ミニ四駆を本格的にカスタマイズしようとすると、必ずと言っていいほど直面するのが「ブレーキプレート」の問題です。レースでコースアウトを防ぎ、スロープやジャンプセクションでマシンを安定させるためには、適切なブレーキセッティングが欠かせません。しかし、ただブレーキスポンジを貼るだけでは十分な制動力が得られなかったり、すぐに剥がれてしまったりと、悩みは尽きないものです。
この記事では、ブレーキプレートの基本から応用テクニックまで、ネット上に散らばる情報を収集・整理してお届けします。特に重要な「斜めブレーキプレート」の作り方や角度調整、バンクスルーを実現するセッティング方法など、実践的な内容を網羅的に解説していきます。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ ブレーキプレートを斜めにすることで制動力が大幅に向上する理由 |
| ✓ 治具を使った再現性の高いブレーキプレート加工方法 |
| ✓ バンクスルーを実現するための角度調整のコツ |
| ✓ ブレーキスポンジの種類と効果的な貼り方 |
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ミニ四駆のブレーキプレートで制動力を最大化する方法
- ブレーキプレートを斜めにする最大の理由は「面」で当てること
- バンクスルーできるブレーキプレートの角度は7.5度が目安
- FRPリヤブレーキステーセットは初心者の入門パーツとして最適
ブレーキプレートを斜めにする最大の理由は「面」で当てること
ミニ四駆のブレーキセッティングで最も重要なのは、ブレーキスポンジをコース面に対して「点」ではなく「面」で接触させることです。
通常、ブレーキプレートをシャーシ底面に対して平行に取り付けると、スロープなどの傾斜でマシンに角度がついた際、ブレーキスポンジの「角」だけがコースに当たってしまいます。この状態では以下のような問題が発生します：
📌 ブレーキが「点」で当たる場合の問題点
| 問題 | 影響 |
|---|---|
| 制動力不足 | 接触面積が小さいため十分に減速できない |
| スポンジの剥がれ | 一点に負荷が集中して接着面が剥離しやすい |
| 摩耗の速さ | 角部分だけが削れて数周で交換が必要になる |
| セッティングの不安定さ | 走行中にブレーキの効き方が変化する |
ブレーキプレートが斜めになっているのが分かると思います。見た感じかなりの加工技術が必要そうですよね？実は簡単にできます。
これを解決するのが斜めブレーキプレートです。ブレーキプレートに角度をつけることで、スロープの傾斜に合わせてブレーキスポンジ全体をコース面に密着させられます。その結果、制動力が格段に向上し、スポンジの剥がれも大幅に軽減されます。
バンクスルーできるブレーキプレートの角度は7.5度が目安
斜めブレーキプレートを作る際、最も重要なのが角度設定です。理想的なブレーキセッティングとは、「スロープではしっかり効かせつつ、バンクでは当たらない」状態、つまりバンクスルーを実現することです。
📐 コース別の角度と対応
| セクション | 角度 | ブレーキの理想状態 |
|---|---|---|
| 20°バンク | 約20° | 当てたくない（減速を避ける） |
| スロープ | 約15° | しっかり面で当てたい |
| ドラゴンバック | 変動 | 状況に応じて調整 |
実測によると、一般的な3レーンコースのスロープ路面角度は15°です。しかし、ブレーキが当たり始める位置の路面はまだ15°まで上がりきる手前であり、実際にはもっと浅い角度になっています。
私の経験上、ちょうどいいのは7.5°です。が、マシンによって微調整させる必要があるかもしれません。
出典：カンタン！斜めブレーキ
この7.5°という角度は、多くのレーサーが実践で得た経験値として広く共有されています。ただし、使用するタイヤ径やシャーシの特性、ブレーキスポンジの厚みによって最適値は変わるため、最終的にはバンクチェッカーなどで確認しながら微調整することをおすすめします。
FRPリヤブレーキステーセットは初心者の入門パーツとして最適
これからブレーキプレートの加工に挑戦するなら、まず手に入れたいのが**タミヤ公式のFRPリヤブレーキステーセット（グレードアップパーツNo.518）**です。
🛠️ FRPリヤブレーキステーセットの特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 価格 | 約286円（参考価格） |
| 材質 | FRP（繊維強化プラスチック） |
| セット内容 | リヤブレーキステー複数枚 |
| 評価 | Amazon評価4.5/5（927件） |
| 入手性 | 比較的入手しやすい |
このパーツセットは加工のベース材として最適です。FRPはカーボンに比べて加工しやすく、初心者でも削りやすい素材です。複数枚セットになっているため、失敗しても再チャレンジできる点も大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、Amazon等の販売サイトを見ると「過去1か月で300点以上購入されました」という表示があることから、人気商品で在庫切れになる可能性もあります。見つけたら早めに確保しておくことをおすすめします。
より強度や軽量性を求めるなら、HGカーボンリヤブレーキステーシリーズ（J-CUP限定品など）も選択肢になりますが、価格は800円～1,900円程度と高めです。まずはFRP製で加工の感覚を掴んでから、カーボン製にステップアップするのが賢明でしょう。
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ミニ四駆のブレーキプレート作成テクニックと実践的セッティング
- 治具を使えば再現性の高い斜めブレーキプレートが作れる
- ブレーキスポンジの種類は強さ順に理解することが重要
- ブレーキの貼り方次第で剥がれにくさが大きく変わる
- まとめ：ミニ四駆のブレーキプレートで走りを変える
治具を使えば再現性の高い斜めブレーキプレートが作れる
斜めブレーキプレートを作る際、フリーハンドで削ると左右の角度がズレたり、狙った角度にならなかったりと失敗しがちです。そこで活用したいのが加工治具です。
🔧 ブレーキプレート加工の治具オプション
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 市販の専用治具 | 角度調整が1°単位で可能 | 価格が高め（数千円） |
| 自作治具（余りパーツ） | コストゼロ、手軽 | やや不安定、作成に手間 |
| 丁番を使った方法 | スポンジ加工に便利 | プレート加工には不向き |
自作治具の作り方として、余ったミニ四駆パーツを組み合わせる方法があります：
✅ 必要なパーツ例
- 72mmシャフト × 3本
- マスダンパースクエア × 3個
- 各種スペーサー（12mm、6.7mm、3mm）
- 19mmローラー × 2個
- 11mmローラー × 2個
- モーターピニオン × 6個
これらを組み合わせて階段状の治具を作成し、ブレーキプレートを両面テープで固定してヤスリで削ることで、一定の角度を保ったまま加工できます。使用するローラーは傷がついても構わない古いものを使いましょう。
リューターがあれば格段に作業効率が上がりますが、ピンバイスと手動でも十分加工可能です。
市販の治具としては「ミニ四駆 ブレーキプレートアングルメーカー」などの製品があり、角度調整機能付きで精度の高い加工が可能です。本格的に取り組むなら投資する価値はあるでしょう。
ブレーキスポンジの種類は強さ順に理解することが重要
ブレーキプレートができたら、次はブレーキスポンジの選択です。タミヤからは主に3種類のブレーキセットが発売されており、それぞれ制動力が異なります。
🎯 ブレーキスポンジの強さ比較
| ランク | 商品名 | 色 | 特徴 | 厚さバリエーション |
|---|---|---|---|---|
| 最強 | GP.492 | レッド（実際はピンク） | 最も効きが強い | 1mm/2mm/3mm |
| 強 | – | グレー | レッドに近いが耐久性やや低い | 限定的 |
| 中 | – | ブラック | バランス型 | – |
| 弱 | GP.512 | ブルー（マイルド） | ソフトな効き | 1mm/2mm/3mm |
| 最弱 | – | グリーン | ほぼ使われない | – |
レッドとグレーはほぼ同等のブレーキ効果のようですがレッドに比べ消耗が激しいということと、グレーは厚さのバリエーションがないということで使用することが少ないようです。
実戦での使い分けポイント：
- 高速コース・ジャンプ多め → レッド（ピンク）ブレーキで確実に制動
- テクニカルコース → ブルー（マイルド）で繊細な調整
- タイヤ径が大きい → 厚さ3mmで地上高を稼ぐ
- 小径タイヤ → 1mm～2mmで調整
注意点として、グリーンブレーキは両面テープ処理もされていないため、実用性が低く、ほとんどのレーサーが使用していません。セット商品に含まれていても余ってしまうことが多いようです。
ブレーキの貼り方次第で剥がれにくさが大きく変わる
せっかく良いブレーキプレートを作っても、スポンジの貼り方が悪いとすぐに剥がれてしまいます。レース中のブレーキ剥がれはコースアウトに直結するため、確実な接着が求められます。
📋 ブレーキスポンジを剥がれにくくする工夫
基本的な貼り付け手順：
- プレート表面の油分や汚れを除去（パーツクリーナーなど）
- マルチテープを下地として貼る
- その上にブレーキスポンジを貼る
- しっかり圧着する
ブレーキスポンジの貼り付けにも両面テープを使っています。この一手間で、そのまま貼るよりも強力に接着できる上、剥がすときにキレイに剥がせます。
二重テープ方式が効果的です：
| 層 | 役割 |
|---|---|
| 第1層（マルチテープ） | プレートへの強力接着 |
| 第2層（両面テープ） | スポンジとの接着・交換の容易性 |
この方法なら、スポンジだけを剥がして交換する際も、プレート表面を傷めずにキレイに作業できます。レース中の急な調整にも対応しやすくなります。
また、スポンジの前端を少し巻き込み気味に貼ることで、スポンジの角がコースに引っかかりにくくなり、剥がれ防止効果がさらに高まります。プレートの先端を少し短めに削っておくと、この巻き込み加工がしやすくなります。
まとめ：ミニ四駆のブレーキプレートで走りを変える
最後に記事のポイントをまとめます。
- ブレーキプレートを斜めにすることで、スポンジが「点」ではなく「面」でコースに接触し、制動力が大幅に向上する
- バンクスルーを実現する理想的なブレーキプレート角度は7.5°が目安だが、マシン特性により調整が必要
- 初心者はFRPリヤブレーキステーセット（GP.518）から始めるのが加工しやすくコストも抑えられる
- 治具を使った加工により再現性が高まり、左右対称で精度の高いブレーキプレートが作成できる
- ブレーキスポンジはレッド（ピンク）が最強、ブルーがマイルドで、コースに応じて使い分けることが重要
- スポンジの貼り付けにはマルチテープ+両面テープの二重構造が剥がれにくく交換も容易
- バンクチェッカーなどでバンクスルーを確認しながら、ブレーキ位置の前後調整を行う
- 斜めブレーキ加工には丁番やベーシックボックスのスリーブなど身近な素材も活用できる
- 皿ビス加工を施すことでコース接触時のダメージを軽減し、より実戦的なセッティングになる
- カーボンプレートは強度・軽量性に優れるが、まずはFRPで感覚を掴んでからステップアップするのが賢明
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記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- Amazon.co.jp : ミニ四駆 ブレーキプレート
- 新たに始めるミニ四駆 第4話 ブレーキプレートを取り付けよう
- （りゅーいち式）簡単に作れる治具!ミニ四駆の斜めブレーキ治具を使ってみる
- めちゃくちゃ深堀りS2シャーシ その4 フロントバンパーとブレーキプレート
- ブレーキプレートのアレコレ
- 【ブレーキプレートの作り方】ブレーキを「点」ではなく「面」で｜重要なのは角度
- カンタン！斜めブレーキ
- ミニ四駆ブレーキステークリエイトプレート
- 【ミニ四駆】ブレーキセッティング Ver.2020改
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