ARシャーシは2012年に登場した片軸駆動のシャーシで、フルカウルミニ四駆シリーズを中心に採用されています。高い剛性と優れた駆動効率が特徴ですが、シャーシ重量やメンテナンス性の課題も抱えています。現代ミニ四駆ではMSフレキが主流となっている中、ARシャーシならではの改造アプローチが求められます。
この記事では、ARシャーシの基本的な改造から応用テクニックまで、実践的な情報を網羅的に解説します。駆動調整やギヤセッティング、軽量化の方法など、ARシャーシのポテンシャルを最大限引き出すためのノウハウを詳しくお届けします。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ ARシャーシの駆動調整で速度アップする具体的方法 |
| ✓ シャーシ剛性を活かした改造テクニック |
| ✓ 重量対策と軽量化の実践ポイント |
| ✓ おすすめのギヤ比とモーター選択 |
ミニ四駆ARシャーシ改造の基礎知識
- ARシャーシの特徴は剛性の高さと駆動の良さ
- 改造の基本は駆動ロスを抑えること
- 軽量化がARシャーシ改造の重要課題
ARシャーシの特徴は剛性の高さと駆動の良さ
ARシャーシの最大の特徴は、高い剛性による安定した駆動効率です。
📊 ARシャーシの主要スペック
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| ホイールベース | 82mm(FMAと同じ) |
| シャーシ重量 | 約123g |
| 駆動方式 | 片軸駆動 |
| 電池・モーター | アンダーエントリー方式 |
| 素材 | 低摩擦素材を一部使用 |
ARシャーシは本当に速い!使いこなせれば世界チャンピオンも夢じゃないシャーシです。
ARシャーシの構造的メリットとして、前後バンパーが一体化されており、サイドステーもシャーシと一体成型されています。この設計により、他のシャーシと比較してねじれや歪みが少なく、駆動力を効率よく路面に伝えられるのが大きな強みです。
⚙️ ARシャーシのメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 駆動がしっかりしている | シャーシが重い(123g) |
| シャーシ剛性が高い | メンテナンスがしづらい |
| 電池・モーター交換が楽 | 柔軟性を出しにくい |
| 駆動効率が良い | タイヤ23.5mm以下で車高問題 |
特に駆動面では、後に発売されたFM-AシャーシやVZシャーシにもARシャーシの設計思想が活かされているとされており、現代ミニ四駆の基礎を築いたシャーシといえるでしょう。
改造の基本は駆動ロスを抑えること
ARシャーシを速くするための最重要ポイントは、クラウンギヤとプロペラシャフトの関係性を最適化することです。
🔧 駆動調整の基本手順
- スパーギヤとクラウンギヤの間に1.5mmスペーサーを挟む
- モーターをしっかり固定する
- クラウンとペラシャの位置関係を調整する
- カウンターギヤの穴を瞬着で補強
クラウンとスパーの間に1.5mmスペーサーをかませてクラウンを押し付けるといった感じですが、そのままやってもなかなか駆動効率は良くならないので実際に自分のマシンで微調整を繰り返すしかありません。
実測データによる効果検証
あるテスト結果では、1.5mmスペーサーを追加することで以下の効果が確認されています:
| モーター種類 | スペーサーなし | スペーサーあり | タイム差 |
|---|---|---|---|
| ノーマルモーター | 62.90秒 | 61.93秒 | -0.97秒 |
| アトミックチューン | 51.34秒 | 51.18秒 | -0.16秒 |
| ハイパーダッシュ | 39.03秒 | 39.00秒 | -0.03秒 |
出典:saganoblog
特にノーマルモーターでの改善効果が大きく、駆動ロスの削減が速度向上に直結することがわかります。
さらに、モーターカバーに3mmブレーキスポンジを貼ることで、モーターのブレを抑制し、ピニオンギヤとプロペラシャフトの接触を防ぐことができます。一般的には、硬度の高いブルーのスポンジが推奨されます。
軽量化がARシャーシ改造の重要課題
ARシャーシの最大のデメリットは重量です。同じ片軸シャーシと比較しても重く、これが速度面での不利につながります。
📏 片軸シャーシ重量比較
| シャーシ | 重量 |
|---|---|
| ARシャーシ | 約123g |
| スーパーXXシャーシ | 約119g |
| スーパー2シャーシ | 約115g |
| スーパーTZ-Xシャーシ | 約115g |
そのため、ARシャーシの改造では電池抜きで総重量120g程度を目標とした軽量化が推奨されています。
✂️ 主な軽量化ポイント
- バンパーカット: 前後バンパーの不要部分をカット
- 肉抜き: シャーシ本体の厚み部分を削る
- 電池カバーの分割: 半分または2分割にして柔軟性も確保
- サイドシャーシのカット: 柔軟性を出したい場合
及第点として電池抜きの総重量が120gあたりをまずは目指すのが目標だと思います。VS、MS、VZあたりでは100gを切ってくるマシンがいるのでその重量差は考え物ですが
ただし、ARシャーシの特徴である剛性を失わないよう、削りすぎには注意が必要です。世界チャンピオンの海地選手はサイドまで抜いた上で補強しているとのことで、単に軽くするだけでなく、バランスが重要といえるでしょう。
電池カバーを半分にするだけでも、おそらく柔軟性が増し、着地時の衝撃吸収が改善されると考えられます。モーターカバー側を加工して接着すれば、2分割化も可能で、高速走行時の電池落下リスクも軽減できます。
ARシャーシ改造の実践テクニック
- おすすめギヤ比は3.5:1の超速ギヤ
- モーターはアトミックチューンかトルクチューンPROを選ぶ
- プロペラシャフトは中空タイプで軽量化
- 軸受けはHG丸穴ボールベアリングに交換すべき理由
おすすめギヤ比は3.5:1の超速ギヤ
ARシャーシで速度を追求するなら、ギヤ比3.5:1の超速ギヤセットが基本となります。
⚙️ ARシャーシ用ギヤセット
| シャーシ | 推奨ギヤセット |
|---|---|
| ARシャーシ(片軸) | スーパーXX・スーパーIIシャーシ用超速ギヤセット |
| MSシャーシ(両軸・参考) | ミニ四駆PRO MSシャーシ用超速ギヤセット |
超速ギヤは少ないモーター回転数で車輪を回せるため、スピードアップに直結します。ただし、一般的にはトルクが必要な立体コースでは3.7:1など、やや重めのギヤ比も選択肢となります。
🏁 ギヤ比による速度とトルクの違い
| ギヤ比 | 特徴 | 適したコース |
|---|---|---|
| 3.5:1(超速) | 最高速度重視 | フラットコース |
| 3.7:1 | 速度とトルクのバランス | 中規模立体コース |
| 4:1以上 | トルク重視 | 急勾配の多いコース |
ARシャーシの駆動の良さを活かすには、超速ギヤと適切なモーターの組み合わせが効果的です。ただし、駆動効率が高い分、ギヤへの負荷も大きくなるため、強化ピニオンギヤ(黒)の使用が推奨されます。
モーターはアトミックチューンかトルクチューンPROを選ぶ
ARシャーシに適したモーター選びは、シャーシタイプによって異なります。
🔋 シャーシ別おすすめモーター
| シャーシタイプ | おすすめモーター |
|---|---|
| 片軸(AR、VS、スーパーXX等) | アトミックチューンモーター / アトミックチューン2モーター |
| 両軸(MS、MA)※参考 | トルクチューンモーターPRO / トルクチューン2モーターPRO |
ARシャーシには、黒の強化ピニオンギヤだけな部分にも注意。ARシャーシは従来のシャーシより駆動効率が上がった分、ピニオンギヤへの負荷も大きくなっています。
出典:ムーチョのミニ四駆ブログ
モーター選択のポイント:
- ✅ 初心者にはアトミックチューンモーターが扱いやすい
- ✅ ピニオンギヤは必ずカーボン強化8Tピニオンギヤを使用
- ✅ ピニオンギヤ取り付け時はモーター軸の反対側を支えて押し込む
- ✅ 一度使ったピニオンギヤは使い回さない(緩んで性能低下)
モーター取り付け時には、モーターカバーにスポンジを貼ってモーターを固定し、接点圧も確保することが重要です。おそらく、これによりモーターのブレが抑えられ、駆動ロスが減少すると考えられます。
プロペラシャフトは中空タイプで軽量化
ARシャーシの駆動部品で見落とせないのがプロペラシャフトです。
🔩 プロペラシャフトの選択肢
| タイプ | 特徴 | 重量 | 速度 | 耐久性 |
|---|---|---|---|---|
| ノーマル(付属) | 標準的 | 重い | 普通 | 高い |
| 中空軽量タイプ | 軽量化 | 軽い | 速い | やや低い |
推奨されるのは1.4mm中空軽量プロペラシャフトで、軽量化と摩擦抵抗の低減により速度アップが期待できます。
中空プロペラシャフト導入の効果(300mタイムアタック):
| モーター | ノーマルシャフト | 中空シャフト | タイム差 |
|---|---|---|---|
| ノーマル | 57.06秒 | 56.78秒 | -0.28秒 |
| アトミックチューン | 48.03秒 | 47.68秒 | -0.35秒 |
| ハイパーダッシュ | 34.53秒 | 34.15秒 | -0.38秒 |
出典:saganoblog
すべてのモーターで速度向上が確認されており、高回転モーターほど効果が大きい傾向があります。
ただし、中空シャフトは強度面でやや不安があるため、練習では通常シャフト、レース本番で中空シャフトという使い分けも一案です。根元を斜めにカットしてシャーシに当たらないよう工夫することも推奨されています。
⚠️ ARシャーシ特有の問題点
最近分かったことですが、ARシャーシの問題点としてプロペラシャフトがたわむ事が挙げられます。シャーシ側のペラシャ押さえの位置関係で、前後の間隔が他のシャーシよりも長いため、大きな力が掛かるダッシュ系モーターを乗せると大きく歪みます。
このため、ペラシャ受けの補強も重要な改造ポイントとなります。
軸受けはHG丸穴ボールベアリングに交換すべき理由
ARシャーシ付属の低摩擦プラスチック軸受けも悪くありませんが、HG丸穴ボールベアリングへの交換は速度アップに最も効果的です。
🎯 軸受け比較データ
| 軸受けタイプ | ノーマルモーター | アトミックチューン | ハイパーダッシュ |
|---|---|---|---|
| 低摩擦プラ(付属) | 62.53秒 | 49.68秒 | 37.50秒 |
| HG丸穴ボールベアリング | 61.62秒 | 49.12秒 | 36.68秒 |
| タイム差 | -0.91秒 | -0.56秒 | -0.82秒 |
出典:saganoblog
どのモーターでも約0.5~1秒の短縮効果があり、これは今回紹介する改造の中で最も効果が高いとされています。
💡 ベアリング交換のメリット
- ✓ 回転抵抗が大幅に減少
- ✓ すべてのモーター・ギヤ比で効果あり
- ✓ 耐久性も向上
- ✓ 電池の持ちも良くなる
さらに、タイヤと軸受けの間にベアリングローラー用スペーサーを挟む改造も効果的です。ただし、この改造はモーターによって効果が異なり、おそらくダッシュ系モーター(ハイパーダッシュ等)では効果が高いものの、チューン系モーターでは逆効果になる可能性もあるとのデータがあります。
ベアリングローラー用スペーサーの効果:
| モーター | スペーサーなし | スペーサーあり | タイム差 |
|---|---|---|---|
| ノーマル | 61.62秒 | 61.50秒 | -0.12秒 |
| アトミックチューン | 49.12秒 | 49.31秒 | +0.19秒(悪化) |
| ハイパーダッシュ | 36.68秒 | 36.15秒 | -0.53秒 |
出典:saganoblog
このため、ダッシュ系モーター使用時のみスペーサーを追加するという使い分けが推奨されます。
まとめ:ミニ四駆ARシャーシ改造の実践ポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- ARシャーシは剛性が高く駆動効率に優れるが、重量がデメリット
- 駆動調整の基本はスパーとクラウンの間に1.5mmスペーサーを挟むこと
- モーターカバーにブレーキスポンジを貼ってモーターのブレを抑制する
- 電池抜きで総重量120g程度を目標に軽量化を進める
- ギヤ比は3.5:1の超速ギヤが基本、コースに応じて調整
- モーターはアトミックチューンモーターが扱いやすい
- プロペラシャフトは中空タイプに交換すると約0.3~0.4秒短縮
- 軸受けをHG丸穴ボールベアリングに交換すると約0.5~1秒短縮
- ベアリングローラー用スペーサーはダッシュ系モーター使用時に効果的
- ペラシャ受けの補強など、ARシャーシ特有の弱点対策も重要
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- 【ミニ四駆】保存版・ARシャーシを速くするには – サブカル”ダディ”ガッテム日記
- 【覚書】オープンARシャーシを始めて思った事 – Mr.Koldのミニ四駆奮闘記
- [雑記]ARはいいぞ ~正転のすすめ~ – 紅蓮の太陽
- [ミニ四駆]ARシャーシお手軽改造#1 – yu-ponのファミリーブログ
- ミニ四駆の改造の基本 – ミニ四駆制作改造情報局
- 【ARシャーシの改造】メリットデメリット – ムーチョのミニ四駆ブログ
- 【ミニ四駆】ARシャーシを速くする方法5選 – saganoblog
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