ミニ四駆のセッティングを突き詰めていくと、ジャンプ後の着地やコース壁への接触時の挙動が気になってきますよね。特にライズからルーズロードへの進入時に壁に弾かれてしまう、なんて経験をしたレーサーも多いはず。そこで注目されているのが「バックスライドアンカー」という改造テクニックです。
この改造は、リアアンカーにスライド機能を持たせることで、衝撃を吸収しながらも素早く元の位置に戻るという特性を実現します。フロントにスラダンを装備している場合、リアまでスライドさせると挙動が複雑になりすぎるため、バックスライド（後方にのみスライド）という選択肢が有効なんです。本記事では、バックスライドアンカーの仕組みから具体的な作り方まで、ネット上の情報を整理してお届けします。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ バックスライドアンカーは衝撃吸収と素早い復帰を両立する改造技術 |
| ✓ 45度の面取り加工がスムーズな動作のカギを握る |
| ✓ 軽量化された独立稼働システムで初動レスポンスが向上 |
| ✓ キノコアンカーより高精度な動作が期待できる |
ミニ四駆のリアアンカーにバックスライド機能を搭載するメリット
- バックスライドアンカーとは衝撃を吸収しつつ素早く復帰する機構のこと
- 軽量マシンほどイレギュラーを拾いやすい問題を緩和できる
- フレキシブルマシンとの相性が良いとされる理由
バックスライドアンカーとは衝撃を吸収しつつ素早く復帰する機構のこと
バックスライドアンカーは、リアバンパーに装着するアンカー機構の一種で、衝撃を受けた際に後方へスライドして衝撃を吸収し、その後素早く元の位置に戻るという特性を持ちます。
通常のアンカーとの最大の違いは、横方向へのスライドを抑制しながら、前後方向の動きに特化している点です。これにより、コース壁への接触時に弾かれにくくなり、スムーズにコースインできるようになります。
📊 バックスライドアンカーと通常アンカーの比較
| 項目 | バックスライドアンカー | 通常アンカー |
|---|---|---|
| スライド方向 | 後方のみ | 全方向 |
| 衝撃吸収 | 高い | 中程度 |
| 復帰速度 | 速い | やや遅い |
| 挙動の安定性 | 高い | 場合による |
| 製作難易度 | やや高い | 中程度 |
ライズ⇒ルーズロードで浮いたまま進入していって壁に弾かれるのを最小限にしたい。リアスラダンでも良かったんですが前にもスラダンが入っているのでリアはスライドしないタイプのバックスライドが好ましかった
出典: M4GP・ニューイヤー仙台大会に向けて⑥バックスライドアンカー
前後両方にスライド機構を入れると、マシンの挙動が読みにくくなってしまうという懸念から、リアは「バックスライド」に特化させるという選択が合理的なわけです。
軽量マシンほどイレギュラーを拾いやすい問題を緩和できる
ミニ四駆の改造を進めていくと、軽量化を追求するレーサーが多いですが、軽いマシンほどコースの微細な凹凸やジャンプ後の着地で跳ねやすく、イレギュラーな挙動を起こしやすいという課題があります。
バックスライドアンカーは、この問題に対する有効な対策となります。衝撃を吸収するギミックを持つことで、マシンが予期せぬ方向へ飛ばされることを防ぎ、安定した走行を維持できるのです。
軽いマシンなのだから余計にイレギュラーを拾いやすくなってきていたので、こうしたギミックで緩和させるのが得策ではあった
出典: M4GP・ニューイヤー仙台大会に向けて⑥バックスライドアンカー
✅ バックスライドアンカーで期待できる効果
- ジャンプ後の着地時の跳ね返りを抑制
- コース壁への接触時の弾かれを最小化
- 直進性の向上
- レーンチェンジ時の安定性向上
特に公式大会のような難易度の高いコースレイアウトでは、こうした細かな挙動制御が完走率を大きく左右します。
フレキシブルマシンとの相性が良いとされる理由
フレキシブルマシン（フレキ）とは、シャーシに柔軟性を持たせることでコースの起伏に追従させる改造手法ですが、バックスライドアンカーはこのフレキとの組み合わせで真価を発揮するとされています。
フレキシブル構造は着地時の衝撃を分散させる一方で、時として過剰な反発を生むことがあります。バックスライドアンカーを併用することで、フレキの柔軟性とアンカーの衝撃吸収性が相乗効果を発揮し、より安定した走行が可能になります。
最近はフレキとの相性の良さにも注目されているように感じます
🔧 フレキ×バックスライドの組み合わせメリット
| 要素 | 効果 |
|---|---|
| 着地時の衝撃 | フレキが一次吸収、アンカーが二次吸収 |
| ジャンプ姿勢 | フレキで姿勢制御、アンカーで着地安定 |
| コーナリング | フレキで荷重移動、アンカーで壁接触緩和 |
| 直進性 | 両者の協調で高い直進安定性 |
一般的には、フレキ単体でも高い性能を発揮しますが、バックスライドアンカーを加えることで、さらに洗練されたマシンセッティングが実現できるかもしれません。
ポチップ
ミニ四駆のバックスライドアンカーを自作する際の具体的な手順と注意点
- 45度面取りカッターを使った軸穴加工が動作の質を左右する
- キノコアンカーを避けて別パーツで代用する理由
- カーボンワッシャーでステーのめくれを防止する工夫
- まとめ：ミニ四駆のリアアンカーとバックスライド機能の実装
45度面取りカッターを使った軸穴加工が動作の質を左右する
バックスライドアンカーの製作で最も重要なポイントは、アンカー軸穴の角度処理です。この角度が適切でないと、スライドの動きがスムーズにならず、復帰速度も遅くなってしまいます。
実際の製作例では、45度の面取りカッターを使用して軸穴を加工する手法が紹介されています。ホームセンターで購入できる9mmの面取りドリルを使い、まず3mmで穴を開けた後、調整しながら拡張していく方法が一般的です。
アンカーの軸を皿状にする角度を色々と研究してみたんですが、45度が良さそうだなって思い、ホームセンター（コメリ）からこんな面取りドリルを購入してみました
出典: M4GP・ニューイヤー仙台大会に向けて⑥バックスライドアンカー
🛠️ 軸穴加工の手順
| 工程 | 使用工具 | 加工内容 |
|---|---|---|
| 1. 下穴開け | 3mmドリル | 基準となる穴を開ける |
| 2. 面取り | 45度面取りカッター（9mm） | 皿状の傾斜を作る |
| 3. 調整 | ヤスリ・リューター | 可動範囲に合わせて微調整 |
| 4. バリ取り | 紙やすり | 動作抵抗を減らす |
軸穴の大きさ＝可動範囲となるため、この調整は現物合わせで行う必要があります。広げすぎるとガタが出て精度が落ち、狭すぎると可動域が制限されてしまいます。
キノコアンカーを避けて別パーツで代用する理由
市販のキノコ型アンカーパーツは手軽に使えますが、バックスライドアンカーの製作においては推奨されないケースがあります。
理由は主に2点です：
❌ キノコアンカーの問題点
- 強度が弱く、初動で歪みが発生する
- 摩耗に弱く、すぐに削れてしまう
- 軸穴の傾斜がR形状で復帰力が弱まる可能性
キノコはマジでダメなパーツだと思っていて、強度が弱くて歪む、摩耗に弱くすぐ削れるというデメリットばかりで使いたくない。初動でキノコが歪むことでバックスライドの動きに影響を与えていた
出典: M4GP・ニューイヤー仙台大会に向けて⑥バックスライドアンカー
✅ 代替パーツの選択肢
代わりに使用されているのが「3点支持のリアダブルローラーステーの高さ調整パーツ」です。このパーツを加工してアンカー軸にセットすることで、より高い精度と耐久性が得られるとされています。
カーボンワッシャーでステーのめくれを防止する工夫
バックスライドアンカーの動作において、もう一つ重要な要素が戻り性能です。スライドした後、素早く元の位置に戻らないと、ATアンカーとしての役目を果たせなくなってしまいます。
ここで用いられる工夫が、カーボンワッシャーの挿入です。スライドした先にカーボンを加工したワッシャーを配置することで、ステーがめくれ上がるのを防ぎ、確実に元の位置へ復帰させることができます。
📋 復帰機構の構成要素
| パーツ | 役割 | 調整ポイント |
|---|---|---|
| カーボンワッシャー | ステーのめくれ防止 | 厚み・硬度 |
| バネ | 復帰力の提供 | バネレート |
| 45度傾斜面 | スムーズな戻り | 角度精度 |
スライドしたあとはステーがめくれないようにしている。戻りが悪かったり、戻りが遅い場合は致命的で、ATアンカーの役目をしなくなります
出典: M4GP・ニューイヤー仙台大会に向けて⑥バックスライドアンカー
興味深い表現として、**「プレステ1のフタが開く時のスピードくらいの減衰が好み」**という例えが使われています。これは、素早く動くけれど制御された動き、という理想的な減衰特性を表現したものです。
⚙️ 調整のチェックポイント
- スライド時の抵抗は適切か
- 復帰速度は十分か
- ガタや引っかかりはないか
- 耐久性は確保できているか
こうした細かな調整を繰り返すことで、自分のマシンに最適なバックスライドアンカーが完成します。
まとめ：ミニ四駆のリアアンカーとバックスライド機能の実装
最後に記事のポイントをまとめます。
- バックスライドアンカーは後方への衝撃吸収と素早い復帰を両立する改造技術である
- ライズからルーズロードへの進入時など、壁への弾かれを最小化できる
- 軽量マシンが抱えるイレギュラー拾いやすさの問題を緩和する効果がある
- フレキシブルマシンとの組み合わせで相乗効果が期待できる
- 45度の面取り加工が動作の質を左右する重要ポイントである
- キノコアンカーは強度と精度の面で課題があり代替パーツの使用が推奨される
- カーボンワッシャーでステーのめくれを防ぎ確実な復帰を実現する
- 軸穴の大きさが可動範囲を決定するため現物合わせの調整が必要である
- 各ギミックを独立させることで軽量化と初動レスポンス向上につながる
- 細かな調整と試行錯誤を重ねることで自分のマシンに最適な設定が見つかる
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- M4GP・ニューイヤー仙台大会に向けて⑥バックスライドアンカー
- 僕のメインマシンを紹介します
- Backslide anchor 4
- ミニ四駆作ってみた〜その256「スライドアンカーの作り方」
- 初心者でも作れる「超簡単!!」バックスライド付きアンカー
- リヤアンカーシステム作り方ミヤジメモ その２
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