ミニ四駆のMAシャーシをカスタマイズする際、多くのレーサーが取り組む改造の一つが「電池落とし」です。この加工は、マシンの安定性を向上させ、走行性能を引き上げる効果が期待できる重要なテクニック。シャーシの底面を削って電池の位置を下げることで、重心が低くなり、ジャンプやコーナリング時の挙動が安定するようになります。
しかし、初めて電池落としに挑戦する方にとっては、どこまで削ればいいのか、どんな工具が必要なのか、失敗しないためのコツは何か、といった疑問が尽きないでしょう。この記事では、MAシャーシの電池落としについて、基本的な効果から具体的な加工手順、注意点まで詳しく解説していきます。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ MAシャーシの電池落としによる重心低下と安定性向上の効果 |
| ✓ 必要な工具と具体的な加工手順 |
| ✓ 電池が落ちないための対策方法 |
| ✓ 加工時の注意点とシャーシ補強の必要性 |
ミニ四駆のMAシャーシで電池を落とす効果とメリット
- 電池落としがMAシャーシの走行性能に与える影響
- 軽量化と取り出しやすさという副次的なメリット
- MAシャーシが電池落としに向いている理由
電池落としがMAシャーシの走行性能に与える影響
MAシャーシの電池落としは、マシンの重心を下げることで走行安定性を大幅に向上させる改造です。
ミニ四駆のパーツの中で最も重量があるのが電池です。一般的に単三電池2本で約50g前後の重さがあり、これはマシン全体の重量の大きな割合を占めます。この重量物の位置を下げることで、マシン全体の重心が低くなるわけです。
📊 電池落としによる主な効果
| 効果 | 詳細 |
|---|---|
| 重心の低下 | 最重量パーツである電池の位置が下がることで、マシン全体の重心が低くなる |
| ジャンプ着地の安定 | 重心が低いほど着地時の姿勢が安定し、コースアウトのリスクが減少 |
| コーナリング性能 | 低重心により遠心力の影響を受けにくくなり、コーナーでの安定性が向上 |
| レーンチェンジの安定 | 姿勢変化が少なくなり、スムーズなレーンチェンジが可能に |
電池落としをした場合の変化について「左側:無加工、右側:電池落とし加工済み」の比較では明確に電池の位置が下がっていることが確認できます。
重心が下がることで、特にジャンプセクションでの挙動が劇的に改善されることが多いです。着地時の跳ねが抑えられ、次のセクションへスムーズに移行できるようになります。
軽量化と取り出しやすさという副次的なメリット
電池落としには、重心低下以外にも軽量化と電池交換の利便性向上という実用的なメリットがあります。
シャーシ底面を大きく削ることになるため、削った分だけシャーシの重量が減少します。軽量化はマシンの加速性能向上に直結し、特にストレート区間でのスピードアップが期待できるでしょう。
🔧 副次的なメリット一覧
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 軽量化 | シャーシを削ることで重量が減少し、速度向上につながる |
| 電池交換の容易さ | 底面に穴が開くことで、電池の出し入れがスムーズになる |
| メンテナンス性向上 | 電池周りの確認や清掃がしやすくなる |
MAシャーシは未加工の状態だと電池が取り出しにくい構造になっています。電池落とし加工を施すことで、この問題が解消され、レース中の素早い電池交換が可能になります。大会では電池交換の速さが勝敗を分けることもあるため、これは意外と重要なポイントです。
約1.8mmの落とし量で「灰色スポンジを挟み込んでもまだ2~3mm隙間のあるくらい」という加工例も報告されています。
MAシャーシが電池落としに向いている理由
MAシャーシは、構造的に電池落とし改造に最も適したシャーシと言えます。
MSシャーシと同様にプロペラシャフトがないミッドシップ構造のため、電池直下のスペースを自由に加工できます。TYPE-1系のシャーシではプロペラシャフトが電池の真下を通っているため電池落としが非常に困難ですが、MAシャーシにはそうした制約がありません。
✨ MAシャーシの電池落としに有利な特徴
- モノコック構造による剛性の高さ:大きく削っても駆動ロスが少ない
- プロペラシャフトがない設計:電池直下を自由に加工可能
- 底面に穴がない構造:加工により電池取り出しの問題も同時に解決
- 柔軟性の確保:過剰な剛性を適度に低減し、路面追従性が向上
「MAシャーシはモノコックフレームのおかげで電池スペースを削ったくらいでは駆動ロスしない」という特性があり、補強なしでも実戦投入している例が報告されています。
一方で、TZ系シャーシはデフォルトで電池落とし状態ですが、そのためにねじれやすいという欠点があります。MAシャーシは適度な剛性を保ちながら電池落としができるため、バランスが取れていると言えるでしょう。
ミニ四駆のMAシャーシで電池を落とす具体的な加工方法
- 電池落とし加工に必要な工具と準備
- シャーシの削り方と加工範囲の決め方
- 電池が落ちないための固定対策
- 加工時に注意すべきポイントと失敗例
- まとめ:ミニ四駆のMAシャーシで電池を落とす加工のポイント
電池落とし加工に必要な工具と準備
MAシャーシの電池落としを始める前に、適切な工具を揃えることが成功への第一歩です。
加工方法は人によって異なりますが、基本的にはシャーシに穴を開けて不要部分を切り取り、表面を整えるという流れになります。この作業に適した工具を用意しましょう。
🛠️ 必要な工具リスト
| 工具名 | 用途 | 推奨サイズ・種類 |
|---|---|---|
| ピンバイス | シャーシに穴を開ける | ドリル刃1.5mm~2.8mm |
| ニッパー | 穴を繋げて切断する | 薄刃タイプが推奨 |
| リューター | 削りや仕上げ | ハンドリューターで十分 |
| 棒ヤスリ | 細かい調整 | 丸型・平型など複数種 |
| デザインナイフ | 細部の整形 | カッターナイフでも可 |
| 紙ヤスリ | 仕上げ磨き | 400番~1000番 |
| マジック | 削る範囲のマーキング | 油性マーカー |
「ピンバイスで穴をあけてシャーシを穴あけ加工。ここまで穴あけしたらニッパーで切りながら落として行く」という手順が一般的です。
初心者の方は、まずピンバイスとニッパーから始めることをおすすめします。リューターがあれば作業効率は上がりますが、必須ではありません。また、専用の治具も販売されており、これを使えば加工の精度を高めることができます。
シャーシの削り方と加工範囲の決め方
電池落としの成否を分けるのは、どこまで削るかという判断です。
電池を支えている部分を削っていくわけですが、削りすぎると電池がシャーシから抜け落ちてしまいます。適切な加工範囲を見極めることが重要です。
📋 加工手順の流れ
- マーキング:削る範囲をマジックで明確に印をつける
- 穴あけ:ピンバイスで削る範囲に沿って穴を開けていく
- 切断:ニッパーで穴を繋げながら切り取る
- 粗削り:リューターや棒ヤスリで大まかに整形
- 微調整:電池を実際に入れながら削る量を決める
- 仕上げ:紙ヤスリで表面を滑らかにする
加工時の注意点として「電池マークの右端からは越えないように」という指摘があり、「それでも抜け落ちが怖いよって方は、電池マークを少し残す感じにすると良い」とされています。
🎯 加工パターンの選択肢
| パターン | 特徴 | 推奨度 |
|---|---|---|
| 両端残し | 電池の前後両端で支える構造 | ★★★ |
| 中央残し | 電池の中央部分で支える構造 | ★★☆ |
| 両端+中央残し | 負荷分散型の安定構造 | ★★★★ |
一般的な目安としては、シャーシの底面と電池の外側が同じラインになるくらいまで削るのが適切とされています。治具を使用する場合は、その仕上がりを参考にすると良いでしょう。
削る作業では「削る→電池で確認→削る」を繰り返すことが成功の鍵です。一気に削ってしまうと取り返しがつかないので、少しずつ慎重に進めましょう。
電池が落ちないための固定対策
加工後は、電池を適切に固定する対策が不可欠です。
電池の位置が下がったことで、電池ホルダーやモーターカバーとの間に隙間が生まれます。この隙間を埋めないと、走行中に電池が動いたり、最悪の場合は電源が切れてしまうことも。
🔒 電池固定の方法
| 固定方法 | 使用パーツ | 厚み | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ブレーキスポンジ貼付 | 青ブレーキスポンジ | 2mm~3mm | 硬さがあり推奨 |
| ランナー利用 | ランナーの切れ端 | 調整可能 | 手軽で経済的 |
| 専用スポンジ | 市販の緩衝材 | 2mm~3mm | 柔軟性が高い |
「隙間を埋めるためにブレーキスポンジを貼ります」という方法が推奨されており、「青ブレーキスポンジの方が硬くて良い」とされています。
電池と接触する部分にスポンジを貼ることで、走行中の振動でも電池がしっかり固定されます。厚みは2mmか3mmが一般的ですが、加工の度合いによって調整してください。
また、電池の+-表記部分を削ってしまった場合は、マジックで向きを書いておくと便利です。電池の向きを間違えると大変なので、小さな工夫ですが重要なポイントです。
✅ 固定確認のチェックリスト
- 電池ホルダーとの隙間が埋まっているか
- モーターカバーとの接触に問題がないか
- 実際に走行させて電源が切れないか
- コースアウトなどの衝撃で電池がずれないか
加工時に注意すべきポイントと失敗例
電池落とし加工では、いくつかの重要な注意点を押さえておく必要があります。
最も重要なのは、プロペラシャフト部分(MAシャーシの場合は該当しませんが、構造的な突起部分)を削りすぎないことです。また、シャーシの剛性低下にも注意が必要です。
⚠️ よくある失敗と対策
| 失敗例 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 電池が抜け落ちる | 削りすぎ | 支え部分を1~2mm残す |
| 電源が入らない | ターミナル接触不良 | 固定スポンジの厚み調整 |
| シャーシがたわむ | 剛性低下 | FRPやカーボンで補強 |
| 仕上がりが汚い | 荒削りのまま | 紙ヤスリで段階的に研磨 |
ある改造例では「想像とは全然違う汚い仕上がりになってしまいました」という反省がある一方で、「なんとか電池落としを目的とした役割はしてくれます」と機能面では問題なかったとされています。
🎓 プロペラシャフト周辺の注意点
MAシャーシの場合はプロペラシャフトはありませんが、構造的な突起部分を削る際は注意が必要です。電池がシャーシ内で横にずれると、他のパーツと干渉する可能性があります。
電池は左側に寄せる意識で削ると、余計な干渉を避けられるという情報もあります。削る位置のバランスを考えながら作業を進めましょう。
剛性低下への対策
シャーシの中央部分を大きく削るため、どうしても剛性は落ちます。特にTYPE-1系などでは顕著ですが、MAシャーシはモノコック構造のおかげで影響は少ないとされています。
それでも心配な場合は、FRPプレートやカーボンプレートをシャーシ底面や側面に貼って補強することをおすすめします。ただし、補強しすぎると重量が増えるので、バランスが重要です。
「MSシャーシにやったときとまったく違うのが剛性が残っていること」という特徴があり、MAシャーシは「電池スペースを削ったくらいでは駆動ロスしない」という利点があります。
まとめ:ミニ四駆のMAシャーシで電池を落とす加工のポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- 電池落としは重心を下げてマシンの安定性を向上させる重要な改造である
- 軽量化と電池交換の利便性向上という副次的なメリットもある
- MAシャーシはモノコック構造により電池落としに最適なシャーシである
- ピンバイス、ニッパー、リューターなどの工具が必要となる
- 削る範囲は電池マークを目安に、慎重に少しずつ進めることが重要である
- 電池を支える部分は1~2mm残し、完全に削り取らないようにする
- 加工後はブレーキスポンジで隙間を埋めて電池を固定する対策が必須である
- シャーシの剛性低下に注意し、必要に応じてFRPやカーボンで補強する
- 仕上げには紙ヤスリを使い、段階的に番手を上げて表面を整える
- 治具を使った加工例を目安にすると精度の高い仕上がりが期待できる
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- 【ミニ四駆】電池落とし編【MAシャーシ】|白衣
- 【ミニ四駆】MA転向!MAシャーシ電池落とし加工 : サブカル”ダディ”ガッテム日記
- MAシャーシ 電池落とし 加工方法・やり方【ミニ四駆 改造】 | ミニ四ファン
- 【ミニ四駆】MAシャーシを軽量化&低重心化【電池落としが有効】 | QUAD STARS BLOG
- 電池落とし – ミニ四駆改造マニュアル@wiki – atwiki(アットウィキ)
- S2シャーシの電池落としをしよう!(3ヶ月ぶり2回目・電池落とし改良版)【奮闘記・第226走】 – みそじで復活!!ミニ四駆改造奮闘記。
- 【どこまでやればいいの?】MAシャーシの電池落とし|治具を使う場合を目安に加工 | ムーチョのミニ四駆ブログ
- MAマシン シェイクダウン | 小林雄己のミニ四駆ブログ
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