ミニ四駆FM-Aシャーシでマシンの速度を上げたいなら、ギアの位置出しは避けて通れない改造の一つです。しかし、「位置出しって何?」「抵抗抜きとどう違うの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。FM-Aシャーシは2017年発売と比較的新しいシャーシながら、その構造上の特性からギアの位置調整が速度に大きく影響するとされています。
この記事では、インターネット上に散らばるFM-Aシャーシのギア位置出しに関する情報を収集し、実践者たちの経験や知見をもとに、効果的な方法や注意点を整理してお届けします。初心者の方でも理解できるよう、基本的な考え方から具体的な手順まで、わかりやすく解説していきます。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ FM-Aシャーシのギア位置出しの基本的な考え方と目的が理解できる |
| ✓ クラウンギア・スパーギア・カウンターギアそれぞれの位置調整方法がわかる |
| ✓ 位置出しと抵抗抜きの違いや、効果を最大化するコツが学べる |
| ✓ 他シャーシ(AR、MA、VZ)との位置出し方法の違いも把握できる |
FM-Aシャーシにおけるギア位置出しの基本と効果
- FM-Aシャーシのギア位置出しとは、駆動効率を最大化する調整作業
- 位置出しと抵抗抜きは異なる概念だが、目的は同じ
- FM-A特有のカウンターギア問題を解決することが重要
FM-Aシャーシのギア位置出しとは、駆動効率を最大化する調整作業
ギアの位置出しとは、ワッシャーやスペーサーを使ってギアの位置を固定し、シャーシの壁やギア同士の不要な接触を防ぐ改造のことを指します。
素組み状態のFM-Aシャーシでは、ギアはシャーシの突起に触れることで位置が決まっていますが、この接触が摩擦抵抗となり、駆動力のロスにつながっているという考え方です。
🎯 位置出しで改善できる主な問題点
| 改善項目 | 効果 |
|---|---|
| シャーシ壁との接触 | 摩擦抵抗の削減 |
| ギアの噛み合わせ | トルク抜け防止 |
| カウンターギア中央壁との接触 | 異音・抵抗の解消 |
| プロペラシャフトとの距離 | 動力伝達効率の向上 |
FM-Aですが、最近のシャーシなだけあって駆動がいいです。実際、なにもしなくても全然走れます。でもなんだかんだ言って位置出しはやりたくなりますよね
一般的には、位置出しを行うことで駆動音が静かになり、スムーズな走行が可能になるとされています。ただし、調整が不適切だと逆に抵抗が増えてしまう可能性もあるため、慎重な作業が求められます。
位置出しと抵抗抜きは異なる概念だが、目的は同じ
「位置出し」と「抵抗抜き」という2つの言葉がありますが、これらは厳密には異なる概念です。
位置出しは基本的に抵抗を増やす改造です。ワッシャーやスペーサーなど余計なパーツをシャフトやギアに追加することになるため、それ自体が抵抗となります。しかし、少しの抵抗増加を許容してでも、以下の効果によって総合的に抵抗を減らすことを目指します:
📊 位置出しによる効果のバランス
- ✅ プラス効果
- シャーシ壁との接触抵抗の削減
- カウンターギア中央壁と他ギアの接触防止
- クラウンギアとプロペラシャフトの噛み合わせ改善
- ⚠️ マイナス効果
- 追加パーツによる摩擦抵抗の増加
- 調整ミスによる新たな接触の発生
結果的に、増えた分の抵抗より多くの抵抗を抜くことができればOKという考え方です。つまり、「位置を出すことで総合的に抵抗を抜く」というのが正しい理解と言えるでしょう。
FM-A特有のカウンターギア問題を解決することが重要
FM-Aシャーシには、他のシャーシにはないカウンターギアの傾き問題が存在します。
あるレーサーの検証によると、FM-Aのカウンターギアはモーター側が尻下がりになる傾向があり、これが様々な問題の原因になっているとのことです。
カウンターの穴からシャフトを挿入して確認すると、すごく斜めになる事が分かる。ギヤカバーに押さえられると、このような状態になる。モーター側が尻下がりだ
この傾きにより以下の問題が発生する可能性があります:
| 問題点 | 影響 |
|---|---|
| スパーギアとの噛み合わせ異常 | ギアの穴が舐めやすい |
| カウンターピンの保持不良 | ピンがクルクル回ってしまう |
| シャフトへの負荷 | クラウンギアの当たりが変化 |
| 駆動力のロス | 本来の性能が発揮できない |
解決策としては2つのアプローチがあるようです:
- クラウンギアを位置出ししてモーター位置を調整する方法(一般的)
- カウンターギアの位置自体を水平に調整する方法(上級者向け)
後者の方法では、カウンターシャフトの穴を上側に拡張して楕円にし、水平な位置を出すという高度な加工が必要になります。おそらく初心者には難易度が高いと思われますが、この調整により全体的なクリアランスが適度に取られ、チューン系モーターでもかなりの速度が出るとされています。
FM-Aシャーシのギア位置出しを実践する具体的な手順
- フロント側のギア位置出しは複数のギアを調整する必要がある
- リア側の位置出しはシンプルだがペラシャとの距離が重要
- 他シャーシ(MA・AR・VZ)とFM-Aの位置出し方法の違いを知る
- まとめ:ミニ四駆FM-Aシャーシのギア位置出しで重要なポイント
フロント側のギア位置出しは複数のギアを調整する必要がある
FM-Aシャーシはフロントモーター配置のため、フロント側のギア枚数が多く、調整箇所も複数あります。
🔧 フロント側の基本的な位置出し構成
| ギアの種類 | 外側(シャーシ側) | 内側(ギア同士) |
|---|---|---|
| スパーギア | ベアリングとの間にワッシャー1枚 | ワッシャー1枚 |
| クラウンギア | ベアリングワッシャー+1.5mmプラスペーサー | なし |
| カウンターギア | ベアリングワッシャー+POM | なし |
重要なのは、「ギアがシャーシに当たらない」「カウンターギアの壁に他ギアが当たらない」という2点です。
クラウンギアとスパーギアの間にはシャーシの壁が存在するため、一般的にはこの壁を削り取ってスペーサーを入れるという加工が行われます。アルミスペーサーが入るくらいまで壁を取り除くことで、プロペラシャフトの頭の位置を適切に保つことができるようです。
この壁が邪魔となるため、取り除くことにした。アルミスペーサーが入るくらいまで、取り除いた
💡 ベアリングを使わない簡易版の位置出し方法も
シャーシの切削を避けたい場合は、ベアリングを使わない方法も存在します。ある実践者の例では、左端から「既成のついたて、2段ローラー用パイプ×3、ベアリングワッシャー、大ワッシャー、クラウン、スパー、620、タイヤ」という構成を試したとのこと。
ただし、この方法では「ついたて」とパイプの擦れが気になるなど、完全に抵抗を排除できない可能性があります。
⚠️ 注意すべき点
- 詰めすぎるとマシンがねじれたときに抵抗が増えて速度が落ちる
- ある程度の遊びは必要で、ギリギリ抵抗を抜ける位置を探る感覚が重要
- シャーシやギア、ワッシャーの厚さには個体差があるため微調整が必要
- ワッシャーも1枚1枚厚さが異なるため、複数試すことが推奨される
リア側の位置出しはシンプルだがペラシャとの距離が重要
フロント側に比べて、リア側の位置出しは比較的シンプルです。
📝 リア側の基本構成
| ギアの種類 | 外側(シャーシ側) | 内側(ギア同士) |
|---|---|---|
| クラウンギア | ベアリングとの間にワッシャー1枚 | なし |
リア側の位置出しの主な目的は、ペラシャフトとの距離を近くし、遊びを少なくしてトルク抜けを防止することです。
ある実践者は、「フロントのスパーギヤに小ワッシャー1枚、リアのクラウンギヤにも小ワッシャー1枚を入れた」とシンプルな構成を紹介しています。
よく見ると、青いギヤの先端がオレンジと黄色のギヤにぶつかっています。これでは、摩擦が生じることで速度が遅くなってしまいますね
ペラシャフトの調整方法:
ギア同士がぶつかっている場合は、ペラシャフトをほんの少しだけ叩いてギアを内側に押し込むことで隙間を作ることができます。ただし、この作業には細心の注意が必要です。
⚠️ ペラシャ調整の注意点
- すごく弱い力で1回叩いて確認、また弱く叩いて確認と数回の微調整を繰り返す
- 1度中に入りすぎたペラシャは、ギアではなくシャーシとの摩擦が生じる可能性がある
- レギュレーション上使用が難しくなる場合もある
🔍 動作確認の方法
電池を入れて回してみて、異音がしてなければOKとされています。モーターを回しながらシャーシをねじってみて、変に抵抗が増えていないかも確認しましょう。
走行前と位置出し後の音の違いは顕著で、「ガリガリガリガリ、ガチャガチャガチャチャとギアが噛み合ったり噛み合わなかったりしているような音」から、「ガリガリというギアが噛み合う音の中にシャーという一定の静かな音が聞こえる」ように変化するとの報告もあります。
他シャーシ(MA・AR・VZ)とFM-Aの位置出し方法の違いを知る
ミニ四駆の位置出しはシャーシごとに異なるアプローチが必要です。FM-Aと他の主要シャーシの違いを理解しておくと、より効果的な改造が可能になるかもしれません。
🏎️ シャーシ別の位置出し特徴比較表
| シャーシ | モーター位置 | 主な特徴 | 位置出しの難易度 |
|---|---|---|---|
| FM-A | フロント | カウンターギアの傾き問題あり | 中〜高 |
| MA | センター | 標準的な構造で情報も豊富 | 中 |
| AR | リア | 比較的シンプル | 低〜中 |
| VZ | センター | 最新設計で抵抗抜きが必要 | 中〜高 |
MAシャーシの位置出し:
MAシャーシはセンターモーター配置で、比較的標準的な構造をしています。一般的には、「MAシャーシ ベアリング位置だし 抵抗抜き」といった方法が多く実践されているようです。FM-Aと比較すると、カウンターギアの傾き問題が少ないため、やや取り組みやすいかもしれません。
ARシャーシの位置出し:
ARシャーシはリアモーター配置で、B-MAXレギュレーションでも人気のシャーシです。構造がシンプルなため、位置出しの難易度は比較的低いとされています。ただし、効果的なブレーキセッティングと組み合わせることが重要なようです。
VZシャーシの位置出し:
VZシャーシは2020年発売の最新鋭シャーシ(FM-A発売後)で、抵抗抜きの必要性が指摘されています。おそらくFM-Aと同様に、最新設計ゆえの独自の課題があるものと推測されます。
📌 FM-A特有の問題点
FM-Aシャーシでは、標準のモーター抑えパーツが位置出し後に付けられなくなるという問題があります。
この出っ張りでクラウンギアを抑えているのですが、それをスペーサーに変えているのではまらなくなります。B-MAXレギュでなければ、出っ張りを切り取って使うことはできます
B-MAXレギュレーションで競技に参加する場合は、この点に特に注意が必要です。
まとめ:ミニ四駆FM-Aシャーシのギア位置出しで重要なポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- FM-Aのギア位置出しは駆動効率を最大化するための重要な改造である
- 位置出しは抵抗を一時的に増やすが、総合的に抵抗を減らすことを目指す
- FM-A特有のカウンターギアの傾き問題が様々なトラブルの原因になっている
- フロント側は複数のギアを調整する必要があり、スパー・クラウン・カウンターそれぞれに配慮が必要
- リア側はシンプルだが、ペラシャフトとの距離調整がトルク抜け防止の鍵となる
- シャーシの壁を削る本格的な方法と、ベアリングを使わない簡易的な方法がある
- 詰めすぎず適度な遊びを残すことが、マシンがねじれた際の抵抗増加を防ぐ
- ワッシャーやスペーサーには個体差があるため、マシンごとに微調整が必要
- 異音の有無や、モーターを回しながらシャーシをねじって抵抗をチェックすることが重要
- B-MAXレギュレーションでは標準モーター抑えパーツが使えなくなる点に注意が必要
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- ミニ四駆作ってみた〜その458「FM-Aのギア位置出し」
- ミニ四駆やってみよう #4 【駆動位置出し】
- FM-Aを弄ってみた|紅蓮の太陽
- ミニ四駆 ギア位置出し
- FM-Aシャーシの位置出しチャレンジ – Rockyのミニ四駆はどこまでも☆
- 色々やってた(更新を忘れてた) – FM系シャーシしかまともに扱えないポンコツのブログ
- 【1つの完成形】現状最速だと思うFM-AのB-MAX車のセッティングを紹介します!
- concours d’Elegance/SEARCH TAG
- FM-Aギア位置出し(切削無し版)
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