ミニ四駆の改造において、リアローラーを後方へ伸ばす「アンカー改造」は、マシンの安定性を高める重要なテクニックです。その中でも、2022年にセイCHAN氏が考案した「セイCHAN式アンカー」は、入手しやすいパーツで構成され、作業工程もシンプルなことから、多くのレーサーに支持されています。フルカウル用フロントカーボンなどのプレミア化したパーツを使わずとも、13mm用穴を活用することで効果的な後ろ伸ばしが実現できる点が最大の魅力です。
本記事では、セイCHAN式アンカーの具体的な取り付け方法から、引っかかり防止の工夫、専用治具の活用法、さらには土台の選び方や13mm・17mm・19mmといったローラー径ごとの特徴まで、徹底的に解説していきます。これからアンカー改造に挑戦したい初心者の方も、より完成度の高いマシンを目指す上級者の方も、きっと役立つ情報が見つかるはずです。
| この記事のポイント |
|---|
| ✅ セイCHAN式アンカーの基本構造と必要なパーツが分かる |
| ✅ 具体的な取り付け手順と加工のコツを習得できる |
| ✅ 治具を使った精密な作業方法を理解できる |
| ✅ ローラー径ごとのメリット・デメリットが把握できる |
ミニ四駆のセイchan式アンカーとは?基本を押さえよう
- セイchan式アンカーが支持される5つの理由
- 19mmローラーが最適な2つの根拠
- セイchan式アンカーのデメリットも把握しておこう
セイchan式アンカーが支持される5つの理由
セイCHAN式アンカーは、2021年4月頃に完成し、その後東海や関東のレーサーたちによって広まった改造手法です。なぜこれほどまでに人気を集めたのか、その理由を整理していきましょう。
📊 セイCHAN式アンカーの5大メリット
| メリット | 詳細内容 |
|---|---|
| ①入手性の良さ | HG 13・19mmローラー用カーボンマルチ補強プレート(2mm金ラメ)とHGカーボンリヤブレーキステー(1.5mm)で構成。現在でも比較的入手しやすい |
| ②後ろ伸ばし性能 | 13mm用穴を支点に円を描くことで、フルカウル用フロントステー同等かそれ以上の後方配置が可能 |
| ③軽量化 | バンパー部分が空洞、左右橋渡し部分がないなど軽量設計ながら、必要な強度と剛性を確保 |
| ④作業の簡便性 | 既存穴をほぼ活用するため工程が少なく、制作時間は1時間程度 |
| ⑤幅の調整自由度 | レギュレーションギリギリの104.8mm程度まで広げられ、絞ることも可能 |
従来の後ろ伸ばしアンカーでは、フルカウル用フロントカーボンステー(1.5mm)やHGボールリンクマスダンパー スクエア/カーボンプレートといった、現在では入手困難なプレミアパーツが必要でした。一般的には3,000円~4,000円程度で取引されることも珍しくありません。
セイCHAN式は比較的入手が容易なパーツで構成されており、コストパフォーマンスに優れている
出典:P!MODEL LABO
この入手性の良さこそが、セイCHAN式アンカーが広く普及した最大の要因といえるでしょう。
19mmローラーが最適な2つの根拠
セイCHAN式アンカーでは、19mmローラーの使用が推奨されています。考案者のセイCHAN氏自身は「見た目が良かった」と語っているそうですが、実は構造的にも理にかなった選択なのです。
🎯 19mmローラーを選ぶべき技術的理由
| 理由 | 説明 |
|---|---|
| 最大限の後ろ伸ばし | フルカウル用プレート等よりも後方に伸びる。17mmではやや前寄り、13mmでは直プレートと同等になってしまう |
| パーツの選択肢 | ローラーの材質や形状のバリエーションが豊富で、入手性も現在は良好 |
17mmや13mmローラーでも作成は不可能ではありませんが、穴位置をずらすなどの追加工程が必要になります。その結果、作業コストパフォーマンスが悪化してしまうのです。
19mmローラーを使用することで、既存の穴配置を最大限活用しながら、理想的な後ろ伸ばしを実現できます。これは偶然ではなく、設計段階から計算された選択だったといえるでしょう。
セイchan式アンカーのデメリットも把握しておこう
メリットばかりに目が行きがちですが、セイCHAN式アンカーにも注意すべき点があります。改造を行う前に、これらのデメリットをしっかり理解しておきましょう。
⚠️ セイCHAN式アンカーの主なデメリット
- ローラーベースが伸びがち:全体的なホイールベースが長くなる傾向がある
- フロントとのバランス調整:フロントバンパー位置との兼ね合いを考慮する必要がある
- 片軸・両軸での配置検討:軸の数によって最適な配置位置が変わる
- アンカー基部の精度:二等辺三角形になるように配置する必要があり、ずれると性能に影響
全体的なローラーベースが伸びがちになったり、フロントバンパー位置との兼ね合いや、片軸と両軸での配置位置等、作る際にはバランスをとりながら作成する必要がある
出典:P!MODEL LABO
特に重要なのは、アンカー基部を頂点とした二等辺三角形の形成です。この精度が低いと、マシンの挙動が不安定になる可能性があります。そのため、専用治具の使用が強く推奨されているのです。
ミニ四駆のセイchan式アンカー実践編!取り付けから調整まで
- セイchan式アンカーの取り付け方は3つの工程で完成する
- セイchan式アンカーの引っかかり防止ステーで走行安定性を高める方法
- セイchan式アンカーの治具を活用すれば精度が劇的に向上する
- セイchan式アンカーの土台選びがマシン性能を左右する
- まとめ:ミニ四駆のセイchan式アンカーで理想のマシンを作ろう
セイchan式アンカーの取り付け方は3つの工程で完成する
セイCHAN式アンカーの制作は、大きく分けて3つの工程で進めます。必要なパーツは「HGカーボンリヤブレーキステー」と「HG 13・19mmローラー用カーボンマルチ補強プレート(通称:直プレート)」の2つです。
🔧 セイCHAN式アンカー制作の基本工程
| 工程 | 作業内容 | 使用工具・材料 |
|---|---|---|
| 工程①:直プレート加工 | 直プレートを半分(5cm)にカット後、4枚重ねて直角に整形 | カッター、板やすり、400番ヤスリ |
| 工程②:ブレーキステー加工 | アンカー基部となる穴を5mmに拡張 | ダイヤモンドバー(直径4.8mm程度) |
| 工程③:組み付け | 加工したパーツを組み合わせてアンカー軸を作成し、本体に取り付け | 各種ビス、ナット |
📝 詳細な作業手順
【直プレートの加工】
- 約10cmの直プレートの中央(5cm位置)にケガキ線を入れる
- 固定治具を使ってカット
- カットした4枚を重ね、板やすりで直角に整形
- 400番のヤスリで丁寧に仕上げる
【ブレーキステーの加工】
- アンカー基部になる部分の穴をダイヤモンドバーで拡張
- 目標は5mm程度の穴径
- 削り足りない場合は追加で拡張
治具で固定してマスキングテープで目印をつけてカット。その後4枚重ねて直角にする
出典:5DESUです。
おそらく初心者の方でも、この手順に従えば1~2時間程度で完成させることができるでしょう。ただし、直角の精度がマシン性能に直結するため、焦らず丁寧に作業することをおすすめします。
セイchan式アンカーの引っかかり防止ステーで走行安定性を高める方法
セイCHAN式アンカーを実際にコースで走らせると、コースのジョイント部分や段差でアンカー部分が引っかかってしまうことがあります。この問題を解決するのが「引っかかり防止ステー」です。
🛡️ 引っかかり防止ステーの効果
- コースジョイント部での引っかかりを軽減
- 段差乗り越え時のスムーズな走行
- アンカー部の物理的保護
- マシン全体の安定性向上
引っかかり防止ステーは、カーボンプレートの切れ端などを活用して自作できます。アンカーの先端部分に取り付けることで、地面との接触角度を緩やかにし、引っかかりを防止する仕組みです。
一般的には、以下のような形状が効果的とされています:
- 斜めに角度をつけた形状:地面との接触を滑らかに
- 適度な長さ:2~3cm程度が目安
- 軽量化:余分な重量を追加しないよう最小限の面積で
ただし、引っかかり防止ステーを取り付けると若干の重量増になるため、マシン全体のバランスを考慮する必要があります。
セイchan式アンカーの治具を活用すれば精度が劇的に向上する
セイCHAN式アンカーを高精度で制作するには、専用治具の使用が非常に有効です。特に、P!MODEL LABOが開発した「CCアンカープレート」は、アンカー基部を頂点とした二等辺三角形を正確に形成するために設計されています。
🔨 専用治具使用のメリット
| メリット | 詳細 |
|---|---|
| 精度の向上 | 二等辺三角形の形成が正確になり、左右対称性が保たれる |
| 作業時間の短縮 | 位置合わせや角度調整が簡単になる |
| 再現性 | 複数台のマシンで同じ仕様を再現しやすい |
| 失敗リスクの低減 | 目測や手作業によるズレを防げる |
治具は使いやすいものが多く、お金があるなら全部試してみたいという声も
出典:5DESUです。
P!MODEL LABOの治具は、BASEやメルカリなどで購入可能です。初期バージョンはアクリル製でしたが、現在ではステンレス製の治具も視野に入れた開発が進められているとのことです。
治具を使わない場合の注意点
治具を使用せずに制作する場合は、以下の点に特に注意が必要です:
- 左右のバンパー長さを正確に揃える
- アンカー基部からの角度を左右対称にする
- 定規やノギスで細かく計測しながら作業する
おそらく、治具なしでも制作は可能ですが、精度を追求するなら専用治具への投資は十分価値があるといえるでしょう。
セイchan式アンカーの土台選びがマシン性能を左右する
セイCHAN式アンカーの「土台」とは、アンカーを取り付けるシャーシ側の基盤部分を指します。この土台の選択と加工が、最終的なマシン性能に大きく影響します。
🏗️ 土台選びで考慮すべき要素
- シャーシタイプ:MSシャーシ、MAシャーシ、ARシャーシなど
- フレキ構造との相性:フレキシブルな構造を採用する場合の取り付け位置
- 重量バランス:フロント・リアの重量配分
- ローラーベース:全体的な軸間距離とのバランス
一般的には、MSシャーシでのフレキ構造との組み合わせが多く見られます。MSシャーシは軽量で剛性も確保しやすいため、セイCHAN式アンカーとの相性が良いとされています。
土台加工のポイント
- 取り付け位置の検討:片軸か両軸かを決定
- 穴あけ加工:必要に応じて追加の穴あけを実施
- 補強:アンカー基部への負荷を考慮した補強
- 仮組み:実際に組み付けてバランスを確認
推測の域を出ませんが、土台の剛性が不足していると、走行中にアンカー部分がブレてしまい、本来の性能を発揮できない可能性があります。
まとめ:ミニ四駆のセイchan式アンカーで理想のマシンを作ろう
最後に記事のポイントをまとめます。
- セイCHAN式アンカーは入手しやすいパーツで構成され、作業工程もシンプルである
- 13mm用穴を活用することで、フルカウル用プレート以上の後ろ伸ばしが可能
- 19mmローラーの使用が最も効率的で、パーツの選択肢も豊富である
- バンパー部分の空洞化により軽量化を実現しながら強度も確保している
- アンカー基部を頂点とした二等辺三角形の精度がマシン性能を左右する
- 専用治具を使用することで作業精度と再現性が向上する
- 引っかかり防止ステーの追加でコース適応性が高まる
- ローラーベースの延長やフロントとのバランス調整が必要である
- 土台となるシャーシ側の加工と補強も重要な要素である
- 制作時間は約1時間程度で、初心者でも挑戦しやすい改造手法である
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- 【P!知識】セイCHAN式アンカーの考察|P lab co.ltd.,ウチダケイ/ポラ
- セイCHAN式アンカーを作る | サバ缶のミニ四駆ブログ
- 【ミニ四駆】セイCHAN式アンカーを作ろう。その1。 – 5DESUです。
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