ミニ四駆のスピードアップを目指すなら、ギアの改造は避けて通れない道です。中でも「フローティングギア」という技術は、駆動効率を劇的に向上させる可能性を秘めた改造として多くのレーサーから注目を集めています。しかし、実際にやってみると想像以上に難しく、失敗例も少なくありません。
この記事では、フローティングギアの基本的な仕組みから具体的な加工方法、そして実際の効果まで、インターネット上で集めた情報を整理しながら詳しく解説します。ハトメやピニオンギアを使ったスパーギアの固定方法、カウンターギアの抵抗抜き、専用治具の活用法など、速度向上につながる実践的なテクニックを網羅的にご紹介していきます。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ フローティングギアの原理と速度向上への効果 |
| ✓ スパーギア固定の3つの方法とそれぞれのメリット・デメリット |
| ✓ カウンターギア加工の具体的な手順と専用治具の使い方 |
| ✓ レギュレーションを守りながら効果を最大化するコツ |
ミニ四駆のギアをフローティング化する理由と具体的な効果
- フローティングギアとは何か?駆動ロスを減らす仕組み
- スパーギア固定の3つの方法を比較検証
- ピニオンギアとゴムパイプで実現する最適な固定方法
フローティングギアとは何か?駆動ロスを減らす仕組み
フローティングギアとは、ギア内部の摩擦抵抗を限りなく減らし、シャフトとの接触を最小限にする改造技術のことを指します。通常、カウンターギアは内部のプラスチック部分とシャフトが接触することで摩擦が発生し、これが駆動ロスの原因となっています。
📊 フローティングギアの構造比較
| 項目 | ノーマル状態 | フローティング化後 |
|---|---|---|
| シャフトとの接触面 | プラスチック全面 | ベアリングのみ |
| 摩擦抵抗 | 大きい | 極小 |
| 回転の滑らかさ | 普通 | 非常にスムーズ |
| 加工難易度 | なし | 高い |
この改造の本質は、接触面積を減らすことにあります。カウンターギア内部の約4mm程度のプラスチック筒部分が大きく干渉しているため、ここを削り取ってベアリングを圧入することで、理想的には摩擦抵抗をほぼゼロに近づけることができるかもしれません。
カウンターギアの内部が干渉して駆動ロスが発生していることに気付き、接触面積を減らす構造を考えた
ただし、一般的にはこの改造は精密な工作技術を必要とし、手作業では限界があると言われています。ドリルで穴を拡張する際にギアが揺れてしまったり、真っ直ぐ穴を開けられなかったりすると、ギアが割れてしまうこともあるようです。
スパーギア固定の3つの方法を比較検証
フローティングギアの前段階として、まずスパーギアの固定も重要な改造ポイントです。スパーギアはシャフトよりも穴が少し大きめになっているため、遊びやガタつきが生じ、これが駆動効率を下げる原因となります。
🔧 スパーギア固定方法の比較表
| 固定方法 | 難易度 | 効果 | コスト | 推奨度 |
|---|---|---|---|---|
| ①ハトメを挟む | 低 | △ | 安い | △ |
| ②ピニオンギア+ゴムパイプ | 中 | ◎ | 普通 | ◎ |
| ③スパーギアを潰す | 高 | ○ | 安い | △ |
①ハトメを挟む方法は、おそらく最も手軽で多くのレーサーが試している方法でしょう。スーパー2シャーシなどでタイヤシャフトの軸受けとして使われるハトメを、前後のスパーギアの片側に1つずつはめ込みます。
しかし、実際の検証では意外な結果が出ているようです。
ハトメをはめる前は21.45秒だったタイムが、ハトメ装着後は21.5~21.8秒と遅くなってしまった。スパーギアは完全に固定されておらずわずかに揺れており、ハトメ自体も回りながら揺れてギアと接触し、摩擦抵抗を助長している可能性がある
スパーギアの揺れは減るものの、ハトメとギアの接触による新たな摩擦が発生し、「ジューーー」という音が聞こえてくることがあるとのことです。この方法は改造している感覚は得られますが、速度面では必ずしもプラスにならないかもしれません。
ピニオンギアとゴムパイプで実現する最適な固定方法
検証の結果、②ピニオンギア+ゴムパイプを使った固定方法が最も効果的だったようです。モーターに取り付けるピニオンギアの穴はシャフトに対してキツめに加工されているため、これを左右に配置してスパーギアを挟み込むことで、一切の揺れを止めることができます。
💡 ピニオンギア固定法の手順
✓ ステップ1: ピニオンギアのギア部分を削ってスリム化する
✓ ステップ2: シャーシ内の干渉部分をカットして装着スペースを確保
✓ ステップ3: 前後のスパーギアを左右からピニオンギアで挟み込む
✓ ステップ4: ゴムパイプで滑り止めを施し、走行中のズレを防止
この方法の最大のメリットは、駆動音が劇的に静かになることです。「ジャーーーー」という一定の音のみになり、異音が全く発生しなくなるとされています。100m走のタイムも1.4Vで21.45秒から21.28秒へと改善されたという検証結果もあります。
ただし、走行の衝撃でピニオン部分がズレてしまうことがあるため、ゴムパイプによる滑り止め対策は必須のようです。ゴムパイプは穴が小さく締め付けがある素材なので、この用途には最適だと考えられます。
ミニ四駆カウンターギアの加工技術とフローティング化への挑戦
- カウンターギア抵抗抜きの基本的な考え方
- 専用治具を使った安全で正確な加工方法
- フローティングギア830ベアリングの活用テクニック
- まとめ:ミニ四駆のギアをフローティング化する際の重要ポイント
カウンターギア抵抗抜きの基本的な考え方
カウンターギアの駆動効率を高めるには、内部の接触面積を減らすことが基本的な考え方となります。ノーマル状態のカウンターギアでは、ベアリングが噛む部分以外にも、内部の約4mm程度のプラスチック筒部分がシャフトと大きく干渉しています。
🎯 カウンターギア抵抗抜きの目的
| 目的 | 具体的な手法 |
|---|---|
| 接触面積の削減 | 内部のプラスチック筒を削る |
| ベアリングのみで支持 | 620ベアリングなどを圧入 |
| 摩擦抵抗の最小化 | プラスチック接触部分にオイル塗布 |
| 位置出しの精密化 | アルミスペーサーで固定 |
おそらく最も効果的なのは、カウンターギアの内部を2.5mm程度のドリルで段付き加工し、ベアリングを圧入する方法でしょう。この加工により、プラスチック部分の接触を最小限に抑えることができます。
加工後の状態では、支えるプラスチック部分が摩耗してくることが寿命の目安になるため、定期的なメンテナンスとチェックが必要になると推測されます。
専用治具を使った安全で正確な加工方法
カウンターギアの加工で最も難しいのは、ギアを固定して真っ直ぐ正確に穴を開けることです。手で押さえてドリルで穴を拡張しようとすると、ギアが揺れてしまったり、途中で割れてしまったりすることが多いようです。
📐 治具を使った加工手順
1️⃣ 治具の準備
・4:1ギアの背面の出っ張りを削る
・木の板にネジ釘で打ち付け、3つ均等に並べる
・中央にカウンターギアをセットできる構造にする
2️⃣ 位置決め
・6mmアルミスペーサーをドリルガイドとして使用
・ドリルが真っ直ぐ垂直になるよう調整
3️⃣ 穴開け作業
・5.9mmドリルを使用(620ベアリング用)
・慎重に少しずつ削っていく
・穴の中をヤスリで削り合わせて調整
市販の専用治具も存在しており、例えばMAシャーシのピニオン治具に1.8mm穴を開けてトラスビスで固定し、2.5mmドリルで拡張する方法が紹介されています。
MAシャーシのピニオン治具に1.8mm穴を開けてトラスビスで固定し、ビスの出っ張りがドリルを止めることで調節ができる治具を製作
専用のカウンターギア加工ツールも通販で入手可能で、5,800円程度で販売されているものもあります。これには加工用ツールとカッター、キャップなどが付属しており、ギア貫通やフローティング化、任意の位置でのギア軸部削り込みができるとされています。
フローティングギア830ベアリングの活用テクニック
フローティングギア化で使用されるベアリングとしては、620ベアリングや830ベアリングがよく用いられます。これらは直径6mmの小型ベアリングで、カウンターギア内部に圧入して使用します。
🔩 ベアリング選択と位置出しのポイント
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 推奨ベアリング | 620(幅のあるタイプ)、830 |
| 圧入方法 | 穴径を調整してから慎重に圧入 |
| 位置出し(表側) | 3mmアルミスペーサー×1 |
| 位置出し(裏側) | 1.5mmアルミスペーサー×1+小ワッシャー×2(リア側は1枚) |
位置出しは非常に重要で、わずかなズレでもギアの噛み合わせに影響し、「ギャギャギャギャ」という異音の原因となります。アルミスペーサーと小ワッシャーを組み合わせることで、シャーシにしっかり固定しながら正確な位置に調整できるかもしれません。
ただし、手作業での加工では限界があり、寸分狂わぬ精度を求めるなら工作機械が必要になる可能性も指摘されています。実際の検証では、せっかく時間をかけて加工しても異音が発生してしまい、正確な加工ができていなかったという失敗例も報告されています。
一般的には、プラスチック接触部分にオイルを塗布して潤滑することで、摩擦をさらに減らすことができると考えられています。
まとめ:ミニ四駆のギアをフローティング化する際の重要ポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- フローティングギアはギア内部の摩擦抵抗を減らし、駆動効率を向上させる改造技術である
- スパーギアの固定方法として、ハトメ、ピニオンギア+ゴムパイプ、ギア潰しの3つの手法がある
- ピニオンギアとゴムパイプを使った固定が最も効果的で、音が静かになりタイムも向上する
- カウンターギア内部の約4mmのプラスチック筒部分が大きな駆動ロスの原因となっている
- カウンターギアの抵抗抜きには専用治具を使った正確な加工が不可欠である
- 620ベアリングや830ベアリングを圧入することで理想的なフローティング化が実現できる
- 位置出しにはアルミスペーサーと小ワッシャーを組み合わせた精密な調整が必要である
- 手作業での加工は限界があり、わずかな歪みでも異音や駆動効率低下の原因となる
- レギュレーションを確認し、公式ルールに適合する範囲での改造を心がけることが重要である
- 加工後のメンテナンスとして、プラスチック部分の摩耗チェックとオイル塗布が推奨される
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- 【ミニ四駆】かんたん!高性能フローティングギヤ製作 – YouTube
- 88 ギア駆動を見直してみたよ 【後編】 – ミニ四駆、もう一度始めてみたよ
- 【ミニ四駆】MA・簡易的な両軸フローティングカウンターギア : サブカル”ダディ”ガッテム日記
- ミニ四駆治具 カウンターギア加工ツール 《NO.58,59,60,62》 | すべての商品 | Craft & Customizing
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