ミニ四駆のストッククラスは、2025年にタミヤが新たに打ち出した競技カテゴリーで、基本的にパーツの加工を禁止し「ポン付け改造」を楽しむことをコンセプトにしています。このレギュレーションでは、スライドダンパーの取り付けが可能であり、マシンの安定性を大きく左右する重要なパーツとなっています。しかし、無加工という制約の中でどのようにスライドダンパーを活用すればよいのか、多くのレーサーが試行錯誤を重ねています。
本記事では、ストッククラスにおけるスライドダンパーの効果的な使い方から、リヤアンカーの改造テクニック、さらには実際のレース現場で勝利を収めたマシンセッティングまで、ネット上に散らばる情報を集約し、独自の視点で解説していきます。初心者から中級者まで、ストッククラスでのマシン作りに役立つ実践的な知識をお届けします。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ ストッククラスでのスライドダンパー取り付けの基本ルールと注意点 |
| ✓ 無加工でリヤアンカーを作る具体的な改造手順とパーツ選定 |
| ✓ レースで勝つためのセッティングノウハウと実例 |
| ✓ B-MAXGPとの違いを理解した上でのマシン構築戦略 |
ミニ四駆ストッククラスにおけるスライドダンパーの基本知識
- ストッククラスとは無加工改造を楽しむ新レギュレーション
- スライドダンパーが果たす役割とメリット
- ストッククラスで許可される改造範囲の詳細
ストッククラスとは無加工改造を楽しむ新レギュレーション
ストッククラスは、パーツの加工を制限し、既製品の組み合わせでマシンを作る競技カテゴリーです。タミヤが2025年に発表したこの新クラスは、ミニ四駆初心者や久しぶりに復帰したレーサーでも気軽に参加できることを目的としています。
📋 ストッククラスとB-MAXGPの比較表
| 項目 | ストッククラス | B-MAXGP |
|---|---|---|
| ボディ | ポリカボディ使用可 | プラボディのみ |
| シャーシ加工 | 不可 | 不可 |
| FRP・カーボン | 皿ビス加工のみ可 | 皿ビス加工のみ可 |
| ホイール | シャフト貫通可 | シャフト貫通可 |
<blockquote> 基本はB-MAXGPと同じように、無加工でのマシン改造。しかしボディにはポリカボディが使用可能など、B-MAXGPとは違った改造が可能なレギュレーションとなっています。
出典：ムーチョのミニ四駆ブログ </blockquote>
ポリカボディの使用が認められている点が最大の特徴で、プラボディに比べて軽量化が図れます。一般的には、同サイズのボディでも数グラムの軽量化が期待できると言われています。
スライドダンパーが果たす役割とメリット
スライドダンパーは、コースからの衝撃を吸収し、マシンの安定性を向上させる重要なパーツです。特にジャンプセクションやコーナーでの挙動を制御する上で欠かせない存在となっています。
🔧 スライドダンパーの主な効果
✓ 着地時の跳ね返りを抑制 – バンパーが可動することで衝撃を逃がす ✓ コース接触時の姿勢維持 – ダンパー機能により急激な姿勢変化を防ぐ ✓ コースアウトリスクの低減 – 安定した走行で完走率が向上 ✓ セッティングの幅が広がる – バネやグリスの変更で調整可能
ストッククラスでは、フロント・リヤともにスライドダンパーの取り付けが可能です。ただし、無加工という制約があるため、取り付け方法には工夫が必要になります。
ストッククラスで許可される改造範囲の詳細
皿ビス加工とホイール貫通加工のみが許可されているというのが、ストッククラスの基本ルールです。これ以外のプレート切断や穴あけ加工は認められていません。
⚙️ ストッククラスで可能な主な改造
| 改造内容 | 可否 | 備考 |
|---|---|---|
| 皿ビス加工 | ⭕ | コース保護のため推奨 |
| ホイール貫通 | ⭕ | ホイール抜け防止 |
| プレート切断 | ❌ | 完全禁止 |
| 穴あけ加工 | ❌ | 既存穴のみ使用可 |
| FRP重ね貼り | ⭕ | 接着剤での固定は可能 |
おそらく、この制限により改造の難易度が下がり、工具を多く持たない初心者でも参戦しやすくなっていると考えられます。実際のレース現場でも、小学生レーサーが活躍している事例が報告されています。
ポチップ
スライドダンパーを活用したミニ四駆ストッククラスの実践改造
- 無加工リヤアンカーの作り方とテーパーローラー活用法
- フロントスライドダンパーの効果的な取り付けテクニック
- コースフェンス引っかかり対策と皿ビス加工の重要性
- レース現場から学ぶ実践的セッティング事例
無加工リヤアンカーの作り方とテーパーローラー活用法
スライドダンパー付属のテーパーローラーを使えば、穴あけ加工なしでリヤ1軸アンカーが作れるというのが、ストッククラス改造の画期的な発見です。 <blockquote> 今回、きのこスタビを使わなくてもリヤ1軸アンカーを作れた理由は、スライドダンパーに同梱されているテーパーローラーを使ったからです。スライドダンパーに同梱されているテーパーローラーはきのこの傘部分のような形状をしています。これがきのこスタビの代用パーツとしてドンピシャだったのです。
出典：つっつんチャンネル </blockquote>
🛠️ 無加工1軸リヤアンカー製作のパーツリスト
| パーツ名 | 用途 | 入手方法 |
|---|---|---|
| テーパーローラー | きのこスタビの代用 | スライドダンパーに同梱 |
| 弓ステー | リヤローラー取り付け | 単品購入可能 |
| 2×4mm丸ビス | ギミック固定用 | アルミシャフトストッパーに付属 |
| 各種スペーサー | 高さ調整用 | 一般的なGUP |
この改造の最大のメリットは、既存パーツの組み合わせだけで完成するという点です。従来必要だったきのこスタビの穴貫通・拡張作業が不要になり、小学生でも動画を見ながら短時間で製作可能になりました。
💡 代替パーツの選択肢
- 湯呑みスタビ – テーパーローラーの代わりに使用可能。見た目が良いとの意見もあり
- 2×6mmビス – 2×4mmビスがない場合、1.5mmスペーサーを追加して代用可能
- 5mmトラスビス – ワッシャーで微調整すれば使用できる可能性あり
フロントスライドダンパーの効果的な取り付けテクニック
シャーシとスライドダンパーの間に大ワッシャーを挟むことで、スムーズな稼働を実現できるというのが、実践者から得られた重要なノウハウです。
📐 フロントスライドダンパー取り付け手順
- ビスに大ワッシャーを通す – シャーシ側に配置
- スライドダンパーを取り付け – 上蓋のみ使用が推奨
- 大ワッシャーを挟んで固定 – 可動範囲を確保
- 締め付け強さを調整 – スライドの動きを確認しながら
<blockquote> ポイントは、シャーシとスライドダンパーの間に大ワッシャーを挟むこと。これによって、スライドダンパーの上蓋だけでもスムーズに稼働する取り付けが可能になってきます。
出典：ムーチョのミニ四駆ブログ </blockquote>
上蓋のみで取り付けるメリット
✅ ローラー位置が低くなり、ボディ選択の幅が広がる ✅ 軽量化につながる（下蓋分の重量削減） ✅ 取り付けが簡単で初心者でも作業しやすい
バネやグリスの種類については、マシンの走りやコースレイアウトに合わせて調整が必要です。一般的には、最初は標準的な硬さから始めて、実走しながら最適なセッティングを見つけていくのが効果的と言えるでしょう。
コースフェンス引っかかり対策と皿ビス加工の重要性
ローラー固定用ビス頭の出っ張りは、コースフェンスへの引っかかり原因となるため対策が必須です。ストッククラスでは端材使用が禁止されているため、別の方法を考える必要があります。
🔒 引っかかり防止の選択肢
| 対策方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 直プレート取り付け | 強度が高い | アンカー突出面積が減る |
| 純正アンダーガード | 公式パーツで安心 | 無加工での取り付けが困難 |
| 皿ビス加工＋皿ビス | シンプルな対策 | FRP1枚では強度不安 |
| FRP2枚重ね | 強度と対策を両立 | 追加コストと重量増 |
<blockquote> 皿ビスで引っ掛かり防止をするならカーボンプレートに変更するか、もしくはFRPを瞬着で2枚重ねにして使ったほうが良いかもしれません。FRPを2枚重ねて使う場合は、1mmのスペーサーを取り外せば構造上の問題はありません。
出典：つっつんチャンネル </blockquote>
⚠️ 皿ビス加工時の注意点
- ブレーキステー後方のビス穴は特に重要 – コース損傷防止のため優先的に加工
- 小学生でも安全に作業できる手動工具が存在する
- 左右2本の支柱も皿ビス加工したほうが安全性が向上
推測の域を出ませんが、FRP2枚重ねによる重量増は微々たるものであり、強度と安全性を考えれば十分に価値のある改造と言えそうです。
レース現場から学ぶ実践的セッティング事例
実際のストッククラスレースで優勝したマシンは、提灯なしのシンプル構成だったという事実が、セッティングの方向性に重要な示唆を与えています。 <blockquote> 実際にコースを走らせる中で、もっと制振性が必要だった場合にあらためてマスダンパーを変更するようにしています。
出典：ムーチョのミニ四駆ブログ </blockquote>
🏆 実際のレース優勝マシンの特徴
- シャーシ: MAシャーシまたはVZシャーシ
- モーター: ハイパーダッシュ3モーター（チューン限定戦ではトルクチューン）
- タイヤ: 26mm小径（ローフリ＋スーパーハードの組み合わせが人気）
- 提灯: なし（シンプル構成で制御を優先）
📊 提灯の有無による比較
| 要素 | 提灯あり | 提灯なし |
|---|---|---|
| 重量 | 重い | 軽い |
| セッティング幅 | 広い | 狭い |
| 安定性 | 高い（設定次第） | 速度で勝負 |
| 製作難易度 | 高い | 低い |
一般的には、提灯を付けることで安定性が増すと考えられがちですが、その分重量が増加し、駆動ロスも発生する可能性があります。実際のレース結果を見ると、軽量でシンプルな構成を丁寧にセットアップしたマシンが勝利を収めているケースが多いようです。
💭 勝つためのセッティング哲学
おそらく、ストッククラスにおいては「複雑な改造よりも基本に忠実なセッティング」が重要なのでしょう。電圧管理、駆動の精度、ブレーキのセッティングなど、地味ながら確実に効果のある部分を丁寧に仕上げることが、勝利への近道かもしれません。
まとめ：ミニ四駆のストッククラスでスライドダンパーを使いこなす改造術
最後に記事のポイントをまとめます。
- ストッククラスは無加工改造が基本で、ポリカボディ使用可能な点がB-MAXGPとの大きな違いである
- スライドダンパー付属のテーパーローラーを活用すれば、穴あけ不要でリヤ1軸アンカーを製作できる
- フロントスライドダンパーは大ワッシャーを挟むことで上蓋のみでもスムーズに稼働させられる
- コースフェンス引っかかり対策として皿ビス加工は必須で、FRP2枚重ねが強度面で推奨される
- 実際のレース優勝マシンはシンプル構成が多く、提灯なしでも十分に戦える
- 皿ビス加工とホイール貫通のみが許可された加工で、プレート切断や穴あけは禁止されている
- MAシャーシやVZシャーシが人気で、軽量なVZは特に速度面で有利とされる
- タイヤは26mm小径が主流で、前後で異なるコンパウンドを使い分けるセッティングが効果的である
- マスダンパーは必要最小限にとどめ、重量増を避けることが速さにつながる
- 初心者でも参加しやすい設計のため、基本に忠実な丁寧なセッティングが勝利の鍵となる
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- ミニ四駆初心者でも簡単に作れるストッククラス対応無加工1軸リヤアンカーの改造動画ついて｜つっつんチャンネル
- 【基本はパーツのポン付け】ストッククラス｜実際にARシャーシを改造 | ムーチョのミニ四駆ブログ
- 【ミニ四駆】ストッククラスが気になりだした…でも近所では公式戦やってなかった… – コースありません。
- トイワークスで初ストッククラスレース！ : サブカル”ダディ”ガッテム日記
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