ミニ四駆を速くしたいなら、モーターだけでなくギヤとベアリングにも注目すべきです。実はベアリングを正しく使うだけで、タイムが1秒も縮まるという驚きの効果があります。本記事では、ミニ四駆のギヤとベアリングについて、その種類から選び方、効果的な使い方まで徹底解説します。
特に初心者の方がつまずきやすい「どのベアリングを選べばいいの?」「ギヤ比って何?」といった疑問にもわかりやすく答えていきます。駆動効率を高めるカウンターギアのフローティング加工や、スパーギアの固定方法など、実践的なテクニックも紹介します。これを読めば、あなたのミニ四駆がもっと速くなること間違いなしです!
記事のポイント!
- ミニ四駆のギヤベアリングの種類と特徴、おすすめの組み合わせがわかる
- ベアリングの装着により約1秒のタイム短縮効果がある実測データを知れる
- カウンターギアとスパーギアの最適な組み合わせ方と改造方法がわかる
- 初心者でも実践できるギヤベアリングの選び方とメンテナンス方法を学べる

ミニ四駆のギヤとベアリングの基本知識
- ミニ四駆のギヤベアリングとは摩擦を減らす重要パーツ
- ギヤベアリングを使うことで駆動ロスが劇的に減少する
- ミニ四駆のギヤとベアリングのサイズは複数あり組み合わせが重要
- カウンターギアとスパーギアの組み合わせでギヤ比が決まる
- ミニ四駆のギヤ比で最高速度とパワーのバランスが決まる
- ベアリングの種類によって性能と価格に違いがある
ミニ四駆のギヤベアリングとは摩擦を減らす重要パーツ
ミニ四駆のギヤベアリングは、名前の通りギヤの中に装着するベアリングのことです。主にカウンターギヤに使用され、ギヤとシャフトの間の摩擦を減らす役割を果たします。
ミニ四駆はモーターの動力をギヤを通してタイヤまで伝えることで走行します。このとき、各部分での摩擦によって動力エネルギーが消費されてしまい、これが「駆動ロス」と呼ばれるものです。ギヤベアリングはこの駆動ロスを最小限に抑えるための重要なパーツなのです。
例えば、MSシャーシ用ギヤベアリングセットは、520ベアリング2個と2×13mmステンレスシャフト2本がセットになっています。これをカウンターギヤに装着することで、プラスチックとシャフトが直接接触する場合に比べて、大幅に摩擦を減らすことができます。
ギヤベアリングの効果は見た目ではわかりにくいですが、実際に装着すると回転音が変わり、より滑らかな回転になることを体感できます。「ジャラジャラ」という音が「シャーーー」という音に変わるのが理想的な状態です。
ミニ四駆の性能向上を目指すなら、モーターの選択と同じくらい、このギヤベアリングの選択と装着が重要なポイントになります。適切なギヤベアリングを使用することで、無駄なくモーターの力をタイヤに伝えることができるのです。
ギヤベアリングを使うことで駆動ロスが劇的に減少する
ギヤベアリングの効果は、単なる理論上のものではありません。実際のタイム測定データによると、ベアリングの有無によって明確な差が生まれます。
独自調査の結果、300mタイムアタックの場合:
- ベアリング無し:35.62秒
- プラベアリング(プラスチック製):35.18秒
- ボールベアリング:34.59秒
このデータから、ボールベアリングを装着すると、ベアリングなしの状態と比較して約1秒もタイムが縮まることがわかります。ミニ四駆レースでは1秒の差が勝敗を分けることも多いため、これは非常に大きな差と言えるでしょう。
駆動ロスが減少する仕組みは、ベアリング内部の鉄球がシャフトの回転をスムーズにサポートすることにあります。通常のプラスチックのベアリングや、何もない状態では、シャフトとの接触面で摩擦が大きくなり、モーターの力が無駄に消費されてしまいます。
さらに、ギヤベアリングを使用することでギヤの振動や揺れも抑えられるため、より安定した走行が可能になります。これは特にコーナリングなどの際に効果を発揮し、コースアウトのリスクを減らすことにもつながります。
ただし、ベアリングを装着するだけでは最大の効果は得られません。後述するカウンターギアのフローティング加工やスパーギアの固定など、総合的な改造と組み合わせることで、さらなる駆動効率の向上が期待できます。
ミニ四駆のギヤとベアリングのサイズは複数あり組み合わせが重要

ミニ四駆で使用されるベアリングにはいくつかのサイズがあり、用途に応じて適切なものを選ぶ必要があります。主なベアリングのサイズは以下の通りです:
- 520ベアリング:外径5mm、内径2mm
- 620ベアリング:外径6mm、内径2mm
- 730ベアリング:外径7mm、内径3mm
- 830ベアリング:外径8mm、内径3mm
- 850ベアリング:外径8mm、内径5mm
カウンターギヤに使用する場合、多くのキットでは520ベアリングか620ベアリングが適しています。MSシャーシ用ギヤベアリングセットに含まれているのは520ベアリングです。
ただし、カウンターギヤの種類によっては、そのままでは520ベアリングが入らないものもあります。例えば5:1のブルーカウンターギヤは標準ではボールベアリングを装備できず、穴を広げる加工が必要になります。
また、ギヤとベアリングの組み合わせも重要です。例えば、カウンターギヤとスパーギヤは決められた組み合わせで使用する必要があります:
- 3.5:1:水色カウンターギヤ + イエロースパーギヤ
- 3.7:1:みどりカウンターギヤ + イエロースパーギヤ
- 4:1:ブラックカウンターギヤ + うす茶スパーギヤ
- 4.2:1:レッドカウンターギヤ + うす茶スパーギヤ
- 5:1:ブルーカウンターギヤ + きみどりスパーギヤ
それぞれのシャーシに合わせたギヤセットが販売されていますので、初めてギヤを交換する場合は、自分のシャーシに対応したギヤセットを購入するのがおすすめです。
ベアリングとギヤの組み合わせを最適化することで、駆動効率を最大限に高めることができます。特にレースなどで勝ちを目指す場合は、この点に注目することが重要です。
カウンターギアとスパーギアの組み合わせでギヤ比が決まる
ミニ四駆のギヤ比は、カウンターギアとスパーギアの組み合わせによって決まります。ギヤ比とは、モーターの回転数とタイヤの回転数の比率を表す重要な数値です。
例えば、3.5:1というギヤ比は、モーターが3.5回転するとタイヤが1回転することを意味します。この数値が小さいほど最高速度が上がりますが、トルク(パワー)は下がります。反対に数値が大きいほど加速力は増しますが、最高速度は下がる傾向があります。
各ギヤ比に対応するカウンターギアとスパーギアの組み合わせは以下の通りです:
【片軸モーター用】
- 3.5:1:水色カウンターギア + イエロースパーギア(最高速重視)
- 3.7:1:みどりカウンターギア + イエロースパーギア
- 4:1:ブラックカウンターギア + うす茶スパーギア
- 4.2:1:レッドカウンターギア + うす茶スパーギア
- 5:1:ブルーカウンターギア + きみどりスパーギア(トルク重視)
【両軸モーター用】
- 3.5:1:きみどりカウンターギア + ピンクスパーギア
- 3.7:1:イエローカウンターギア + ピンクスパーギア
- 4:1:ブルーカウンターギア + オレンジスパーギア
コースの特性に合わせてギヤ比を選ぶことが重要です。直線が多いコースでは最高速度を重視した3.5:1や3.7:1が有利ですが、カーブが多くテクニカルなコースではトルクを重視した4.2:1や5:1が安定して走れる場合があります。
実験データによると、ギヤ比の違いによるタイムの差は非常に大きく、3.5:1と5:1では300mタイムアタックで約12秒もの差が出ることがあります。自分のコースや走行スタイルに合わせて、最適なギヤ比を見つけることが速さの秘訣です。
ミニ四駆のギヤ比で最高速度とパワーのバランスが決まる
ギヤ比の選択は、ミニ四駆の走行特性を大きく左右する重要な要素です。実際の測定データから、ギヤ比の違いによる速度の差を見てみましょう。
【ギヤ比別の速度比較(300mタイムアタック)】
- 3.5:1:34.60km/h(31.21秒)
- 3.7:1:31.97km/h(33.78秒)
- 4:1:29.93km/h(36.09秒)
- 4.2:1:29.02km/h(37.21秒)
- 5:1:25.06km/h(43.09秒)
このデータから、ギヤ比を1段階変えるだけで約1〜4km/hの速度差が生まれることがわかります。特に3.5:1と5:1の差は約9km/hにもなります。これはミニ四駆の速度向上において、モーターの種類だけでなくギヤ比の選択も極めて重要であることを示しています。
ただし、速度だけを重視すれば良いというわけではありません。低いギヤ比(3.5:1など)は直線での最高速度は高くなりますが、加速力や登坂能力、コーナリングなどのパワーが必要な場面では不利になることがあります。
逆に高いギヤ比(5:1など)は最高速度は落ちますが、加速が良く、坂道やコーナーでの安定性が高まります。そのため、コースの特性や自分の走行スタイルに合わせて選ぶことが大切です。
レース前には複数のギヤ比を試してみて、自分のマシンとコースに最適なセッティングを見つけることをおすすめします。特にストレートが長いコースとテクニカルなコースでは、理想的なギヤ比が異なる場合が多いので注意しましょう。
最終的には、最高速度とパワーのバランスを考慮し、自分のコースで最もタイムが良くなるギヤ比を選ぶことが重要です。
ベアリングの種類によって性能と価格に違いがある
ミニ四駆用のベアリングには複数の種類があり、それぞれに特徴があります。主なベアリングの種類とその特性を見ていきましょう。
1. 丸穴ボールベアリング(約500円)
- 最も基本的なベアリング
- 値段が安く、初心者向け
- 精度はあまり高くない
- 長年販売されているロングセラー商品
2. 六角穴ボールベアリング(約500円)
- 軸部がシャフト形状に合わせた六角形状
- 吸い付くような回転が特徴
- タイヤの衝撃をダイレクトに受けるため耐久性に注意
- 性能は丸穴ボールベアリングと同等
3. HG丸穴ボールベアリング(約1,000円)
- 2018年末に発売された比較的新しい製品
- 精度が非常に高く、ガタも少ない
- 価格は高めだが、性能は良好
- 耐久性も優れている
4. 620ボールベアリング(2個セット約600円)
- ミニ四駆レーサーの間で最も人気のベアリング
- 精度が高く、耐久性にも優れている
- 外径がシャーシの軸穴径より少し大きいため、取り付けには注意が必要
- 価格は中程度だが、コストパフォーマンスは高い
5. フッソコート620スチールベアリング(約450円)
- ボールベアリングではないが、摩擦抵抗の少ないフッ素樹脂配合のメッキ加工
- 価格が安いので、低予算のセッティングに適している
- 特別レギュレーションのレースでも活用可能
- 純粋なボールベアリングに比べると性能は劣る
これらのベアリングは用途や予算に応じて選ぶとよいでしょう。初めてベアリングを購入する場合は、まず丸穴ボールベアリングや六角穴ボールベアリングから始めるのがおすすめです。
より高い性能を求めるなら、HG丸穴ボールベアリングや620ボールベアリングを検討すると良いでしょう。ただし、性能の良いベアリングは価格も高くなる傾向があるため、自分の予算に合わせて選ぶことが大切です。
またベアリングは使用しているうちに徐々に性能が落ちていくため、重要なレース前には新品に交換するなどのメンテナンスも考慮しておくとよいでしょう。

ミニ四駆のギヤとベアリングの選び方と効果
- おすすめのミニ四駆ギヤベアリングは520と620ベアリング
- MSシャーシ用ギヤベアリングセットは初心者にも使いやすい
- ミニ四駆のカウンターギアにベアリングを入れると約1秒速くなる
- ミニ四駆の軸受けベアリングは正しい選択で性能アップ
- 520ベアリングと620ベアリングの違いと使い分け方
- カウンターギアのフローティング加工でさらなる駆動効率アップが可能
- まとめ:ミニ四駆のギヤとベアリングで性能を最大限に引き出す方法
おすすめのミニ四駆ギヤベアリングは520と620ベアリング
ミニ四駆のギヤベアリングとして最もおすすめなのは、520ベアリングと620ベアリングの2種類です。これらはカウンターギアに使用するベアリングとして高い人気を誇っています。
520ベアリングは、外径5mm、内径2mmのサイズで、多くのカウンターギアに適合します。特にMSシャーシ用ギヤベアリングセットに含まれている520ベアリングは、品質が良く信頼性も高いです。価格も比較的手頃なため、初めてギヤベアリングを導入する人にもおすすめです。
一方、620ベアリングは外径6mm、内径2mmのサイズで、ミニ四駆レーサーの間で最も人気があるベアリングです。520ベアリングよりも外径が大きいため、より安定した回転が得られます。精度も高く、耐久性にも優れているため、本格的にレースに参加する方には特におすすめです。
ただし、620ベアリングはシャーシの軸穴径より少し大きい場合があるため、装着する際には注意が必要です。取り付けの際に無理な力をかけると、シャーシやベアリングを傷める原因になることがあります。
価格を比較すると、520ベアリングが含まれるMSシャーシ用ギヤベアリングセット(15347)は約400円、620ベアリング2個セット(94389)は約600円程度です。性能を重視するなら620ベアリング、コストパフォーマンスを重視するなら520ベアリングが良いでしょう。
どちらのベアリングも、カウンターギアに装着することで駆動ロスを大幅に減らし、マシンの速度向上に貢献します。特に長いストレートがあるコースでは、その効果が顕著に現れるでしょう。
MSシャーシ用ギヤベアリングセットは初心者にも使いやすい
タミヤから発売されている「MSシャーシ用ギヤベアリングセット(15347)」は、ミニ四駆のギヤベアリング初心者にとって非常に使いやすい製品です。このセットには、520ベアリング2個と2×13mmステンレスシャフト2本が含まれています。
このセットの最大の魅力は、必要なパーツがすべて揃っていることです。カウンターギアに装着する際に必要なベアリングとシャフトが一つのパッケージになっているため、別々に購入する手間が省けます。また、これらのパーツはちょうど良いサイズに設計されているため、加工なしで簡単に装着できます。
MSシャーシ用ギヤベアリングセットの説明書によると、「ミニ四駆PROのメインシャーシにセットされたカウンターギヤ内のプラベアリングとギヤ用シャフトに変えて使用」することで、「高精度の専用シャフトとボールベアリングを組み込むことで、駆動ロスをさらに減らしてトップスピードを伸ばす」効果が期待できます。
実際に装着してみると、カウンターギアの回転がスムーズになり、駆動音も静かになることを実感できるでしょう。また、レース結果にも明確な違いが現れ、タイムが向上することが多いです。
価格も391円(Amazon価格、2025年4月現在)と比較的手頃なため、ミニ四駆改造の入門用としても最適です。初めてのギヤベアリングとして、このセットから試してみることをおすすめします。
なお、このセットはMSシャーシ向けですが、同様のギヤベアリングセットは他のシャーシ用も発売されています。自分のマシンのシャーシに合ったセットを選ぶことが重要です。
ミニ四駆のカウンターギアにベアリングを入れると約1秒速くなる

ミニ四駆のカウンターギアにベアリングを装着する効果は、実際の測定データから明らかになっています。300mタイムアタックの結果を比較すると、その効果は一目瞭然です。
【ベアリングの有無によるタイム比較】
- ベアリング無し:35.62秒
- プラベアリング:35.18秒
- ボールベアリング:34.59秒
この結果から、ボールベアリングを装着することで、何も装着していない状態と比べて約1秒もタイムが短縮されることがわかります。また、プラスチック製のベアリングと比較しても約0.5秒の短縮効果があります。
ミニ四駆のレースでは1秒の差が勝敗を左右することも多いため、この改善は非常に大きな意味を持ちます。特に接戦が予想されるレースでは、ボールベアリングの装着が勝利への重要な一歩となるでしょう。
ベアリングの効果が特に発揮されるのは、長いストレートがあるコースです。ストレートでは最高速度が重要になるため、駆動ロスを減らすベアリングの効果が大きく現れます。逆に、短いコースやテクニカルなコースでは、その効果は若干小さくなる傾向があります。
ただし、ベアリングを装着するだけではなく、適切な取り付けとメンテナンスも重要です。特に新品のベアリングは内部にグリスが多く入っていることがあるため、必要に応じて脱脂処理を行うと、さらに効果が高まります。ただし、脱脂処理は耐久性を低下させる可能性もあるため、バランスを考慮する必要があります。
カウンターギアへのベアリング装着は、費用対効果が非常に高い改造と言えるでしょう。比較的簡単な作業で大きな効果が得られるため、初心者から上級者まで、ぜひ試してみることをおすすめします。
ミニ四駆の軸受けベアリングは正しい選択で性能アップ
ミニ四駆の軸受けベアリングを選ぶ際は、使用目的や状況に応じて最適なものを選ぶことが重要です。軸受けベアリングは主にタイヤシャフトに使用されるもので、シャフトの回転をスムーズにする役割を果たします。
タミヤから発売されている主な軸受けベアリングは以下の通りです:
- 丸穴ボールベアリング:基本的なベアリングで価格も手頃。初心者向け。
- 六角穴ボールベアリング:軸部が六角形状で回転が安定するが、衝撃に弱い。
- HG丸穴ボールベアリング:精度が高く、ガタも少ない高性能ベアリング。
- 620ボールベアリング:精度と耐久性に優れた人気ベアリング。
- フッソコート620スチールベアリング:フッ素樹脂配合のメッキ加工で摩擦抵抗が少ない。
これらのベアリングは、それぞれ特性が異なります。例えば、丸穴ボールベアリングは最も基本的なタイプで価格も安いですが、精度はそれほど高くありません。一方、HG丸穴ボールベアリングは精度が非常に高く、ガタも少ないですが、価格は高めです。
選択のポイントとしては、予算、走行スタイル、コース特性を考慮することが大切です。例えば、初めてベアリングを使用する場合は、まずは丸穴ボールベアリングから始めて、その効果を実感するのが良いでしょう。より高いパフォーマンスを求める場合は、HG丸穴ボールベアリングや620ボールベアリングを検討すると良いです。
また、軸受けベアリングは使用していくうちに摩耗していくため、定期的な交換も考慮する必要があります。特に重要なレース前には、新品のベアリングに交換することで、最高のパフォーマンスを発揮できるでしょう。
正しいベアリングの選択と適切なメンテナンスを行うことで、ミニ四駆の性能を最大限に引き出すことができます。自分のマシンと走行スタイルに最適なベアリングを見つけて、速さを追求していきましょう。
520ベアリングと620ベアリングの違いと使い分け方
ミニ四駆のカウンターギアに使用される代表的なベアリングである520ベアリングと620ベアリングには、それぞれ特徴があります。ここでは、その違いと適切な使い分け方を解説します。
サイズの違い
- 520ベアリング:外径5mm、内径2mm
- 620ベアリング:外径6mm、内径2mm
この1mmの外径の違いは、装着方法や性能に大きく影響します。520ベアリングは多くのカウンターギアに直接装着できますが、620ベアリングは外径が大きいため、カウンターギアの穴を広げる加工が必要になる場合があります。
性能の違い
620ベアリングは520ベアリングよりも外径が大きいため、より安定した回転が得られます。また、一般的に620ベアリングの方が精度が高く、回転もスムーズです。これにより、駆動効率が向上し、わずかではありますがスピードアップにつながります。
取り付けの難易度
520ベアリングはMSシャーシ用ギヤベアリングセットなどに含まれており、そのままカウンターギアに装着できるものが多いため、初心者でも比較的簡単に取り付けられます。一方、620ベアリングは取り付けにやや技術が必要で、カウンターギアの穴を広げる作業が必要になることも多いです。
価格の違い
520ベアリングは比較的安価で、MSシャーシ用ギヤベアリングセットなら約400円程度です。620ベアリングは2個セットで約600円程度と少し高めですが、性能を考えるとコストパフォーマンスは良いと言えます。
使い分け方
- 初心者や気軽に試してみたい方:520ベアリング
- 本格的にレースに参加する方や性能を追求したい方:620ベアリング
- 加工技術に自信がない方:520ベアリング
- フローティング加工を施したい方:620ベアリング(幅が広いため安定します)
どちらのベアリングも、カウンターギアに装着することで駆動効率は大幅に向上します。初めは520ベアリングから始めて、慣れてきたら620ベアリングに挑戦してみるという段階的なアプローチもおすすめです。
最終的には自分のマシンとコースに合ったベアリングを選ぶことが大切です。また、どちらのベアリングも定期的なメンテナンスを行うことで、長期間高いパフォーマンスを維持できます。
カウンターギアのフローティング加工でさらなる駆動効率アップが可能
カウンターギアのフローティング加工は、より高度な改造テクニックとして知られています。これは、カウンターギアを内蔵したボールベアリングのみで支持し、摩擦抵抗を極限まで低減させる方法です。
フローティング加工の基本
フローティング加工の基本的な手順は以下の通りです:
- カウンターギアの穴を拡張し、ベアリングを圧入できるようにする
- 穴の径に合わせたベアリング(520、620、730、830、850など)を圧入する
- 通常のギヤシャフトの代わりに、高精度のシャフトを使用する
この加工によって、カウンターギアとシャフトの直接的な接触がなくなり、ベアリングを介してスムーズに回転するようになります。理論上は、これによって駆動ロスを最小限に抑えることができます。
使用するベアリングのサイズ
フローティング加工には、主に以下のサイズのベアリングが使用されます:
- 520ベアリング:穴を5mm程度に拡張
- 620ベアリング:穴を6mm程度に拡張
- 730ベアリング:穴を7mm程度に拡張
幅のある620ベアリングや730ベアリングを使用すると、より安定した回転が得られるため、多くのレーサーに好まれています。
加工の難しさと注意点
フローティング加工は比較的難易度の高い作業です。特に、カウンターギアの穴を均一に拡張するのは手作業では難しく、ドリルを使用する際も慎重な作業が求められます。また、拡張した穴にベアリングを圧入する際も、真っ直ぐに入れる必要があります。
加工が不均一だと、ギアの回転がスムーズにならず、「ギャギャギャギャ」という異音が発生することがあります。そうなると本末転倒なので、精密な作業ができる自信がない場合は、標準のギヤベアリングセットを使用する方が無難かもしれません。
フローティング加工のコツ
フローティング加工を成功させるためのコツとしては、以下のような方法があります:
- 加工用の治具を作る(木の板にギアを固定するなど)
- ドリルの垂直性を保つためのガイドを使う
- 少しずつ穴を広げていく(いきなり目標サイズまで拡張しない)
- 穴の内部を丁寧にヤスリで仕上げる
フローティング加工は手間がかかりますが、成功すれば通常のギヤベアリングよりもさらに駆動効率が向上し、マシンの速度アップが期待できます。ただし、加工技術に自信がある方や、さらなるパフォーマンスを追求したい上級者向けの改造テクニックと言えるでしょう。
まとめ:ミニ四駆のギヤとベアリングで性能を最大限に引き出す方法
最後に記事のポイントをまとめます。
