ミニ四駆でコースアウトを防ぐために重要な役割を果たすのが、フロントローラーのスラスト角調整です。市販の角度調整プレートもありますが、自作することでマシンに合わせた細かな調整が可能になり、コストも抑えられます。
この記事では、ミニ四駆のスラストプレートを自作する方法について、必要な工具や材料、具体的な加工手順、さらにスラスト角の適切な設定方法まで詳しく解説していきます。初心者の方でも取り組みやすい内容になっていますので、ぜひチャレンジしてみてください。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ スラストプレートの自作に必要な材料と工具がわかる |
| ✓ 両面ダイヤモンド砥石を使った削り方のコツが学べる |
| ✓ 適切なスラスト角の目安と調整方法が理解できる |
| ✓ 市販品との違いやメリット・デメリットが把握できる |
ミニ四駆のスラストプレート作り方の基本
- スラストプレートの自作は両面ダイヤモンド砥石で斜めに削るだけ
- 自作プレートは市販品より細かな角度調整が可能
- スラスト角の目安は2~3度がおすすめ
スラストプレートの自作は両面ダイヤモンド砥石で斜めに削るだけ
ミニ四駆のスラストプレートを自作する方法は、実は驚くほどシンプルです。FRPプレートやカーボンプレートを両面ダイヤモンド砥石で斜めに削るだけで完成します。
📋 スラストプレート自作に必要な材料と工具
| 材料・工具 | 詳細 | 備考 |
|---|---|---|
| カーボンプレート or FRPプレート | 直プレート推奨 | 耐久性重視ならカーボン |
| 両面ダイヤモンド砥石 | #400と#1000 | SK11製が人気 |
| 水 | 砥石使用時に必要 | 削り粉を流すため |
| 分度器アプリ | スマホ用 | 角度測定に使用 |
作業手順としては、まず**#400番の粗い面で荒削り**を行います。この際、プレートの片側に力がかかるように削っていくことがポイントです。左右に動かしながら削ると、慣れてくれば2~3分でかなり削れるようになります。
ダイヤモンド砥石を使うと、とても硬いカーボンプレートも、いとも簡単に削ることができます
出典:ミニ四駆改造アカデミー
ある程度削れたら、#1000番の細かい面で仕上げを行います。この工程で表面がツルツルになり、ローラーとの接触もスムーズになります。
⚠️ 削る際の注意点
- ✅ 左右均等に削ること(片側だけ削りすぎるとスラストが狂う)
- ✅ 削りすぎに注意(少しずつ削って確認する)
- ✅ 水をつけて削ること(摩擦熱を抑える)
自作プレートは市販品より細かな角度調整が可能
市販のスラスト調整プレートと自作プレートの最大の違いは、角度調整の自由度にあります。
🔧 市販品と自作品の比較
| 項目 | 市販品 | 自作品 |
|---|---|---|
| 角度のバリエーション | 1°、2°、3°の3種類 | 任意の角度に調整可能 |
| 厚み | 固定(プラ製は薄い、アルミ製は厚い) | FRP/カーボン1枚分(約1.5mm) |
| 耐久性 | プラ製は低い、アルミ製は高い | FRP<カーボン |
| コスト | プラ製:安価、アルミ製:高価(限定品) | 端材利用で実質無料~数百円 |
| 左右別々の調整 | チップ型なら可能 | 切り離せば可能 |
市販の「ローラー角度調整プレートセット」は1°、2°、3°の3種類が入っていますが、1.5°や2.5°といった中間の角度が欲しい場合には対応できません。一方、自作プレートなら削り具合を調整することで、マシンに最適な角度をピンポイントで作り出せます。
GUPの角度調整チップの場合、プラ製は耐久性がないので、使い続けていると潰れたり角度が変わったりする場合も。そしてアルミ製は耐久性は高いですが、厚みがあるのでローラーの高さが出てしまいます
出典:ムーチョのミニ四駆ブログ
また、自作プレートを切り離せば左右のローラーごとに異なる角度を設定することも可能です。これにより、コースの特性に合わせた細かなセッティングが実現できます。
スラスト角の目安は2~3度がおすすめ
スラスト角の設定は、マシンの安定性と速度のバランスを取る上で非常に重要です。一般的な目安として、2~3度のダウンスラストが推奨されています。
📐 スラスト角による効果の違い
| スラスト角 | 効果 | 適したシチュエーション |
|---|---|---|
| 0度(フラット) | 最も速いが不安定 | 平坦なコース専用 |
| 1~2度 | 速度重視でやや安定 | 緩やかなコース |
| 2~3度 | バランス型 | 汎用性が高い(推奨) |
| 3~5度 | 安定性重視 | バンクやLCが多いコース |
| 5度以上 | 過剰な抵抗 | 通常は不要 |
スラスト角を測定するには、スマホの分度器アプリが便利です。実際にマシンに取り付けた状態でローラー面にスマホを当てれば、簡単に角度が測定できます。
💡 スラスト角調整のポイント
- コースレイアウトによって最適角度は変わる
- チューン系モーターなら3度前後でも安定することが多い
- タイヤ径を変更すると必要なスラスト角も変化する
- 実際に走らせて微調整することが重要
スラストの角度は、コースレイアウトによって変えるべきではありますが、だいたい2~3度を目安にスラストをつければ問題ありません
出典:ミニ四駆改造アカデミー
スラスト角が浅すぎるとコーナーやLCでコースアウトしやすくなり、逆にキツすぎるとコースとの抵抗が増えて速度が落ちてしまいます。自作プレートなら、この微妙なバランスを見極めながら最適な角度に調整できるのが大きな魅力です。
ミニ四駆のスラストプレートを自作する実践テクニック
- バンパー用とローラー用で使い分けると効果的
- 現場での簡易調整にはホイルシールが便利
- スラスト抜け対策も同時に施すべき
- まとめ:ミニ四駆のスラストプレート作り方のポイント
バンパー用とローラー用で使い分けると効果的
スラストプレートには大きく分けてバンパー全体の角度を調整するタイプと個々のローラーに取り付けるタイプの2種類があります。それぞれ用途と効果が異なるため、使い分けることでより細かなセッティングが可能になります。
🎯 バンパー用とローラー用の特徴比較
| タイプ | 取り付け位置 | 効果範囲 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|
| バンパー用 | シャーシとバンパーの間 | バンパー全体 | 一括で角度調整できる | 左右の個別調整は不可 |
| ローラー用 | 各ローラーとバンパーの間 | 個別のローラー | 左右で異なる角度設定可能 | 複数個作成が必要 |
バンパー用プレートの作り方では、直プレートをそのまま削って使用します。シャーシとバンパーの間に挟むことで、フロントバンパー全体に一律の角度をつけることができます。
一方、ローラー用チップを作る場合は、加工したプレートをビス穴1つ分を目安にカットして、形を整えます。これをローラーごとに挟むことで、左右のローラーで異なるスラスト角を設定できます。
切り離せば左右別々に使用可能。削り具合を変えることで、角度のバリエーションを増やすことも可能
出典:ムーチョのミニ四駆ブログ
📝 使い分けの実例
- ✅ 基本セッティング:バンパー用で全体に2度のスラスト
- ✅ 微調整:右ローラーのみ+0.5度追加(コースの癖に対応)
- ✅ 結果:左2度、右2.5度の非対称セッティング
現場での簡易調整にはホイルシールが便利
大会やレース会場での急な調整が必要になった場合、その場でプレートを削り直すのは現実的ではありません。そんな時に役立つのが、キットに付属しているホイルシールを使った簡易調整法です。
🔧 ホイルシールを使ったスラスト調整法
角度を増やす場合(ダウンスラストを強める)
- プレート上面:ローラー穴より後方に貼る
- プレート下面:ローラー穴より前方に貼る
角度を減らす場合(スラストを抜く)
- プレート上面:ローラー穴より前方に貼る
- プレート下面:ローラー穴より後方に貼る
ホイルシールの端を小さい短冊状に切ります。こいつをプレートに貼ってスラストを調整します。1枚で1度の角度調整が可能
出典:まめ模型
⚙️ 簡易調整材料の比較
| 材料 | 厚み | 耐久性 | 入手性 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|
| ホイルシール | 薄い | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
| マルチテープ | 薄い | ★☆☆☆☆ | ★★★★★ | ★★☆☆☆ |
| ワッシャー | 厚い | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
| ポリカ端材 | 中程度 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
マルチテープも試された例がありますが、すぐに潰れてしまうため耐久性に難があります。一方、ホイルシールはちょうど良い硬さで、1大会程度なら十分に持つとされています。
スラスト抜け対策も同時に施すべき
スラストプレートを自作したら、同時にスラスト抜け対策も施しておくことを強くおすすめします。スラスト抜けとは、走行中の衝撃でローラーの角度が変わってしまい、意図しないアッパースラスト(上向き)になってしまう現象です。
⚠️ スラスト抜けによる影響
| 発生箇所 | 主な原因 | 起こりうる問題 |
|---|---|---|
| フロントローラー | フェンス接触時の衝撃 | コーナーでコースアウト |
| リヤローラー | LCでの着地衝撃 | 速度低下、不安定な走り |
スラスト抜けを防ぐための主な対策方法:
- ATバンパー軸とローラーの距離を離す
- ATバンパー軸をフロントローラーより前方に配置
- 距離が長いほど衝撃が分散される
- スプリングの圧力を調整する
- 硬いスプリングに変更(黒→銀→金)
- スプリングの幅を調整(真鍮パイプ+スペーサー)
- つっかえ棒を付ける
- マルチプレートにビスを延長
- ブレーキステーのビス穴を拡張して可動を制限
- 最も効果が大きい方法
このつっかえ棒がフロント側に傾くことを制御することによりマルチプレートがスラスト抜けする方向への可動を抑えることができます
出典:ミニ四ファン
- スプリングの圧力を均等にする
- マルチプレートのフロント側に1.5mm厚の端材を追加
- 前後のスプリング圧力差を解消
これらの対策は単独でも効果がありますが、複数を組み合わせることでより確実にスラスト抜けを防げます。特に「つっかえ棒」と「スプリング圧力の均等化」の組み合わせは効果的です。
まとめ:ミニ四駆のスラストプレート作り方のポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- スラストプレートはFRPやカーボンプレートを両面ダイヤモンド砥石で斜めに削るだけで自作できる
- #400番で荒削りし、#1000番で仕上げることで表面がツルツルになる
- 左右均等に削ることがスラスト角を正確に出すための重要なポイントである
- 一般的なスラスト角の目安は2~3度で、コースやマシンに応じて調整する
- 自作プレートは市販品と違い、任意の角度に細かく調整できるメリットがある
- バンパー全体用とローラー個別用を使い分けることで、より細かなセッティングが可能
- 現場での急な調整にはホイルシールを使った簡易調整が有効である
- スラスト角の測定にはスマホの分度器アプリが便利に使える
- スラスト抜け対策として、つっかえ棒やスプリング圧力の調整を併せて行うべきである
- FRPは加工しやすく、カーボンは耐久性が高いため、用途に応じて選択する
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- 簡単にできるスラスト調整プレートの作り方 – YouTube
- ローラーにスラストをつける『スラスト調整プレート』の作り方を紹介。|ミニ四駆改造アカデミー
- 【ミニ四駆】びば式でスラストチップ作ったら驚く程簡単にできた件 – YouTube
- 【ローラーのスラスト】調整におすすめのGUP|FRPやカーボンで自作も可能 | ムーチョのミニ四駆ブログ
- ミニ四駆 スラスト抜け対策 フロントATバンパー
- 昨日よりちょっとだけ面白いミニ四駆の作り方 その1 スラスト | じおんくんのミニ四駆のぶろぐ
- 【左右で自由自在】現場でスラストをつける方法-まめ模型
- フロントATバンパー 作り方・作成方法 – 作成編 – 【ミニ四駆 改造】 | ミニ四ファン
- ATスライドダンパー(ATスラダン) 作り方・作成方法【ミニ四駆 改造】 | ミニ四ファン
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