縁ワッシャーを入れてショート防止
これらの基本的な処理だけで、MAシャーシは十分な速度性能を発揮します。逆に言えば、駆動周りに時間をかけすぎるよりも、他のセッティングに注力した方が効果的かもしれません。
フロントバンパーレス加工は改造の幅を大きく広げる手法
フロントバンパーレス加工は、MAシャーシ改造においてセッティングの自由度を飛躍的に向上させる重要な改造です。純正バンパーでは実現できない低重心化やローラーベースの調整が可能になります。
🛠️ バンパーレス加工の基本手順
- カットラインの決定
- フロント:サイドのみカット
- リア:できるだけ低い位置でカット
- 切断方法
- ニッパーでも可能だが、リューター使用を推奨
- カッターのこ+リヤブレーキステーで真っ直ぐカット可能
- バンパーの自作
- FRPプレートやカーボンプレートを使用
- スライドダンパーやATバンパーの取り付けが可能に
バンパーカットをすることで軽量化にもなり、マシンに合わせたバンパーを取り付けられるなどのメリットも
出典:ムーチョのミニ四駆ブログ
難易度別の改造分類も参考になります:
📈 加工難易度レベル
| 難易度 | 改造内容 | 必要工具 |
|---|---|---|
| ★☆☆☆ | バンパーカット | ニッパー・カッターのこ |
| ★☆☆☆ | 軽量化(基本) | ニッパー・ヤスリ |
| ★★☆☆ | フロントアンダー平面化 | リューター・ダイヤモンド砥石 |
| ★★★☆ | 電池落とし | リューター・ピンバイス |
特にフロントアンダーの平面化は、MAシャーシ特有のアッパースラスト形状を改善し、ブレーキセッティングの幅を広げる重要な加工とされています。ただし、工具がない場合はアッパースラストを逆に活用する方法もあります。
MAシャーシ最速改造の実践テクニック
- フロント提灯とサイドマスダンパーの組み合わせで制振性を高める
- 小径24mmタイヤとギヤ比調整で最適なトルクバランスを実現する
- 無加工改造でもB-MAXレギュレーションで十分戦える性能が出せる
- まとめ:ミニ四駆MAシャーシ最速改造のポイント総括
フロント提灯とサイドマスダンパーの組み合わせで制振性を高める
MAシャーシの高剛性は駆動効率という長所をもたらす一方で、着地時の跳ねやすさというデメリットも生み出しています。この課題を解決する有効な手法が「ピタダンパー」と呼ばれる改造です。
💡 ピタダンパーの概要
ピタダンパーとは、通常であればどちらか一方しか採用しない「フロント提灯」と「サイドマスダンパー」を両方同時に取り付ける改造手法です。2023年に話題となり、多くのMAユーザーが採用しました。
| 制振手法 | 効果 | 重量増 | 取り付け難易度 |
|---|---|---|---|
| フロント提灯のみ | 中 | 約10g | 中 |
| サイドマスダンパーのみ | 中 | 約15g | 低 |
| ピタダンパー(両方) | 高 | 約25g | 中〜高 |
| MSフレキ(参考) | 非常に高 | – | 非常に高 |
フロント提灯+サイドマスダンパーという組み合わせによって、MAシャーシの制振性が上がっています
出典:ムーチョのミニ四駆ブログ
🔧 効果的な組み合わせ例
- フロント:提灯+ATスライドダンパー
- サイド:ARシャーシ用マスダンパー(低重心配置)
- リア:アンカーバンパー+スキッドローラー
この組み合わせにより、MAシャーシの弱点である「シャーシの硬さからくる跳ねやすさ」を効果的に軽減できます。ただしパーツ点数が増えるため、重量管理には注意が必要です。
別のアプローチとして、フロント提灯を無加工で取り付ける方法も存在します。FRPプレートを組み合わせることで、加工なしでも提灯が搭載可能になり、ストッククラスマシンでも制振効果を得られます。
小径24mmタイヤとギヤ比調整で最適なトルクバランスを実現する
タイヤ径とギヤ比の選択は、MAシャーシのスピードとトルクのバランスを決定する重要な要素です。特に小径24mmタイヤの採用は、現代のミニ四駆において主流となっています。
🎯 タイヤ径別の特性比較
| タイヤ径 | 最高速度 | トルク感 | 低重心性 | セッティング難易度 |
|---|---|---|---|---|
| 26mm(中径) | 高い | やや弱い | 普通 | 易しい |
| 24mm(小径) | やや高い | 良好 | 優秀 | やや難しい |
| 22.8mm(極小径) | 普通 | 要調整 | 非常に優秀 | 難しい |
実際の走行データからも、タイヤ径と速度の関係性が見えてきます。
現在のコースでのトップタイムは22秒切ったこの辺。このタイムを出した条件はマッハダッシュ、3.7:1ギア、ハイブリッド24mmタイヤです
⚙️ 推奨されるギヤ比とタイヤの組み合わせ
標準セッティング(24mmタイヤ)
- ギヤ比:3.5:1(超速ギヤ)または3.7:1(ハイスピードEX)
- モーター:マッハダッシュ~アトミックチューン2
- 特徴:バランス型、多くのコースに対応可能
高速特化セッティング(24mm~26mmタイヤ)
- ギヤ比:3.5:1
- モーター:アトミックチューン2以上
- 特徴:ストレート重視、着地安定性要配慮
低重心特化セッティング(22.8mm~24mmタイヤ)
- ギヤ比:3.7:1~4:1
- モーター:マッハダッシュ
- 特徴:安定性重視、ブレーキセッティングがシビア
小径タイヤを使用する際の注意点として、リアステーの高さ調整が必要になる場合があります。タイヤ径が小さくなると相対的にリアステーが低くなりすぎ、ブレーキセッティングの幅が狭まってしまうためです。
この問題への対処法として、シャーシの一部をダイヤモンド砥石で削り、リアステーの取り付け位置を高くする加工が有効とされています。
無加工改造でもB-MAXレギュレーションで十分戦える性能が出せる
シャーシ加工が禁止されているB-MAXGPやGTアドバンスなどのレギュレーションでも、MAシャーシは高い競争力を発揮します。これはMAシャーシの「デフォルトで優秀な設計」という特性によるものです。
📋 無加工レギュレーション別の特徴
| レギュレーション | 主な制限 | MAシャーシの利点 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| B-MAXGP | シャーシ加工禁止 | ビス穴が多く改造しやすい | ★★★★★ |
| GTアドバンス | ベアリング禁止 | POMパーツ標準装備 | ★★★★☆ |
| ストッククラス | パーツ制限あり | 基本性能が高い | ★★★★☆ |
🎨 B-MAX仕様のポイント設定例
- フロントバンパー:既存のビス穴にFRPプレートを固定
- ブレーキ:シャーシ形状を活かしたバンクスルーブレーキ
- マスダンパー:サイドステーに標準的な取り付け
- ローラー:13mm~19mmのベアリングローラー
無加工でも幅広い改造ができるので、B-MAXGP用のマシンとしてもMAシャーシは人気
出典:ムーチョのミニ四駆ブログ
特筆すべきは、MAシャーシのフロントアンダー形状です。アッパースラスト気味になっているこの形状は、一見デメリットに見えますが、実は無加工でバンクスルーブレーキを設置しやすいという利点にもなります。
HGカーボンリヤブレーキステーやFRPリヤブレーキステーと組み合わせることで、加工なしでも効果的なブレーキセッティングが可能です。
まとめ:ミニ四駆MAシャーシ最速改造のポイント総括
最後に記事のポイントをまとめます。
- MAシャーシは高剛性と駆動効率の良さが最大の武器である
- 基本パーツ(ベアリング、強化ギヤ、ゴールドターミナル)の装着で大幅な性能向上が見込める
- 駆動系は過度な調整不要、基本的な処理のみで十分な性能が出る
- バンパーレス加工により改造の自由度が飛躍的に向上する
- ピタダンパー(提灯+サイドマスダンパー)で高剛性の弱点をカバーできる
- 小径24mmタイヤと3.5~3.7:1のギヤ比が現代の主流セッティング
- 電池落とし加工は約2mm下げられるが強度とのバランスが重要
- フロントアンダーの形状は工夫次第で無加工でも活用可能
- B-MAXGPやGTアドバンスなどの無加工レギュレーションでも高い競争力を持つ
- 最終的には「シンプルに作る」ことが速さへの近道となる
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- ミニ四駆作ってみた〜その425 「簡単高速MA製作その1」
- マシンは脳筋にするのが一番【ミニ四駆】|西山暁之亮
- 【ミニ四駆】ガチMAシャーシ⑯タイヤ径と速度
- 【まとめ】MAシャーシの改造方法を一挙公開!|ミニ四駆改造アカデミー
- 【簡単・速い】手っ取り早くミニ四駆を速くしたい人にはMAオープンマシンがオススメかも知れない?!
- 【ミニ四駆】MAシャーシでガチマシンを制作する【オススメ改造】
- 【低重心】2025年3月時点のMAのセッティングをご紹介!
- 【MAシャーシの改造】気になるメリットデメリット|実際のマシンと合わせて解説
- ミニ四駆MAシャーシ改造最速スピード計画旧シャーシ最速改造からの応用
- 【ミニ四駆】MAシャーシで作ってみた
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