ミニ四駆のスーパー2シャーシは、2010年の発売以来、その軽量性と駆動の調整幅の広さから多くのレーサーに愛されてきたシャーシです。フルカウルミニ四駆のプレミアム版やレーサーミニ四駆に採用され、シャーシカラーのバリエーションが豊富なことも魅力のひとつ。ただし、本格的に速いマシンを目指すには駆動系の細かな調整や、バンパーレス加工後のブレーキセッティングなど、他のシャーシにはない独自のノウハウが必要になります。
この記事では、スーパー2シャーシの改造に必要な基礎知識から、具体的なパーツ選定、駆動調整のコツまでを網羅的に解説します。初心者でも取り組みやすい無加工ポン付けセッティングから、上級者向けの細かな調整テクニックまで、幅広くカバーしていますので、ぜひ参考にしてみてください。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ スーパー2シャーシの基本特性と他シャーシとの違い |
| ✓ 速さを引き出すための駆動系調整の具体的手順 |
| ✓ 目的別のおすすめパーツ構成とセッティング方法 |
| ✓ B-MAXレギュレーション対応のマシン製作例 |
ミニ四駆スーパー2シャーシの改造における基本特性
- スーパー2シャーシの軽量性を活かした改造戦略
- カラーバリエーションとカーボン強化シャーシの選択
- まとめ：ミニ四駆のスーパー2シャーシ改造で押さえるべき基礎知識
スーパー2シャーシの軽量性を活かした改造戦略
スーパー2シャーシ最大の強みは115gという圧倒的な軽さです。現行シャーシの中で最軽量のこの特性は、速度重視のセッティングにおいて大きなアドバンテージとなります。
📊 主要シャーシ重量比較表
| シャーシ名 | 重量 | 特徴 |
|---|---|---|
| スーパー2 | 115g | 最軽量、しなやかさあり |
| VS | 約120g | 軽量で駆動効率良好 |
| MA | 約130g | バランス型 |
| MS | 約135g | フレキ加工に最適 |
軽量性を活かすためには、チューン系モーターとの組み合わせが効果的です。パワーの少ないモーターでも、シャーシが軽ければ十分な速度を発揮できます。
スーパー2シャーシはシャーシが軽い分速度も出やすいので、パワーの少ないチューン系モーターでも速さを出すことができます
出典：ムーチョのミニ四駆ブログ
ただし、軽量ゆえに強度面での課題も存在します。一般的には、ジャンプの多い立体コースでは耐久性に不安が残るため、マスダンパーの適切な配置やバンパー補強が重要になってきます。
カラーバリエーションとカーボン強化シャーシの選択
スーパー2シャーシは他のシャーシと比較して、シャーシカラーが非常に豊富です。ブラック、ホワイト、レッド、ブルー、パープル、メタリックグリーンなど多彩な選択肢があり、マシンのコンセプトに合わせたカラーコーディネートが可能です。
🎨 人気のシャーシカラー組み合わせ例
| シャーシ本体 | Aパーツ | 用途・印象 |
|---|---|---|
| カーボングレー | カーボンブラック | 実戦志向の渋い仕様 |
| ブラック | メタリックグリーン | フルカウルミニ四駆風 |
| ホワイト | ブラック | 自由皇帝風のコントラスト |
| ディープレッド | ガンメタル | 高級感のあるスポーティ仕様 |
特に注目すべきは、ビクトリーマグナムプレミアムやバンガードソニックプレミアムに付属するカーボン強化シャーシです。通常キットで入手できるカーボン強化シャーシは、おそらくスーパー2シャーシだけの特権といえるでしょう。
カーボン配合ナイロン樹脂製のこのシャーシは、通常のABS製と比べて剛性が高く、駆動効率も向上する可能性があります。本格的な改造を目指すなら、カーボン強化シャーシの選択も検討する価値があります。
まとめ：ミニ四駆のスーパー2シャーシ改造で押さえるべき基礎知識
最後に記事のポイントをまとめます。
- スーパー2シャーシは115gで現行シャーシ中最軽量である
- 軽量性を活かすにはチューン系モーターとの組み合わせが効果的である
- シャーシカラーのバリエーションが豊富でカスタマイズ性が高い
- カーボン強化シャーシが通常キットで入手できる珍しいシャーシである
- 軽量ゆえに強度面での補強が必要になる場面がある
- バッテリーホルダーは強化されているが着地の衝撃で外れる報告もある
- フルカウルミニ四駆やレーサーミニ四駆に多く採用されている
- スーパー1シャーシの後継として2010年に登場した
- ポリカABS素材採用でスーパー1より強度が向上している
- 動物系ミニ四駆にも多く採用されライトグリーンなど珍しい色もある
ポチップ
ミニ四駆スーパー2シャーシの改造テクニックと実践例
- 駆動系の精密調整で速さを引き出す方法
- バンパーレス加工とブレーキセッティングの実践
- ファーストトライパーツセットを活用した無加工改造
- B-MAXレギュレーション対応のマシン製作例
- まとめ：ミニ四駆スーパー2シャーシの改造で速さを実現する
駆動系の精密調整で速さを引き出す方法
スーパー2シャーシで本格的に速いマシンを作るには、駆動系の細かな調整が不可欠です。他のシャーシと比べて調整の自由度が高い反面、適切なセッティングをしないとパワーロスが発生しやすいという特徴があります。
⚙️ 駆動系調整の主要ポイント
| 調整箇所 | 目的 | 具体的な方法 |
|---|---|---|
| カウンターギヤ固定 | 左右ブレの防止 | ベアリング仕込みまたは軸穴新造 |
| プロペラシャフト | 上下ブレの抑制 | ギヤ間を詰める、ペラ受け調整 |
| クラウン・スパーギヤ | 干渉の削減 | 壁の切り取り、位置調整 |
| モーター固定 | 左右ブレの防止 | マルチテープ貼付、ホルダー加工 |
ペラシャは VZ用に調整したものだと短くて入りませんでした。VZよりは長くセッティングしなければいけませんね
プロペラシャフトの長さ調整は特に重要です。クラウンギヤのヘソに近い位置で噛み合うため、少しでも長さをミスするとロスが発生します。一般的には、VZシャーシより長めに設定する必要がありますが、噛み合い位置は奥に入るため実質的には短いペラシャフト位置になります。
また、「ティンティンティン」という金属音が聞こえる場合は、リアのペラシャフト浮きが原因です。リアのギアカバー裏へポリカ片を貼り付けて上下の暴れを抑えることで、この問題は解決できます。
バンパーレス加工とブレーキセッティングの実践
スーパー2シャーシの改造において悩ましいのが、バンパーレス加工後のブレーキ調整です。現代のミニ四駆改造ではバンパーレスが主流ですが、スーパー2シャーシならではの課題があります。
🔧 バンパーレス加工の注意点
- ✅ 加工自体はかんたんだが強度が落ちる
- ✅ フロント部分の高さが無くブレーキ調整が難しい
- ✅ 取り付け方が限られブレーキに影響が出やすい
- ✅ 補強プレートの追加が推奨される
フロントバンパーの補強には、リヤステー用FRPをフロントに使用する方法が効果的です。根元の部分でビス止めできるため、バンパーを根本から強化できます。
ブレーキ設定については、マルチ補強プレートを活用する方法が一般的です。両端に皿ビス加工をして6mmの皿ビスで固定すれば、小径タイヤでも適切なブレーキ高を確保できます。
ファーストトライパーツセットを活用した無加工改造
初心者や無加工でのマシン製作を目指す方には、ファーストトライパーツセットFMAを中心としたセッティングがおすすめです。
📦 基本パーツ構成例（定価ベース約5000円）
| パーツ名 | 価格 | 用途 |
|---|---|---|
| ARシャーシ（低摩擦樹脂製軸受用） | ¥300 | 回転抵抗の低減 |
| トルクチューン2モーター | ¥360 | バランス型駆動 |
| 中空軽量プロペラシャフト | ¥140 | 軽量化 |
| ファーストトライパーツセットFMA | ¥900 | 基本パーツ一式 |
| スリムマスダンパー | ¥440 | 制振 |
| ARシャーシブレーキセット | ¥360 | ブレーキ機能 |
低摩擦樹脂製軸受取り用のARシャーシ、トルクチューン2モーター、中空軽量プロペラシャフトなどを組み合わせ、フル充電のネオチャンプで18秒を切るくらいでした
このセッティングでは、ローラーなどはプラスチックのままですが、後からアルミ製のベアリングローラーに変更すればさらなる性能アップが見込めます。完走率も高く、これをベースに段階的に改造を進められる点が魅力です。
B-MAXレギュレーション対応のマシン製作例
B-MAXレギュレーション（パーツ無加工ポン付け）でスーパー2シャーシを使う場合、サイドマスダンパーの取り付けが課題になります。しかし、AOパーツのEXサイドステーを使えばこの問題は解決できます。
🏁 B-MAX仕様の具体的構成
| 部位 | 使用パーツ | 備考 |
|---|---|---|
| フロントステー | HG カーボンフロントステー(1.5mm) | 2段アルミローラー装着 |
| リヤステー | HG カーボンリヤステー(3mm) | 19mmオールアルミベアリングローラー |
| サイドマスダンパー | EXサイドステー + スリムマスダンパー | リヤタイヤ寄りに配置 |
| フロントバンパー補強 | フロントアンダーガード | ローラー用ビスの引っかかり防止 |
AOパーツの EXサイドステー を使うことで、スーパー2シャーシにサイドマスダンパーを取り付けることができます
出典：ムーチョのミニ四駆ブログ
サイドステーを使ったマスダンパー取り付けは、取り付け位置がリヤタイヤ寄りになってしまいますが、面積の多いボディへの取り付けには問題ありません。実際にコースで走らせてみても、しっかりとマシンを制振してくれる効果が確認できるはずです。
フロントアンダーガードの追加は、ローラー用ビスの引っかかり防止だけでなく、スーパー2シャーシのバンパー強度補強にも貢献します。
まとめ：ミニ四駆スーパー2シャーシの改造で速さを実現する
最後に記事のポイントをまとめます。
- 駆動系の精密調整がスーパー2シャーシで速さを出す鍵である
- プロペラシャフトの長さと噛み合い位置の調整が重要である
- ペラシャフトの上下ブレは金属音の原因となり性能に影響する
- バンパーレス加工は簡単だが強度低下とブレーキ調整に注意が必要である
- ファーストトライパーツセットでの無加工改造も十分な性能が出せる
- B-MAXレギュレーションではEXサイドステーでサイドマスダンパーが取り付け可能である
- フロントアンダーガードはバンパー強度補強にも効果的である
- 中空軽量プロペラシャフトと中空シャフトで足回りを軽量化できる
- ワンロックギヤカバーの採用でメンテナンス性が向上している
- カウンターギヤの固定とモーター固定の工夫でパワーロスを削減できる
ポチップ
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- スーパーⅡシャーシを速くする為に改造する!!（ダッシュ0号ホライゾン）
- めちゃくちゃ深堀りS2シャーシ その9 没にした改造
- 【ビギナー向け】S2シャーシサンプルマシン
- 【ミニ四駆】選ばれたのはS2シャーシ➁シャーシ・駆動チェック
- 【スーパー2シャーシの改造】メリットデメリット｜実際の改造マシンと合わせて紹介
- SUPER 2 – ミニ四駆改造マニュアル@wiki
- 【ミニ四駆】スーパー2シャーシのB-MAXマシンをご紹介☆ネオトライダガーZMCカーボンSPがカッコ良い!!
- 【ミニ四駆】第1回「ルーキーレーサー・リュウジ自己紹介」
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