ミニ四駆ファンなら一度は耳にしたことがあるであろう「タイプ2シャーシ」。1988年に「ニューシャーシ」として衝撃的なデビューを飾り、ミニ四駆界に革命をもたらした伝説的なシャーシです。当時はノーマル状態でも改造済みのタイプ1を圧倒するほどの性能を誇り、第1次ブーム期を通して広く使われました。
30年以上経った現在でも、その基本設計の優秀さから根強い人気を保ち続けています。VSシャーシやARシャーシなど後継機種の原型となった駆動系の構造は、今なお「ミニ四駆史上最も影響力のあったシャーシ」と評価する声も少なくありません。本記事では、このタイプ2シャーシの特徴から改造のポイント、現代における活用法まで徹底的に解説していきます。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ タイプ2シャーシの基本スペックと歴史的背景 |
| ✓ 他のタイプ系シャーシとの性能比較と互換性 |
| ✓ 効果的な改造方法と補強テクニック |
| ✓ リアステー取り付けや超速ギヤ対応など実践的カスタマイズ情報 |
ミニ四駆タイプ2シャーシの基本性能と歴史
- タイプ2シャーシは1988年デビューの革命的オンロードシャーシ
- 駆動系の精度向上が最大の特徴で後継機種の原型に
- タイプ1から大幅に進化した8つの改良点
タイプ2シャーシは1988年デビューの革命的オンロードシャーシ
タイプ2シャーシは、1988年にアバンテJr.とともに登場したミニ四駆初の本格的オンロード仕様シャーシです。当初は特に名称もなく「ニューシャーシ」と呼ばれていましたが、やがて「タイプ2」という名前が定着していきました。
📊 タイプ2シャーシの基本スペック
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| ホイールベース | 82mm |
| 地上高 | 8mm |
| 使用ドライブシャフト | 60mm |
| 対応ギヤ比 | 4:1、4.2:1、5:1 |
| ターミナル | B型 |
| シャーシ単体重量 | 12.9g |
| ノーマル全重量 | 66g(ボディ・電池除く) |
このシャーシの最大の特徴は、コース上での走行を前提として設計された点です。RCカーのアバンテが先進的な技術を多く取り入れた意欲的なマシンであったことから、Jr.版でも画期的な新型シャーシを投入する形となりました。
アバンテJr.から採用されたシャーシで、ミニ四駆初の本格的オンロード仕様として開発され、コース上での走行を前提として設計された
登場当時の衝撃は凄まじく、ノーマル状態でも改造を施したタイプ1を圧倒することがザラにありました。オフロード走行性はタイプ1に劣るものの、コースでの走行性能は圧倒的に向上していたのです。
駆動系の精度向上が最大の特徴で後継機種の原型に
タイプ2シャーシの真価は、その駆動系の設計にあります。タイプ1から駆動系の精度が大幅に改善され、基本レイアウトこそ同じものの半分以上のギヤが一新され、ほぼ別物と言えるレベルの進化を遂げました。
🔧 駆動系の革新的な改良点
- カウンターギヤをシャーシ本体に固定する方式を採用(TYPE-1はモーターマウントに固定)
- 新設計のカウンターギヤ2種と新設計のスパーギヤ1種を採用
- ピニオンギヤを8Tのものに統合
- クラウンギヤを前後とも共通化(オレンジクラウン)
- 5:1、4.2:1の新ギヤ比を追加
この駆動系の設計は後のシャーシに大きな影響を与えました。一般的には、タイプ2で初採用された5:1、4.2:1のギヤは2次ブーム最終型のVSシャーシや、最新シャフトドライブシャーシのARにも使用可能です。つまり基本設計は現在まで受け継がれているということになります。
この駆動系で初採用された5:1、4.2:1のギヤは2次ブーム最終型のVSシャーシや、最新シャフトドライブシャーシのARにも使えること(つまり基本設計は同じ)
モーターマウントとリヤギヤケース周りの構造も、メンテナンス性は悪いものの精度を高めやすい方式であり、X系、VS、S2、ARなどに継承された優れた構造でした。まさに、VSまで続く本格オンロード用シャーシの直接の祖型と言えるでしょう。
タイプ1から大幅に進化した8つの改良点
タイプ2シャーシは、タイプ1から多岐にわたる改良が施されています。その主要な変更点を整理すると、ミニ四駆の進化の歴史が見えてきます。
✅ タイプ1からの主要改良ポイント
| 改良項目 | 詳細内容 |
|---|---|
| ベアリング対応 | 直径6mmのベアリングが無加工で取り付け可能に |
| ローラー標準装備 | ローラーが標準で付属、フロントバンパーのビス穴が倍増 |
| サイドガード強化 | サイドガードにもローラー取り付け穴を追加 |
| 軽量化・低車高化 | TYPE1に比べて軽量化され、車高も低くなった |
| モーター冷却性向上 | モーターをむき出しにする形状で冷却性が大幅向上 |
| ターミナル改良 | B型ターミナル採用で信頼性向上、スイッチも大型化 |
| ホイールベース延長 | 2mm延長で直進性が向上(旋回性はやや低下) |
| 大径タイヤ採用 | 現在主流と同規格の大径ホイール・スリックタイヤを採用 |
特に注目すべきは、ローラーが標準装備になった点です。これによりコース走行時の安定性が飛躍的に向上しました。また、B型ターミナルの採用は大きな転換点で、このターミナルはTZ-Xまで同形状のものが使われ続けることになります。
ただし、エポックメイキングなシャーシであったにも関わらず、その後の主要ラインナップがタイプ3シャーシ採用車に移ったため、限定版を除けばアバンテJr.、グラスホッパーⅡJr.、バンキッシュJr、スコーチャーJr.の4車種しか採用されていません。
2012年にアバンテJr.および同ブラックスペシャルが再販されたことで、現在ではシャーシ自体は比較的入手しやすくなっています。また、新橋タミヤプラモデルファクトリーでシャーシ単品が販売されている他、部品請求でも入手可能です。
ミニ四駆タイプ2シャーシの改造とカスタマイズ実践
- タイプ2シャーシ改造の基本は駆動系チューンとボディ一体補強
- リアステー取り付けはリヤースキッドローラーセットの活用が鍵
- 超速ギヤは改造すれば搭載可能だが公式的には非推奨
- タイプ2シャーシとVSシャーシの互換性は高く部品流用が可能
- まとめ:ミニ四駆タイプ2シャーシは今も通用する名機
タイプ2シャーシ改造の基本は駆動系チューンとボディ一体補強
タイプ2シャーシの改造において重要なのは、現行シャーシとは異なるアプローチが必要だという点です。現行シャーシがシャーシ剛性で走破するのに対し、タイプ2を含む旧シャーシはボディと一体で剛性を確保するコンセプトで設計されています。
🎯 タイプ2シャーシ改造の基本方針
| 改造箇所 | アプローチ方法 |
|---|---|
| 駆動系 | ベアリングは脱脂した丸穴ベアリングが適している可能性 |
| バンパー補強 | FRPプレートやアルミプレートで四点固定が効果的 |
| シャーシ剛性 | サイドガードを残すことで捻れ剛性を確保 |
| リアマウント | ボディ側から拡張する方が現実的 |
駆動系については、おそらくシャーシが捻れることを想定されているためか、620ベアリングより脱脂した丸穴ベアリングの方が適度なクリアランスを維持し、調子が良いという意見もあります。
シャーシが捻れる事を想定されているせいか、620ベアリングより脱脂した丸穴ベアリングの方が適度なクリアランスを維持するのか、調子が良かったと感じている
バンパー補強については、スーパーXシャーシ・FRPマルチ補強プレートセットやFRP強化マウントプレートなどをネジで四点固定すれば充分実用レベルになります。見た目はゴツいですが、実際の強度・剛性は意外と低いため、FRP等でよく補強しておくことが推奨されます。
重要な注意点として、サイドガードの取り扱いがあります。 「使わないし軽くなるから」といって無闇にサイドガードを切ってしまうと、一気にねじれ剛性が低下します。その結果、コーナーやアップダウンでの衝撃でシャーシが捩れ、駆動ロスが発生してむしろ遅くなってしまうのです。
リアステー取り付けはリヤースキッドローラーセットの活用が鍵
タイプ2シャーシにリアステーを取り付けたい場合、リヤローラースタビセットかリヤースキッドローラーセットのどちらかが必要になります。ただし、どちらも現在のレースで使うには強度がかなり不足しているという課題があります。
📦 リアステー取り付けに必要なパーツセット
- リヤローラースタビセット(ミニ四駆グレードアップパーツセットクラシックVol.2)
- リヤースキッドローラーセット(ミニ四駆グレードアップパーツセットクラシックVol.3)
推奨されるのは、リヤースキッドローラーのアタッチメントを利用して、他の強度の高いリアステーを使う方法です。ただし注意点として、現在入手可能な一点止めリヤステーで無加工のままアタッチメントに取り付けられるものはないため、加工が必要になります。
リヤースキッドローラーのアタッチメントを利用して、他の強度の高いリヤステーを使うことをお勧めする。なお、現在入手可能な一点止めリヤステーで無加工のままアタッチメントに取り付けられるものはないので注意
実際の取り付け手順としては、以下のような方法が報告されています:
- ナットを六角の穴にはめて、シャーシ側から6mmビスで固定
- 1点止めステーを差し込む(右側がシャーシと干渉する場合はカット)
- ビスで固定(6mmビスだと長すぎる場合はトラスビスで代用)
リヤーステーの強度は、リヤースキッドローラーセットのものより高いですが、1点止めなのでぐらつくところはタイプ3のときと同様の課題が残ります。それでも標準のものよりは確実に強度が向上するため、レース使用を考えるなら必須の改造と言えるでしょう。
超速ギヤは改造すれば搭載可能だが公式的には非推奨
タイプ2シャーシにおける超速ギヤの搭載については、技術的には可能ですが公式的には推奨されていません。ギヤボックスを改造すれば載せることはできますが、タミヤ公式的にはアウトとされています。
⚙️ タイプ2シャーシのギヤ対応状況
| ギヤ比 | 対応状況 |
|---|---|
| 5:1 | ○ 標準対応 |
| 4.2:1 | ○ 標準対応 |
| 4:1 | ○ ハイスピードギヤセット(最高速) |
| 超速ギヤ | △ 改造すれば可能だが公式非推奨 |
使える最高速のギヤは4:1のハイスピードギヤセットになります。これで十分な速度性能が得られるため、無理に超速ギヤを搭載する必要性は低いと考えられます。
一方で、駆動系の簡単なチューンだけでも驚くほどの性能向上が見込めます。例えば、スパーとクラウンの間の壁を抜かず、クラウンの背中にワッシャー挟むだけという極めてシンプルな方法でも、ほぼ100%性能を引き出せているという報告もあります。
駆動ですが今回の端超簡単です。スパーとクラウンの間の壁は抜きませんし、クラウンの背中にワッシャー挟んだだけです。これでほぼ100%生かし切れてるんじゃないかってくらいパワフル
このような簡単な調整で音の静かさ、スムーズさが向上し、結構なスピードが出るようになります。タイプ2の駆動系は元々精度が高いため、大掛かりな改造をしなくても十分なポテンシャルを発揮できるのです。
タイプ2シャーシとVSシャーシの互換性は高く部品流用が可能
タイプ2シャーシの駆動系設計が優れていた証として、後継機種との互換性の高さが挙げられます。特にVSシャーシとの部品互換性は高く、多くのパーツが流用可能です。
🔄 タイプ2とVSシャーシの互換パーツ
| パーツ種類 | 互換性 |
|---|---|
| ギヤ(5:1、4.2:1) | ○ 共通使用可能 |
| ターミナル | ○ B型ターミナルの改良型を使用 |
| モーターマウント構造 | ○ 基本構造が類似 |
| リヤギヤケース | ○ パーツ構成が良く似ている |
VSシャーシは旧シャフトドライブシャーシの集大成とも言える存在で、タイプ2の優れた設計を継承・発展させたものです。カウンターギヤをモーターマウントではなくシャーシ本体に固定するタイプ2方式を再び採用することで、駆動系の精度向上に成功しています。
このため、ZERO系、TZ系の部品はもちろん、X系のターミナルなども使用可能です(ただしTR-1のモーター側ターミナルは除く)。ピンククラウンがAOパーツで販売され、強化ギヤ・ワンロックギヤカバーにこのシャーシにも流用可能なカーボン強化ヘリカルクラウンギヤがセットになった現在では、オプションパーツですべて組み上がってしまうという状況になっています。
また、ARシャーシとも同じ金具構成(ターミナル、ギヤ、プロペラシャフト、カウンターギヤシャフト)なので流用可能です。これにより、最新パーツを使ったタイプ2のアップグレードも可能となっています。
まとめ:ミニ四駆タイプ2シャーシは今も通用する伝説的名機
最後に記事のポイントをまとめます。
- タイプ2シャーシは1988年に「ニューシャーシ」として登場し、ミニ四駆初の本格的オンロード仕様として革命を起こした
- 駆動系の精度が大幅に向上し、VSシャーシやARシャーシなど後継機種の原型となった優れた設計
- ホイールベース82mm、地上高8mm、シャーシ単体重量12.9gという基本スペックを持つ
- タイプ1から8つの主要改良点があり、特にB型ターミナル採用と大径タイヤ対応が重要
- 改造の基本はボディと一体で剛性を確保するアプローチが必要
- バンパー補強はFRPプレートで四点固定、サイドガードは剛性確保のため残すべき
- リアステー取り付けにはリヤースキッドローラーセットの活用が推奨される
- 超速ギヤは改造すれば搭載可能だが公式非推奨で、4:1ハイスピードギヤが最高速
- VSシャーシとの互換性が高く、ギヤやターミナルなど多くのパーツが流用可能
- 現在でも十分に通用する性能を持ち、簡単なチューンで驚異的なスピードを発揮できる名機
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- ミニ四駆のシャーシ その① タイプ2シャーシ | 黒猫ブログ
- TYPE-2 – ミニ四駆改造マニュアル@wiki
- VS – ミニ四駆 @ VIP Wiki 再
- 【ミニ四駆】VSシャーシやばくね?の周期 : サブカル”ダディ”ガッテム日記
- [雑記] type2はいいぞ|紅蓮の太陽
- 【ミニ四駆 052】タイプ2にリヤステーをつけてみた – 大人だって、本気で遊んでもいいんじゃない!?
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