ミニ四駆の改造で避けては通れないのが「ボディ提灯」。特にMAシャーシでの提灯製作は、そのシャーシ特性を活かした独自のセッティングが求められます。ネット上には様々な作り方が公開されていますが、初心者向けの無加工タイプから上級者向けのガチ改造まで、情報が散在していて全体像が掴みづらいのが実情です。
この記事では、MAシャーシでのボディ提灯について、基本的な仕組みから具体的な製作方法、さらには実戦での調整ポイントまでを網羅的に解説します。無加工で始められる簡単な方法から、FRPやカーボンプレートを駆使した本格的な改造まで、あなたのスキルレベルに合わせた情報を提供していきます。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ MAシャーシに最適な提灯の種類と特徴が理解できる |
| ✓ 無加工から始められる簡単な提灯の作り方が分かる |
| ✓ FRPやカーボンを使った本格的な提灯製作の手順が学べる |
| ✓ リフター設定やマスダンパー配置など実戦的なセッティング方法が身につく |
MAシャーシでボディ提灯を作る基本知識
- MAシャーシの提灯に適したパーツの選び方
- 無加工で作れる簡単な提灯セッティング
- FRPとカーボンを使った本格的な提灯構造
MAシャーシの提灯に適したパーツの選び方
MAシャーシで提灯を作る際、最も重要なのは使用するパーツの選定です。MAシャーシ特有のギアカバー形状を考慮した設計が必須となります。
🔧 MAシャーシ提灯の推奨パーツ一覧
| パーツ種類 | 推奨品 | 理由 |
|---|---|---|
| フロント骨格 | HGカーボンマルチ補強プレート / カーボンマルチワイドステー | 強度と軽量性のバランスが良い |
| リヤ骨格 | FRPリヤローラーステー / スーパーX用リヤステー | ギアカバーとの干渉を避けやすい |
| マスダンパー | ARシャーシ サイドマスダンパーセット | 制振性能が高く取り付けも容易 |
| リフター用 | 17・19mmローラー用ゴムリング | 適度な反発力でリフター効果が得られる |
MAシャーシの場合、ギアカバーの出っ張りが提灯設計の最大のポイントになります。一般的には、カーボンプレートを使用する際にこの部分をアーチ状にカットするか、段差構造を作ることで干渉を回避します。
miniyonfan.comの解説によると、「ギアカバーを避けるようにアーチ状で製作」することで、マスダンパーを狭めのタイト配置にできるとしています。
また、MSシャーシと比較すると、MAシャーシは取り付け位置の選択肢が豊富という利点があります。フロントATバンパーを使用する場合、複数のビス穴位置から最適な場所を選べるため、タイヤ径やスラスト角に応じた柔軟な調整が可能です。
無加工で作れる簡単な提灯セッティング
「FRPやカーボンの加工は敷居が高い」という初心者の方には、無加工でも作れる提灯セッティングがおすすめです。
✅ 無加工提灯の基本構成
- FRPサブプレート：フロント側の基礎となる部分
- スーパーX用リヤローラーステー：リヤ側の骨格
- メタル軸受け＋バネ：可動部分の軸として機能
- ゴム管：シャフトの固定とリフター効果
この組み合わせなら、プレートのカットや穴あけ加工を一切せずに提灯を構成できます。ポイントは、既存のビス穴だけを使って組み立てること。
📋 無加工提灯の組み立て手順
| 手順 | 作業内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1 | サブプレートとX用リヤステーを結合 | トラスビスとロックナットで固定 |
| 2 | ビスにメタル軸受けとバネを取り付け | バネの強さでリフター効果が変わる |
| 3 | 提灯をシャーシに取り付け | ゴム管でしっかり固定 |
ただし、無加工の場合は可動域に制限があるというデメリットも。本格的な走行を目指すなら、次のステップとして加工タイプの提灯製作に挑戦することをおすすめします。
FRPとカーボンを使った本格的な提灯構造
より高い制振性能と可動域を求めるなら、FRP・カーボンプレートの加工は避けて通れません。MAシャーシ向けの本格提灯では、複数のパターンが存在します。
🏗️ 代表的な提灯構造パターン
パターン①：Mark2タイプ
- HGカーボンマルチ補強プレートを主軸に使用
- シャーシ側面をカットして軽量化
- カーボンとFRPリヤステーを新規穴で結合
パターン②：VZ・MA・MS共通タイプ
- カーボンマルチワイドステーを前部に使用
- スーパーX用リヤローラーステーを後部に配置
- 皿ビス加工とビス穴の斜め拡張が必須
mini4wd.hatenablog.jpの製作例では、「土台から伸ばす足の部分をフロントワイドステーで作る」方法が紹介されており、「2mmドリルでネジ穴を開ける際は2枚重ねて固定するとズレない」というアドバイスがあります。
加工のポイントは、シャーシ取付用の穴を拡張する際の余長確保です。穴付近をギリギリまでカットしてしまうと、穴拡張時に破損するリスクが高まります。カーボンプレートの場合、穴周辺には最低でも2-3mm程度の余裕を持たせることが推奨されます。
また、斜めにドリルを当てることで可動域を広げるテクニックも重要。電動ドリルよりも精密ピンデバイスなど手動工具の方が、削りすぎを防げるため初心者には安全です。
ポチップ
MAシャーシのボディ提灯を実戦で活かすセッティング術
- リフター機能の設定とゴムリングの使い方
- マスダンパー配置で制振性能を最大化する方法
- スラスト角調整とボディ固定の実践的テクニック
- まとめ：ミニ四駆のボディ提灯をMAシャーシで成功させるポイント
リフター機能の設定とゴムリングの使い方
提灯の性能を引き出すには、リフター機能が不可欠です。リフターとは、ジャンプ後の着地時に提灯を持ち上げる力を与える機構のこと。これがないと、提灯が常に下がったままで制振効果が半減します。
🔄 ゴムリフターの設定方法
| 設定項目 | 推奨値 | 効果 |
|---|---|---|
| ゴムリングの設置位置 | ビス穴に目一杯近づける | 適度な浮力でバランスが良い |
| 上下のスペース | 1-2mm程度確保 | 可動域を確保しつつ傾き防止 |
| ゴムリングの重ね数 | 2重 | 十分な反発力が得られる |
ゴムリングをビス穴から遠ざけるとリフターの浮力が増し、マスダンパー装着時でもプレートが勝手に浮く状態になります。これは一見良さそうですが、マスダンパーやボディの重量バランスによっては過剰な反発となり、走行が不安定になるケースも。
実戦では、マシンを何度か上から落としてテストし、フロント提灯がしっかり浮いているか、左右に傾かないかを確認することが重要です。調整はロックナットの締め具合で微調整できるため、走行しながら最適なポイントを探りましょう。
マスダンパー配置で制振性能を最大化する方法
マスダンパーの位置は、提灯の制振性能を左右する最重要ファクターです。一般的には提灯の既存穴に取り付けるケースが多いですが、これが本当に最適かは疑問が残ります。
💡 マスダンパー配置の考え方
従来の考え方では、「重量物はシャーシから離して配置する」という発想がありましたが、現在はシャーシに沿わせて軽めのマスダンを配置する考え方も広まっています。
subculdaddy.blog.jpでは、「シャーシから重量物を離す意味も特にないと感じてます」とし、「長さがあって重さがあるものが左右にあれば、その分反動を拾いやすい」と指摘しています。
🎯 実戦的なマスダン配置パターン
- フロント側：提灯プレートのタイヤ寄り穴にボールマスダン
- リヤ側：シャーシ直付けでシリンダータイプ
- サイド：X用リヤステーの既存穴を活用（補助的）
30mmキャップスクリューのネジ溝を6-8mm程度残してカットし、マスダンを入れてナットで締める方法は、ネジ溝のないツルツル部分でマスダンをつけられるため、摩擦が少なく効果的です。
また、重すぎるマスダンは逆効果になる可能性もあるため、走行環境に応じて取り外せる設計にしておくことが賢明でしょう。
スラスト角調整とボディ固定の実践的テクニック
提灯を取り付けた後のスラスト角調整は、マシンの挙動を大きく左右します。特にゴムリフターを使用する場合、後ろ側に引っ張る力が働くため、意図したスラスト角が得られないケースがあります。
⚙️ スラスト角問題の解決策
| 問題 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| ATバンパーのプレート間に隙間 | ゴムリフターの後方引張力 | ATバンパーのスラスト角を高めに設定 |
| フロントローラーが浮く | スプリング圧が弱い | スペーサーやワッシャーで調整 |
| アッパースラストになる | リフター効果が過剰 | ゴムリング位置を調整 |
例えば、ATバンパー作成時に小ワッシャー2枚で設定していた場合、1.5mmスペーサーと小ワッシャー1枚に変更することで、ゴムリフター装着後もスラスト角5度程度を維持できます。
📌 ボディ固定の実践ポイント
提灯にボディを取り付ける際は、ビス4本固定が推奨されます。リフターで強く押し上げられるため、2本固定では走行中にボディが傾く可能性があります。
デクロス01のような組み換え可能なボディを使う場合、キャノピー部分を外すことで高さを抑えられるメリットも。ただし、ストッククラスなどレギュレーションによってはボディ加工が必要になるケースもあるため、参加する大会の規定を事前に確認しましょう。
また、ボディと提灯の接触部分にはブレーキスポンジを貼ることで、傷つき防止になります。特にメッキボディなど塗装が剥がれやすいボディを使用する場合は必須の処理です。
まとめ：ミニ四駆のボディ提灯をMAシャーシで成功させるポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- MAシャーシの提灯製作ではギアカバーとの干渉回避が最優先課題である
- 無加工でもFRPサブプレートとX用リヤステーの組み合わせで提灯製作は可能
- 本格的な提灯にはカーボンマルチワイドステーとFRPリヤローラーステーが定番
- プレート加工時はシャーシ取付穴周辺に必ず余長を残すこと
- ビス穴の斜め拡張により提灯の可動域を確保できる
- リフター機能はゴムリング2重掛けでビス穴に近い位置が基本
- マスダンパーはシャーシに沿わせた配置で反動を抑える考え方もある
- ゴムリフター使用時はATバンパーのスラスト角を高めに設定する必要がある
- ボディ固定は4本ビスで平行を保つのが理想的
- 走行テストを重ねながら最適なセッティングを探ることが重要
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- フロント提灯Mark2(MAシャーシ)作り方紹介 -作成編- | ミニ四ファン
- フロント提灯(VZ・MA・MSシャーシ)作り方 – 作成編 – 【ミニ四駆 改造】 | ミニ四ファン
- MAシャーシ/MSシャーシ用のフロント提灯の作り方 – レッツ＆ゴー世代のミニ四駆活動記
- ミニ四駆作ってみた〜その428 「簡単高速MA製作その4」 – ミニ四駆作ってみた
- 【ミニ四駆】ガチMAシャーシ⑥非連動提灯・マスダン位置 : サブカル”ダディ”ガッテム日記
- 【ストッククラスマシン】無加工フロント提灯｜シルバーメッキのMAマシン | ムーチョのミニ四駆ブログ
- 【ミニ四駆】MA・新提灯製作！Aパーツの大切さ。 : サブカル”ダディ”ガッテム日記
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