ミニ四駆のアドバンスパックは、マシンキットと改造パーツがセットになった非常にコスパの良い商品です。特にネオVQSアドバンスパックやアバンテMk.IIIネロアドバンスパックは、初心者から上級者まで幅広く支持されています。しかし、付属パーツをそのまま組み立てるだけでは、マシンの真のポテンシャルを引き出せていないかもしれません。
この記事では、アドバンスパックを購入した方が次に取り組むべき改造のポイントや、さらなるパフォーマンス向上のためのカスタム方法を詳しく解説します。コースで安定して走らせるための具体的な改造テクニックから、予算に応じた段階的なアップグレード方法まで、実践的な情報をお届けします。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ アドバンスパックの標準セッティングと改造の余地 |
| ✓ コスパ最強の追加パーツと優先順位 |
| ✓ GTアドバンスやストッククラスへの対応方法 |
| ✓ ブレーキ調整とバンクスルーの実践テクニック |
ミニ四駆アドバンスパックの改造における基本戦略
- アドバンスパックの完成度の高さと改造の方向性
- 標準セッティングから一歩進むためのパーツ選定
- シャーシ別の改造ポイントと注意点
アドバンスパックの完成度の高さと改造の方向性
アドバンスパックは、説明書通りに組み立てるだけで実戦レベルのマシンが完成するという大きな特徴があります。
📊 アドバンスパックの標準構成（ネオVQS版）
| パーツカテゴリ | 付属内容 | 単品価格（参考） |
|---|---|---|
| モーター | ライトダッシュモーター | 484円 |
| ギア | ハイスピードEXカウンターギヤ | 352円 |
| FRPパーツ | フロントワイドステー×2、マルチ強化プレート×2 | 506円 |
| マスダンパー | ARサイドマスダンパーセット | 682円 |
| ブレーキ系 | FRPリヤブレーキステー、ブレーキスポンジ | 902円 |
| その他 | 中空プロペラシャフト、2mmキャップスクリュー等 | 968円 |
ネオVQSアドバンスパックは「マシン＋GUPのコスパの良さ」が特徴で、単品で揃えると5,610円かかるところ、3,080円で購入できる
出典：ムーチョのミニ四駆ブログ
しかし、この完成度の高さゆえに**「ここから先どう改造すればいいか分からない」**という悩みも生まれます。すでにマスダンパー、ブレーキ、FRPプレートが最適に配置されているため、闇雲にパーツを追加してもバランスが崩れる可能性があるのです。
改造の方向性としては、以下の3つが考えられます：
✅ 走行環境に合わせた微調整（ブレーキの貼り方、マスダンパーの位置調整） ✅ レギュレーション対応（GTアドバンス、ストッククラスなど） ✅ パフォーマンス向上（モーター交換、ローラー追加、フラット化）
標準セッティングから一歩進むためのパーツ選定
アドバンスパックを購入した後、最初に検討すべき追加パーツには優先順位があります。
🔧 優先度別・追加推奨パーツ
| 優先度 | パーツ名 | 効果 | 価格帯 |
|---|---|---|---|
| 高 | 2段低摩擦プラローラー | フロントの安定性向上 | 300円前後 |
| 高 | ハイマウントチューブスタビ | コーナリング時の姿勢制御 | 400円前後 |
| 中 | スリムマスダンパー | フロント跳ね抑制 | 440円 |
| 中 | ステンレス皿ビスセット | シャーシ下面フラット化 | 300円前後 |
| 低 | ゴールドターミナル | 電力ロス軽減 | 250円前後 |
アドバンスパックにはフロント側のマスダンパーが付属していないため、多くのユーザーが最初に追加するのがこの部分です。特にVZシャーシのネオVQSでは、フロントの跳ねを抑えることでコースアウトのリスクが大幅に減少します。
GTアドバンスレギュレーション改造では、スリムマスダンパーセットの重い方をフロントに配置することで、ブレーキスポンジが貼りやすくなる
出典：yun工房＋
さらに、シャーシ下面のフラット化も重要な改造ポイントです。標準ではトラスビスの頭が飛び出しているため、これを皿ビスに交換することで、着地時の引っかかりを防ぎ、スムーズな走行が可能になります。
シャーシ別の改造ポイントと注意点
アドバンスパックには主に**VZシャーシ版（ネオVQS）とMSシャーシ版（アバンテMk.IIIネロ）**があり、それぞれ改造のアプローチが異なります。
📋 シャーシ別改造の特徴
| シャーシ | 特徴 | 改造の余地 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| VZシャーシ | 軽量・高剛性 | フロント補強が有効 | ボディとの干渉に注意 |
| MSシャーシ | バランス型 | 多様なパーツ対応 | 重量管理が重要 |
VZシャーシの場合、フロントステーをARシャーシFRPリヤワイドステーに交換することで、スラント角度を調整しやすくなります。一般的には、フロントステーを2枚重ねにすることで剛性がさらに向上しますが、まずは1枚で走らせてみて、必要に応じて追加するのが賢明です。
MSシャーシのアバンテアドバンスパックは、2025年10月に発売された比較的新しい製品で、レッドカラーのMSシャーシが付属している点が魅力です。MSシャーシは拡張性が高く、様々なGUP（グレードアップパーツ）との相性が良いため、将来的な改造の選択肢が広がります。
改造時の注意点として、GTアドバンスなどのレギュレーションに参加する場合は無加工が基本となります。接着は禁止されているため、プレートの2枚重ねは可能ですが、削る・切るといった加工は規定違反になる可能性があります。
ポチップ
ミニ四駆アドバンスパックを改造してレース仕様に仕上げるテクニック
- ブレーキ調整とバンクスルーの実践方法
- モーターとギア比の最適な組み合わせ
- ローラーセッティングで走行安定性を高める
- まとめ：ミニ四駆アドバンスパックの改造で押さえるべきポイント
ブレーキ調整とバンクスルーの実践方法
アドバンスパックの大きな特徴の一つが、バンクスルーができるブレーキ設計です。これは、バンク（緩やかなカーブ）ではブレーキが効かず、スロープ（急な下り）でのみブレーキが効くというセッティングです。
🎯 バンクスルーの原理と効果
バンクスルーは、FRPプレートの取り付け角度とブレーキスポンジの貼り方によって実現されます。アドバンスパックでは、リヤ周りのFRPがあらかじめ角度を持って設計されているため、適切にブレーキスポンジを貼るだけでこの効果が得られます。
| セクション | ブレーキの効き | 速度への影響 |
|---|---|---|
| バンク | 効かない | スピードを維持 |
| スロープ | 効く | 安全に減速 |
| ストレート | 効かない | 最高速度を発揮 |
実際のブレーキ調整では、ブレーキスポンジの厚さと貼る位置が重要になります。コースで走らせながら、スロープでの減速具合を確認し、効きすぎる場合はスポンジを薄く削る、効きが弱い場合は厚いスポンジに交換するといった微調整が必要です。
タミヤ公式の改造として、リヤ周りのFRPの取り付けはブレーキを貼った時にバンクスルーできるように考えられている
出典：ムーチョのミニ四駆ブログ
また、マルチテープを使用することで、ブレーキスポンジの微調整や位置変更が容易になります。最初は仮止めで様子を見て、最適な位置が決まってから本格的に貼り付けるのが推奨されます。
モーターとギア比の最適な組み合わせ
アドバンスパックに付属するライトダッシュモーターと3.7:1ギア比は、初心者にとって扱いやすいバランスの取れた組み合わせです。しかし、コースで走らせてみると「少し遅い」と感じるケースもあるようです。
⚙️ モーターアップグレードの選択肢
| モーター | 特性 | 推奨ギア比 | 適した使用環境 |
|---|---|---|---|
| ライトダッシュ | バランス型 | 3.7:1〜4.2:1 | 初心者・練習用 |
| ハイパーダッシュ | スピード重視 | 4.2:1〜5:1 | テクニカルコース |
| スプリントダッシュ | トルク重視 | 3.5:1〜4:1 | 高速コース |
ただし、モーターを交換する際はマシン全体のバランスを考慮する必要があります。スピードが上がればコーナリングでの負荷も増すため、ブレーキやマスダンパーの調整も同時に行わなければなりません。
おそらく、ライトダッシュモーターで「遅い」と感じる場合、まずはギア比を3.5:1に変更してみるのが安全策でしょう。モーターはそのままでギア比だけを変えることで、電池への負担やブレーキセッティングへの影響を最小限に抑えながらスピードアップが図れます。
ローラーセッティングで走行安定性を高める
アドバンスパックには13mmの低摩擦プラスチックローラーが付属していますが、さらなる安定性向上にはローラーの追加や変更が効果的です。
🎪 推奨ローラーセッティング
フロント側：
- **2段低摩擦プラローラー（13-13mm）**に変更
- ハイマウントチューブスタビを追加（湯呑みスタビとも呼ばれる）
リヤ側：
- 標準の13mmローラーを継続使用
- 必要に応じて19mmローラーへのアップグレードも検討
2段ローラーとチューブスタビの組み合わせは、特にジャンプセクションでの着地安定性とコーナリング時の姿勢制御に大きく貢献します。チューブスタビは、レーンチェンジャーでの横ブレを抑える効果もあり、コースアウトのリスクを大幅に低減します。
ローラーの材質については、低摩擦プラスチックローラーが基本ですが、ベアリングローラーの使用は一般的にGTアドバンスでは禁止されているため、参加するレギュレーションを事前に確認してください。
まとめ：ミニ四駆アドバンスパックの改造で押さえるべきポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- アドバンスパックは3,080円で5,610円相当のパーツが揃う圧倒的なコスパ商品である
- 標準セッティングでも実戦レベルだが、フロントマスダンパーの追加で安定性が向上する
- バンクスルー設計により、スロープでのみブレーキが効く効率的なセッティングが可能である
- シャーシ下面のフラット化（皿ビス化）は必須の基本改造といえる
- ライトダッシュモーターは扱いやすいが、スピード不足を感じたらギア比変更から検討する
- フロントローラーを2段ローラー＋チューブスタビに変更すると走行安定性が大幅に向上する
- GTアドバンスでは無加工が基本のため、接着や削りは規定違反になる可能性がある
- ネオVQSアドバンスパックは2020年発売後プレミア価格になるほどの人気商品である
- 実車系ボディーへの変更でGTアドバンスレギュレーションに対応できる
- 改造の参考書として、アドバンスパックのGUP配置は他のマシンにも応用可能である
ポチップ
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- 【絶対買うべき】ネオVQS アドバンスパック｜待ち望まれていた優秀キットの再販 | ムーチョのミニ四駆ブログ
- ［ミニ四駆］早速アドバンスパック作った！ | yu-ponのファミリーブログ
- ミニ四駆GTアドバンス ネオVQSアドバンスパック(VZシャーシ)のおすすめ改造 | yun工房＋
- 【ミニ四駆】「絶対買い！ミニ四駆アドバンスパックレビュー！」 – YouTube
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- 初心者必見‼ミニ四駆チャンピオンが最高のブレーキ術教えます‼ネオVQSアドバンスパック – YouTube
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