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ミニ四駆 エンペラー 歴代モデルを完全網羅!初代から最新版まで超濃密解説 🏆

ミニ四駆 エンペラー 歴代モデルを完全網羅!初代から最新版まで超濃密解説 🏆
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ミニ四駆の世界で不動の人気を誇る「エンペラー」シリーズ。1988年に「ダッシュ!四駆郎」の主人公マシンとして登場して以来、30年以上にわたって多くのファンを魅了し続けています。初代モデルから最新版まで、その進化の歴史はミニ四駆そのものの歩みと重なる部分も多く、コレクターにとっても特別な存在となっています。

エンペラーシリーズには、初代エンペラーをはじめ、スーパーエンペラー、グレートエンペラー、プロトエンペラー、ジオエンペラーなど多彩なバリエーションが存在します。シャーシの進化やカラーリングの変更、限定版の登場など、その全貌を把握するのは一筋縄ではいきません。この記事では、エンペラーシリーズの歴代モデルを徹底解説し、その魅力に迫ります。

記事のポイント!

  1. エンペラーシリーズの全ラインナップとその特徴を時系列で把握できる
  2. 各モデルの搭載シャーシの違いと性能の変化を理解できる
  3. 漫画「ダッシュ!四駆郎」における設定や活躍シーンについて知ることができる
  4. 限定版やカラーバリエーション、現在の入手難易度まで詳しく解説

ミニ四駆 エンペラー 歴代モデルの登場と進化

  1. 初代エンペラーは1988年に登場し公募デザインから誕生した
  2. エンペラーのタイプ3シャーシ版は1990年に発売されスピード向上を実現
  3. スーパーエンペラーは1990年に登場した正統進化形モデル
  4. グレートエンペラーは1991年に発売されたエンペラーの最終形態
  5. プロトエンペラーZXは1992年に登場した原始形態の設定
  6. ジオエンペラーは1995年に発売されたエンペラーシリーズの最後の正統後継車

初代エンペラーは1988年に登場し公募デザインから誕生した

「ダッシュ1号・皇帝(エンペラー)」の歴史は、コロコロコミックにて開催された「ダッシュ1号デザインコンテスト」から始まります。驚くべきことに、応募総数は3万通以上を記録。その中からグランプリに選ばれたデザインを、漫画家の徳田ザウルス氏がまとめあげた形で誕生しました。

1988年9月にレーサーミニ四駆シリーズのNo.12として正式に発売された初代エンペラーは、タイプ1シャーシを採用していました。バギーカーのようなデザインに丸型ライトが特徴的で、カウル前方には「496」(ヨンクロー)というマーキングがされています。この数字は、主人公である日ノ丸四駆郎の名前に由来しています。

興味深いことに、実際の市販品は試作モデルから大幅な修正が加えられています。コロコロコミック1988年5月号に掲載された試作モデルと比較すると、フロントノーズが短かったり、インテークやウイングが大きかったりと、全体的なバランスが見直されていることがわかります。

初代エンペラーの発売は、ミニ四駆ブームの幕開けとなる重要な出来事でした。エンペラーが発売された1988年は、コロコロコミックでの「ダッシュ!四駆郎」連載の影響もあり、いわゆる「第一次ミニ四駆ブーム」の始まりの年となりました。

なお、初代エンペラーは一般発売に先駆け、第1回ジャパンカップで先行発売されたという事実も見逃せません。ジャパンカップは全16会場で開催され、5万600人を動員する大イベントとなりました。エンペラーとジャパンカップ、そして第一次ミニ四駆ブームは密接に関連していたのです。

エンペラーのタイプ3シャーシ版は1990年に発売されスピード向上を実現

1990年1月、初代エンペラーの発売から約1年4ヶ月後、タイプ3シャーシを搭載した新バージョンのエンペラーが登場しました。このモデルは、初代のオフロード指向のスパイクタイヤから、スリックタイヤを採用し、よりスピード重視の設計となっています。

タイプ3シャーシは、タイプ1シャーシを軽量化し、ベアリングやローラーが標準で装備可能となった進化版です。このシャーシがエンペラーに採用されたことで、走行性能が大幅に向上しました。また、ボディ裏面には軽量加工できるよう溝が彫り込まれているなど、レース志向の強い設計となっています。

さらに注目すべき点として、標準のギアが変更されています。これまでの11.2:1のパワーギアから、5:1のハイスピードギア(元々はグレードアップパーツ「チューンナップギアセット」のもの)に変更されており、よりスピードを追求できる仕様となりました。

このタイプ3シャーシ版エンペラーは、第一次ミニ四駆ブームの真っ只中で登場したこともあり、多くのミニ四駆ファンに愛用されました。当時の子どもたちにとって、エンペラーはダッシュ四駆郎の愛機であるという特別な存在でした。

2005年には「メモリアルボックス」の第1弾の一つとして復刻版も販売されました。興味深いことに、このキットはタイプ1シャーシでしたが、ボディはタイプ3版が採用されていました。また、2007年には「ミニ四駆グレードアップパーツセット クラシック Vol.3」にエンペラーの金メッキボディ(ステッカーは透明素材)が同梱されるなど、長く愛され続けるモデルとなっています。

スーパーエンペラーは1990年に登場した正統進化形モデル

1990年6月、エンペラーの正統進化形として「ダッシュ01号・超皇帝(スーパーエンペラー)」が発売されました。原作漫画「ダッシュ!四駆郎」では、「スーパーVシステム」なる自動変速システムを搭載し、エンペラーに次ぐ四駆郎の愛機として描かれていました。

製品版スーパーエンペラーはタイプ3シャーシを採用しており、エアロダイナミクスを意識したデザインが特徴です。エンペラーと比較すると、よりシャープでスポーティな印象を受けるボディ形状となっています。カラーリングも特徴的で、鮮やかな赤色を基調としたデザインが目を引きます。

その後、2000年代に入ると、スーパーエンペラーにもバリエーションモデルが登場します。2008年頃にはMSシャーシ専用にアレンジされたボディが発売されました。このモデルは、フロントとリヤのサスペンションやエンジン、ライトなどを別パーツとして用意し、リアルさを追求。また、専用のディスプレイバンパーも付属し、コレクション性の高いモデルとなりました。

さらに「プレミアム(スーパーⅡシャーシ)」版も登場し、メタリックグレイのABS製スーパーⅡシャーシを採用したグレードアップバージョンも発売されました。大型スリックタイヤに真っ赤な6本スポークホイールを組み合わせた、プレミアム感溢れるマシンとなっています。

スーパーエンペラーは、エンペラーと同様に第一次ミニ四駆ブームを支えた象徴的なマシンの一つです。特に原作ファンにとっては、主人公・四駆郎の成長とともに進化するマシンとして特別な思い入れがあるモデルといえるでしょう。今でも多くのファンにコレクションされ、改造ベースとしても人気を誇ります。

グレートエンペラーは1991年に発売されたエンペラーの最終形態

1991年9月、エンペラーシリーズのさらなる進化形として「ダッシュ001号・大帝(グレートエンペラー)」が発売されました。このマシンは、スーパーエンペラーのグレードアップバージョンとなる設定で、漫画「ダッシュ!四駆郎」の最終盤で主人公・四駆郎が使用するマシンとしても描かれています。

グレートエンペラーは、スーパーエンペラーよりもさらに洗練されたエアロダイナミクスを追求したデザインが特徴です。ボディ形状は低くシャープに、そして空気抵抗を減らす工夫がされています。カラーリングは白を基調としており、エンペラー、スーパーエンペラーと続く系譜の中で、よりハイテクな印象を与えるデザインとなっています。

オリジナルのグレートエンペラーはタイプ3シャーシを搭載していましたが、後年には「プレミアム(スーパーⅡシャーシ)」版も登場しました。このモデルはABS製のスーパーⅡシャーシを採用し、ダークグレイのボディカラーに、ゴールドの小径ホイールとラジアルタイヤの組み合わせが特徴です。洗練されたデザインと高級感ある仕上がりで、コレクション価値の高いモデルとなっています。

グレートエンペラーの登場時期は、第一次ミニ四駆ブームの終盤にあたります。しかし、その後も複数のバージョンが発売され続けたことからも、エンペラーシリーズの根強い人気がうかがえます。多くのミニ四駆愛好家たちの心を捉え続ける存在となっています。

漫画においてもグレートエンペラーは、四駆郎の成長の集大成として描かれており、ファンにとっては思い入れの深いマシンです。特に、物語のクライマックスで活躍するシーンは、多くの読者の記憶に残っています。こうした漫画での活躍も、グレートエンペラーの人気を支える重要な要素となっているでしょう。

プロトエンペラーZXは1992年に登場した原始形態の設定

1992年2月、エンペラーシリーズに新たな側面を加える「原始大帝(プロトエンペラーZX)」が発売されました。このマシンは、名前が示す通り、エンペラーの「原始形態」という設定で登場しました。つまり、エンペラーが誕生する前の原型となるマシンという位置づけです。

プロトエンペラーZXは、エンペラーの要素を残しつつも、より荒々しく原始的なデザインが特徴です。丸型のヘッドライトはエンペラーと共通していますが、全体的なボディラインはより無骨でパワフルな印象を与えます。カラーリングもワイルドな印象で、通常のエンペラーシリーズとは一線を画しています。

このマシンは、タイプ3シャーシを採用していました。発売時期がタイプ5シャーシ登場(1992年3月)の直前だったこともあり、最新鋭のシャーシではありませんでしたが、依然として高い性能を誇っていました。

プロトエンペラーZXは、エンペラーシリーズのスピンオフ的な存在ながら、独自の魅力を持ったマシンとして多くのファンに受け入れられました。「原始形態」という設定は、ファンの想像力を刺激するものでした。「もしかしたら四駆郎がエンペラーを手に入れる前に、このマシンを使っていたのかもしれない」といった妄想を膨らませるファンも多かったようです。

実際の漫画作品内での登場シーンは限られていますが、その独特のデザインと設定により、コレクターにとっては魅力的なアイテムとなっています。現在では生産終了となっているため、中古市場でも高値で取引されることがあり、希少価値の高いモデルとなっています。

ジオエンペラーは1995年に発売されたエンペラーシリーズの最後の正統後継車

1995年5月、エンペラーシリーズの最後の正統後継車として「ダッシュCB①・大地皇帝(ジオエンペラー)」が発売されました。名前の「ジオ」は「地」を意味するギリシャ語の接頭辞で、文字通り「大地の皇帝」という意味を持っています。

ジオエンペラーは、それまでのエンペラーシリーズとは一線を画すデザインを採用しています。丸型ヘッドライトという特徴は引き継ぎつつも、よりアグレッシブで力強いボディ形状となっています。特に特徴的なのは大きなリアウイングで、高速走行時の安定性をアピールするデザインとなっています。

このマシンが登場した1995年は、第一次ミニ四駆ブームが終わり、新たな「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」による第二次ブームに移行する過渡期でした。そのためか、エンペラーシリーズの正統後継としては、このジオエンペラーが最後となりました。

ジオエンペラーは漫画「ダッシュ!四駆郎」での登場シーンは限られていますが、「エンペラーの正当後継車としては、このマシンが最後である」と言われるほど、エンペラーシリーズの集大成的な位置づけとなっています。特にエンペラーシリーズのファンにとっては、コレクションの締めくくりとして重要な意味を持つモデルです。

現在では生産終了となっているため、入手は難しくなっています。中古市場でも比較的高値で取引されることが多く、特に状態の良いものや未開封品は、コレクターにとって貴重なアイテムとなっています。エンペラーシリーズを語る上で欠かせない存在であり、その歴史を締めくくるにふさわしい魅力を持ったマシンといえるでしょう。

ミニ四駆 エンペラー 歴代シリーズの現代版と特別モデル

MSシャーシ版エンペラーは2008年に発売され完全新規設計となった

2008年、ミニ四駆PRO(プロ)シリーズとして、MSシャーシを搭載した新しいエンペラーが登場しました。この「MSエンペラー」は、従来の片軸モーター版とは異なり、両軸モーターを採用した完全新規設計のモデルとなりました。

MSシャーシ版エンペラーの最大の特徴は、ボディデザインが従来の片軸モーター版のレーサーミニ四駆版とは全く異なる点です。主な違いとしては、オリジナルでは別パーツで埋められていた飾り同然のダクトパーツが一体化され、実際に開口するようになりました。また、ギヤボックスとの干渉を避けるため右側のみ形状が異なっていた後部サスペンションが、ミッドシップレイアウトにより駆動系との干渉がなくなったため、左右対称のデザインになりました。

さらに、横幅が広くなり、フロントノーズも長く延ばされるなど、現代風にアレンジされています。このMSシャーシ版は、クラシックなエンペラーデザインを現代的に解釈し直した意欲作といえるでしょう。

2017年3月には「ブラックスペシャル」も限定発売されました。このモデルはブラックスモークのボディと蛍光イエローのシャーシに、ナローバレルタイヤとシルバーのライトウェイトホイールを組み合わせたスペシャルバージョンです。ステッカーもカーボンパターンを採用した高級感ある仕上がりで、2023年には再販も行われるほどの人気を博しました。

2018年6月にはジャパンカップ開催30周年を記念した「メモリアルモデル」も登場。シルバーメッキのボディにレッド(フロント・リアパーツのみ、センターはブラック)のシャーシを組み合わせ、タイヤもスリックタイヤに変更された特別仕様となっています。ボディには「SINCE 1988 JAPAN CAP 30 YEARS」のホワイトプリントロゴが入った、ファン垂涎のコレクションアイテムでした。

MSシャーシ版エンペラーは、当初「MSエンペラー」と呼ばれることが多く、プレミアム版のS2エンペラーと区別されています。初心者にはダブルシャフトモーターのこのMSエンペラーが扱いやすいと言われており、駆動効率を考え直して一から作り直されているため、走行性能も優れています。

スーパーⅡシャーシ搭載のプレミアム版は2012年に発売された

2012年3月、エンペラーの新たなバリエーションとして「エンペラープレミアム」が発売されました。このモデルの最大の特徴は、スーパーⅡシャーシ(S2シャーシ)の搭載です。スーパーⅡシャーシは1993年発売のスーパー1シャーシの改良型として開発されたもので、高い走行性能を誇ります。

エンペラープレミアムは、大径ホイールとスリックタイヤを組み合わせた仕様となっており、よりスピードを重視したセッティングが特徴です。また、ボディ色もABS樹脂製のブルーカラーが採用され、クラシックなエンペラーデザインに現代的な要素を取り入れた魅力的なモデルとなっています。

さらに、取り付け穴を増やしたフロントバンパーとリヤステーを装備し、拡張性を高めています。また4:2:1のスピードギヤを採用し、さらなるスピードアップを実現しています。元々のタイプ2シャーシ版ではD4・5部品を外しての装着が必要でしたが、S2シャーシではそれらを外さなくても装着できるようになり、使い勝手も向上しています。

このS2エンペラーは、カスタマイズの自由度が高いことも特徴の一つです。大径のホイール装着が可能な設計となっており、様々なホイールやタイヤとの組み合わせを楽しむことができます。そのため、レース志向の強いミニ四駆ファンにも支持されています。

現在も通常販売品として入手可能なS2エンペラーは、クラシックなエンペラーデザインを現代的な高性能シャーシで楽しみたいファンに人気です。また、歴代エンペラーを集めるコレクターにとっても、欠かせないバリエーションの一つとなっています。特にオリジナルエンペラーを知る世代からは、懐かしさと新しさが融合したモデルとして高い評価を受けています。

エンペラーシリーズには多数の限定版やカラーバリエーションが存在する

エンペラーシリーズの歴史の中で、数多くの限定版やカラーバリエーションが登場しています。これらの特別モデルは、コレクターにとって特に価値の高いアイテムとなっています。

まず注目すべきは、2005年に発売された「メモリアルボックス」に含まれるエンペラーです。このキットはタイプ1シャーシを採用していますが、ボディはタイプ3版のものが使用されています。また、同シリーズでメッキボディのメモリアルボックスも販売され、エンペラーのシルバーメッキバージョンが含まれていました。

2007年には「ミニ四駆グレードアップパーツセット クラシック Vol.3」に、エンペラーの金メッキボディ(ステッカーは透明素材)が同梱されました。金色に輝くエンペラーは、通常版とは一線を画す華やかさを持っています。

2015年には、「コロコロアニキ」3号の付録としてクリヤーオレンジ仕様のエンペラーボディが付属しました。このボディは片軸モーター用ではありましたが、ステッカーは付いていないシンプルな仕様でした。2024年現在も、バックナンバーでの入手が可能となっています。

2018年には、宮崎交通とのコラボモデルとして「フェニックス号30周年記念スペシャル」が発売されました。こちらはプレミアム版をベースにした特別モデルで、宮崎交通のバスをモチーフにしたデザインが特徴です。

さらに2025年には、タカラトミーとのコラボで、キャラトミカシリーズの「トミカプレミアムunlimited」のラインナップにエンペラーが加わりました。このミニカーは、ローラーが回転するギミックを備え、パッケージデザインもタミヤのボックスアートを意識したものになっています。車名のフォントもタミヤ仕様と、細部までこだわった作りとなっています。

景品としても、1989年発売のロッテ「ダッシュ!四駆郎チョコ」(点数を集めての応募で、メッキボディとパーツ色選択式のオリジナルミニ四駆キットがもらえるもの)や、2014年のエスケイジャパン扱いのアミューズメント向け景品用キット(VSシャーシ仕様、全4色)など、多様なバリエーションが存在します。

これらの限定版やカラーバリエーションは、エンペラーの長い歴史と人気を物語るものであり、多くのファンを魅了し続けています。特に限定版は発売後に価格が高騰することも多く、コレクション価値の高いアイテムとして注目されています。

エンペラーは漫画「ダッシュ!四駆郎」で主人公の愛機として活躍した

エンペラーが特別な存在となった大きな理由の一つに、漫画「ダッシュ!四駆郎」での活躍があります。この作品は、徳田ザウルス氏によって1987年11月から月刊コロコロコミックで連載が開始され、ミニ四駆の人気を大きく押し上げました。

漫画の主人公・日ノ丸四駆郎の愛機として登場したエンペラーは、様々な激闘を繰り広げます。物語の中でエンペラーは、四駆郎の成長と共に進化していく象徴的な存在として描かれています。特に注目すべきは、エンペラーの前方に刻まれた「496」というナンバー。これは「ヨンクロー」と読み、主人公の名前「四駆郎」に由来しています。

漫画内でのエピソードとしては、合宿中に四駆郎がチームに無断で強敵・鬼堂院陣と勝負した際、ゴール前で雷が直撃してエンペラーが大破してしまうという悲劇も描かれています。その後、皇快男児によって修理されるなど、ストーリー展開の重要な要素ともなっています。

また、作中では試走中に行方不明となって子供たちの遊び道具となってしまったこともあり、奪還するために勝負を挑んで取り返すというエピソードも。さらに、しばらくしてボディを変えてダッシュ軍団入りした別の人物に預けるシーンもあるなど、マシン自体にも物語があります。

漫画「ダッシュ!四駆郎」は1990年10月からはテレビアニメ化され、エンペラーはさらに多くの子どもたちの憧れとなりました。アニメでのエンペラーの活躍シーンは、当時の子どもたちに強い印象を残しました。

エンペラーが「ミニ四駆の顔」とも言える存在になったのは、この漫画やアニメでの活躍があったからこそです。単なる玩具ではなく、キャラクターとしての魅力を持ったマシンであることが、長年にわたる人気の秘密といえるでしょう。現在でも「ダッシュ!四駆郎」のファンにとって、エンペラーは特別な思い入れのあるマシンとなっています。

エンペラーシリーズは2019年のミニ四駆総選挙で2位を獲得する人気を誇る

エンペラーシリーズの人気は、長い年月を経ても衰えていません。その証拠に、2019年にTwitterで行われた「ミニ四駆総選挙」では、サイクロンマグナムと並んで同率2位を獲得しました。この結果は、エンペラーが旧世代のファンだけでなく、新しい世代のミニ四駆ファンからも高い支持を受けていることを示しています。

この総選挙では、様々な年代の名車が候補に挙がりましたが、特に初代ブームを象徴するエンペラーが上位に入ったことは、そのデザインや設定の普遍的な魅力を物語っています。丸いヘッドライトとバギーカーのようなボディスタイルは、時代を超えて愛される要素となっているようです。

現在、エンペラーシリーズは通常販売品として、S2シャーシのプレミアムとMSシャーシ版の二種類が入手可能です。両者はシャーシの開発時期や特性が異なるため、それぞれ「S2エンペラー」「MSエンペラー」と呼び分けられています。特に初心者におすすめなのはダブルシャフトモーターのMSエンペラーとされており、駆動効率を考え直してほぼ一から作られているため扱いやすいという特徴があります。

エンペラーの人気を支える要因としては、漫画やアニメでの活躍という背景だけでなく、実際のレースでの性能の高さも挙げられます。特にMSシャーシ版やS2シャーシ版は、現代のレース環境でも十分に通用する性能を持っており、懐かしさだけでなく実用性も兼ね備えている点が評価されています。

また、エンペラーは改造ベースとしても人気があります。特にボディ形状がシンプルで加工しやすいことや、各シャーシに合わせたバリエーションが存在することから、カスタマイズを楽しむファンも多いです。SNSなどでは、オリジナリティあふれるカスタムエンペラーを見かけることも少なくありません。

エンペラーの不動の人気は、ミニ四駆の歴史と共に歩んできたアイコン的存在であることの証明といえるでしょう。30年以上の時を経ても、なお多くのファンを魅了し続けるその魅力は、これからも色あせることはなさそうです。

エンペラーはミニ四駆の歴史と共に進化し現在でも新作が登場している

エンペラーシリーズは、ミニ四駆の歴史と共に歩み、進化を続けてきました。1988年の初代発売から現在に至るまで、様々なバージョンが登場しており、時代に合わせた進化を遂げています。

初代エンペラーが登場した1988年は、いわゆる「第一次ミニ四駆ブーム」の幕開けでした。その後、タイプ3シャーシへの移行、スーパーエンペラー、グレートエンペラー、プロトエンペラー、ジオエンペラーと展開し、第一次ブームを牽引する存在となりました。

2000年代に入ると、懐かしのミニ四駆人気の再燃とともに、メモリアル版や限定モデルなど、コレクション性を高めたエンペラーが続々と登場。2008年のMSシャーシ版、2012年のS2シャーシ搭載プレミアム版など、最新シャーシを搭載した現代版エンペラーも発売されました。

近年では、2018年のジャパンカップ開催30周年を記念した「MSエンペラー メモリアルモデル」や、宮崎交通とのコラボレーションモデル「フェニックス号30周年記念スペシャル」など、記念モデルも多数登場しています。また、2025年にはタカラトミーとのコラボレーションによるトミカ版エンペラーも発売され、その展開は多岐にわたっています。

このように、エンペラーは単なる懐かしのモデルにとどまらず、常に新しい形で再解釈され、発展し続けています。特に注目すべきは、新たなターゲット層の獲得に成功している点です。かつての子どもたちが大人になり、懐かしさから再びミニ四駆に触れるきっかけとなる一方で、そのデザインの普遍的な魅力は新世代の子どもたちの心も捉えています。

また、近年のミニ四駆では「第三次ブーム」と呼ばれる盛り上がりも見られますが、そのなかでもエンペラーは重要な位置を占めています。タミヤモデラーズギャラリー2017では、ミニ四駆ブームが「1988年〜:第1次ブーム」「1994年〜:第2次ブーム」「2012年〜:第3次ブーム」と定義されましたが、第1次ブームと第3次ブームを橋渡しする存在としても、エンペラーの役割は大きいといえるでしょう。

エンペラーシリーズは、これからも新たなバージョンや限定モデルが登場する可能性があり、その歴史はまだ終わっていません。ミニ四駆の象徴的存在として、これからも多くのファンを魅了し続けることでしょう。

まとめ:ミニ四駆 エンペラー 歴代モデルはミニ四駆の象徴的存在として今も人気

最後に記事のポイントをまとめます。

  1. 初代エンペラーは1988年に発売され、コロコロコミックの「ダッシュ1号デザインコンテスト」から生まれたデザイン
  2. タイプ3シャーシ版エンペラーは1990年に登場し、スリックタイヤとハイスピードギアを採用した
  3. スーパーエンペラーは1990年に発売され、「スーパーVシステム」という設定の自動変速システムを搭載
  4. グレートエンペラーは1991年に登場し、スーパーエンペラーのグレードアップバージョンとなる
  5. プロトエンペラーZXは1992年に発売され、エンペラーの「原始形態」という設定を持つ
  6. ジオエンペラーは1995年に登場し、エンペラーシリーズの正統後継としては最後のモデル
  7. MSシャーシ版エンペラーは2008年に発売され、両軸モーターを採用した完全新規設計
  8. S2シャーシ搭載のエンペラープレミアムは2012年に登場し、大径ホイールとスリックタイヤを組み合わせた
  9. エンペラーシリーズには多数の限定版やカラーバリエーションが存在し、コレクション価値が高い
  10. 漫画「ダッシュ!四駆郎」での主人公の愛機としての活躍が、エンペラーの人気の大きな要因
  11. 2019年のミニ四駆総選挙では同率2位を獲得し、世代を超えた人気を証明
  12. 現在も通常販売品としてMSシャーシ版とS2シャーシ版が入手可能