ミニ四駆のギロチンダンパーが気になる！効果と作り方を徹底解説

ミニ四駆の改造テクニックの中で、独特な見た目と名前で注目を集める「ギロチンダンパー」。ジャンプセクションでの姿勢制御や着地の安定性向上を目的としたこのシステムは、サイドに装着する可動式のマスダンパー機構です。提灯システムとは異なる構造を持ちながら、制震効果を狙った改造として多くのレーサーが試行錯誤を重ねています。

本記事では、インターネット上に散らばるギロチンダンパーに関する情報を収集し、その効果や製作方法、セッティングのコツまで網羅的にお届けします。実際に製作した方々の検証結果や改良過程も参考にしながら、このギミックの特徴と活用法を深堀りしていきましょう。

この記事のポイント
✓ ギロチンダンパーの基本構造と制震の仕組みが理解できる
✓ サイドギロチンの具体的な製作手順とパーツ選びがわかる
✓ マスダンパーの重量選択と効果の違いを把握できる
✓ 提灯システムとの構造的な違いと改良ポイントが明確になる

ミニ四駆のギロチンダンパーとは何か

1. ギロチンダンパーはサイドに装着する可動式制震システム
2. 提灯との決定的な違いはマスダンパーの取り付け方式
3. 製作に必要なパーツと基本的な組み立て工程

ギロチンダンパーはサイドに装着する可動式制震システム

ミニ四駆のギロチンダンパーとは、マシンのサイド部分に取り付ける可動式のマスダンパーシステムを指します。その名称は、上下に可動するプレートの動きがギロチンの刃を連想させることに由来していますが、一般的には下から上へ動く構造となっています。

📊 ギロチンダンパーの基本特性

項目	内容
設置位置	シャーシのサイド部分
可動方向	主に上下方向（一部左右にも稼働）
主な目的	ジャンプ時の姿勢制御・着地安定性の向上
使用パーツ	FRPプレート、マスダンパー、シャフトストッパーなど

このシステムは、ジャンプセクションや段差での衝撃を受けた際に、マスダンパーが上下に可動することで制震効果を発揮すると考えられています。ただし、後述するように提灯システムとは構造が異なるため、期待される効果にも違いがあるようです。

サイドに可動するギミックを作成。ビスを横向きに固定する方法を応用してギロチンシステムを製作した。

出典：サイドギロチンを作ってみる。(ギミックの幅を広げる作戦応用編)

製作者の間では「サイドギロチン」とも呼ばれ、比較的シンプルな構造で製作できることから、改造の幅を広げるギミックとして注目されています。

---

提灯との決定的な違いはマスダンパーの取り付け方式

ギロチンダンパーと提灯システムは、どちらもマスダンパーを活用した制震システムですが、その構造には大きな違いがあります。

🔍 ギロチン vs 提灯：構造比較

比較項目	ギロチンダンパー	提灯システム
マスダンの固定方法	プレートに直接固定	ポールで吊り下げ（独立）
可動の自由度	システム全体で可動	マスダンパー単体で可動
重量の影響	プレート重量も加わる	マスダンパーのみ
設置位置	主にサイド	主にリア

提灯システムでは、マスダンパーがポールによって独立して吊り下げられているため、マスダンパー単体で上下運動が可能です。一方、ギロチンダンパーはプレートにマスダンパーが固定されているため、システム全体が動かなければマスダンパーも動きません。

提灯はポールにより錘が独立しているのに対して、ギロチンはプレートに錘が貼り付いている。提灯は錘のみで上下することも可能であるのに対し、ギロチンはシステム全体でないと錘が上下しない。

出典：ピエールのミニ四駆力学9 Sギロチン1

この構造的な違いが、ギロチンダンパーが「なかなか良い噂を聞かない」理由の一つかもしれません。マスダンパーが上下しにくい構造では、デッドウェイト（ただの重り）になってしまう可能性があるのです。

---

製作に必要なパーツと基本的な組み立て工程

ギロチンダンパーの製作は、比較的入手しやすいグレードアップパーツで実現できます。一般的には加工なしでも製作可能とされていますが、より洗練されたセッティングを目指す場合はFRPプレートの加工も選択肢となります。

🛠️ 基本的な必要パーツリスト

パーツ名	用途	備考
FRPプレート	可動部と固定部の土台	マルチ補強プレートやショートプレートなど
マスダンパー	制震用の重り	重量や形状は後述
シャフトストッパー	可動軸として使用	アルミ製も可だが重量に注意
各種ビス・ナット	固定と可動調整	長さ調整が重要
スペーサー	高さ調整	6mm、9mm等
ハトメ（任意）	FRP穴の補強	耐久性向上のため

📝 基本的な組み立て手順

1. 固定側プレートの準備：シャーシに取り付ける側のFRPプレートに15mm程度のビスを挿入
2. スペーサーの装着：ビスに6mmスペーサーを通す（高さはシャーシやボディに合わせて調整）
3. シャフトストッパーの取り付け：ロックナットで固定し、可動軸を作成
4. 可動側プレートの加工：曲がったタイプのFRPプレートに9mm程度のビスを挿入
5. マスダンパーの装着：可動側プレートにマスダンパーを取り付け（スプリングワッシャー使用推奨）
6. 組み合わせ：シャフトストッパーの穴に6mmビスで可動側を接続

用意するパーツは加工も無しで出来る。適当に余っているFRPを使用。ビスやスペーサーの長さは、シャーシやボディに合わせる必要がある。

出典：ミニ四駆！ミニギロチンダンパー製作！

重要なポイントは、ビスの締め具合です。締めすぎるとプレートが上手く可動せず、緩すぎると横にブレてしまうため、ワッシャーなどで隙間を微調整する必要があります。

---

ミニ四駆ギロチンダンパーの効果とセッティング

1. マスダンパーの重量選択が走行挙動に与える影響
2. 改良版スーパーギロチンは提灯機構を融合させる
3. 固定式マスダンパーという選択肢も検討の価値あり
4. まとめ：ミニ四駆のギロチンダンパーは試行錯誤が必要なギミック

マスダンパーの重量選択が走行挙動に与える影響

ギロチンダンパーの効果を最大限に引き出すには、使用するマスダンパーの重量選択が極めて重要です。実際に複数の重量で検証した結果によると、重ければ良いというわけではなく、コースレイアウトやマシン特性に応じた最適な重量が存在するようです。

⚖️ マスダンパー重量別の特性

重量帯	代表的なパーツ	主な特徴	適したコース
1.5～2.5g	スリムマスダン、ソロバン型	軽量で高速向き、姿勢が上向きになりやすい	高速フラットコース
4～5g	マスダンブラック、シリンダー型	ジャンプ姿勢・着地の安定感が向上	立体コース全般
8～9g	ヘビーマスダン	重量感で安定するが提灯への負担大	低速立体コース

検証結果では、1.5gの最軽量マスダンパーでは「LCは軽くクリアするが、姿勢が上向きになり2枚着地でコーナーが不安定になる」という報告があります。一方、4.7gのマスダンブラックに変更すると「重量は増すがジャンプ姿勢、着地の安定感が素晴らしい」という評価でした。

個人的に一番好きなシリンダーマスダン4.25g。凹処理があり、ナットまで被せることが出来るため低い位置にセット出来るのが利点。4g辺りの重さだと立体で安定する。

出典：【ミニ四駆】提灯マスダンの重さ検証！

ただし、最重量のヘビーマスダン（8.75g）では「LCで大きくフラれて頂点辺りで何かがぶつかる音がする」という問題が報告されており、提灯の強度が不足している場合は破損のリスクもあるようです。

⚠️ マスダンパー二重付けの注意点

複数の検証で共通して指摘されているのが、マスダンパーの二重付けは推奨されないという点です。

• 同じタイプのマスダンを二枚重ねると「一周目からCOする」「動きがバラバラになる」
• 異なるタイプの組み合わせでも「アメリカンクラッカーのように互いにぶつかり合う」
• マスダンの穴をテーパー加工していない場合、さらに挙動が悪化

重量調整のために二枚付けしたくなる気持ちは理解できますが、一般的には単体での使用が推奨されています。

---

改良版スーパーギロチンは提灯機構を融合させる

標準的なギロチンダンパーの弱点を克服するため、提灯の機構を取り入れた「スーパーギロチン」という改良版が考案されています。これは前述の「プレートに錘が貼り付いている」という問題点を解決しようとするアプローチです。

🔧 スーパーギロチンの改良ポイント

改良箇所	変更内容	期待される効果
マスダンの取り付け	ポール式に変更	マスダン単体での上下運動が可能に
錘の独立性	提灯と同様の構造	デッドウェイト化を回避
システムの軽量化	可動部を簡素化	全体重量の最適化

提灯とギロチンを融合しました。これで、錘が上下し易くなったはず。この辺が「スーパーギロチン」たる所以です。

出典：ピエールのミニ四駆力学9 Sギロチン1

この改良では、MSシャーシマルチブレーキやSXシャーシ用のナット止めシャフトといった「まさにギロチン製作のためにあるようなグレードアップパーツ」が活用されています。アルミシャフトストッパーも使用可能ですが、重量面から避ける選択をする製作者もいるようです。

💡 製作時の工夫ポイント

• システム全体がウエイトにならないよう可動部は簡素化
• プレートの肉抜きで軽量化
• ビスの長さ調整でプレートの角度を変更し、可動範囲を最適化

ただし、改良を重ねても「通常のジャンプと着地でここまで上に動くことはないが、上がりきってしまうと反対側に行きそうで心配」という課題は残るようで、可動範囲の制限も検討課題となっています。

---

固定式マスダンパーという選択肢も検討の価値あり

意外な検証結果として注目されるのが、マスダンパーを「あえて可動させない」固定式セッティングです。これは従来の考え方とは逆転の発想ですが、一定の効果が報告されています。

🔒 固定式マスダンパーの検証結果

マスダンを上下しないように固定する方法でもトライ。制震性も挙動も超安定。提灯の可動がスムーズであれば理論的にもマスダンが上下する必要がないし、そもそもマスダンが制震するわけではないという持論も合致。

出典：【ミニ四駆】提灯マスダンの重さ検証！

この検証では、ソロバンマスダン2.5gを固定した状態で走行させたところ、制震性と挙動の両面で安定した結果が得られたとのことです。一方で、最軽量マスダンを固定すると「軽すぎて逆に安定しない」、ヘビーマスダンを固定すると「LCで物凄い暴れっぷりを見せ提灯壊れそうな勢い」という結果も報告されています。

📊 固定式 vs 可動式の考察

方式	メリット	デメリット
固定式	システムが単純、特定条件下で安定	重量選択が限定的、柔軟性に欠ける
可動式	ダブルアクションで深く叩ける	セッティングが難しい、不安定要因も

議論の結果としては「やはりマスダンは稼働していたほうがより良い」という結論に至ったようです。その理由は、ダブルアクションにすることでより長い距離の可動ができ、より大きく衝撃に反応できるという実車のサスペンションと同様の考え方に基づいています。

⚠️ 左右非対称セッティングの危険性

興味深い実験として、左右のマスダンパーに重量差を設けて「左下がりでコーナーインさせる」試みもされていますが、これは予想外の結果を招きました。

• 左を重くすると、狙った左下がりではなく「ジャンプ時に車体が左旋回する」
• 明らかに左寄りに重りを置いても、やはり左旋回が発生
• 提灯が大きく開いたときに重りが稼働することで物理的な反動が生じる

このため、重量差による姿勢制御は「極端なコース以外では使わない方がいい」という結論が示されています。

---

まとめ：ミニ四駆のギロチンダンパーは試行錯誤が必要なギミック

最後に記事のポイントをまとめます。

1. ギロチンダンパーはサイドに装着する可動式マスダンパーシステムである
2. 提灯との最大の違いはマスダンパーがプレートに固定されている点である
3. 製作には特別な加工が不要で比較的簡単に作れるギミックである
4. マスダンパーの重量は4～5g程度が立体コースで安定しやすい傾向がある
5. 二重付けは挙動を乱すため基本的に避けるべきである
6. スーパーギロチンは提灯機構を融合させることで錘の独立性を確保する改良版である
7. 固定式マスダンパーも一定の効果があるが可動式のほうが柔軟性が高い
8. 左右非対称の重量配分は予想外の旋回を招くため注意が必要である
9. ビスの締め具合や可動範囲の調整が走行安定性に大きく影響する
10. 個々のマシン特性やコースに応じたセッティングの最適化が重要である

---

記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト

1. 【ミニ四駆】ギロチンダンパー効果検証！ジャンプが変わる！【ミニヨンクマスター】
2. サイドギロチンを作ってみる。(ギミックの幅を広げる作戦応用編)【奮闘記・第191走】
3. 【ミニ四駆】ギミック満載！アンカーAT化とギロチンダンパー！【ミニヨンクマスター】
4. ミニ四駆！ミニギロチンダンパー製作！
5. 【ミニ四駆】制振性UP！？ギロチン！第一二〇話
6. ピエールのミニ四駆力学9 Sギロチン1
7. 【ミニ四駆】提灯マスダンの重さ検証！

当ブログをご覧いただきありがとうございます。

このたび、当ブログの記事内容について無断転載とのご指摘を受けました。
事実確認が十分でない部分もありますが、著作権に関わるご迷惑をおかけする可能性を重く受け止め、記事をすべて非公開とし、今後の再確認を進めてまいります。

ご心配・ご不快の念をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。

今後は再発防止に努め、安心してご覧いただけるブログ運営を行ってまいります。